モンキー的映画のススメ

モンキー的映画のススメ

主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

【ネタバレ】映画「リリーのすべて」感想と評価 エディとアリシアの美しさたるや。

リリーのすべて

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先月のアカデミー賞にてアリシア・ヴィキャンデルが助演女優賞を受賞した作品。

 

でも、残念ながらそれだけしか取れなかったというふがいない結果に、興行的にまずいなぁと、なぜかお金の問題を気にしてしまう私。だって、こういう映画こそたくさんの人の目に触れてほしいと心から願うからであります。

てなわけで、格安でムビチケゲットできたので見に行ってまいりました。

 

 

 

 

あらすじ

1926年、デンマークのコペンハーゲン。アイナー・ヴェイナー(エディ・レッドメイン)は、風景画で才能を高く評価されている気鋭の画家。彼ほど有名ではなかったが、妻のゲルダ(アリシア・ヴィキャンデル)も肖像画を専門にする画家として活動していた。

結婚6年目の夫妻は新婚カップルのように仲が良く、お互いに助けあい、触発しあいながら忙しい創作の日々を送っていた。

 

そんなふたりの運命が激変するきっかけとなる出来事が起きたのは、ゲルダがバレエダンサーのウラの肖像画を仕上げていた時のことだった。

アトリエに来られないウラの代わりに足元のモデルになってほしいと頼まれたアイナーは、しぶしぶストッキングとサテンの靴を履き、白いチュチュを腰に当ててポーズを取った。最初に感じたのは気恥ずかしさ。

しかし、優雅に足にまとわりつくチュチュの感触に身を委ねているうち、胸に今まで感じたことのない恍惚感がこみあげてきた。

その瞬間から、アイナーは自分の内側に潜んでいた女性の存在を意識するようになる。それがどういうことなのかを理解できないままに。(HPより抜粋)


映画『リリーのすべて』予告編

 

 

 

 

監督・キャスト

監督は、トム・フーパー

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 オックスフォード大学在学中から映像の分野にかかわり、TVCMなどを製作した後、キャリアを積み上げ、ハリウッドの世界に進出、

そして監督の3作目となる作品で、吃音に悩まされたイギリスの王が妻と言語療法士の協力の下、王としての自信と国民からの信頼を得ていく「英国王のスピーチ」でアカデミー賞作品賞、主演男優賞、監督賞、脚本賞受賞という輝かしい成績を収めました

次作もミュージカルとしても多大な人気を誇る名作で世界中が涙したと謳われ、罪人から心を入れ替え市長となった男が警官に追われながらも、血のつながらない娘に深い愛情を注いだ物語、「レ・ミゼラブル」を映画化しこちらもたくさんの賞にノミネートされ絶賛されました。

今作ではその時に出演したエディと再びタッグを組んだことで話題となっています

 

 

 

 

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 ミュージカル、得意ではないんですが、これは別格でしょう!

 

あらすじは、19世紀のフランス。パンを盗んだことで捕まってしまったバルジャンは仮出所したものの、貧しさに勝てず再び盗みを働いてしまうが、司教の優しさに感化され生きる道を正すのだった。そして、フォンテーヌなる女性から女の子を預か愛情を注いで育てることを決意する。しかし、名を変え素性を隠し市長となったものの過去からの罪は逃れられず警官から執拗に追われてしまう。そして時代は大きく動き出そうとしていた、という内容。

 

全編ミュージカルなので台詞はすべて歌で交わされ、なおかつ大掛かりなセット、役者のどアップなど撮影技法や美術もすばらしく、当時を思わせる完成度の高さも手伝ってあらゆる感情が揺さぶられる作品でした。

なんといっても、アン・ハサウェイ演じるフィンテーヌの痩せこけた体から絞るように声にした歌は何度見ても胸を打たれます。バルジャン演じるヒュー・ジャックマンも抜群の歌唱力とふり幅の大きい演技力で魅了してくれるし、もちろ今作の主役であるエディも革命軍のリーダー・マリウスとして存在感を出しています。

 

 

 

 

 

主演のアイナー・ヴェイナー、後のリリー・エルベとなる役にエディ・レッドメイン。

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個人的にはあまり好みではない俳優さんですが、演技はすばらしいと思いますが、キャラというかぁ・・・まぁ顔っ?

