モンキー的映画のススメ

モンキー的映画のススメ

主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

ラブ&ピースの感想

ラブ&ピース

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まさかのジャパンプレミア試写会が当たり、本日鑑賞してきました。
やっぱりただの試写会も嬉しいですが、舞台挨拶付きとなるとテンション上がりますね。
 
 
2015年夏、東京。
楽器の部品会社で働くサラリーマン・鈴木良一(長谷川博己)は、以前はロックミュージシャンを目指していたが挫折し、それ以来うだつのあがらない毎日を過ごしていた。同僚の寺島裕子(麻生久美子)に想いを寄せているが、小心者すぎてまともに話すこともできない。
ある日、良一はデパートの屋上で一匹のミドリガメと目が合い、運命を感じる。
あきらめたロックミュージシャンへの道、裕子への想い・・・良一の人生を取り戻すために必要な最後の欠片<ピース>、それが・・・そのミドリガメだった! (公式HPより抜粋)
 
 
 
 
監督は、今年えらく新作映画が乱発してる園子温監督。
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先日見た新宿スワンが脚本のせいだと思いますが面白くなかったので、昔から温めていたということで今作はより園子温ワールドになるんじゃないかと期待しております。
 
 
 
主演の鈴木良一役に長谷川博己。
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鈴木先生、セカンドバージンでブレイク。鈴木先生も面白かったですが、個人的には園子温監督の地獄でなぜ悪いの映画監督役がぶっ飛んでて超ツボでした。今年は進撃の巨人とMOZUが控えてるので今年はたくさんお目にかかれそうです。
 
 
共演する寺島裕子役に麻生久美子。
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この方はやはりモテキのるみ子役が近年では印象的です。あの役に対し男は重いと感じ女は共感し、そのことで女友達と口論したことを憶えてます。
写真で見る限り地味な女性を演じてますが、毎回思うのは、こういう女優さんがどんなに地味でブスな役やろうが元がいいんだからキレイオーラは隠せないよなぁ。こんな人職場にいたら普通男どももさすがにかわいいかもとか気づくと思うんだけど。
プチ自慢ですが、東京タワーのエレベーターの中で一緒に乗り合わせたことがあり、隣にいた友達に耳打ちで「麻生久美子じゃん!」とヒソヒソ話したつもりが興奮して声がだだ漏れだったらしく本人に睨まれたことがありますww
その節はご迷惑をおかけしたな、と反省してますが、いかんせんミーハーなので高ぶる気持ちはどうにもならないから!
とはいえ貴重な体験をしたなーと今ではいい思い出です。
 
 
そして、物語のカギを握る謎の老人役に西田敏行。
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アウトレイジビヨンドを見て思いましたが、この人はヤクザのようなコワモテな役はやはり無理です。そんな役はやらずに喜劇俳優として全うしていただいた方が見ていて安心します。
この人が出てくるだけで見てる人はほっこりすると思うんです。どう笑わせてくれるんだろうとか、泣かせでくれるんだろうとか。
最近またぽっちゃりしてきたので体に気をつけてほしいですね。
 
 
他にも、渋川清彦、マキタスポーツ、手塚とおる、深水元基、星野源、中川翔子などなど園子温監督の常連組が脇を固めてます。
 
 
そんな園子温ワールド全開な今作の感想は、
 
 

何だかわからんが、スローバラードで全て救われた。

 
 
うだつの上がらない元ミュージシャンの会社員という設定の時点でほぼ丸かぶりなのでどれだけ親近感の沸いたことか、鈴木良一!!
ただ、長谷川博己自身がリミッターを解除しすぎで、笑わせる為のオーバーな演技とこちらが承知しているにもかかわらず、少しひいてしまったのは否めなかった!
いや、十分に面白いんだけども。
特に、亀を購入するシーンや、亀との生活、止まらない欲望に比例するごとく派手な衣装になっていく様、挙げ句の果てにはおまえデヴィッドボウイかっ!?と心の中で突っ込んでみたくなるシーン、
、B級映画さながらの特撮っぷり。挙げたらきりがない。
 
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この亀にピカドンという、おいマジか!その名前で大丈夫なのか!?と思ってしまうようなNGワードを名付けます。
このピカドンとの出会いから鈴木良一はピカドンに夢物語を打ち明けることでやがてスターダムへのし上がっていくシンデレラストーリーになっていくのですが、
終始この映画で歌われるラブ&ピースは、亀(ピカドン)に対しての思いと反戦歌(原爆)としての意味と2つの意味を持ち合わせた歌になってます。
戦後70年というこの年にこのアイディアをこの映画をぶつける園子温監督、さすがです。
かといって、戦争反対!集団的自衛権反対!安倍のバカヤロー!といったプロパガンダではなく、あくまで純粋な愛をテーマにした話なのでご安心していただければと思います。
 
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地上ではそんなシンデレラストーリーの中、亀を飼っているのをバカにされやけになり、トイレへと流されてしまったピカドンは、地下で謎の老人とその仲間たちと出会い、この老人が作ったキャンディを食べてしまうことで亀に突然変異が起こります。てなわけで、こっちはこっちでメルヘンなファンタジーと化しています。
 
もうどういうジャンル付けをしてこの映画を見たらわからなくなる!ゴジラを意識した特撮SFなのか、ディズニーを軸にしたファンタジーなのか、寺島裕子とのラブストーリーなのか、はたまたロックミュージシャンを夢見た男の青春なのか、今だからこそ忘れてはいけない反戦映画なのか。
見ていてそんな迷路に迷い込んでしまった人でもラストに流れるRCサクセションのスローバラードがこの複雑に絡み合った物語を、深い森にさまよってしまった気持ちを、全て浄化してくれます。
この歌の歌詞を理解すればこの映画も理解できると個人的には思います。
もちろん、ただほげ〜っと見ていても全然面白いですが、作り手の意図を理解しようというスタンスで見るのであれば、この歌の凄さ、また作品への思いが深まってくるんじゃないでしょうか。
 
そして、鈴木良一が作り上げた歌、ラブ&ピースを繰り返し聞いていると不思議といろいろなことを思い出させ、いろいろなことを忘れてなかったことに気づかされ、いろいろなことを忘れちゃいけないことに気づかされます。ざっくり言って、なんか、染みます!!
 
 
ま、公開前なので批判的な部分は避けてますんで、まずは気になったら観に行ってみたらいいと思います。
 
試写会はというと長谷川博己さんはめちゃかっこよく、麻生久美子さんはめちゃかわいく、西田敏行さんは、めちゃ笑わせてくれました。ここもざっくりw
残念だったのは監督が最後に写真撮っていっぱい宣伝してー!と叫んだ瞬間膨大なシャッター音がっ!
 
しまった!俺条件反射で携帯の電源オフにしちゃった!!
 
慌てて電源を入れるも写真撮影終了orz
 
あー、もったいなかったー。
 
もー、監督、粋な計らいしやがってー。
 
つーわけで、舞台挨拶前のパネルしか撮影してませんでしたー。
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満足度☆☆☆☆☆★★★★★5/10