モンキー的映画のススメ

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モンキー的映画のススメ

主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

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映画「劇場版 MOZU」感想・評価・レビュー

TVドラマ・マンガ原作

11月7日

劇場版 MOZU

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今年のテレビドラマの映画化は興収的に当たったのはHEROくらいでしょうか。ちょいと前なら花より男子ルーキーズ踊る大捜査線などなど大ヒット連発のテレビ映画も陰りが見えてきましたが、
数字とは別にやはりドラマから応援して楽しみにしていた人にとっては映画化はやっぱり楽しみなわけで。
しかも、これは近年としては長いプロジェクトでした。
そんなわけで見て参りました。
 
 
 
 

あらすじ

妻子の死の謎を追う公安警察官、倉木(西島秀俊)は、大杉(香川照之)、明星(真木よう子)とともに一連の『MOZU事件』で警察内部に巣食う闇を白日のものにさらした。

しかしそれは、恐るべし謀略の氷山の一角に過ぎなかったのだ。

それから・・・。

高層ビル占拠爆破と、ペナム大使館襲撃、二つの大規模テロが同時発生した 。これらの事件は犯罪プランナー高柳(伊勢谷友介)と実行部隊を率いる殺し屋・権藤(松坂桃李)を中心とするテログループによる犯行だった。

彼らは、日本犯罪史の重大事件を影で操ってきた存在「ダルマ」(ビートたけし)の名のもとに、ある犯罪計画を極秘裏に進行していたのだ。

灼熱の地・ペナム共和国を舞台に、事件の真相を追う倉木達と、最強の敵ダルマとの死闘がついに幕を開ける!《HPより抜粋》


ビートたけしのダルマ登場!『劇場版 MOZU』予告編 - YouTube

 

 

監督・キャスト

監督はプロジェクト全てに携わり、海猿シリーズでおなじみの羽住英一郎

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調べてみると、岩井俊二監督や本広克行監督がかつて在籍していた映像会社ROBOTに所属してんるですねー。

やはりもともとはTVドラマからのキャリアで踊る大捜査線の助監督もやっていたとは知らなかった。

その後、映画を軸にしての活動になり海猿、おっぱいバレー暗殺教室などを手がけ、2012年のTVドラマ「ダブルフェイス」からこのプロジェクトを監督してきたっていう経歴になります。

 

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 TVドラマと映画4作。原作者とのいざこざもあり、次の作品はおそらくやらないんだろなぁ。回を重ねるごとにスケールと大げさな音楽、わかりきった危機がアップし嫌気が差してきたにもかかわらず、気がつけばすべて見ていたこのシリーズ。

なんだかんだいって一番最初が好きです。訓練の中で青春と恋愛と仲間の死とそれを乗り越えて成長していく馬鹿で熱く繊細な心の持ち主の仙崎を伊藤英明が体当たりで演じてます。この頃の加藤あいもかわいかったなぁ。

 

 

で、主演を演じる倉木が伊藤英明・・・じゃあなくて!西島秀俊。

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っかぁ~!!男前です。この引き締まった顔つきと無精ひげにいったいどのくらいの女性たちが惚れ惚れしたことでしょう。まぁ、恥ずかしながら私もこの人の肉体美に憧れ筋トレを続けてますが、この道のりが果てしなく遠い・・・orz

とそんな話はどうでもいいとして、今ではテレビで見ないことはないくらいCMに出てるしドラマもひっぱりだこですが、90年代後半からは一時姿を全く見ませんでしたね。特にあすなろ白書以降。

主な活動場所としてTVでなく映画で、という想いがあったようで00年代前半までは映画で日々演技をこなしてきたようです。

そして、大好きな北野武監督作Dollsで主演をつとめたことで再び注目され、今回ビートたけしとの競演には、誰よりも喜んだのではないでしょうか。

 

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 う~ん、西島秀俊の映画でぱっと思い浮かんだのがこれ。

星野真里が都合のいい女の役でみどりちゃんという彼女がいるに関わらず西島秀俊にいいように扱われるんだけど離れられない微妙な関係をつづったお話です。

星野真里のヌードでも話題になりましたが、何より今じゃ寡黙な男や、家庭的な男の役など好感が持てたり男らしい役どころの彼もこんなクズみてぇな二股野郎の役もちょっと前では演じていたんですねぇ。

ラストに星野真里が熱唱する14番目の月、これがすげぇ響くんだよなぁ。

 

 

捜査一課のたたき上げ刑事から警察に不信感を抱き、辞職して探偵業をしている大杉役に香川照之。

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もう名バイプレーヤーですよねぇ。正確には、名2番手、名3番手といったほうがいいでしょうか。

彼のブレイク作ってなんだろ?鬼が来た!ですかね。見てないんですけどw

ホント気がつけば、ゆれるキサラギトウキョウソナタ20世紀少年カイジアンフェア鍵泥棒のメソッドあしたのジョーetc

名だたる名作、話題作に必ず顔を出しているお方です。この人の持ち味はセリフの言い回しがものすごく説得力があるのと、顔でしょうか。とにかくオーバーなんだけどやりすぎ感のないインパクトのある表情が見ていて惹かれます。

歌舞伎のほうはどうなってるんだろ?

