モンキー的映画のススメ

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モンキー的映画のススメ

主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

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映画「君の名は。」感想 解説 忘れたくない忘れちゃいけない忘れちゃダメ!な新海誠の集大成がここに!

8月26日

君の名は。

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夏前くらいから劇場で頻繁に流れていた予告編を見た当初は、「何だ、新海誠の新作か。見るかな、どうしようかな。」程度の期待度でしたが。

 先月のWOWOW「ぷらすと」の夏休み映画トレーラー祭りにて映画解説者の中井圭さん、映画評論家の松崎健夫さん共々の絶賛評を聞き、これは見るしかないかと。特に今年の東宝配給作品は一味もふた味も違う。

つーわけで、8月最後にふさわしい映画になるのか、早速鑑賞してまいりました!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あらすじ

千年ぶりとなる彗星の来訪を一ヵ月後に控えた日本。山深い田舎町に暮らす女子高校生・三葉(声:上白石萌音)は憂鬱な毎日を過ごしていた。町長である父の選挙運動に、家系の神社の古き風習。小さく狭い町で、周囲の目が余計に気になる年頃だけに、都会への憧れを強くするばかり。

「来世は東京のイケメン男子にしてくださーい!!!」

そんなある日、自分が男の子になる夢を見る。見覚えのない部屋、見知らぬ友人、目の前に広がるのは東京の街並み。念願だった都会での生活を思いっきり満喫する三葉。

 

一方、東京で暮らす男子高校生、瀧(声:神木隆之介)も、奇妙な夢を見た。行ったこともない山奥の町で、自分が女子高校生になっているのだ。

繰り返される不思議な夢。そして、明らかに抜け落ちている、記憶と時間。二人は気づく。

「私/俺たち、入れ替わってる!?」

いく度も入れ替わる身体とその生活に戸惑いながらも、現実を少しずつ受け入れる瀧と三葉。残されたお互いのメモを通じて、時にケンカし、時に相手の人生を楽しみながら、状況を乗り切っていく。

しかい、気持ちが打ち解けてきた矢先、当然入れ替わりが途切れてしまう。入れ替わりながら、同時に自分たちが特別に繋がっていたことに気づいた瀧は、三葉に愛に行こうと決心する。

「まだ会ったことのない君を、これから俺は探しに行く。」

辿り着いた先には、意外な真実が待ち受けていた・・・。(HPより抜粋)

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監督・キャスト

監督は次世代の監督として期待がもたれている新海誠。

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初期の作品は見てないのですが、正直言って好みの作風ではないというのが今までの感想です。じゃあ何で見るのさ?って問われるのならば、作品の美しさには毎回驚かされるからです。とにかく太陽光の使い方がうまく、あらゆるものから反射される光の屈折が何気ない日常に一瞬の魔法をかけ、見るたびにうっとりしてしまいます。こういうアニメーションもいいなと。じゃあどこが好みでないのかというとやはり主人公の男がロマンチストすぎるというかセリフがクサすぎるというか。そこが人気のひとつだとは思うのですがイマイチ私は好かない部分ではあります。

 

さて今までどんな作品を手がけてきたのかというと、2002年になんとほとんど一人で製作したというデジタルアニメーションで、地球と宇宙の距離によって苛立ちと想いが交錯する男女を描いたSFラブストーリー「ほしのこえ」で鮮烈デビューしその名を広め、

初の長編作品、南北に分かれた日本を舞台にヒロインを救うべく2人少年が奮闘する青春映画「雲の向こう、約束の場所」で数々の賞を受賞、

SF要素を排除したことで一皮向けた意欲作で、思いを寄せる人物への心の葛藤を3話構成で描き、山崎まさよしの名曲とともに色鮮やかな映像美で作られた、監督の代名詞ともいえる作品「秒速5センチメートル」、

3週間限定公開だったにもかかわらず口コミで評判が広まる現象により、自身最大のヒット作となった作品で、梅雨の季節に出会った男女の恋愛模様を描いた「言の葉の庭」があります。

 

 

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 最近見た作品ではありますが監督作品の中では一番好きな作品。

 

 学校をサボり、公園の日本庭園で靴職人になるべく靴のスケッチを描く高校生のタカオ。そこで、缶ビールを飲むユキノと出会う。それを機に雨の日の公園で逢瀬を重ねるようになり、タカオはユキノために靴を作ろうとするのだったが…。

 

新宿の雑踏、雨の新宿御苑と対照的な風景が、監督の美しい画によってよりドラマチックとなり目を奪われます。特に滴り落ちる雨、水滴、水溜り、そこから跳ね返る光、どれとして見逃すことのできない映像美は圧巻です。

ただやはり主人公が15歳なクセに妙に精神年齢が高く感じてしまう佇まいがなんとも。毎回見て思うけど、監督の男ゆえの妄想というか憧れというかロマンチストな部分がモロに出てる作品だなぁと。いい話なんですけどねw

