モンキー的映画のススメ

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モンキー的映画のススメ

主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

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映画「日本で一番悪い奴ら」感想 解説 なぜ笑ってしまう!クソ真面目な社畜野郎の栄光と挫折

コメディ

6月25日

日本で一番悪い奴ら

 

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新宿スワン以来かな、綾野剛

 今月最後の週なのにもかかわらず、今月最初の邦画ということで。やはり洋画中心の鑑賞生活を送ってるんだなぁ、と改めて実感。だってわくわくしそうな映画がないんだもの。

もっとわくわくする日本映画を作ってくれ。絶対見に行くから。

と、日本映画の発展と向上を願いつつ(笑)早速見てまいりました。

 

 

 

 

 

 

 

あらすじ

 

大学時代に馴らした柔道、その腕っ節の強さを買われ、北海道警・刑事となった諸星要一(綾野剛)。強い正義感を持ちながらも、うだつのあがらない日々を過ごしていた。ある日、署内随一の敏腕刑事・村井(ピエール瀧)から刑事の“イロハ”を叩き込まれる。

それは、「刑事は点数。点数稼ぐには裏社会に飛び込み、S(スパイ)を作れ」というものであった。

言われるがままに“S”を率い、規格外の捜査に突き進む諸星だが・・・。(HPより抜粋)

 

 

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監督・キャスト

監督は白石和彌(かずや)。

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この方といえばもちろん「凶悪」ですよ。てかそれしか知らん。あんな後味の悪い映画を作る人も最近ではなかなかいないなと感心しましたね。

 

若松孝二監督のもとで助監督として経験をつみながら、犬童一心行定勲といった著名監督作品に参加をした後、

知的障害者の兄とその弟、デリヘル嬢との奇妙な生活が、やがてそれぞれの過去が暴かれることによって行き場を失いながらも、どん底の中でもがき希望を見出していくヒューマンドラマ「ロストパラダイス・イン・トーキョー」で長編映画デビュー。

そして、死刑囚の告発をもとに、警察すら知らなかった殺人事件を追う貴社の執念と驚愕の真相を描いたクライムサスペンス「凶悪」で監督・キャストともに数々の賞を受賞した。

NETFLIXドラマ「火花」の3話と4話の監督も彼が担当したそうです。まだ見てないんだよなぁ、火花。

 

 

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 なんでこれあんなにヒットしたんだろう。「告白」みたいなのと勘違いした人絶対いたよなぁ。

 

それは死刑囚の須藤が関わった3つの殺人事件について告白から始まった。彼が“先生”と呼ぶ首謀者の男を雑誌で取り上げて追い詰めてほしいというのだった。最初は半信半疑だった記者の藤井だったが・・・。

 

何といってもピエール瀧とリリー・フランキーサイコパスな演技、これに尽きます。おかげで山田孝之が霞んで仕方ない。画面の向こうでとんでもないことをしているのに見入ってしまうのは彼らがどれだけ魅力あふれる演技をしていたかってことですよね。作品自体は陰鬱になるのは避けられないので好みではないです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

主演の諸星要一役には塩系男子ブームの先駆け的存在、綾野剛。

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彼のイメージは、髪型から役に入る、小栗旬のバーターから出世、女優に依存、病んでる一歩手前・・・とあまりいいイメージないです。それはきっと小栗旬の方が人間らしく見える分、彼には影の部分が大きく見えたりするからですかね。比べちゃいけないし嫌いじゃないんですけどね。

 

仮面ライダー555全部見てたのに気づかないくらい存在感のないデビューから、着々とキャリアを積み、世間に知られるようになったのが、

鈴蘭のテッペンをとるためにケンカケンカのカラスたちが他校と対決する人気漫画映画の続編「クローズZEROⅡ」でキレたら誰も止められない男、漆原凌を演じたこと。

確かこのとき小栗旬に声の小ささを指摘されボイトレ行けって言われたエピソードを何かの番組で見たような・・・。Aスタジオかな??今考えると発声方法がぜんぜん違うのがわかります。

