モンキー的映画のススメ

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モンキー的映画のススメ

主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

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映画「オデッセイ」感想 評価 レビュー

2月6日

オデッセイ

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これも一応、スターウォーズ公開に追いやられたのか、アカデミー賞に合わせたのかわかりませんが、2016年巨匠シリーズ第4弾です。今年すごいよ全く!!

 インターステラーに続き、またもやブタメンにしてゴリラみたいなバディ、マット・デイモン宇宙に取り残されるの巻っ!!

さっそく見てまいりました。

 

 

あらすじ

 火星での有人探査中に嵐に巻き込まれた宇宙飛行士のマーク・ワトニー(マット・デイモン)。

乗組員はワトニーが死亡したと思い、火星を去るが、彼は生きていた。

空気も水も通信手段もなく、わずかな食料しかない危機的状況で、ワトニーは生き延びようとする。

一方、NASAは世界中から科学者を結集し救出を企て、仲間たちもまた大胆な救出ミッションを敢行しようとしていた。《映画サイトより抜粋》


映画『オデッセイ 』予告編

 

 

 

 

監督・キャスト

 監督は、SFのイメージしかないけどSF以外もガンガン撮ってるリドリー・スコット

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もうエイリアンを監督したのって79年なんですねぇ。んでもって、82年には伝説的SF映画ブレードランナーを手がけ一躍映画界を代表する監督に。

でも、90年代は女性2人が逃避行するテルマ&ルイーズ以降パッとしない作品が続き、デミ・ムーアが坊主になって海軍に入隊するG.I.ジェーンが酷評の嵐でしたが、

00年代に入ると、帝政ローマ時代を舞台にした剣闘士グラディエーターでアカデミー賞作品賞を受賞し、かつての輝きを取り戻します。

その後も羊たちの沈黙の続編にあたるハンニバル、ソマリア内戦での戦いを描いたブラックホーク・ダウンニコラス・ケイジが潔癖症の詐欺師を好演した、監督としては異色の作品マッチスティック・メン

麻薬王の追い詰める警察官たちを描いたアメリカン・ギャングスターなどなど。

そして、蓋を開けてみればエイリアンかよっ!と誰もが突っ込んだプロメテウス

弁護士の軽い気持ちが危険な目に巻き込まれる悪の法則と、近年は賛否両論が大きい作品が多い気がします。

こう並べてみると、SF映画はプロメテウスまで作って無いんですねぇ。どちらかというと男と男のぶつかりあいみたいな汗臭い作品が大半を締めてる気がします。

 

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 やはりリドリーはこの作品がベストだと思います。

近未来を舞台にし、その後のSF作品すべてに影響を与えた礎とも呼べる作品

感情が芽生えてしまったレプリカントと呼ばれる人造人間を処刑するための捜査官ブレードランナーが捜査していく中で主犯格グループのリーダーから彼らの本当の目的を知ることになる。

日本を意識した街並みや、それ合ってんの?的な日本語の多用、卓越した映像センス、未来という明るいものとは到底思えない雨の止まない混沌とした薄暗い都市、心を持ったアンドロイドなどなど、今では当たり前な設定も当時は画期的なものとしていろんなものに影響を与えていたことでしょう。

さまざまな矛盾が生じたせいで、デッカードもレプリカントじゃないのか?なんて論争もあるくらい。それくらい人気だったってことですかね。

個人的には冒頭のハリソン・フォードが演じるデッカードが丼ものを4つ頼んで2つで十分ですよと店主から言われるシーンがツボです。未だに何頼んだのかわからないwww

うどんだっけか??

なんと、この作品の続編を製作中とのこと。あわせてプロメテウスの続編も来年公開予定だそうです

 

 

 

主演は、冒頭でも書きましたブタ顔でゴリラバディのイケメンでケツあごのベン、改め5代目バットマンを親友にもつマット・デイモン。

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今作で火星にぼっちになっちゃう不運な宇宙飛行士マーク・ワトニーを演じます。

お友達のベンアフレックと共に学生時代書き上げた脚本グッドウィル・ハンティングアカデミー賞脚本賞を受賞し、本人も主役で出演、同賞主演男優賞にもノミネートされ名前が知れ渡り、

その後も、ノルマンディ上陸作戦の中で救出される兵士を演じたプライベート・ライアン、名作太陽がいっぱいのリメイク作リプリー、豪華ハリウッドスターが織り成す泥棒たちのド派手な金庫破りを描いたオーシャンズシリーズ

もはや彼の代名詞ともなった記憶をなくしたCIA工作員を描いたボーンシリーズ、香港ノワールの代表作をリメイクしたディパーテッド、アパルトヘイト後のラグビーチームを描いたインビクタス/負けざる者たち、父の敵討ちのため保安官たちと旅をする少女を描いた西部劇トゥルーグリット、スラム化した地球と資源豊かなコロニーとの格差をSFにしたエリジウムなどなど

アクションも出来、名だたる名監督から買われその演技力を見せつけ、とうとう今作ではアカデミー賞主演男優賞にノミネートする快挙を成し遂げています

 

 

 マット=ジェイソン・ボーンでしょう!