蛙にしか見えないんだよなぁ。恐らく彼が純愛モノをやったらまず見ないだろうなぁ。

 

ロンドン出身のインテリで、ケンブリッジ大で美術史を専攻。なるほど、品がいいわけだ。貧乏臭感じないしww で、卒業後俳優を志し、ケイト・ブランシェット主演の「エリザベス・ゴールデンエイジ」や「ブーリン家の姉妹」などの自国映画でキャリアを積み、

転機となったのが、出演した舞台でいくつかの賞を受賞後、トム・フーパー監督作品である「レ・ミゼラブル」でマリウス役に抜擢されたようです。

その後も、マトリックスシリーズのウォシャウスキー姉妹の新作で、貧しい生活をしていた女性が突如宇宙を束ねる王族という血筋の持ち主から、やがて王位継承の争いに巻き込まれるSF大作「ジュピター」でヘタレ感MAXの王位継承を狙う男を演じ、

ALSという難病を抱えながらも理論物理学者として今なお研究し続けているスティーヴン・ホーキングとその彼を支えた元妻の関係を描いた「博士と彼女のセオリー」で、完璧にホーキングになりきったことが評価され、アカデミー賞主演男優賞を見事受賞しました。

 

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そして、アイナーの妻で、彼にきっかけを与えることになってしまうゲルダ役にアリシア・ビキャンデル。

 

急に出てきた感があってアカデミー賞ノミネートしたときは正直驚きましたねぇ。まさに去年一気に飛躍した人。

 

スウェーデン出身の女優さんだそうで、国内のテレビドラマで人気を博し、やがてスウェーデンの長編映画に出演、徐々に活動の幅を広げ、

キーラ・ナイトレイ主演で描かれたトルストイの同名小説を映画化した「アンナ・カレーニナ」や、ベネディクト・カンバーバッチ主演で内部告発サイト・ウィキリークスの内情を描いたポリティカル・サスペンス「フィフス・エステート/世界から狙われた男」などで爪痕を残し、

昨年は、なぜ日本未公開なのかわからない!一刻も早く公開してほしい、女性型のロボットを熱演しアカデミー賞視覚効果賞を受賞したSFドラマエクス・マキナ」や、アメリカとロシアのスパイが手を組んだ60年代の人気TVドラマを、映画界のアウトロー・ガイ・リッチー監督が彼色にリメイクしたスパイアクション映画「コードネーム・U.N.C.L.E.」でヒロインを好演、

そして今回の作品でついにアカデミー賞助演女優賞を受賞するという快挙を成し遂げました。

 

 

彼女の美貌と演技が堪能できるコードネームU.N.C.L.E.の感想です。ぜひどうぞ。

 

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他にも、女装した彼を口説いてしまうヘンリク役に、007シリーズのQ役でおなじみ、映画「ロブスター」でもイタイ役を熱演していたプライベートはモノホンのゲイ、ベン・ウィショー、バレエダンサーのウラ役にジョニー・デップの奥さんであり、大小区別なくあらゆる作品に出演するアンバー・ハードなどが脇で作品を光らせます。

 

 

 

というわけで、世界で始めて性別適合手術を受けたデンマーク人が、命を危険にさらしてまでも自分らしく生きることを望んだ人生が果たしてどんなものだったのか、そして、彼を愛しているにもかかわらず女性として受け入れた妻の覚悟と献身的な支えがどんなものだったのか

それでは、感想です!!

 

 

 

 

 

 

 

美しさと切なさが交互に押し寄せる考えさせられる作品

以下、核心に触れずネタバレします。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

とにかく演技が素晴らしい。

まずは、主役のリリーを演じたエディよりもゲルダを演じたアリシアを評価したい。
率直に思ったのはゲルダの方が主役なのではないか?と思うほど主導権を握っていたと思う。
夫婦を描いた作品で例えるなら、去年エディが出演した「博士と彼女のセオリー」や、ベネディクトカンバーバッチの「イミテーションゲーム」は夫を立てる献身的な妻を受け身の演技で表現したことでどちらの女優もアカデミー賞にノミネートされている。
しかし、アリシアの場合は、受け身の演技ではなく主張の強さが目立った演技に見えて、しっかりエディを立てた器用な演技だなぁと感じた。
役柄も2人の馴れ初めがゲルダからのアプローチだったというエピソードから紐解かれるように、私生活も性生活もリードするのはゲルダだった。
だけど、アイナーが徐々にリリーへと女性化していくにつれ、夫・アイナーを愛していたにもかかわらずいつしかその姿や面影は薄くなり、リリーを見つめる眼差しは哀しさややるせなさ、時と場所と相手により苛立ちをにじませるその表情は素晴らしいものでした。
 