それからドラマ「カーネーション」「最高の離婚」や映画「GANTZ」「るろうに剣心」「白ゆき姫殺人事件」など話題作には欠かさず顔を出し、

閉塞感漂う町で無気力な毎日を過ごしていた男が、社会の底辺で行き場を失った姉弟と関わることで少しずつ動き出していく姿を切なくも優しく描いた「そこのみにて光輝く」では作品とともにその年の賞レースを席巻、俳優として一皮向けた作品になりました。

今後控えた作品として、吉田修一原作の小説を李相日監督により映画化した「怒り」で謎の住所不定の男を演じ、妻夫木聡演じるエリートサラリーマンと一夜を共にするという、体を張った演技を披露することで話題を呼んでいます。

 

 

去年見た綾野剛主演作。脚本がひどかったですねー。文章もひどいなーこれ。

 

monkey1119.hatenablog.com

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

他の出演者として、スパイその1暴力団幹部・黒岩役に歌舞伎役者でおなじみ中村獅童、スパイその2麻薬の運び屋・山辺役に「TOKYO TRIBE」で主演を演じたYOUNG DAIS、スパイその3盗難車のバイヤーのパキスタン人・アクラム役にまさかの大抜擢!お笑い芸人デニス植野行雄、主人公諸星のライバル刑事・栗林役に「るろうに剣心」の左之助役、そして優香と結婚おめでとう!青木崇高、そして、道警随一の敏腕刑事・村井役に監督の前作「凶悪」で俳優ブレイクしたピエール瀧とバラエティに富んだ俳優陣が脇を固めます。

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というわけで、日本警察最悪の不祥事をどれだけエンターテインメントに仕上げたのか、そして正義感あふれる男がどう悪の道へ突き進んでいくのか。

それでは、鑑賞後の感想です!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

直球男の成れの果てに胸クソ悪いのに笑ってしまう!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これR15で平気?

もうタイトルから皮肉。日本で一番悪いやつら、日本でいったら普通ヤクザとかイメージしますけど、彼らよりも悪いことをしてるのは実は警察だよ、と。

で、蓋を開けてみたら正義の仮面をつけて悪行という悪行をやりまくっている。

笑えない。笑えないですよ。

でもそれを胡散臭いVシネっぽい音楽でテイストを軽くして、徐々にダークサイドへ堕ちていく主人公を面白おかしくエンタメに仕上げた監督の手腕が見事でした。

前作「凶悪」の重苦しい作品とはうって違ってこんな作品も作れるとは意外や意外。

 

描写に至ってはベッドシーンからの絡みからラリっていく様子からとにかく映倫の基準が15歳未満鑑賞不可という判断に対して疑問に思って仕方ないほど濃厚に映し出されていてビックリ。R18でもいいんじゃないかと思うくらい。

デートムービーには向いてませんw特に付き合いたてのカップルは。

 

 

 

周りが悪ければ悪に染まる

純朴な青年が如何にして悪に染まるかを全編を通してみていくわけですが、やはり周りの環境がそうさせた結果なんだなと痛感させられました。

 

柔道という特技が北海道警察の目に留まり就職するわけですが、見るからにホント柔道一筋で生きてきたんだなぁこいつというのが見てとれます。

配属されても右も左もわからないまま目の前の仕事に言われた通りまっしぐらに行動したり、調書を書いたり、失敗して怒られたり。

きっとこの時点で考える余地なんかなかったんだろうなぁと。言われたことが全て正しくてそれが正義で。

そんな全てに対して直球で受け止める柔道上がりの男に悪の道へ招く先輩刑事のセリフにはゾッとします。

世の中に安全なんてない。安全にしたければ産婦人科医になって生まれてくる子供を片っ端から殺せばいい。そうすればやつらが悪いことをすることすらできなくなる。

めっちゃ極論すぎる。

 

所詮警察も公的機関なんかではなく会社であり、それを証拠に主人公を推薦したのだって柔道で警察日本一になりたいというちっちゃなメンツのためであり、たくさん検挙して点数を稼がなければはじき出される、結果が全てのどこにでもある会社なんだ、

きっと先輩刑事も道半ばで悟り、唆され形成されたんだろうなと。

 

