モンキー的映画のススメ

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モンキー的映画のススメ

主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

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映画「アメリカン・ドリーマー 理想の代償」の感想・レビュー

10月14日

アメリカン・ドリーマー 理想の代償

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どうも東宝シネマズは安い日が限られて、しかもレイトショー料金がないので行く気が失せるんですが、そこでしかやってないときは何とかして見に行きたいもので。
14日の東宝シネマデーを狙って見に行ってまいりました。
 
 

あらすじ

1981年、NY。犯罪と暴力が氾濫するこの年に生き馬の目を抜くオイル業界で、クリーンなビジネスを信条にオイルカンパニーを築きあげた移民のアベル(オスカー・アイザック)とその妻アナ(ジェシカ・チャスティン)。事業拡大のための土地購入の頭金として全財産を投入した直後、彼の成功を阻止しようとする何者かの手によって、積荷のオイルの強奪、脱税の嫌疑、家族へ脅威・・・次々にトラブルがのしかかる。悪い噂は一気に広まり、ついに銀行からの融資を断られ、信頼していた妻との間にも亀裂が。刻一刻と破産が迫るなか、孤立無援のアベルはトラブル解決のために奔走する。期限はわずか30日-。《HPより抜粋》


映画『アメリカン・ドリーマー 理想の代償』予告編 - YouTube

 
 
 
 
 

監督・キャスト

監督は、J・C・チャンダー。
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長編映画デビュー作で、リーマンショックでの世界金融危機をもたらしたリーマンブラザーズをモデルとした大手銀行の従業員たちを題材にしたマージンコールで脚光を浴び、
続く2作目にインド洋をヨットで単独航海した男の災難と、危機に直面した男の偽りのない気持ちを手紙にしたためていくオールイズロストという2本を撮っており、今回が3作目になります。
 
残念ながらどちらも見たことが無いんですが、マージンコールは日本劇場未公開ながら、レンタル店で働いていた時、評判がよかったので気にはなっていました。
今作が面白かったら見てみようかな。
 
次作は、マークウォルバーグ主演のメキシコ湾での原油流出事故を映画化したDeepwater Horizonで脚本を執筆とのこと。来年には公開予定なのかな。
 

 

 

 

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ケヴィンスペイシー、ポールベタニー、ザッカリークイント、デミムーアとキャストが渋い!こういう金融ものは日本もアメリカも面白いっすよね。
 

 

 

 

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キャストは、名優ロバートレッドフォードのみ!彼の演技だけで成立するんだからこれも時間見つけて見てみたいですね。
 
 
 
主演の誠実さをモットーにオイルビジネス業界でのし上がろうとする夫アベル役にオスカー・アイザック。
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はい、この人絶対5年以内にアカデミー賞取る!!くらい素晴らしい役者だと思います。
エンジェルウォーズや、ボーンレガシー、ロビンフッドなどに脇役としてキャリアを重ね、
ザ・ドライバーのリメイクでニコラス・ウィンディング・レフン監督、ライアンゴズリング主演のドライヴ。
この作品で、ドライバー演じるライアンが住む部屋の隣人のムショ帰りのダンナ役を演じていました。
 
この時の印象はあまり無かったんだけど、その後、
去年のモンキー的2014年ナンバー1映画、インサイドルーウィンデイヴィスで初の主役で、落ち目のミュージシャンを演じた彼を見た時にすごく引き込まれ、
ドライヴに出てたのを知り見返して、180度違うキャラとその演技の振り幅に、あー、大器の片鱗を見たようなそんな感覚になりました。
 
今作を見たい理由も彼が出てるから、ただそれだけです!
今年は、スターウォーズ エピソード7 フォースの覚醒で同盟軍のパイロット、ポー・ダメロンを演じるし、来年にはXメンアポカリプスで、シリーズ最大の敵アポカリプスも演じます。

 

 

 

 

 

 

コーエン兄弟を敬遠してたんだけど、師匠から絶対観るべき!と言われ、たまたま最新作がやっていたので見に行ったのがきっかけ。
フォークソング全盛期の芽が出ない冴えないミュージシャンの1週間の話しで、まぁ、金はないし、オンナにボロカス言われるし、ツイてないし、うだつが上がらないし、カッとなるし、地に足ついてない奴なんだけど、どこか憎めなくて、内にあるポリシーがカッコよくて。
そんな奴が時代にのまれていく様をコミカルに描かれてます。
なぜか、見終わった後この映画が恋しくて仕方なくなりました。
 
 
 
そして、アベルの妻で移民の夫とは違い、したたかで肝の座った強い女、アナ役にジェシカ・チャスティン。
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実は、主役のオスカーとは、ジュリアード学院で、演技の勉強を共にしていた仲なようで、今回のキャスティングを持ちかけたのは彼女なんだとか!!
お互い切磋琢磨して掴んだ共演てだけで期待値が上がる映画ですね。
 