 

 

 

 

 

 

 

 

 

主演の立花瀧の声を担当するのは神木隆之介。

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最近は映画ガンガンでてますよね~。実写映画に関してはこちらで紹介しているのでお時間あればぜひ。

 

monkey1119.hatenablog.com

 

実は声優経験も豊富な彼。ジブリ映画「千と千尋の神隠し」ではクソわがままな巨大赤ちゃん「坊」の役を、「ハウルの動く城」ではハウルの弟子・マルクルを、「借りぐらしのアリエッティ」ではアリエッティと交流を深める人間・翔の役などジブリにはかかせない人材となっており、他にも細田守監督のヒット作「サマーウォーズ」でも主人公の健二役を担当しており、子役時代から体の成長とともに役柄をこなしています。

 

 

 

 

 

そして、宮水三葉の声を担当するのが上白石萌音。

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実写作品としては、周防正行監督のミュージカル映画「舞妓はレディ」で主役に抜擢され、最近では競技かるたに没頭する少女と周辺人物たちの青春を描いた「ちはやふる」でかるた部創設メンバー大江奏役を演じています。声優としては「おおかみこどもの雨と雪」で経験済み。待機作にジョージ朝倉原作コミックを実写化した映画「溺れるナイフ」に出演予定。

 

 

 

 

 

果たしてどんな風景を見せてくれるのか、どんな言葉を聞かせてくれるのか非常に楽しみです。

それでは鑑賞後の感想です!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

新海誠の集大成!忘れたくない、忘れちゃいけない映画の誕生!!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

心を掻き乱されたよ。

まずは率直な感想を。

正直冒頭でも書いたとおり、クサいセリフのオンパレードなんだろうと冷ややかな目で見ようと思っていた自分が恥ずかしいほど笑い、泣いてしまった。

RADWIMPSの奏でる音楽とともに始まるタイトルロールが非常にセンスが良く、異性と体が入れ替わることで生じるハプニングやトラブルを皮切りに、前半はとにかく笑わせる要素が多々盛り込まれてました。

互いに入れ替わったことで好き勝手に生活していく描写は、前半の中で一番印象的なシーンだったように思えます。

寝て起きたら手や顔に落書きをしあう所や、携帯にメモを残して文句を言い合うといった両者の掛け合いが、10代の高校生という思春期ならではの子供じみた発想と直接すぎる言葉に笑いが止まりませんでした。

そして三葉のチラリズムから放たれるエロ要素は監督作品の中で今回一番多かった。今まで寸止めだったからこそピュアなストーリーだったと思いましたがここまで入れてくるとは。

 

そんな笑いが多々盛り込まれていた前半からある事を境にガラリと空気が変わり繰り広げられる後半のストーリーは、ハンカチ必須な涙ナミダの展開に。予想していなかった事態に2人がどうなっていくのか釘付けになっていくし、もうダメなんじゃないかと切なくなり…鑑賞後の余韻が書いてる現在でも残っています。

 

田舎ならではの伝統から壮大なSFタイムトラベルに、糸というワードから放たれる時間の意味を噛み締め生まれるカタルシスに、これほどまで美しいラブストーリーが今まであったろうかと。この映画に出会えてよかったと思える感動をもたらしてくれました。

これほどまで人を想い、探し求める映画だなんて。

 

この映画ははっきりいって詳細を知ってしまうと楽しさが半減してしまう内容な為、いつも以上に書くのが難しい!!

 

付け加えるのであれば、この壮大な物語には監督が描いた鮮明で美しいアニメーションでなければ成立しないだろう、それくらい映像が美しいです。

スクリーンいっぱいに広がる無数の彗星から放たれる眩しい光、田舎ならではの暖かな光と差別したような都会の突き刺さる光の反射、そこから映える人物描写が些細な日常にもかかわらずドラマチックに感じるのは監督お得意の技術あってこそ。このキラキラ感がやっぱり今作は素晴らしい!

日々ビルドアップしていく新宿や渋谷や六本木の風景も見逃せません。都心で鑑賞する方には鑑賞後のおまけとして帰り道が少し違って見えるんじゃないか、と。そんな家路に着くまでの演出まで考えて作ったのなら新海さん、あんたスゲーよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

監督の全てが詰まってる。

初期の作品ではSFメインに、そこから秒速5センチメートルでの現実路線で誰かを想う気持ちを細かく描き出し、星を追う子どもでは、人の生死を題材にファンタジーかつヒューマンチックに、そして言の葉の庭ではより深く人を思う気持ちをリアルに描いてきたわけですが、今作はその過去作で積み上げてきた要素を全て詰め込んだ作品に感じました

 

そんな新海ワールドがふんだんに盛り込まている理由として、数々の過去作へのリンクがあったように思えます。

まず一番わかりやすいのは、三葉が通う学校の女性教師。彼女は、「言の葉の庭」のヒロイン、ユキノであることがわかります。担当した声優さんも同じく花澤香菜さんであることがエンドロールでわかります。