キスをするとき自分にしている感覚になるというほどアイナーを自分のように思い一部と思っていたのに、自分が作ったきっかけで女性になることへの喜びを目覚めてさせてしまったこと、そしてその後の彼女のサポートは同感な反面、終盤に進むにつれ報われなくて見ていて辛かったです。
というように、気がつけばゲルダ目線で感情移入してましたね。それだけゲルダを演じたアリシアが魅力的だったのかな、と。
 
 
もちろんアイナー、そしてリリーを演じたエディもすごかった。
冒頭からこいつだんだん女になっていくってことがわかってる分、何か疑って見てしまうわけですが、そんな隙など一切見せない「男」としての演技を見せ、ストッキングを履いた瞬間、指先から女への兆しが見え始めるシーンは撮影マジックもあるでしょうがお見事でした。
そして鏡の前で裸になり局部を股に挟んで(ノーモザイクですよ!ファンの皆さん!)身体のラインを見るアイナー。
街中からのぞき部屋に至るまで女性の仕草を研究するリリー。
男でも女でも美を追求していく姿は見入ってしまいますね。
 
その後もリリーとアイナーを行ったり来たりな心と身体がバラバラになっていく状態を繊細に使い分け、
気がつけば声なんか最初と全然違っていたし手つきや眼差し、姿勢はもう女性でした。カエルみたいな顔とか思わなかった。
でもやっぱり肩幅は男だったなぁと余計なお世話目線。スカーフで隠していても目立っちゃうからしょうがない。
 
 
 
 

映像も美しい。

そんな2人の表情や掛け合い、そしてコペンハーゲンやパリの風景を写した映像もまたこの話を盛り上げるスパイスになってました。
気になったのは外はあまりいい天気での撮影でなかったし、わざと暗めに撮っていた印象でした。何の意図かはわかりませんが、バカにトーンをあげて明るくしてもそんな話じゃあるめーし、落ち着いたというか重めな色彩だった気がします。
その分リリーの衣装や化粧は対照的に明るめで彼女が映えるように調和していることでリリーの女性らしさがひと際目立って感じました。
 
一番印象に残ったのは顔のどアップの多さですねー。レミゼラブルの時もそうでしたが今回も同様、目線を少しズラしカメラに向かって話しかけ、被写体はど真ん中でなく必ず左右どっちかにずれているか思いっきり端っこ。
でもって、背景をぼかすことで人物がものすごく強調された映像が多々あった気がします。
これがどのような効果をもたらしてるのかはうまく説明出来ませんが、より人物を集中して見られるのかなぁ、と。
人物を端っこに置くのも大体屋内で、壁以外何もモノが無いので人物の虚無感とか物哀しさとかそんなのを表してるのかなぁと。
こういうのわからない時点でまだまだ映画の本質が見極められない素人なのが悔しいですw
 
 
 

作品としての評価は難しい

結論から言うと決して面白いとは思える作品ではありませんでした。
多様性を求める今だからこそ受け入れられるし考えさせられる、草分け的存在の伝記映画を見て為になる、という感じもあるけれど、
物語としては淡々としすぎて物足りない部分はあるし、エディに至っては前作「博士と彼女のセオリー」でスゲ〜演技しちゃってる分、女性をやったとこで二番煎じな感じしかない。彼はこれから普通の役をどう演じるかが問題になってくるのかなぁ。
後はリリーとゲルダ、どちらの側でストーリーを見るかで見方が変わってくるのかも。
私は俄然ゲルダ目線で見てしまったのでリリーに対しては若干冷ややかな目で見てしまったのかも。
つめてーなー、おれ。
 
イマイチ理解できないのは成人しても突如トランスジェンダーとかになるもんなんでしょうか。それこそアイナーは幼馴染の男の子とキスをしたことがあるとカミングアウトしてますが、そこで目覚めたわけではないし。
こんなこといってる時点でトランスジェンダーに関しての知識も乏しいから理解が低くなってる自分もいるわけで。
 
やはり同じLGBTなら先月のキャロルの方がドラマ性が強く物語としても見応えある作品だっただけに、比較してはいけないながらも残念だったようにおもえます。
 
あとは好みの問題でしょうね。女性客が多かったのが印象的で、やはり私のような男性はまだこういうのに馴染めないのかな。
 
 
 
 
 
 
 
とにかく2人の演技に関しては見て損はしない作品だと思います。
リリー・エルベという女性がどういう苦悩を抱え、乗り越え、在るべき自分へと変化していったのか。
そんなリリーを支えた妻の葛藤がどれだけのものだつたのか、そんなところを注目して見てもらえればいいと思います
 
 

満足度 ☆☆☆☆★★★★★★4/10