モンキー的映画のススメ

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モンキー的映画のススメ

主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

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映画「神様メール」感想 解説 暇を持て余した神様のイタズラに娘が反旗を翻す!

ヨーロッパ・アジア

5月30日

神様メール 

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いやさぁ、いくら何でもタイトルが安易すぎやしないかい?

もうちょっとさぁひねりのあるタイトルにできないの?

 そんな不満はさておいて、予告を見て面白そうだったので。

ベルギー映画だそうです。ベルギー映画何か見たことあるかな?

まぁいいや。とりあえず早速見てきました~。

 

 

 

 

あらすじ

神様(ブノワ・ボールヴールド)はブリュッセルのアパートに家族と一緒に住んでいて、パソコンでいたずらに世界を支配している。 

ある日、神様の娘10歳のエア(ピリ・グロワーヌ)は人間に運命に縛られずに生きてほしいと思って、神様のパソコンから人々に余命を知らせるメールを送ったからさぁ大変!

エアが大パニックな世界を救うたびに出ると、彼女の小さくてヘンテコな奇跡は思いがけず人々のお悩みを解決していく。

会社員は鳥を追い北極まで大冒険。殺し屋は不死身の美女にめぐり合い、主婦はゴリラと恋に落ち・・・皆、それぞれの生きがいを見つけていく。しかしエアが最後に出会ったウィリーは死期が迫っていて・・・。

小さな奇跡が呼び起こす、神様のパソコンから人類への【最高にハッピー】なメールとは?(HPより抜粋)

 


映画『神様メール』予告編

 

 

 

 

 

 

 

 

 

監督・キャスト

監督は、ベルギーが生んだ奇才、ジャコ・ヴァン・ドルマル

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この方の作品のタイトルは元レンタル屋なので知ってはいましたが、スルーしてたなぁ。ベルギー映画とか括って陳列したんだけどなぁ。

 

20代から短編映画を作り始め、長編映画第1作で、生まれたときに向いの家の子と取り違えられたと思っている男と、人生の幸福を取り戻すため旅を描いた悲喜劇「トト・ザ・ヒーロー」がヨーロッパ映画祭で主要部門を総ナメ、しかもカンヌ国際映画祭にてカメラ・ドールを受賞し一躍有名になります。

その後も、エリートサラリーマンとダウン症の青年の交流から、関わる人との大切さを描いた「八日目」でも、カンヌ国際映画祭にて主演男優賞をダブルで受賞

不老不死の世界で唯一限りある命を持つ男が、過去を振り返り選んだ、または選ばなかった幾通りもの選択肢を美しい映像で描いたSFヒューマンドラマ「ミスター・ノーバディ」でも各賞で絶賛されたようです。

91年にデビューして今作がまだ4本目というマイペースっぷりですが、それだけ緻密に作り上げているからこその期間と実績なんでしょう。

 

 

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 とりあえず、どんな作風なのか気になり、予習してみました。

 

 自分が産院の火事の際に向かいの裕福な家の子と取り替えられてしまったと信じている主人公の老人。すべての幸福を奪われてしまった人生の思い出が浮かび、ひとつの計画を実行し始める。

 

 過去と現在そして妄想の場面をうまく切り替えながら展開していく作品で、主人公のなんでも他人のせいにしてしまう愚かさと、幼いころに背負ってしまった罪のせいで、どこか幼稚なまま歳をとってしまったような気がして共感はできませんでしたが、作品自体は90分弱と短いながらも無駄のない内容と、主人公の哀愁と父が歌う挿入歌の陽気さが織り交ざった悲喜劇だったように思えます。

 

 

 

 

 

キャストさん、誰も知りませんwww

一応、大女優がお一人出演されてますので軽くご紹介を。

 

ゴリラに片思いしてしまう主婦マルティーヌを演じるカトリーヌ・ドヌーヴ

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もう72歳だそうです。それでもまだ現役なのはうれしいことですね。

