モンキー的映画のススメ

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主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

映画「バクマン。」感想ネタバレあり解説 漫画家たちの熱いバトルを見事映像化!

バクマン。

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今年もマンガ原作の実写化は残念賞なのもあれば、なかなかなのもあり例年通りなのかピンからキリまでのラインナップではありましたが、満を持して今年個人的に大本命のマンガ原作映画の登場です。

原作にハマり、貪るように読んだこのマンガに思い入れはそれなりに大きく、恐らく映画になるんだろうなぁと思っていたらまんまとなりましたw

キャストも悪くない、何と言っても監督と私の相性バツグン!今んとここの人の映画ハズレないし!!

というわけで見て参りました。

 

 

 

あらすじ

 “俺たち2人で漫画家になって、ジャンプで一番目指そうぜ!”2人の高校生が抱いた壮大な夢。優れた絵の才能を持つ“サイコー”こと真城最高(佐藤健)と、巧みな物語を書く“シュージン”こと高木秋人(神木隆之介)。クラスメイトの亜豆美保(小松菜奈)への恋心をきっかけにコンビを組んだ2人は、人気漫画雑誌、週刊少年ジャンプの頂を目指す。編集者・服部(山田孝之)に見出され、次々に漫画を生み出してゆくた最高と秋人。だがその前に、ジャンプ編集部と新進気鋭のライバルたちが立ちはだかる。そして、突如現れ、遥か先を走り始めた若き天才漫画家・新妻エイジ(染谷将太)。果たして2人は、ジャンプの頂点に立つことができるのか?!《シネマウォーカーより抜粋》

  

 

 

 

 

監督・キャスト

監督は、モテキ、恋の渦を手がけてきた大根仁監督。

 

元々テレ東の深夜帯テレビドラマなどを多く手がけてて、(湯けむりスナイパーや週間真木よう子とかまほろ駅前番外地とか)のが、モテキのドラマ化&映画化により映画監督で知名度がアップしましたよね。

モテキ、恋の渦両方とも大好きですが、この人は、オスとメスの悲しい性ってやつを良く知ってるなぁ、と。で、悲哀も出しつつコミカルに、時には下衆に描いてくるのでこれが笑える笑えるww

そういう描写はこの2作を見ればこの監督が手がけてるものがおのずとわかってくると思うんですが、今作はもっと純粋で邪な部分などない作品だと思うので、どう演出してくるのか、また、脚本も携わってるらしいので、その辺りもどんな感じになってくるのか楽しみですね。

 

 

モテキ Blu-ray通常版

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 まさにセカチュー第2章がこんなにもエロくてせつなくてバカバカしい物語だなんて知る由もなかったww

森山未来もぶっ飛んでたが、長澤まさみ達女優陣もカラダ張ってて、ホント面白い作品です。音楽もドつぼ!!!

 

恋の渦 [Blu-ray]

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 映画のワークショップで集まった無名の俳優陣が撮影日数なんと4日間で作り上げた室内劇。ギャルとギャル男が合コン後、お互いの恋心、下心、嘘と本音を塗り重ね渦巻いていく、とってもゲスで馬鹿で恋愛あるある満載のお話。とても無名の方たちとは思えない息の合ったアンサンブルがおもしろおかしい1本です。

 

 

主演は、キャスティング逆だろ!?論争を巻き起こした2人。

まずは、真白最高ことサイコー役の佐藤健。

そして、高木秋人ことシュージン役の神木隆之介。

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うーん、私は最初からこのキャスティングアリです。

まぁ、よく考えてみたらサイコーが主役みたいなもんなので、神木くんじゃお客さん呼べないしww

 

やはり、佐藤健は、るろうに剣心の好演は忘れられません。

龍馬伝での岡田以蔵役が功を奏し大抜擢に至るわけですが、どちらも見事なまでの迫真の演技でした。お友だちの三浦春馬くんも見習っていただきたいっすww

リアル〜完全なる首長竜の日〜や、BECK(←これは、話がひどかったww)、カノジョは嘘を愛しすぎてるなど気がつきゃ主演やりまくってますね。これも当たり役になったらいいですね。

そして、神木隆之介は子役からキャリアを重ね、子役のジンクスである若いうちに潰れるようなこともなく着実に成長してますね。

もちろん、大好きな桐島、部活やめるってよ。や、spec、妖怪大戦争、神様の言うとおり、佐藤健同様るろうに剣心での宗次郎役は、ピュアな部分と狂気の部分を使い分けた彼の真骨頂にも感じました。

最近は、好青年よりも不良な生徒や裏で悪いことしてるような役が増えてきてるみたいで、より演技の幅が広がってるように見えます。

 

 

 

るろうに剣心 コンプリートBlu-ray BOX

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2人の共演作品。後編のラストの船上での戦いはツッコミどころ満載ですが、ここ最近ではかなりキャラに寄せたキャスティングにそれだけで大変満足でした。

 

 

そしてら彼らのライバル、新妻エイジ役に染谷将太。

 

うんうん、あんな変な奴できる若手の役者…あー、彼しかいないじゃんwwいやいや、変な奴って!失礼しました。

つい先月、みんな!エスパーだよ!で、童貞エスパーの高校生を見事に演じ笑わせてくれました。今年で言えば、寄生獣、ストレイヤーズクロニクル、さよなら歌舞伎町、ソレダケと主役級連発です。

今回はミギーをペンに変えてのバトルを繰り広げるようですが、彼らとどんな戦いを、アンサンブルを見せてくれるのでしょうか。

 

そして、ヒロイン亜豆美保役に抜擢されたのが小松菜奈。

 

