モンキー的映画のススメ

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主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

【ネタバレ】映画「エージェント・ウルトラ」感想と評価 設定は大好きなんですけどねぇ…

エージェント・ウルトラ

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すっげ~ノリとかアクションとか色味とかよさげじゃん!

 

でも、これタイトルダサくない?なんか他になかったん??原題はアメリカン・ウルトラなのか・・・大してかわんねぇなぁ。

ともかく、ボーンシリーズを確実に小馬鹿にした話なんだろうな・・・面白そうっ!!的な感じで見てまいりました。

 

 

 

あらすじ

マイク・パウエル(ジェシー・アイゼンバーグ)はバイト中にレジでスーパーヒーローのサルを主人公にした自作漫画を描きながら、のらりくらりと過ごすダメ男。

一念発起で最高のプロポーズ演出しようと同棲中のガールフレンドのフィービー(クリステン・スチュワート)とのハワイ旅行を計画する。しかし、直前にパニック発作を起こし飛行機に乗ることさえ出来ない。フィービーは、そんなマイクを責めることなくやさしく見守っていた。

ある日マイクは店番中に謎の暗号を告げられる。気がつくと、スプーン1本で2人の暴漢を刺殺していた。マイクはCIAの極秘計画でトレーニングされた最強エージェントだったのだ!

覚醒したマイクは、極秘計画の封印を目論むCIA幹部に命を狙われる。州を封鎖され、殺人マシーン化したエージェントが次と々襲いかかる――。

葉っぱ中毒のダメ男から、最強エージェントとして覚醒したマイク。人質に取られたフィービーを救い、見事プロポーズをキメる事ができるのか?《HPより抜粋》

 

 

 

 

監督・キャスト

監督はニマ・ヌリザデという方。

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なんか顔はマラドーナみたいで、名前はどこの民族だ?みたいな名前ですが、イギリス人だそうで。

経歴としては主にミュージックビデオの監督をしていたそうで、数々の賞と、数々の著名なタレント、アーティスト、スポーツ選手などを起用したCMが話題となりカンヌの国際クリエイティビティ・フェスティバルで銀獅子賞を受賞するなど映像面でその名を轟かせたみたいです。

映画でいうと、2012年「プロジェクトX」で映画デビューしてます。こちら見たこと無いので何もいえませんが、高校生の乱痴気パーティーを題材にしたコメディーなんだとか。決して真面目なドキュメンタリーのほうではないですww

 

 

主演のマイク・パウエル(って100メートルの陸上選手にいなかった?)役を演じるのがジェシー・アイゼンバーグ。

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この人が大体やる役が世の中ナメた感じの現代的なゆとりっ子ってイメージのものばかりな気がします。しかも早口。で写真みたいな表情ですっとぼけてかる~くコトを済ます感じ?

と個人的なイメージはさておいて、過去作としては、

M・ナイト・シャマラン監督の「ヴィレッジ」(え?どこにいた?)や、「ゾンビランド」、facebookの創始者マーク・ザッカーバーグを題材にした彼の代表作、「ソーシャル・ネットワーク」、

カラダに爆弾を巻きつけられ銀行強盗するハメになってしまう「ピザボーイ史上最凶のご注文」、

華麗なるマジックで銀行から大金を盗む4人組を描き、続編も公開予定の「グランド・イリュージョン」などがあります。

そして、来る3月にはDCコミックの2大ヒーローが対決し、その後結成されるジャスティス・リーグに繋がっていく映画「バットマンVSスーパーマン」でスーパーマンの宿敵レックス・ルーサーを演じます。きっと憎たらしいイライラするような演技するんだろうなぁ。

 

 

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 なかでも、一番好きなのがこの作品。

謎のウィルスにより感染した者がゾンビと化し,荒廃した世界で、生き残っていたヒッキーでゲームオタクの青年と、道中で出会ったゾンビを駆逐することに執念を持っているワイルドな男、姉妹そろって詐欺師の2人とゾンビのいないと噂されている遊園地に向かうべく行動を共にするコメディ映画です。

主人公が臆病なゲームオタクとあって、ゾンビを倒すためのルールとやらを自分の中で決めるのですが、これがゾンビモノのゲームあるある感覚で見ることが出来るので非常に笑えます。

たとえば、ゾンビは必ず2度撃ちでしとめる、とか、ショッピングモールは補給基地、とか、車の後部座席を確認しろ、トイレに用心、などなど。

おまけに、途中、あるコメディ映画界の大物ハリウッドスターの豪邸に忍び込んではしゃぐんですが、そこでまさかのご本人登場!!しかもソッコーで死ぬっ!wwwおぉ~贅沢っ!!ンでもって爆笑www