万葉集の一句で「誰そ彼と われをな問ひそ 九月の 露に濡れつつ 君待つわれそ」という句を黒板に書き、黄昏の語源について教えているシーンがあります。

これは言の葉の庭でも主人公タカオに対し万葉集の短歌を使って想いを打ち明けており、今回も万葉集を使ってることからユキノだと裏付けることのできる証拠でしょう。今作でも黄昏の語源である「誰そ彼」、彼は誰だ?→君の名は?と変換でき、作品を象徴するものになっています。

 

 

これは不確定ですが、御神体がある場所は星を追う子どもに出てくる地下世界・アガルタを連想させる場所に感じました。

アガルタは死後の世界のひとつとして描かれており、そこに行けば死者が蘇るという説を信じ目指すのですが、今作は御神体の場所をあの世と言っているし、何より岩穴がアガルタへの入り口にも似てるなぁと。

久しく星を追う子どもを見てないので見返してみないとわかりませんが、そうなんじゃないかと見た時に感じました。

 

 他にも、秒速5センチメートルの象徴ともいえる桜の花びらもチラッと覗けるし会えないことへの歯がゆさというのも今作に引き継がれてるのではないでしょうか。

 

すいません、初期の作品は見てないのでどこかリンクしてるところがあればどなたか教えてくださいな!

 

 

 

 

忘れちゃいけないあの出来事

ここからは核心ついたネタバレかもしれないのでご注意を!

 

 

 

 

後半ガラリと空気が変わってしまう出来事。やはりこれは3.11の震災をイメージさせる描写だったように思えます。崩壊した家屋や瓦礫の山、倒れこんでいる電車、そして次々と煙を巻く町並み。

そこにあった当たり前のものや人が一瞬でなくなってしまう悲しさやどうしようもなさ、悔しさがフラッシュバックされる感覚でした。

 

この映画はそんな震災に対して時間の経過により風化してしまいがちな出来事を忘れないために我々がどうあるべきか、ということを瀧と三葉の関係を軸に描いている気がします。

瀧は記憶の忘却に抗うように必死で三葉と入れ替わった時の記憶を辿ります。ただ彼らには3年という月日の時差といなくなってしまった三葉という存在の穴といった時空の歪みが生じ、残してあった携帯のメモや脳内の記憶が書き換えられたり消去されていきます。それでもかすかに残る違和感を頼りに奔走する瀧の姿は、切ないながらも成就してほしいと胸を締め付けます。

2人が繰り返すセリフ、忘れちゃいけない人、忘れたくない人、忘れちゃダメな人というのは人ではなく出来事に置き換えればこの物語のメッセージが浮き彫りになってくるのかなと思います。

 

 

 

縦の糸はあなた、横の糸は私

そしてこの物語の素晴らしいのはそんな記憶や時空が途切れてもつながっている人と人との繋がりを表すものして糸を扱っていること。

三葉のおばあちゃんは孫たちに「ムスビ」の話をします。

「……捻れて絡まって、時には戻り、またつながって。それがムスビ、それが時間」

なんかもう中島みゆきの「糸」を思わせるほど感慨深いセリフですが、この糸こそ瀧と三葉を結びつける作中の重要なアイテムであり、この糸が様々なものを結びつけ時間を作っていくことで起こった奇跡であり、この物語が出来たのも監督の過去作が結びつけられたことで生まれたものなんじゃないかと。

そしてこの糸の色が赤いというのもまたロマンチスト新海誠のナイス演出じゃないでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

ざっと書いてみて未だ整理がついていません。そして浅い…これいつも以上にまとまってねーなw

きっともう一度見ると思います。今年ベスト入ると思います。いい歳した私がこんな10代の男女の青春映画に揺さぶられるとは思わなかったし、逆にこの歳だからこそ胸に響いたのかもしれないです。

ホント良かったのにケチつけたくないんですがキャラクターデザインはどうにかならなかったのか…新海作品ぽくないというか、妙にアニメな顔に見えてしまう。

それ以外はホント最高です。個人的には四葉ちゃんのキャラが好きですね。てか、声を担当した谷花音ちゃん、うまい!!違和感全然ない!!さすが名子役。

あとねー、終盤手のひらに名前書こうって書いた言葉。瀧よ!あんなウブなお前になぜそんなことができる!!いつかそのネタ使わせていただきますwwいやさすがに10代じゃなきゃできねえ芸当だな。

でもね、この言葉じゃなかったら三葉は諦めてたよ。だって忘れないから。忘れてたから思い出してもう一度会うために立ち上がったんだから。このシーンは胸アツ。

あ、スカッとジャパンの胸キュンのコーナーでやってくんないかな。

 

 

 

というわけで以上!あざっした!

満足度☆☆☆☆☆☆☆☆★★8/10