モンキー的映画のススメ

読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

モンキー的映画のススメ

主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

【スポンサード リンク】

Mommy/マミーの感想

モンキー的2015年上半期ベスト ヒューマンドラマ
4月30日

Mommy/マミー

f:id:monkey1119:20150430182423j:image
一昨年辺りから耳に入るグザヴィエ・ドランという男の名前。
映画監督で、何でもまだ25歳なんだとか。
芸術的な作品は苦手だなー、とずっと敬遠してきたけど、この映画の予告にめっちゃ惹かれてみることを決意。
ついにグザヴィエデビューしてきました。


2015年、とある世界のカナダで新しい政権が誕生する。程なくして、公共医療政策が目的とされるS18法案が可決される。
その法案の中で、最も議論されたS-14法案は、発達障害児を持つ親が、経済的困窮や、身体的、精神的な危機に陥った場合、法的な手続きをせずに養育を放棄でき、施設に入院することができる権利を保障するというとんでもない法案だった。
ダイアン・デュプレはこの法律により、人生を大きく左右されることになった。
そんなダイアンは、15歳の息子スティーブを持つ気が強いシングルマザー。
スティーブはADHD(多動性障害)のため情緒不安定で、普段は知的で純朴な少年だが、一度スイッチが入ると攻撃的になってしまう。
そんな息子との2人暮らしに右往左往していたダイアンだったが、隣の家に住む引きこもりがちな女性教師カイラと親しくなったことから、少しずつ変化が訪れる。
精神的ストレスにより吃音に苦しんで休職していたカイラも、スティーブの家庭教師を買って出たことで快方に向かっていくが…。
f:id:monkey1119:20150430184445j:image


この映画を作ったグザヴィエ・ドラン監督。
f:id:monkey1119:20150430184511j:image
弱冠20歳にして、カンヌ国際映画祭に監督週間部門で上映され世界に若き才能を見せつけるという、鮮烈な世界デビューをしたお人だという。
一昨年、「わたしはロランス」という作品が話題になり、完全に出遅れた私は気が向いたら見ようと後回し。
去年の「トム・アット・ザ・ファーム」もガーディアンオブザギャラクシーを何回も映画館に見に行ったせいで見る時間を逃した、という勿体無いことをしてしまってました。
そんな2作を未だ見ずに3度目の正直で今作を見にいくことに踏み切ったわけです。
しかも、これ去年のカンヌで審査員特別賞を受賞した作品だとか。
尚且つ、巨匠ジャン=リュック・ゴダール監督とのw受賞とあって、記念すべき年だったようです。
で、で、で!次はとうとうハリウッド進出だそうで!!!( ´ ▽ ` )ノ
これからの活躍がめざましいですね。遅かれ早かれ、今見とかなくちゃマズいってわけですよ。
f:id:monkey1119:20150430185609j:image


そんな彼の最新作の感想は、

静かに胸にこみ上げてきます。



まず、この作品は、普段我々が見る映画のスクリーンの比率とは違い、1:1の正方形になっています。
最初に流れるグザヴィエのドキュメンタリーでインスタグラムによって生まれたアイディアなんだとか。
これにより、個を前面に押し出して強調されていることがわかります。
逆に私はこのグザヴィエの撮影方法について語られるドキュメンタリーが先入観として残り、話よりもその手法が頭に刷り込まれて楽しめなかったのが、ひとつ残念でした。
こういう意味合いがあるんだよ、とグザヴィエ作品を知る上で広く門を開けてくれましたが、個人的には仇となってしまった感じがします。

それでも、これを見ようと思った予告で感じた通り映像がキレイでした。
光の加減が素晴らしい!
空の青、日の光、髪の色、滴る雨、カーテンの赤。
極彩色のような強さが放つ光ではなく、温かみのある手に届きそうな感触を目で感じられる、うまく言えませんがあまり体験したことない映像美に感銘を受けました。
f:id:monkey1119:20150430223058j:image
そして、時折大事な部分で使われる効果的な音楽も良かった。
字幕が出ることでその時の彼らの感情も伝わりやすい。
何より、オアシスのワンダーウォールが流れた時はこの映画のベストシーンだな、と勝手に思ってます。

ドキュメンタリーでも語られてるのですが、個を追うかのようなカメラワークなのよって、登場人物たちの心情が1:1の正方形の画面のせいもあってかなり強めに垣間見えると思います。
背景を度外視することでこんなにも人間を描けることができるグザヴィエはとんでもないっすね。


障害をもった息子と、仕事を失ったシングルマザー、そして、隣家に住む休職中の家庭教師、3人がそれぞれ欠けていたものが見事にお互いを補い、気が付けば悩んでいたこと、抱えていた問題も忘れ楽しい毎日を過ごす3人。
そんなシーンをある手法で変化させ、またそれを元に戻すことで見る側も分かりやすく理解出来ると思います。
まー、戻った時に、あぁ…ってため息出ちゃうんすけどね。
f:id:monkey1119:20150430230345j:image
話としては、息子スティーブの障害からくる暴走などを見ると自分とは対照的な人なので中々感情移入しづらく、また母親に対する過剰な愛情も持ち合わせていないので、多少突き放して見てしまう部分もありましたが、
これはこれで愛を感じましたし、母親ダイアンの息子に対する愛情もこれはこれで愛のかたちなんだな、と。
それでも、何故だかうっすら目に光るものがありました。
心動かされてました。




見に行かれる方は中央の席で見ることをお勧めします。
なんせ正方形なので端にはなぁーんも映ってませんww



満足度☆☆☆★★ 3