 

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 西川美和監督の名作です。イケてる弟とイケてない兄、法事で兄の職場で働き、弟の昔の恋人と再会し兄弟と3人で渓流へ。そこで事件が。つり橋から落ちて亡くなる女、そのつり橋には兄が、それを見ていた弟。果たして、事故なのかそれとも・・・といった話です。

オダギリジョーもなかなかでしたがこの香川照之はすごかった。見てた私がゆれにゆれた、ゆらされました。頭ん中を、気持ちを、心を、感情を。ラストシーンの彼の顔、忘れないです。

 

 

そして、公安部所属の女刑事、明星役に真木よう子。

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おっぱいだけじゃないですよ。日本アカデミー賞で最優秀主演女優賞と最優秀助演女優賞をダブル受賞したホンモノの女優さんです。最近バツイチになっちゃいましたね。

意外と知られていないバトルロワイヤル2下妻物語などの端役からパッチギ!サマータイムマシンブルースを経て、ベロニカは死ぬことにしたで初主演。以後、ゆれるSPモテキと話題作に出演の後、さよなら渓谷そして父になる、であらゆる映画賞で好評価を得ました。

クール、キレのある体の動き、男っぽい性格、ぼそぼそ喋る、そんな役のイメージですが最近はコメディ色の強い作品がドラマや映画で見る機会がよく見受けられます。演技の幅を広げようとしてるのかな。今後の彼女の活躍に期待です。

 

 

他にも、双子の殺し屋新海宏美の双子の兄役にドラマ版でバットマンのジョーカーと化した池松壮亮

警備会社役員にして裏の仕事を請け負う謎の男、東役に回を重ねるごとに演技が変態と化した長谷川博己

ダルマの側近の犯罪プランナー、高柳役に西島秀俊同様バキバキの肉体を持つ伊勢谷友介

警視庁警務局の監察官、津城役にCMではデューク東郷になってしまった小日向文世

大杉の娘、めぐみ役にホイコーローにがっつく杉咲花

ダルマ直属のテログループのリーダー、権藤役におでこの広さが気になる松坂桃李といった豪華メンツに加え、

最強の敵ダルマに役者としては久々のコマネチ!ビートたけし!!といった最強メンバーが脇を固めます。

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プロジェクトの原点「ダブルフェイス」

2012年、西島秀俊と香川照之によるテレビの枠を超えた大スケールのTVスペシャルドラマとしてTBSとWOWOWがタッグを組み、ダブルフェイスを製作。それぞれ潜入捜査編と偽装警察編と分けて放送されました。
香港ノワールの大傑作インファナルアフェアをリメイクしたこのドラマがまぁ見事なもんで。
TBSだけでは予算足らなかったんでしょう。加入者増えまくりのお金の持っててオリジナルドラマのクオリティーも高いと評判の有料ケーブルテレビWOWOWと共同で作るということで、
お金のかかった大迫力のアクション、爆破、描写、演出といった作りに見入ってしまったのを覚えてます。
このドラマの成功を経て、MOZUプロジェクトが始まったわけです。

 

 

 

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もちろん、このリメイクも素晴らしかったですが、原点映画インファナルアフェアも数倍素晴らしいです。
麻薬潜入捜査官がマフィアに潜入捜査、マフィアの若頭が警察内部に忍び込み、共に頭角を現し信頼を得て出世していく中で、
バレたら即殺されるという恐怖の中、職務を全うしながら情報を流し、
方や組織を壊滅する為に、方や組織を守る為に攻防する様を緊迫感に満ちた心理戦とバイオレンスなアクションが魅力的なストーリーです。
一応三部作とも面白いですが、1だけでも十分面白い映画です。

 

 

 

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因みに、これをハリウッドでリメイクしたのがマーティンスコセッシ監督、レオナルドディカプリオマットディモン主演のディパーテッドになります。

 

 

 

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というわけで、長々としたイントロダクションでしたが、それだけ楽しみにしていた作品ということで。
そんな日本映画の常識を超えた史上空前のスケールで描いた大作映画の感想は、








そんだけ盛り上げてあっけない幕切れ。


以下、核心に触れずネタバレします。








何と言っても大スケールは見逃せない

テレビドラマから期待していた通りの圧倒的、大規模なロケ、カーチェイス、爆破、アクションといった
大迫力のオンパレードは確かに日本映画の歴史に名を刻むほどの出来栄えでした。
それ以上に、ノワール感漂う光のコントラスト、モノクロ感、どこを切り取っても画になる映像はさすがでした。
真っ赤に揺らめく炎、真夜中に射す光と影、光の三原色をときに鮮やかに時にぼやけたりと全編において徹底的に仕上げていました。