ホラーのような怖さは求めず、笑える映画としてご鑑賞いただければと思います。

 

 

 

マイクの恋人、フィービー役を演じるのが、クリステン・スチュワート。

 

 もう中指立てるのがスゲー似合う不良感。切れ長の目、汚い言葉とか5分に一回は吐いてそうな育ちの悪さをもってそうなイメージすかね。

ご存知「トワイライト」シリーズでヴァンパイアと人狼を手玉に取り天秤にかけていた小悪魔ちゃん・・・いやいやそんな話じゃなく、ヒロイン・ベラを全シリーズ熱演、ギャラも大ヒットで跳ね上がり、はれてトップ女優の仲間入りを果たした彼女ですが、

子役時代からショービジネスの世界に足を踏み入れており、「パニックルーム」や「ザスーラ」などの映画に出演してたんですねぇ。知らなかった。

他にも、伝説のギャルバンドの自伝映画「ランナウェイズ」や自由を求めて男女3人でアメリカを横断するロードムービー「オン・ザ・ロード」、

裕福な青年が本当の幸福を求め旅に出る「イントゥ・ザ・ワイルド」に、グリム童話白雪姫をシリアスなアクションモノに仕上げた「スノーホワイト」などなどどちらかというと等身大の青春モノに出演が多かった傾向にあるんですかね。

そんな彼女も去年公開された「アクトレス~女たちの舞台~」でフランスでの米アカデミー賞に値するセザール賞にてアメリカ女優としては初の助演女優賞を受賞して話題になりました。これが女優としてのいい意味での転換期になることを期待したいですね。

 

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 チチチチチチチチチェリーボムッ!チ多いか?まぁいいや。

彼女のイメージで書いたとおり、やっぱりこの人は不良少女Aにしか見えないんですよねぇ。どんなにいい女演じても、顎と目がシャープだからサメ顔にしかみえねぇしなぁ。そんな彼女の外見をフルに活かしたのが、伝説のガールズロックバンドの伝記映画です。

ロックは男が演るものという風潮のなか、ロックを夢見るギタリスト・ショーンは10代の女の子のロックバンドを作ろうとしていたプロデューサーと出会い、メンバーを集める。やがて、チェリー・ボムのヒット曲と同時に一気にスターダムへと駆け上がっていくが、彼女たちに危機が訪れる。

クリステンはそのまんまですが、彼女よりも子役で一斉風靡したダコタファニング変貌振りが強烈なインパクトとして残っています。もう完全に安達祐実状態ですwww

よくある“終わらない祭は無い”といわれるような「祭り」的な青春映画ですが、音楽映画としてもいい出来だと思うので是非。

 

 

 

他にも、エイドリアン・イエーツ役にスパイダーマン3でヴェノムを演じたトファー・グレイス、ローズ役にあらゆる映画に悪役でみかけるジョン・レグイザモ、クルーガー役にインデペンデンス・デイビル・プルマンが脇を固めます。

 

 

さてさて、過去に競演歴のある2人が見せる、葉っぱ好きなダメ男が最強エージェントへと覚醒する、アクション型ラブストーリーの感想は、

 

 

 

 

 

 

 

 

アクションなの?コメディなの?ラブなの?シリアスなの?

以下、核心に触れずネタバレします。
 
 
 
 
 
 
 
 

非常にもったいない。

やっぱりジェシーは草食系でバカっぽい、でもパッと見イケメン、ダメっぽさがあるのにニヒルで頭もいい、そして早口!
それがキレッキレのアクションやるかと思ったらそーでもない。てか違和感ありすぎ。
なんかそのまま戦って傷を負いながらも勝つ、そんな感じでした。
 
クリステンも中指立ててドS感たっぷりな匂いを出すかと思いきや、序盤の癒すオンナを醸し出してるっぽい演技だけど目は笑ってないし。
 

花火で派手な演出、EDMで胸打つ音楽、ブラックライトで怪しげに映る地下室、そんなのとは対照的な田舎町。

そんな若者ウケしそうな美術や音楽を取り入れ、対比を作っておきながらもうまく活かせてない気がしたし、話と合ってない気もした。

 

序盤のマイクが描いていた猿の漫画。後々重要なキーアイテムかと思いきや特に出番なし。

これの通りの話だったら面白かったのに。

思ってた以上に血が飛散したり、殺し方がバイオレンスだったりしたけど、ただただひどいという風にしか見えない。

青年コミック風な作り方したかったらキックアスキングスマンのようなマンガチックな殺し方を見習った方がいいと思う。

 