記憶をなくしたCIAの元工作員が証拠隠滅のためCIA本部の刺客から追われながらも真相を探るサスペンスアクション映画。

3部作になるほど人気になった作品で最初こそあどけなさが残るものの続編スプレマシーアルティメイタムを回を重ねるごとに動きや演技に円熟味が増してるのがわかります。

記憶の断片から自分が何者かを辿り、過去の自分と葛藤しながらも愛する人を守り、失い、それでも能力を駆使し、真実へと向かう孤独な男の背中は、たくましくもあり悲哀にも感じ、いつまでも彼の動向を追いかけたくなる、そんな作品かな、と。

アイデンティティー以外は晴れ晴れとした終わり方では無いですが、アクションとしてもサスペンスとしても満足できる作品だと思います。

 

 

 

共演にジェシカ・チャスティン

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火星に取り残されたマークを救出すべく奔走するメリッサ・ルイス船長を演じてます。

彼女に関しては以前書いたのでそちらをどうぞ。

 

monkey1119.hatenablog.com

 

 

他に、クリステン・ウィグ

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今作でNASAの広報担当者アニー・モントローズを演じてます。

どちらかというとコメディ女優の印象が強いですね。てか、コメディの人なのか。

なかでも、花嫁介添人の主導権争いをバカバカしく描いたブライズメイズ~史上最悪のウェディングプラン~は秀逸で面白いです。女性版ハングオーバーなんていわれるほど。

他にも、宇宙人ポールでは宗教に信仰心の強い女性が宇宙人と遭遇し価値観が180度変わるという役どころを面白おかしく演じていたし、ベンスティラー監督主演のLIFE!ではヒロインを熱演していました。

 

他にも、NASA長官テディ・サンダース役に幅広いジャンルで活躍するジェフ・ダニエルズ

操縦士リック・マルティネス役に去年のアントマンでの助演が記憶に新しいマイケル・ペーニャ

フライト・ディレクター:ミッチ・ヘンダーソン役にコワモテな悪役に定評のあるショーン・ビーン

システムオペレーター:ベス・ヨハンセン役にファンタスティックフォーケイト・マーラ

ドクター:クリス・ベック役にキャプテンアメリカのウィンターソルジャー役でおなじみセバスチャン・スタン

天体物理学者:アレックス・フォーゲル役にラストナイツアクセル・ヘニー

そして、このミッションの統括責任者であるビンセント・カプーア役にそれでも夜は明けるキウェテル・イジョフォーと豪華なキャストになってます!

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そんな巨匠と超ハリウッドスターのタッグが送る、異星での不屈のサバイバルを描いたひとりの男の無謀な挑戦、そして彼の帰りを待つ人類との間に奇跡は起きるのか!?

か、感想です!!

 







異星でのサバイバルなのに悲壮感を感じない!頼もしい!

以下、核心に触れずネタバレします。










誰一人諦めてない。

火星に1人取り残されたワトニー。絶体絶命のピンチの中、自身の知識と経験とアイデアをフル活用して様々なアクシデントや危機を乗り越え、ひとつずつ問題を解決していく。
普通なら最初の嵐ではぐれちゃった時点で失禁ものですよw
それを臨機応変に、しかも楽しそうにやるもんだから、ついついここほんとに火星?と思ってしまうほど。

地球ではワトニーが生きてることを知るNASAの人たちも決して望みを捨てていない。
生きてるとわかった以上、まずは延命のために救援物資を届けることを計画。
だけどその計画は失敗に終わり、ワトニーの残りの食料を計算しても間に合わない。
だけど、他の方法ならあるとNASAの職員が新たな計画を発案。
それを聞いた地球へ戻ろうとしている残りのクルー達も、帰るのが先延ばしになったとしても、命の危険が待ち受けようとも、ワトニーが生きてるのだから連れ戻そうと一致団結。

また何がいいって、アメリカ以外の国が協力してくれるところ。
変に自国の利益が失われることを承知でNASAを助けようとする心意気!
素晴らしい!
そもそも、あんたんところ宇宙開発してるんだっけ?

で、忘れちゃいけないのがそのニュースを知った世界中の人たち。
彼らもワトニーの帰りを待って、外に飛び出しパブリックビューイング状態!

普通ね、こういうのって悪役みたいな人が出てきておかしくないんですよ。
まぁ、長官が一番それっぽい人でしたけど、別に画策して邪魔したりしてないし、部下が勝手にやったことに腹たててないし。
よその国も自国第一なのに協力したりアメリカを非難したりしないし。
民衆もこのプロジェクトに莫大な金がかかってるはずなのにバッシングしないし。
そして、帰る途中のクルーも自己中など誰もいない。早く帰りたいとごねる奴もいない。
もうこの作品の登場人物はそういった悪い人もいなければ諦めている人が出てこない!素晴らしいではないか!

あえて、悪役をあげるならば人間が生きる上で必要なものが何もない宇宙や火星です!
でも、憎いほどキレイで何もない星に何の罪もないんですけどね。






説明がうまくて音楽もポジティブ!

