モンキー的映画のススメ

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モンキー的映画のススメ

主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

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ドキュメンタリー映画「ロバート・アルトマン/ハリウッドに最も嫌われ、そして愛された男」の感想・レビュー

10月3日

ロバート・アルトマン/ハリウッドに最も嫌われ、そして愛された男

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ドキュメンタリー映画ってあまり見ないんだけど、アルトマンの作品を2年位前からちょこちょこ見るようになって、気になって、んでもってこれやるっていうから知識を深めるつもりで、アルトマンをもっと知りたくて見に行って参りました。

 

 


ロバート・アルトマンて誰よ?

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はぁっ?お前アルトマン知らねぇのかよっ!?
と2年前の私に言ってやりたい。
お前、アルトマン見たらハマっちゃうぞ、と。
お前、何年か損してるぞ、と。

そもそも、そんなに偉大な方とは知らず、よく映画好きとか自称してたなぁ、私。

『M★A★S★H マッシュ』、「ナッシュビル」、「ロング・グッドバイ」、「ザ・プレイヤー」など、数々の名作を作り上げ、70年代以降カンヌ、ベネチア、ベルリンと3大映画祭で全て最高賞を取ったことのある唯一の快挙を成し遂げたアメリカ・インディペンデント映画の父と呼ばれる映画監督だそう。
そして、2006年、アカデミー賞名誉賞をした後、お亡くなりになりました。
今作はそんな彼の生誕90年ということでできたドキュメンタリーだそうです。

自分の主義主張を曲げずに想いのまま自由な作風で、その時代のアメリカや人間にメスを入れた風刺的で愛のある群集劇、群像劇を撮り続けていました。


自由って聞こえはいいけど、もちろんその代償は大きく、クライアントに盾突けば、干されるのが世の末。
まさに、アルトマンにもそんな時代があったようです。

私はまだショートカッツやプレタポルテなどのいわゆる90年代の彼の作品をまだ見ておらず、にわかファンではありますが、
師匠からナッシュビルを薦められ、長い時間の作品なのに食い入るように見てしまい、ハマった次第です。
他の作品を何故まだ見てないかというと、
レンタルビデオ店にねえんだよ!
ホント小っちゃい店しか家の近くに連なってねえから無いわないわ。
どうしても、ロンググッドバイは見たくて実家帰った時に、なぜか地元のTSUTAYAであったので見れたくらい。
ホント頼むよー、古い作品とか中古販売にしないで置いといてくれよー(/ _ ; )


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見た時に連続して見たのが登場人物がたくさん出る群集劇ばかりだと先入観があったので、これもそうかなぁと思いながら見たら全く違う私立探偵モノでした。

レイモンドチャンドラー原作の小説を映画化したもので、この映画が現在のハードボイルドな私立探偵モノの礎になっていて、
松田優作の探偵物語はこれにインスパイアされてできたものなんだとか。
これ知って、モロじゃん!て誰もが思うはず。
そして、彼を師と仰ぐ、ポールトーマスアンダーソン監督の今年公開した映画、インヒアレントヴァイスもまさにこのロンググッドバイをリメイクしたかのような内容です。
これも師匠に聞かされ、ロンググッドバイを見た後、モロじゃん!て思いました。

とにかく、私立探偵フィリップ・マーロウがネコ好きで、気だるそうな日々を送りながらも情に熱い男で、これがまたかっこいい!ラストシーンは胸アツだったなぁ。
あ、チンピラ役で初々しいシュワちゃんが出てますw




そんな巨匠ロバートアルトマンを紐解くドキュメンタリーの感想は、






もっと色んな話聞きたかった!


今回は、ドキュメンタリーなんでネタバレもへったくれもないんでがっつりそのまま書きます。






貴重な映像の数々


冒頭、映画は砂の城だと例えるアルトマン。
映画は砂の城と同じ。大きな城を作る、と言って仲間と完成させる。やがて波が来て、城を運び去る。それでもその城はみなの心に残ると。

そんな語りくちから始まるドキュメンタリーは、奥様や家族のインタビューを軸に、アルトマンの生い立ちから当時の貴重なインタビュー映像、プライベートムービーを織り交ぜた構成なっていて、ドキュメンタリーとはいえ、家族がナレーションしている分、変に堅苦しくなく受け入れやすいものになってました。

なかでも、子供達が取ったホームムービーは微笑ましかったです。
映画監督の子供はこんなことして遊んでんのかな?

監督の最初の代表作、M★A★S★H マッシュに至るまでは、監督になる前、空軍兵士として戦争を経験したことが大きなきっかけになっていて、シニカルな作りも監督がそこで見たもの、感じたものが現れていたんだなと。

他にも、ニクソンの二面性に嫌悪感を感じたことがヒントになりできたナッシュビルだったり、
80年に作ったポパイがボロクソ批判くらって大コケしたあと、拠点をフランスに移したり。
彼がハリウッドに復帰した作品がハリウッドの商業主義をこき下ろしたザ・プレイヤーっていう、ケンカ売ってるし!全くぶれていない。
知らなかったことがたくさん映し出されて、またひとつアルトマンを知ることができました。




アルトマネスクとは

アルトマンらしさ、という意味だそうで、
  • 現実をありのままに描写 社会的描写 ジャンルの転覆
  • ありきたりな規範に逆らう
  • 破壊不能なこと
というもの。

監督はなぜアメリカを批判するような映画を撮るのか?という問いに対して、
私は決して批判的なものを作っているのではなく、見たもの全てをありのままに写してる
と映画の中で言っています。

そして、通例として根付いていたハリウッドの格式を無視した作りだったりと己の道をぶれることなく突き進み、ほぼ1年に1本のペースで撮り続けているのもすごいなと。





彼を慕う役者たち

ポールトーマスアンダーソン監督を筆頭にエリオット・グールドやロビン・ウィリアムズ、ジュリアン・ムーア、リリー・トムリンなどがアルトマネスクとは?という問いに一言ずつ言葉を寄せた映像が随所に流れます。
なかでも、ブルース・ウィリスのアルトマネスクとは?の問いに、
くたばれハリウッド!
のひとことは、変にかっこいい一言よりも、痛快で的を得た言葉に思わず笑ってしまいました。

ただ、みんな出番が一言だけで短いっ!!

あなたたちからもっとアルトマンを語って欲しかった(´・_・`)
特にPTA監督は彼のイズムを継承してるんですから、彼と仕事したこととか話してほしかったなぁ。




アルトマンがアカデミー賞名誉賞を受賞したスピーチが流れるんですが、このドキュメンタリーを見た上でこのスピーチを最後に持ってくる演出は、正に監督がどれだけ映画と共に歩んできた人生だったがわかると思います。

とりあえず、ショートカッツからまた見てみよう。


満足度 ☆☆☆★★ 2.5