モンキー的映画のススメ

モンキー的映画のススメ

主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

インヒアレント・ヴァイスの感想

インヒアレント・ヴァイス

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週末に見ておきたかったけど、時間が合わず今日に至ってしまった。
てか、ヒュートラ渋谷しかやってないし!でも、水曜サービスデーで1100円だったのでラッキー( ´ ▽ ` )ノと思いながら鑑賞してきました。
 
ロサンゼルスに住む探偵ドック(ホアキン・フェニックス)の前に、今も忘れられない元カノで今は不動産王で大富豪の愛人であるシャスタが現れる。
シャスタは大富豪のカレを大富豪の妻と恋人が監禁、拉致しようと企てていると訴え、その悪巧みを暴いてほしいと依頼される。
だが、捜査に踏み出したドックは殺人の濡れ衣を着せられてしまう。しかも、大富豪とシャスタは失踪してしまう始末。
そこから、シャスタ経由で死んだと思われる男の行方探し。
そんな窮地に立たされたドックはやがて
巨額が動く土地開発に絡んだ国際麻薬組織の陰謀に巻き込まれていく。
果たして、事件の真相やいかに。
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マグノリアやザ・マスター、ブギーナイツ、パンチドランクラブなどの監督で知られるポール・トーマス・アンダーソン(PTA!!)の最新作です。
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ここに挙げた過去作はどれも時間が長く、深い人間ドラマばかりでブギーナイツはけっこう好きな映画です。これは、ラスト大爆笑したなぁ。
前作ザ・マスターもカルト宗教の教祖と戦争帰りのアル中青年との絆を描いた見応えある映画でした。
 
そんな前作に引き続き主演したのが、イカれたハリウッド俳優、ホアキン・フェニックス!
 
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最新鋭のOSに片思いしてしまう中年という一癖ある男を演じたお話、herが記憶に新しいですが、この人の演技は他の俳優さんたちとは一線を画した感じで妙に見入ってしまいます。
それだけ魅力的な人なんすね。
今作も大事な時にラリってしまうヒッピーな探偵という難役(彼には楽勝?)に挑んでます。
そしてもみ上げがアゲアゲだなおいっ!
尾崎紀世彦もビックリ!
毎回アカデミー賞にノミネートした俳優をディスるのも有名ですww
 
今作には他にも、凍ったチョコバナナ依存症のロス刑事ビッグフットにジョシュ・ブローリン。角刈り!
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死んだはずが、実は洗脳されていたミュージシャン、コーイ役にオーウェン・ウィルソン。
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今作のキーパーソンてとこでしょうか。今回の彼はそこまでのコメディ色は無く何故死んで蘇るようなことになったのかという謎の多い人物です。
 
そして、ドックが頼る弁護士役にベニチオ・デル・トロ。
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ドックの今カノで、検事役のリース・ウィザースプーン。
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などと名だたる名優たちが揃ったキャスティングになってます。
 
そんな彼らの愛すべきキャラクター達が織り成した今作の感想は、
 
 

キャラ立ちはいいが、ストーリーへの理解はナレーション頼み。

 
1970年代のアメリカならではの風景や描写、フィルムで醸し出す雰囲気は、あーうまく出来てるなー、と。
そして、ホアキン演じるドックのラリってばっかで肝心なとこでダサく、でも、前のオンナだけどやっぱり好きだったんだもん、ほっとけないぜ!としゃしゃり出ちゃうかっこよさ。
そんな彼と対照的に堅物でおっかないくせにチョコバナナを口に入れたり出したり(オエっ!_| ̄|○)ハッパむしゃむしゃ頬張ったりと体を張ったり、カタゴトの日本語で「もっとぱんけいき!」と叫ぶ、顔から来る緊張と動きで醸し出す緩和で笑わせてくれたジョシュ演じるビッグフットのコンビはある意味最強だったと思います。
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そんな濃ゆ〜いキャラクターの反面、PTAお得意の長回しが逆にユルさを怠さに変えてしまったかのように感じました。
そして、案外大事な部分はナレーションが全部言っちゃってる。
今までのPTAにはなかったように思えますが、個人的にはナシの方向にして欲しかった。
同じ年代のコメディ色の強いブギーナイツの方がまだゆるくて笑えたなぁ、題材も題材だけに。
 
 
70年代のアメリカ社会はグルーヴィだぜとなんでも自由だとラリってるヒッピーも警察も病院もFBIも不動産王も結局、クスリからの資本主義に飲み込まれちゃってる。
全て理解したわけじゃないけど、エンドロールに出てくるラストのある言葉がそう物語ってます。
 
恐るべしPTA。でも、キライになれない。
 
 
満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10