ノック・ノック
とうとう私もイーライ・ロス監督デビューです。
ホラーとかグロいのとかほんとダメで。
イーライ・ロスってのはそんなのばかり撮ってる人だと勝手に決め付けてました。
でも、予告見たら「あれ?なんだこれ、面白そ!」
ってことで意を決して見に行ってまいりました。
あらすじ
ある平和な父の日。理想的な家庭を築き上げたエヴァン(キアヌ・リーブス)は家族でビーチに行く予定だったが、仕事の都合で一人留守番をすることになる。芸術家のカレン(イグナシア・アラマンド)と子ども二人を見送り、早速仕事に取り掛かる。夜になり、外は豪雨が降り注いでいた。久しぶりに自分だけの時間を手に入れたエヴァンは、昔DJをやっていたときに集めたレコードを爆音でかけ、仕事に集中している。カレンからの電話を切った後、ドアをノックする音が聞こえることに気付く。こんな深夜に一体誰が…。エヴァンは不審に思いながらもドアを開けると、そこには雨でずぶ濡れになった二人の美女が立ち尽くしていた。ジェネシス(ロレンツァ・イッツォ)、ベル(アナ・デ・アルマス)と名乗る二人は道に迷ってしまったため助けを求めていた。彼女たちに暖をとるようにと家に招き入れるエヴァンだったが、それは破滅の道への第一歩だったー。(HPより抜粋)
監督・キャスト
監督は、脚本、製作、出演などもこなすイーライ・ロス。
冒頭でも書いたとおり見たことありません、この方の作品。
でも、過去の作品からしたら今回はワリとソフトなほうだろうと。なので決心して見に行ったのですけども。
主な作品として、
森の中でパーティーをしていた若者たちが謎のウィルスに感染されていくスプラッタホラーを、低予算でありながらその優れた内容に複数のスタジオが争奪戦となったデビュー作「キャビン・フィーバー」をはじめ、
淫らな欲望を満たそうとヨーロッパを旅する若者たちが訪れた宿で想像を絶する恐怖が襲い掛かるスプラッタホラー「ホステル」と女子大生が主役の第2弾「ホステル2」、食人族映画を現代によみがえらせた意欲作で、アマゾンの先住民族に捕らえられたアメリカ人学生を悲惨な運命が襲うカニバル・ホラー「グリーン・インフェルノ」などホラーやスプラッタを得意とする監督とのこと。
どれも怖そうで見れません。
いつか克服したいですね。
こんなのも手掛けてます。
今回の主役。道に迷った美女二人を親切心で家に入れてしまった男、エヴァンを演じるのは去年見事に復活したキアヌ・リーブス。
長い低迷期を抜けてようやく去年「ジョン・ウィック」で戻ってきてやったぜ!!と高らかに宣言したキアヌ様。
今作といい「砂上の法廷」といい、どちらも大作扱いでの上映ではないんですねぇ。
ジョン・ウィックも超A級ではない作品だったし、もう彼は大作はやらないのでしょうか。
もう日本じゃあまりお客さん呼べないのかな。
個人的にはコンスタンティンの続編なんか期待してますけども。無いか。
彼に関しては、こちらで紹介しています。よろしければどうぞ。
そんなキアヌ様を誘惑し地獄へと誘う小悪魔ちゃん、いやド悪魔ちゃんジェネシスを演じるのはロレンツァ・イッツォ。
はい、どなたか存じません。
おーっと、監督の奥さんでしたか。知らなかった。
どうやら、監督が出演した「アフターショック」に彼女も出演していたのがきっかけのようですね。
そして「グリーン・インフェルノ」の主演に抜擢。
今後も夫婦で作品つくりをしていくんでしょうね。
こちらにも出演してます。
もう一人のド悪魔、ベルを演じるのはアナ・デ・アルマス。
キューバの女優さんだそうです。もう眉毛の反り上がりっぷりがすでに悪魔。
主な出演作がまったくわからないので、今後の出演作として、「ハングオーバー」シリーズのトッド・フィリップス監督の最新作で、20歳にして武器のディーラーに成り上がっていった実話をジョナ・ヒルとマイルズ・テラー主演で描いた「ウォー・ドッグス」に出演。
現在では大ブレイクし、数々の作品に出演されてます。
というわけで、主人公にどんな破滅の道が待っているのか。そしてこれをきっかけにイーライロスに興味がわくのか!?