有名になったのは彼女の方が先でしょうか?
ツリーオブライフや、ヘルプ〜心がつなぐストーリー〜などで好演し、アカデミー賞にも名を連ねるほどになり、
翌年はゼロダークサーティでビンラディン殺害の真実の渦中にいたCIAの分析官を見事に演じていました。
そして、去年インターステラーで、主人公クーパーの娘で、大人になり父の帰りを待ちながら地球の危機を救おうと奔走するマーフを演じました。
そして、来年はオデッセイで火星に向かう宇宙飛行士を演じます。
インターステラーとは違い今度は宇宙に行く役なんて、これまた面白そうですね。

 

 

 

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ビンラディン殺害の真実を描き、長きにわたる追跡調査の中で、仲間の死や無理難題、そしてテロに巻き込まれながらも任務を遂行する女分析官の葛藤や苦悩を描いた問題作です。
この彼女のラストが過酷な仕事を物語ってます。
 
 
そんな、学生時代の友との初の共演とアメリカ80年代という過酷な年に奮闘した夫婦の話の感想は、
 






渋くて重厚で濃密な2時間でした。


以下、核心に触れないようネタバレします。








主役2人の見応えある演技

やはりオスカーは凄かった。
全く他の映画とは違い、自分の信念を貫き、クリーンなビジネスを展開して夢を掴もうとする男を見事に演じていました。
精悍な顔つきで営業マン達に営業のノウハウを語る場面では、相手の目をじっと見つめ安全を訴える眼差しは、観ている自分も吸い込まれるほど誠実で、少し怖かった気がした。

喜怒哀楽な表情を見せない真面目な顔つきに少し狂気じみた感じもしましたが、ラストまで彼に目が離せないほどの魅力的な姿に映画館で見て正解だったなぁ、と。

ジェシカも、オスカーとは対照的な性格の妻を、ケバい化粧と金髪、成金っぽくアルマーニの衣装で固め、
感情むき出しの主張をしたり、冷静な顔で豪快な部分をいきなり見せつけたりと何回か驚いてしまったところもありました。

ブランデー飲みながらペン先でタイプライター打つとこなんか、うわぁタチ悪そ〜と苦い顔にもなりましたね。

そんな2人の見せ場は夫婦ゲンカです。だいたい先にキレるのはオスカー扮するアベルで、ジェシカ扮するアナが逆ギレ。
このアンサンブルは夫と妻の性格がよーく出ていて面白かった。
そして、鹿を車で轢いてしまった時の対照的な処理の仕方。
ピクピク震えながらとどめを刺すのに躊躇するアベルに対し、アナは拳銃でズドーン!!
怒りを抑えながら車に戻るアベルに対し、あっけらかんと車に乗り込むアナ。
この性格を現す場面も構図としてわかりやすく面白かったです。




原題はA most violent year

1981年のニューヨークが舞台のこの映画。この年が異常に犯罪件数の多かった年だったそうで、
70年代のオイルショックから街は予算の削減を余儀なくされ、犯罪件数も増加、政治への不信も高まるなど混沌とした後、80年代の幕開けと同時に郊外への白人たちの大移動がピークになったそう。

主人公夫婦も小さな事業からのし上がろうと、いいことも悪いこともなんでもありな起業しやすい自由の国アメリカで成功を夢見る、まさにアメリカンドリーマーとして着々と事業を展開するが、

狙っていた土地との契約に手付金として有り金全部注ぎ込み、契約が成立するまでの30日間待つわけなんだけど、犯罪件数の多かったこの年だけに、輸送車の強奪は避けられなかった。
そう、ライバルたちはそうやってオイルを盗み自分とこのタンクに混ぜちゃえばわからないのである。

それに加え、脱税の容疑で起訴をされ、拳銃の許可証を持たないドライバーが護身用として持っていた銃を輸送車強奪の際に発泡してしまい、おまけにそれが原因で銀行からの融資を断られるという三重苦。

きっと、他にもこんな感じで犯罪に手を染め、または犯罪に巻き込まれ、この時代にアメリカンドリームの名にふさわしく、ひとつの大きな賭けに出て、成功した人もいれば、その分失敗した人も数多くいたことでしょう。

まぁ、ホームページのプロダクションノート丸写しですがw、こんな時代背景があったという事実を頭の片隅に置いておけば、話の内容や人物像がより理解できるのではないでしょうか。



終始、地味で浮き沈みのないストーリー

この映画には、ナレーションもなく、夫婦の愛がちりばめられているわけでもなく、従業員たちの友情が描かれているわけでもなく、ドラマチックな演出があるわけでもなく、銃撃戦があってもハデではなく、カーチェイスにスピーディさもない、

とにかく、とことん追い詰められる誠実という仮面をつけた男の奔走と、それを影で支える妻の話になっていて、
時にアクシデントやハプニングが起きても淡々と事が運ばれ、
それよりもその時のアベルの表情やら行動が重要だったりします。

だから、娯楽作品ばかり見ている人にとっては見足りない部分もあるかと思いますが、
真っ黒な周りの奴らとどう向き合い、危機から抜け出すか、
そして、結果アベルはホントにクリーンだったのか?
真面目な性格って果たしていい効果をもたらしてるのか?

と、人間を探究できる話になっていたと思います。

ラストシーンでの彼の行動が、この男の根本的な部分を物語っているのも見ものです。




満足度 ☆☆☆★★ 2.5