映画の序盤て大体会話を織り交ぜながら
見てる人に語りかけるかのように状況説明してくれるのが常なんですが、ワトニー1人なので会話がない。
で黙々と一言も発せず作業してくのも伝わらない。
そこで、出てくるのが航海日誌として撮影しながら進んでいくという序盤。
こちらに語りかけるかのように丁寧に状況を説明していきます。
自分が実は植物学者だと身分を明かし、どうやって生き延びるかを語り、オレは諦めないぞ!と心の声を吐き出したりとカメラを通して説明することで、相手がいない、会話出来ない状況でもわかりやすく映画に入り込めるようになっていたのはすごく助かりました。

でもって、もっとワトニーの心情をわかりやすくしてくれたのが劇中で流れる懐かしのディスコ音楽!
ジェシカ演じるルイス船長が持ってきていたのがディスコ音楽で、ワトニーはノリに乗れないんですが、見事にワトニーの気持ちを歌ったモノになっていたんです。
例えば、火星に置き去りになったときに流れる、セルマ・ヒルストンDon't leave me this way

Don't Leave Me This Way

Don't Leave Me This Way

  • Thelma Houston
  • サウンドトラック
  • provided courtesy of iTunes

私を置いていかないで!って歌です。

あとは、終盤で流れるオージェイズLove train

Love Train

Love Train

  • The O'Jays
  • サウンドトラック
  • provided courtesy of iTunes

みんなで愛の列車に乗ろうよって歌です。

んでもって、エンディングで流れる
グロリア・ゲイナーI will survive

I Will Survive

I Will Survive

  • グローリア・ゲイナー
  • サウンドトラック
  • provided courtesy of iTunes

私は生き抜くわ!って歌ですね。

極め付けは、先日亡くなったデヴィッド・ボウイの名曲、Starman

Starman (2012 Remastered Version)

Starman (2012 Remastered Version)

  • デヴィッド・ボウイ
  • サウンドトラック
  • provided courtesy of iTunes

宇宙の男って意味のタイトルです。
これに至っては、流れる場面がワトニーを助けるべく、地球へ戻すべくみんながあくせく動いて奔走するシーンで流れるんですが、
やはり亡くなったというタイムリーなこともあり、
あの男が宇宙で待ってるよ、と歌う曲が見事にマッチして目が潤んでしまいました。
デヴィッドもまた宇宙で待ってんのかなぁ…


昨今、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー然り、キングスマン然りと往年の名曲をふんだんに使って演出する映画が増えている傾向にある中で、これほどわかりやすく意味のある曲を流す作品もなかなか無いなぁ、と。

しかも、最近の宇宙モノの作品といえば
ゼロ・グラビティインターステラーと重く張り詰めた緊張感のある大作が続く中で、全く緊張感のないというわけでは無いですが、リラックスして小刻みにリズムが取れる宇宙映画ってなかったので、すごく新鮮に感じられる映画だったんじゃないでしょうか。



風景も素晴らしいです!

テラフォーマーズのような進化したゴキブリも出てこなければ、
荒廃しているとはいえ、マッドマックスのように暴走した改造車やら白塗りの集団がはしゃぎ回るわけでもない、
スターウォーズのようにスターデストロイヤーが寝っ転がった砂漠の惑星ジャクーのようでもない、
みんな同じ砂と岩しかないような場所なのに、火星だなぁ、と思ってしまう風景。
夕暮れ時にのぞかせるオレンジた赤のコントラストがより火星っぽく見えたり、夜の嵐や無数の竜巻も不安定な気候を不定期に出すことで不気味さを醸し出したり、何もないところでのそういった映像が絶望感を突きつけてるようで良かったですね。

宇宙空間も無音状態でロケットの周りをグルグル回るのは正にゼロ・グラビティでしたし、
終盤の命綱がオレンジで彼らを取り囲むような演出もあれ狙ってるなぁと。




監督の心境の変化?

リドリースコットにはトップガンなどの映画監督で弟のトニースコットがいたんですが、自殺してしまいました。
やはり落ち込んでいたのか、近年は救いようのなかった悪の法則や、人類の起源だと思ったら大間違いだったプロメテウス、血の繋がっていない兄弟の戦を描いたエクソダスなど、
正直暗い話ばかりだったと思います。
そんな中でこういった、サバイバルだけど前向きで楽しくて誰とでも喜びを分かち合えるような作品に作られたのは、ワトニー同様ひとつひとつ問題をクリアしていくように、ようやく弟の死を受け入れ、乗り越えたようにも感じます。
しかも、今後は過去の自身の名作の続きを制作と意欲的な部分が見られたりするので今後の監督がますます楽しみになってきますね。







マットデイモンのユーモアなところや巧みな喜怒哀楽と体を張った演技は見て損はないし、難しい専門用語もなんとなくでも十分理解できる作品でした。
自分の人生にも置き換えてみることができ、見てる最中彼の帰りを待ってしまっている自分がきっといるはず。

2月の新作映画は侮っちゃいけないぜ!!


満足度 ☆☆☆☆☆☆☆★★★7/10