カメラアングルにもひとつひとつのこだわりと、登場人物全員がかっこよく見える見せ場を作りあげていて、縦横無尽に動いたり、遠くから、はたまた、近くからのショットに気合の現れが見えました。

海外ロケだからこそできるダイナミックな爆破やカーアクションも見応え抜群だし、街中の倉木無双、裏切り者フルボッコも笑ってしまうほど、ハリウッド大作でよく見るアレだな、と。
ワガママ言えば、追跡シーンで家の屋根の上とか走ってくれたらもっとよかったなあとか思ったけど、アジアの家じゃ足抜けちゃうか…と現実的な考えもしちゃったりなんかして。
廃墟での新谷VS権藤のシーンも細かいカット割りで壁を使ったアクロバットやら、崖っぷちのシーンまで若手2人の狂気対狂気の体を張ったアクションを堪能できます。

確実に近年の007、ダークナイト、ジェイソンボーンシリーズといったダークな部分とハードボイルドなアクションを意識して作られた作品は、まだまだ日本映画の可能性を感じさせるものに違いない、と感じました。
この辺のシリーズに誰か呼ばれねえかなぁ。



ドラマ見てないと確実にわかりませんよ。

登場人物の背景は倉木以外はほぼ説明なしで描かれてます。
明星のお父さんのこととか、大杉の現在の職業とか父と娘の関係とか、新谷の説明とか、東の立ち位置とか、
挙げればキリがない。
モズのマークすら何だこれ?と思う人もいるかもしれないですね。

もしドラマ見てないで楽しめるキャラと言ったら長谷川博己演じる東ですね。
クルゥアキィ〜っ!!とエセおフランスなアクセントで倉木を呼び、快楽として悪業をこなし、高笑いをしたあとに、わけわからないお面をつけ、チャオ!とあいさつ。
ボロボロの倉木を写メして、さいこ〜ダァ〜と不敵な笑みをうかべる。
ハンターハンターのヒソカを思わせる変態ぷり。
彼のスタイルは笑わずには入られません。
今作の登場シーンもあー絶対東だ!と思わせる登場だと思うほど。
最近変態チックな役しかやってないけど俳優人生大丈夫か?長谷川博己。



話自体はわけわからん。

冒頭バーで目覚める倉木のシーンから始まり、明星、大杉は娘の誕生日プレゼントを買いものに。
そこへ、テロ事件勃発。実は、大掛かりなトラップで目的はある少女の拉致。
今回の物語に必要不可欠なキーパーソンを偶然助ける倉木。
大杉の事務所で少女を匿い、明星は倉木に事件の協力を依頼するも断られる。
気がつけば、大杉の娘も明星も誘拐され、ペナン共和国へ。
で、この一連の事件にダルマの存在が浮上する、という流れ。

ここまでが結構駆け足で、話の3分の2はペナン共和国だったと思います。
アクションを重点に置きたかったのが何となくわかる時間配分も仕方ないかとは思いますが、
説明不足とセリフの長さに理解するのが難しいというのが1番印象に残った結果に。

日本の未解決事件においては全てダルマの仕業、というくらいあまりに大きすぎるフィクサーの人物像も説明が足らないし、
新谷が登場する意味もよくわからない。双子の設定なのでシーズン1しか見てない人はどっちだかよくわからないだろうし、
東と倉木はなぜ惹かれ合うのか。
途中、冒頭と同じシーンが。は?夢?
と、ぱっと挙げればこんな感じ。
大まかには理解できるが細かい点は、やや理解に苦しむ。

そもそも、カットされた部分がかなりあったのかなと思います。
序盤駆け足だったことを考えるともっと前置きがあったのかな、と。
ペナン共和国ついていきなり謎の少女がさらわれてるし。
そもそも、この子パスポートは?

でもって、ラストはあっけない幕切れです。
拍子抜けするあいつの弱さ、あの炎で囲まれたヘリポートから、あなたどこから出てきたの?てか、なんで出てきたの?

でもって、全ての伏線が回収されるわけではないような。
というか最後自体が謎。

続編も考えてるのでしょうか。
まあ、監督も海猿撮れないからシリーズもの欲しいところだろうし。

画もこだわりがある分、クドイとも。
このカットが撮りたいから先行と、どうだ!感は確実にあったな、と。
モズが獲物を枝に刺すアレ、新谷が殺す時にやるんですけど、今回もありました。
格ゲーで超必殺技でK.O.したかのようなあの画。
撮りたかったんだろなぁ。







とにかく、話の内容、というか脚本に難ありですが、映像は革新的、いや、監督のこだわりがでていて、これはドラマから見てわかるようにとにかくハードボイルドにしたかった、
のが凄く表現されてるのは評価できると思います。
ドラマを見ていた人は是非ご覧あれ。





満足度 ☆☆★★★ 2