それでは、鑑賞後の感想です!!!
これじゃあキアヌがかわいそうだ!でも、オモロww
以下、核心に触れずネタバレします。
男の夢が詰まっているんだなぁ。
イーライロスデビューは怖さなんかよりも同情という切ない気分と女たちの容赦ない非道っぷりに笑いに包まれた、当初の予想を覆す体験でした。
もちろん、効果的な音楽やハプニングもあって恐怖感を煽ってくるんだけど、キアヌがあの野太い声で叫び喚きジタバタする姿がそれを全て吹き飛ばし、ガキ使のハイテンションベストテンでも見てるかのようなブッとんだギャグにしか見えずww
おかげさまで楽しく拝見いたしました。
これはねー、男がどんなに隠しても隠せないヤりたい願望に漬け込んだ鬼畜の所業ですよ。
私だって超美人2人がずぶ濡れで震えて玄関の前に立ってたら、暖をとってと家に招くし、どんなに抵抗したってあんな風に誘惑されたらそりゃあ…ねー。男性諸君。わかるでしょ?
妻も子供も留守!近所は誰もいない!何も気にしなくていい!妻と3週間もエッチしてない!夜中の1時!女2人!情熱的なスペイン人!金髪!バスローブ!積極的なスキンシップ!エロ話!極め付けはシャワータイム!
どうだこの好条件!
ヤらない方が男じゃねーだろ!!
しかも3Pときたんもんだ!!
これぞ男のロマンだ!!
ただひとつ言うなら相手が悪かった…
昨今の不倫問題に、もうすぐ父の日という、なんてグッドでバットなタイミングでの公開でしたが、
これ女性が見たらどう思うんですかね?
非常に興味あります。これでそれでも男が悪いとか言う女性は、こっちの身にもなって意見して欲しいですけどw
事情を説明したらわかってくれるんですかね〜。わかってくれないのかな〜。
女性からの厳しい意見お待ちしております…。
生き地獄までの道のり
閑静な住宅街に構える庭付き一軒家。壁には家族との仲睦まじい写真が飾られ、庭や家具は芸術家である妻の作品が置いてあり、愛に溢れた家族であることがわかる。
そこで暮らすエヴァン一家の幸せに満ちた朝はサプライズから始まる。
久しぶりの妻とのイチャつきを子供達に邪魔されてしまったが、父の日ということで子供達が作ったチョコレートケーキと彼らの写真で彩られた目覚まし時計をプレゼントされ満面の笑みを浮かべるエヴァン。
だが、そんな家族との幸せな時間もあっという間。
妻と子供達は大きな展示会を控えた打ち合わせついでにビーチへ出かけることになり、一緒に行く予定だったエヴァンは急な仕事を片付けなくてはならず、しかも痛めていた右肩のケアをしにマッサージ師がくることもあり、犬のモンキーと留守番することに。
出かける前に妻の仕事をサポートするルイスが荷物を持ってくる。1人寂しく留守番をするエヴァンにジョークで秘密のパーティー楽しみだねと妻に聞こえるようにつぶやく。
夫がそんなパーティーするわけないと分かった上でからかう妻。
そして、家族を見送り黙々と仕事に取りかかっていく。
因みに痛めていた右肩の説明や伏線は特になかったのですが、なんか意味あったのでしょうか。
秘密のパーティーの件はラストの伏線へと繋がっているのでお楽しみに。
話は真夜中。土砂降りの雨。
かつてDJをしていた過去を持つエヴァンにとって音楽は何者にも代え難い趣味になっており、レコードでないといけないほど拘りを持っている。
それを聞きながら作業をするのは彼にとってどれほど至福の時だろう。
流れているKISSのデトロイトロックシティがそのときの彼の心情を見事に表現している時、ドアをノックする音に気づく。
ドアを開けるとずぶ濡れで震えている女性が立っている。
友人の家を訪ねてきたもののどこを探しても見つからず、途中でタクシーを降ろされ、20分もの間彷徨っていたせいもあり携帯は水没、どこをいっても留守と途方に暮れているところに明かりのついたエヴァンの家を見つけ訪問してきた。
