モンキー的映画のススメ

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主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

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映画「ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲」感想 評価 レビュー

月21日

ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲 ラプソディ

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あかん、今週何も書いてない。ZOZOTOWNのハイパーセールに夢中でしたww

そもそも新作映画見てないしね。この3連休にNetflixのジェシカ・ジョーンズを一気見しようと努力してますが、この作品を見ないとね。

さ、今月の大穴映画の登場です。今月ミニシアター系ぜんぜん見てないので、こういうときこそ期待できる作品だと思って見て参りました。

 

 

あらすじ

 多感な少女リリ(ジョーフィア・ブショッタ)は13歳にして両親は離婚、学校では問題児扱いされている。 どこにも居場所がないリリの心のよりどころは賢くて素直な飼い犬のハーゲンだけだった。

そんなある日、リリは数日間、折り合いの悪い父親のもとに預けられることになった。 父親はアパートに連れ込んだハーゲンのことが煩わしくてしょうがない。しかも、雑種犬の飼い主に重い税を課す新たな法律が施行されていた。

怒った父親は、高架下にハーゲンを置き去りにしてしまう。 「必ず迎えに来るから!」と涙するリリ。これが少女と犬の長く壮絶な受難の日々の始まりだった。

リリはいっそう孤立感に打ちひしがれ、必死にハーゲンを捜し続けていたが見つけられない。

ハーゲンはホームレスに拾われ、野犬ブローカーに売り飛ばされてしまう。 そして、 流浪の果てに裏社会の闘犬場へと駆り出され、獰猛な野生に目覚める。

やがてハーゲンは、虐げられてきた犬の群れを率いて人類への反乱を引き起こすのだった……。《HPより引用》

 


ホワイト・ゴッド / White God 予告編 - YouTube

 

 

 

カンヌ映画祭にて高評価

第67回カンヌ映画祭にて、この作品は「ある視点」部門でグランプリを、また同映画祭にて優秀な演技をした犬に贈られる、この映画祭の最高賞パルムドールをもじって名づけられたパルムドッグ賞を受賞した作品だそうです。

過去には、「カールじいさんの空とぶ家」に出ていた犬や、「アーティスト」にでていたアギーなんかもこのパルムドッグ賞を受賞してます。アギーが受賞したこの年に関しては、マーティン・スコセッシが「ヒューゴの不思議な発明」にでていた悪役犬のドーベルマンが候補に入ってなくて激怒したなんて話もありましたが。

 

そんな名誉ある賞を受賞した250匹もの犬たちですが、なんと施設に預けられていた犬たちに演技させているんだとか。

すげー!!しかも、ハッピーなことに出演した犬全てに数多の飼い手が名乗りあげ、無事引き取られたという胸アツな話までついてくるおまけ付き。

ここまでくると犬好きにはもってこいの映画なんじゃないでしょうか。

 

しかも、海外の評価では軒並みの高評価なようで、全米批評サイト「Rotten Tomato」では92%という高い支持が、そして、カンヌでは内容の衝撃のあまり、ヒッチコック監督の「」や、今尚人気シリーズとなっている「猿の惑星」を引き合いにした絶賛評らしいです。

 

とまぁ、公式ホームページに書いてあることほぼそのまま書いたイントロダクションになっちゃいましたww

だって、監督もキャストも知らないしなぁ・・・。

 

 

 

というわで、そんなカンヌで絶賛された犬と少女の物語の感想は、

 

 

 



おいっ!犬はこんなに怖いのかっ!

以下、核心に触れずネタバレします。










とにかく犬がスゴイよ、これ。

主役のリリの飼い犬ハーゲンは雑種犬とはいえ、しっかりとしつけられたいわばお坊ちゃんであり、そんなお坊ちゃんがいきなり外に放り出されるわけで。
そこからの彼の心情が言葉がないにもかかわらず行動と鳴き声、重厚なクラシックの音楽と共にグサグサ心に突き刺さります。
おそらく犬飼ってない人でさえ同情し、かわいそう…なんて思えてくるかと。

そんな感情は、ある時を境に恐怖に変わります。
人間に対し反旗を翻した犬たちは、飼い主である人間=ゴッドに牙を剥くわけです。
野生の生活を送るハーゲンの内に秘めた闘争本能は恐ろしく、剥き出しの牙がホント怖かった。


今まであんたらに従順なペットとして尽くしてきたのに、なんだこの屈辱は!!
頭きた!お前らなんか喰い殺してやるぜ!