そう全体的に楽しめそうな設定やツールやあらすじなのにもかかわらず、見せ方、役者の良いところ、展開などがうまく出来てない。だから、もったいないというのが大きな印象でした。

 

 

全部やりたくて線引きが曖昧

見た後に思い出した映画が、踊る大捜査線ザ・ムービー3でした。
もっと思い出せるのあんだろ!?と自分でも突っ込みたい気分ですが、そこは抑えていただいてww
 
当時何年ぶりかの踊る復活でプロモーション活動に勤しんでいた織田裕二が、どんな作品か聞かれるたびに、
 
ずっちぃーなぁ〜ww
 
とは、一言もいってませんでしたが、必ずと言っていいほど、
ギリギリ笑えるか笑えないかのラインで作ってます。
と。
確かに踊る3は青島が病気で余命がどーのこーのというのが底辺にありました。生死の話題を笑えるか笑えないかのギリギリのラインで作られた脚本に、評価としてそのラインを越えられた人、そうでない人と分かれてしまったのが面白かったかどうかのひとつの分岐点だったという思い出としてありました。もちろん私は前者でしたが。
 
そして、このエージェントウルトラは正にその笑えるか笑えないかのギリギリのラインで作ってるように思えました。
残念ながら私は後者でした。
笑っていた人もチラホラいましたが、私はひとつも笑えなかった。
 
イヤ、笑いどうこうではなく全体的に楽しめなかった。
というのも、ダメ男がエージェントになるというアクションコメディだと思ったから観に行ったのに対して、蓋を開けてみれば、
アクションは、ボーンシリーズを彷彿とさせる巧みなカメラワークにスピーディーな殺陣!
終盤はホームセンターでの格闘シーンでしたが、
商品を巧みに使いまるでイコライザーでの怒れるクマちゃん、デンゼルワシントンを彷彿とさせるかのような無敵の攻撃!えっ!?それをそんな風に使うの!?
 
とはいかず、
最初こそ細切りにしてアクションにキレを入れたものの凄味は無く、終盤は長回しワンカットのような作りで敵を倒すものの、子どものケンカの延長にも見て取れる攻撃でエージェントらしさはなく、細切りじゃない分間延びして見える、
そんな印象を受け、
 
ラブストーリーに関しても、付き合いだした馴れ初めも無ければどこに惹かれたか説明はなく、
走り続ける車とそこにずっと立っている木を自分たちに例えるセリフにイマイチピンと来ず。
それを最後セリフで説明するのかい!そこは画で来いや!
とこれまた感情移入できず。
 
肝心のコメディ要素は…見当たらない!!
え?マイクのダメ男っぷり?哀愁しか感じないよ!
え?CIAの仕切ってた奴?全然振り切った悪党に見えねーし。
え?歯の欠けたエージェント?ただ狂ってるだけじゃん。
え?え?え?
の連発でした。
 
こう思ったのも、監督のギリギリ笑えるラインで、ギリギリ感情移入できるラブストーリーで、ギリギリかっこいいと思えるアクションで、あえて作ったのかなと。
そして、あらゆるジャンルを入れ過ぎて中途半端になったのかな、と。
 
もしくは、俺の作品が理解できる奴だけわかればいいんだ!
と言われてるような。
そもそもあなたの作品これが最初ですから!
私の監督への理解力が足らなかったのが原因なのかなー。
 
 

 

理解できる部分もあったんですよ。

なぜ、こんな田舎町から出ることも出来ない葉っぱばかり吸ってラリってる、飯もろくに作れないような奴に彼女はホレたのか、
序盤、ハワイ旅行をドタキャンすることになり、なぜ彼女はストレートに怒らなかったのか、
ただ好きだからという理由で一緒にいるわけじゃないでしょう?と。
 
そこに関してはちゃんと答えがありました。
ここは、宣伝担当の方、うまく隠してくれてありがとうと言いたい。
ここだけは、中盤での種明かしの際に全て合点がいきました。
 
そうなった時に、序盤でマイクが話した、君は走り続ける車で僕がそれを止めてしまう木だ、
というのを、終盤に木はアタシの方なの!というセリフに納得できるな、と。
もっといい例えにしてほしかったけどね。
他にも、保護者目線で彼を見てたり、とにかく励まして勇気付けたり、アタシのことは構わず逃げて!だったり。
唯一、なるほど!と思った部分でありました。
 
 
 
どうも予想どおりいかないとノレないし、かといって予想を裏切ってくれないと面白くないし。
この作品に関してはそれ以前の話でしたが。
まあ、つまらなかった作品の感想は支離滅裂ですwうまく書ける気がしませんww
 
 
というわけで、今年暫定ワースト1位の映画でした。はい。

満足度 ☆★★★★★★★★★1/10