エヴァンは親切心からとりあえず中に入ってもらいタオルとiPadを差し出す。
調べてみるとどうやらタクシーの運転手の聞き間違いで全然違う場所へ降ろされたということで、
エヴァンはまたも親切心からタクシーを手配する。
およそ45分で到着予定、その間世間話で時間を潰そうと考えたエヴァンに、女性たちからの催促がエスカレートしていく。
初めてお邪魔する他人の家にもかかわらず、どこか図々しさを醸し出す2人。勝手に濡れた体でソファーに座り、大切なレコードを勝手に流すといった2人を叱ることなく、エヴァンは大人の対応でそつなくこなす。
趣味や仕事、家族構成などの自己紹介がてらのトークで広げようとするものの、なぜか2人は大胆な下ネタ話へ路線変更していく。
対面して話そうとするも、すぐに近づいてスキンシップをはかる2人。
四角に置かれたソファーや椅子を、逃げるかのように席替えしていくエヴァン。
そんな攻防戦を潜り抜け残り時間もロスタイム。
1人がトイレに行く間、ベルと名乗る女性がスペイン人だと知ったエヴァンは勝手にいじろうとするレコードプレーヤーから離そうと、スペイン人アーティストのレコードをかける。
だが選曲ミスだったのか、ひどく情熱的な歌詞の四つ打ちのアップテンポな曲をかけてしまい、踊りだすベル。慌てて違うレコードを漁り、慣れた手つきで曲をつなげミックスしていくエヴァン。
だか、ベルの欲望は止まらない。
キスをせがもうとするベルに抵抗するエヴァン。
そこへタクシーがようやく到着。
乾いた服を差し出そうとバスルームに行くと2人は勝手にシャワーを浴び始める。
親切心に満ちた優しいエヴァンも少々怒り気味。タクシーを待たせちゃいけない、早く着替えてくれないか。
彼女たちのあられもない姿を見まいと目を手で塞いで注意するが、2人はエヴァンをバスルームへ誘う。
そして彼女たちの誘惑は暴走し、エヴァンのズボンを下ろしはじめ、とうとう実力行使にでる。
誘惑に負け快楽に溺れるエヴァン。その時はさぞいつもとは違う悦びを味わったことだろう。
生き地獄が待っているとも知らずに…
という流れでここからエヴァンが堕ちるとこまで堕ちていきます。
この後エヴァンにどんな罰が、いや悲劇が待ち受けているか見てのお楽しみということで。
キアヌが叫ぶ!喚く!天を仰ぐ!
映画「スピード」ではバスの乗客を助け、「ハートブルー」では犯人に情が湧き高い空に銃をぶっ放し撃てず葛藤し、「マトリックス」ではザイオンを救うべく救世主として戦い、そして「ジョンウィック」では伝説の殺し屋として見事な復活を遂げ、強い正義感を持つ男を多々演じてきたキアヌでしたが、
この作品にはそんなキアヌはどこにもいない!!
女2人に縛られ、犯され、ひっぱたかれ、肩を刺され、おパンツで猿ぐつわされ、ヘッドフォンで爆音ノイズを流されなどなどありとあらゆるお仕置きになす術もないキアヌを堪能できます!
そんな中で泣きながら怒り、喚き、嘆き、叫び、赦しを請うキアヌが情けなく、でも仕方なく。
これはもう笑うしかありません!
この表情全て顔芸でしかないほど百面相
する彼を見たことがない!
そしてラストに待ち受けるお仕置きは最高に面白いです!
そんなことしてそんなお仕置きを…
SNSを使った新手のお仕置きは今後流行るかも…
とはいえ女2人の悪業の理由は説得力はあるもののインパクトに欠けるかな、と。演出の問題かな。バックボーンにきっかけとかあったら見方が変わったんだけど。
あとはその悪業をもっと振り切ってやったら恐怖感が増したかなぁ。内容は案外テレビドラマでもやるような感じだったし。
というわけで、女を甘く見ると痛い目にあうという教訓をものすごくオーバーな展開で楽しませてくれたホラーサスペンス映画だったと思います。
その後の家族がきになるなぁ。