吸えないタバコが様になっていくのと同時にあらゆる手を尽くし味をしめていく主人公。

身震いしながら得た手柄に周りは賞賛し、より良い結果を求められプレッシャーはやがて快感へとスライドし、やがてそれが当たり前になっていく。

しかも、凶悪な事件が相次ぐことで公共の安全を担う警察も対処すべく拳銃対策を強化。メンツが大事な大会社は結果で世間にアピールしなければいけない。新たなノルマに四苦八苦する地方警察は検挙のエースに白羽の矢を立てる。

もはやヤクザ、売人、パキスタン人で構成されたチーム諸星に勝てない要素などなく、言われるがまま仕事をこなす主人公。

 

自分の意思と主張を捨て、飼い慣らされていく社畜となった彼に誰か救いの手を差し伸べる奴はいなかったのか。

その末路に訪れる悲哀感と絶望感がついさっきまで笑顔で見ていた自分は存在せず、なぜ悪い奴でなく悪い奴らというタイトルなのか考えさせられます。

 

 

 

綾野剛頑張ったけどさ。

約26年間という時間を1人で演じた綾野剛。

純朴な青年から少しずつ悪さを身につけ風貌から口調の変化、そしてクスリに手を出した時のラリった顔は見事なまでに釘付けになりました。

この主人公同様にまたひとつ演技力をつけたのは確かなんだけど、やっぱり実年齢以上の役になると、カラダが細いからなのか恰幅の良さが出てないせいか言葉も態度も風貌も貫禄は出せてないなぁと。

同様に芸人やミュージシャンをキャスティングするのも悪いことを悪く思ってないピュアさを出すにはもってこいだとは思うけれど、その道にこの人ありなキャスティングでもいい気がしたんだよなぁ。TKO木下なんか演技うまいけどヤクザはまだ早い。

 

まあ、それもこれも予習になるかと思ってみた「県警対組織暴力」を見て昭和稀代の役者オールキャストの凄みをみてしまったからなんですけどね。

ちなみにこの作品もヤクザとズブズブな刑事の兄弟との絆、抗争から捲き起こる悲劇を描いてます。警察組織自体は悪くは描かれてませんが比較してみると面白いかも。

仁義なき戦いを全て見てる人なら全て笑えるはず。何てったって梅宮辰夫がまさかの超正義感の持ち主ってのがすでにギャグww

 

県警対組織暴力 [Blu-ray]

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稲葉事件とは

この映画は、実際に起きた現職警官が逮捕された事件を当人が書き上げた本が元になっています。

 

恥さらし 北海道警 悪徳刑事の告白 (講談社文庫)

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2002年、北海道警察の生活安全特別捜査隊班長であった稲葉警部が覚せい剤取締法違反容疑などで逮捕され有罪判決を受けた総称が稲葉事件と呼ばれ、

裁判で語られたことで北海道警察のやらせ捜査や拳銃検挙が偽証だったことなどの不祥事が明るみになり、日本警察史上最悪の不祥事と当時話題になったそうです。

しかも、この事件で逮捕されたのは稲葉氏のみで他に関わった人物は自殺しているか軽い処分で済まされたそうです。

 

当時の警察は検挙を挙げないといけない時代だったそうで、稲葉氏は結果を出すべく映画同様にスパイと手を組み検挙をでっち上げて行ったそうです。

そのスパイとの取引に自腹ではやっていけず覚せい剤をさばくことで大きな利益を得ます。

上からは結果、スパイから金と板挾みに苦しんだ稲葉氏は覚せい剤に手を出し、破滅の道を突き進んでいったそうです。

 

現在稲葉氏は刑期を終え、刑事経験を活かし探偵業を営んでいるそうです。

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全体を通して不謹慎な内容なのに笑ってしまう演出に楽しめること間違いはありません。実録シリーズといえば東映に相応しい渾身の力作でした。欲を言えばもっとガラの悪い、同情の余地なんか微塵もない映画にして欲しかったなぁ。それじゃあお客さんこないんだろうけど。

綾野剛みたさに女性も楽しめるんじゃないでしょうか。ヤりまくってますけどww

満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10