おーいいねー、どっちかってとミステリアスな雰囲気のあるイメージと顔立ちだけどピュアさ100%だな!役者だなぁ。

彼女といえば、渇き。が、やはり印象的。ガンガンオーラ放ってたし小悪魔さがまたよかった。素でやってんのか役に入ってんのかわからんが、またすごい子が出てきたなぁなんて思ったりしながら見てました。

ただちょーっと目が離れてるなぁ。容姿を突っ込むのはあれだけどもw

 

 

中島監督のこのパターンそろそろ飽きてきたけど、好きな人は好きだよね。CMディレクター出身ならではの感性が見事に現れた、スピーディーでぶっ飛んでて、若い人が好きそうな演出がクセになるサスペンスドラマです。

 

 

 

 

他にも、主役の2人、亜城木夢叶を担当する編集者服部役に山田孝之(これは似てる人キャスティング無理だよなぁ)、サイコーの叔父川口たろう役に宮藤官九郎、

亜城木たちを応援しながら自分たちも夢を追いかける漫画家たち、福田真太役に桐谷健太、平丸一也役に新井浩文、中井巧朗役に皆川猿時、そして、ジャンプ編集長佐々木役にリリーフランキーと見事に寄せた配役、豪華キャストになってます。

 

 

 

 

 

 

というわけで、人気マンガ原作を実写化したこの秋一番の話題作の感想は、

 

 

 

 

 

 

友情!努力!勝利!ジャンプで育ったオレらなら間違いなく面白いと思える作品!

 
 
 
以下、核心に触れないようネタバレします。
 
 
   
 
 
 
 
 

原作実写化の問題点を見事にクリア

歳を取ると趣味や娯楽に時間を割けず、増して比率的に完全に映画が主体となった自分としては、数少ないハマったマンガのひとつということでそれなりに思い入れは強く、こういうものが映像となると嬉しい反面、上手く原作通りになってるか、とか、映画として成立してるか、なんて心配もあって。
これは自分だけではなく、ファンなら誰しも考えてしまうこと。まして、評判が悪ければ、原作自体の評価も下がることもあったり。
近年の実写化ブームにおける大きな問題点でもあるんだけど、バクマン。に関しては心配する必要全くなかった!
 
そう思う理由は間違いなく監督のおかげで、長きにわたって連載された(比較的短いけどね)原作をどう2時間という限られた時間で完結させるか、この終わらせ方、まとめ方が大事で、
しかも、監督が原作をどれだけリスペクトしてるか、その愛を自分で噛み砕いてどう解釈して脚本を書いているかも重要で、見事にクリアしていたと思います。
これは、やはりモテキの時もそうでしたが、サブカル大好き野郎な監督ならではのなせる技だと思います。
 
あくまで主人公のゴールはエイジとどっちが早くアンケートで1位を取るかに焦点を絞り描くことでよけいな回り道や伏線を散りばめずに青春物語らしく真っ直ぐに進んでく話は見ていて清々しかったです。
 
 
 

原作でのマンガを描く場面の疾走感もクリア

バトル物のマンガってセリフじゃなくて画力で読者を惹きつけないと面白くない。
このバクマン。もマンガ家の話だけど画力で惹きつけるようなとこも多々あって、それが原作の面白いとこのひとつ。
これを、どう映画で魅せるのか?
なんとプロジェクションマッピングを利用して原画を背景に流し、映像に勢いとスピードをつけるという表現方法でした。
話を割愛するよくある手法として、音楽を前面に出して月日の流れや時間の経過を凝縮して次の場面へ移るなんてパターンをよく見ますが、
この話はマンガを描いていく行程を原作同様、疾走感あるものにしないと人間模様もマンガを描くこと自体も生きてこなかった。
それを、このプロジェクションマッピングを用いて、尚且つペンを描く音、線を引く音をリズムとして打ち込んでサカナクションが作り上げた音楽に乗せて物語に臨場感を出していました。
このアイディアは面白かった。この映画の醍醐味の一つでした。
 
エイジとマンガでどう対決するかの心理バトルは、まさかのデカイ筆を持って、背景を彼らの原画を動かしてののアクション!
ちょっと鼻で笑ってしまいましたが、この表現も他にこれしかやりようがないよなぁと半ば諦め感もありましたが、全然アリでした。
そもそも、エイジもこんな悪いキャラじゃないライバルなんですが、けっこうイヤミな奴になってましたね。ま、ここは対立した設定じゃないとね。
 
 
 

恋愛模様はちと弱かった。

原作同様サイコーが病に倒れてもマンガを描くことを止めず、静止を振り切って連載を継続する件がありますが、彼を突き動かす原動力みたいなものになってるのが亜豆との約束で、
映画では、この部分が起承転結の転の部分なんでけっこう大事な部分なんですが、話の焦点がエイジとのバトルでアンケートで1位を取ることなので、亜豆との約束ではなく、ただただ勝利のための病からの復活でした。
残念ながら亜豆とのラブ要素が弱かったです。
せっかく他の女子キャラを排除して唯一無二のヒロインとして男だらけのキャストの中君臨した女神みたいな位置付けなのに。もうちょっとそこは割いてほしかったなー。
 
もちろん、亜豆さんは映画の中でも女神で天使でしたよ!
しかも、脚からなめるような大根監督お得意のエロカメラ目線もちゃんとありましたww
 
 
 
 
 
 
 
主人公が負けそうになったら仲間が助け、ライバルを倒す為に努力を重ね、それが実を結び勝利する!
まさに、ジャンプが掲げる信条を軸にした青春王道ドラマでした。
これも、ジャンプを、マンガを、それを作る人たちをリスペクトした監督の愛が感じられる作品だと思います。
その思いがエンドロールに溢れてます。
ジャンプ好きならきっとわかるはず!
監督、お見事でした!
 
 
 

満足度 ☆☆☆☆☆☆★★★★6/10