みたいな。

この犬の変貌ぶりに度肝を抜きました。
序盤とまるっきり顔が違います。
血だらけになった顔をブルブル震わせてしぶきを上げにらめつけるところなんか、あーこわっ!!
もしかして、2匹で演じ分けてたのかな?
もしそうだとしても私は騙されてるくらい見入ってしまいました。

そして、そんな犬たちを撮影するカメラワークも下からの犬目線でのローアングルを、
あらゆる角度から撮影している点はかなり苦労したんじゃないかと。
きょうのわんこを毎日撮影してるめざましスタッフも脱帽なんじゃないでしょうか。

さらに、この犬たちを演技指導した動物コーディネーターも、よくここまで犬たちを統率できたな!と感服いたしました。
人間と犬の演技ならまだしも、犬と犬を演技させるなんてまぁご苦労なことでしょう。
しゃべってないのに何しゃべってるかわかった気にさえなりました。

ここは、監督はじめ、スタッフを褒めるべきところかな、と。



リリと父の心情

リリにとって、ハーゲンはかけがいのない存在。そんなハーゲンを雑種犬という犬種と課税、そして、父の横暴っぷりが降りかかるわけです。
ハーゲンと離れてしまったリリは、わかりやすいようにやさぐれていきます。
一応毎日ハーゲンを探してはいるものの、望みが薄くなっていくに連れふくれっ面になり、
演奏会の練習では、指揮者の先生に盾をつき、
気になる男の子とクラブへ行き、ドラッグを渡され、酒をかっくらい補導される始末。
うーん、わかりやすい。
でも、父の反応が、ん?と。

離婚して離れてたからか、リリを未だ子供扱いしていたのもあり厳しく接していたのが序盤描かれていました。
その証拠に出会って最初にシャボン玉をプレゼントww
いやぁ、子供扱いしすぎだろ。
非常に安易な表現に苦笑してしまいましたが、
補導のシーンでは、子供扱いしてゴメン、と改心なさった様子。
なんですか、ハンガリーでは補導されたら立派な大人みたいな風習でもあるんですか?
そこからの横暴っぷりは全くなく、なんか納得いきませんでした。
いやいや、ドラッグ所持して補導されたんだから、そのまま横暴っぷり見せてよ!悪者でいてよ!頬ひっぱたいてさぁ、軽いDVパパになってよぉ〜。そういうところが離婚の原因だったのかぁって思わせてよぉ。
とか。

と、つかめない人でした。

人間模様としては、このリリのやさぐれっぷりとハーゲンが野良犬と化していく流れは交互に映されていて、お互いを失って心が崩れていくのをリンクしてるように感じました。





DOGを逆から読むとGOD

監督曰く、犬にとって飼い主=人間は神であり、社会的に見捨てられている存在の象徴だと言っています。

猿の惑星を例に挙げた記事が言うように、犬が意志を持ち、神を失ったら、必要なくなったらこうなると言わんばかりの逆襲劇が終盤描かれているわけですが、
正にDOGがGODになろうとしてる作品だなぁ、と。
我々が何かを滅ぼそうとしたり、邪魔モノ扱いすると、それが原因で我々に危機が降りかかるような映画は数多くありますが、
これだけ身近な動物だって、こうなることはあるぞ、と風刺した映画だな、と。


でも、ここまで犬目線の作品なら、いっそリリの人間模様いらなかったなぁ、特に男の子との非行のあたりとか、反抗的なとことか。
まあ、リリがいないとエンディング成立しないんだけどね。





とにかく、この犬たちの統率の取れた行動、悲哀感たっぷりのお顔、はつらつとした闘争本能と牙剥き出しの威嚇、そして、終盤の迫力たっぷりの犬たちの襲撃は見事でした。

犬好きには辛い描写が続きますが、犬が好きな人、飼っている人、飼ってない人も無視できない、考えることを与えてくれる作品だな、と。
ラストカットがそれを意味していると思いました。




満足度 ☆☆☆★★ 2.5