つーか、私名前だけしか知らずこの方の作品1本も見てない!せめて有名なやつは見ておかないとなぁ・・・。

 

10代にして活躍し、中でも完全な音楽のみ構成されたミュージカル映画「シェルブールの雨傘」でカンヌ国際映画祭グランプリを受賞とともに世界的に有名に。

その後も、医者の夫とパリで幸せに暮らす美しい若妻が娼婦に興味を持ち、軽い気持ちではじめるも徐々におぼれていく「昼顔」、

美しい双子姉妹がパリに憧れを抱き、夢と理想の姿を追い求める「ロシュフォールの恋人たち」、

近年では、屋敷の中で起きた殺人事件を元にそこにいた8人の女の隠されていた事実が明らかになっていく戯曲をフランソワ・オゾン監督によってミュージカル映画として作られた「8人の女たち」、

以前から熱望していたコメディとして、単なるお飾り妻だったブルジョワ主婦が夫に代わって傾きかけていた工場を運営することになっていく「しあわせの雨傘」などがあります。

 

決してドヌーヴが主役なわけではありませんが知ってる方がいないので・・・。

 

 

他にも、神様(父)役に、ブノワ・ポールヴールド、女神(母)役に、ヨランド・モロー、エア(娘)役に「サンドラの週末」でデビューしたピリ・グロワーヌが出演しています。

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果たして、余命メールで大パニックとなった世界を救うため旅に出た神様の娘がどんな奇跡を起こすのか?

それでは、鑑賞後の感想です!!










ブラックジョークのオンパレードをオフビートで突っ切ったキュートなコメディ!

以下、核心に触れずネタバレします。









奇抜で斬新な切り口。

全体を通して思ったのは、如何にもフランスらしいというかヨーロッパ特有というか、非常に風刺的で笑いありメッセージ性ありの娯楽作品だな、と。


大体神様一家がブリュッセルのアパートに住んでいて、親父である神様がパソコンひとつで世界を作り、様々な法則だったり気まぐれな災難を書斎でやってるって発想がいい。
そしてそこから想像させる親父の昭和的大黒柱からくるオレ様感がものすごく鼻につきイラつかせる人物描写もいいし、俳優さんもまたうまい!
んでもってその後訪れるしっぺ返しがまたクソ笑えます。


そんな笑いどころを全て受け持ってくれる親父とは反対に、
娘であるエアの、力があるが故に親父のせいで何もできない歯痒さやカゴの鳥状態、尚且つ虐待などなど爆発寸前の想いがついに行動となり奇跡を起こす下界への冒険が、非常に可愛らしく愛おしく、それでいて多幸感に溢れたものとなっていて、
親父と娘の末路のギャップに、ゲラって微笑んでの連続でありました。





立ち上がれ、エア!!朽ち果てろ、オヤジ!!

神様はとりあえずブリュッセルという街を作った。
で、あらゆる種を並べてみた。ニワトリだったりキリンだったり。
双眼鏡で覗くと、何かしっくりこない。
つーわけで、自分に似たような人間という種を作ってみた。
あーこれだよこれ。と、しっくりきたのか、ことのついでにイブと名のついた女を作ったことで人間がどんどん繁殖していきいろんなタイプの人間を作り争いをさせ、現在の世界を作っていった。

神様は忙しい。
くわえタバコでデスクに向かい、思いつきでくだらない法則をつくる。
ジャムをつけたパンを落とすときは、必ずジャムの方が下になる
とか、
レジに並ぶと必ず隣の方が早く進む
とか、不運なルールばかり。

挙げ句の果てには、ジオラマ模型を作り、ライターで家に火をつけたり、飛行機を墜落させたりとやりたい放題。

そんな姿を見て苛立ちを隠せないエア。
食卓を囲めば小言は止まらず細かいルールの嵐、風呂を覗かれたり、反抗的な態度をとれば折檻されたりと、神様は絶対なのだと言わんばかりの窮屈な毎日にエアはとうとう反旗をひるがえす。

神様以外入ることの許されない書斎に忍び込み、彼の作った世界の住人が平等に生きられるように、また、なんでも思い通りにしてしまう神様の威厳を奪うためにエアはパソコンから住人全てに残りの命の時間を知らせる、余命が書かれたメールを一斉送信する。


神様一家の食卓には空席がひとつある。
実は、家出してしまった兄がいる。それこそがJC=神の子キリスト。
そんな兄は両親に知られないように部屋の置物として帰ってきていた(笑)

そんな兄から、
エアさぁ、オレの使徒12人なんだけどさぁ、ホントはあと6人増やしたかったんだよねぇ。なんでって?18人いたら野球できんじゃんww だからさぁ、あと6人スカウトしてきてよ
と助言なのかお願いなのかわからないアドバイスを受け、下界への行き方を教わる。


準備は整った。
エアは意を決して初めて外の世界へと足を踏み入れていく。


一方、メールを受け取った人間たちは、残りの時間を知り各々の生活を送ることを決意する。
残りの時間が短い者たちは死を覚悟し自暴自棄になっていき、また長い者はあらゆるムチャや余裕を見せ優位な気分に浸って行く。

果たして、エアは奇跡を起こすことができるのか?





とにかく、親父である神様のクソっぷりがお気に入り。
観た人は確実にこいつに敵意むき出しになり、テメーで作った法則が、報いとして親父に降りかかった時、ほれ!見たことか!と爆笑になることでしょう。
そしてエアの健気な志と、可愛らしい眼差しに癒されることでしょう。

なんか、同じこと書いてるな。


下界の人間たちの行動もせつなかったりユーモアだったり、おバカな奴までいたりと様々で笑ったりほろっとしたり。
特にケヴィンくんはアホですww
彼は最後まで笑わせてくれるのでお見逃しなく。




人生、何が起こるかわからないから楽しい
なんてよく言いますが、
人生の残り時間がわかってしまう世界ってのももしかしたら面白いのかなぁとも思ったり。
だってこの話だと前者は結局神様のいいなりで成り立っていて支配されてるってことを謳ってるわけですから。
もしそうなら腹立たしいし、事故や災難といった不条理なことは全てこいつの仕業なわけですからね。
かといって、残り時間の長さによって自分の人生があらかじめ決まってしまうというのもイヤなもので。
まあ、真面目に考える必要もないんですけとね。







旧約聖書vs新・新約聖書

この物語は、エアが兄キリストの作った新約聖書に新たな解釈を加えた新・新約聖書を作るという筋書きで進んでいきます。
となると、親父が作ってるのは何なのか?となると、これが旧約聖書になるそうです。

旧約聖書はユダヤ教の教典としてまとめられたもので、ざっくり言うと、言うこと聞かないと消しちゃうよ?
というのに対し、新約聖書は旧約聖書をキリストが引用した新しい解釈のものでそれでも私は許そう、というものだそうです。

なので、親父がやってることは神はおれだけだ!ということで、争いをさせたりキリストを追い出しちゃったりと旧約聖書を反映したものになっています。

逆に新約聖書は、右の頬を叩かれたら左の頬を出しなさい、汝の隣人を愛せよといったように、
エアが使徒として探し当てた人間を許すかのような振る舞いが見て取れます。


どうしても、使徒というとエヴァを思い出してしまう現代っ子ですが、どうやら6人増やして18人てのも深い意味があるようで。
どなたかわかる方いたら教えてくださいまし。








とまあ、ホメホメな内容とざっくりな解説でしたが、個人的にはやはり聖書に関して無知なため、触りは面白かったものの深い理解が得られず、高い満足度は得られませんでした。
ひとつひとつのユーモアは最高に面白いんですけどね。
なんてったって下界じゃJCっていったらユニバーサルソルジャーですからww


とにかくブラックユーモア満載のベルギー映画、楽しかったです。

満足度☆☆☆☆★★★★★★4/10