モンキー的映画のススメ

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モンキー的映画のススメ

主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

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映画「怒り」 感想(ネタバレあり) 7大キャストの見事な演技! 人を信じることの難しさを説いた良作映画!

9月17日

怒り

 

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はい、シルバーウィークは新作映画が満載!!ってわけでね、東宝無双が続く今年、またまた良作の予感がする作品の登場です。

 ちなみに去年のシルバーウィーク、東宝は何公開したか覚えてる?「進撃の巨人 エンドオブザーワルド」だよ・・・。いいね、この違い様w

実力派の豪華キャストがどんな人間模様を魅せてくれるのか非常に楽しみであります。というわけで早速見てまいりました!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

あらすじ

ある夏の暑い日に八王子で夫婦殺人事件が起こった。窓は締め切られ、蒸し風呂状態の現場には「怒」の血文字が残されていた。

犯人は顔を整形し、全国に逃亡を続ける。その行方は未だ知れず。事件から一年後、千葉と東京と沖縄に、素性の知れない三人の男が現れた。

千葉―――

 3ヶ月前に突然家出をした愛子(宮崎あおい)が東京で見つかった。彼女は歌舞伎町の風俗店で働いていた。愛子を連れて帰った父・洋平(渡辺謙)は、千葉の漁港で働く。8年前に妻を亡くしてから、男手ひとつで娘を育ててきた。愛子は、2ヶ月前から漁港で働き始めた田代(松下ケンイチ)に出会った。

東京―――

大手通信会社に勤める優馬(妻夫木聡)は、日中は仕事に忙殺され、夜はクラブで出会う男と一夜限りの関係を続けていた。彼には末期がんを患う余命わずか母がいた。ある日、優馬は新宿で直人(綾野剛)に出会った。

沖縄―――

また男と問題を起こした母と、夜逃げ同然でこの離島に移り住んできた高校生の泉(広瀬すず)。ある日、無人島でバックパッカーの田中(森山未來)に遭遇した。

 

殺人犯を追う警察は、新たな手配写真を公開した。その顔は、出会った男に似ていた。

いつしか交際を始めた愛子と田代。二人の幸せを願う洋平であったが、前歴不詳の田代の過去を信用できず苦悩する。

同居をはじめ、互いの関係が深くなっていく優馬と直人。しかし直人の日中の不審な行動に優馬は疑いを抱く。

ある事件をきっかけに心を閉ざした泉と彼女を救えなかったことに苦悶する同級生の辰哉。親身に支える田中だったが、無人島で暮らす彼の素性を誰も知らない。

愛した人は、殺人犯だったのか?

それでも、あなたを信じたい。

そう願う私に信じたくない結末が突きつけられる・・・。

(HPより抜粋)

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監督・キャスト

 監督は、今回脚本も手がけている李相日

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あまり彼の作品を見ていないので特に語れることはないのですが、これからの日本映画を背負ってたつお方なのかな、と。若くして賞を総なめしてますしね。

さて、どんな作品を撮ってきたのかと言うと、大学卒業後に日本映画学校へ進学、そこで作った卒業制作作品「青~chong~がぴあフィルムフェスティバルにてグランプリに。

村上龍の小説を宮藤官九郎が脚本を手がけ話題となった、1969年の佐世保を舞台に高校生たちがエネルギッシュに生活を送る青春映画「69 sixty nine」にて長編デビューを果たした後、炭鉱の閉山で活気を失った町を再生すべく計画された「常磐ハワイアンセンター」誕生の秘話を映画化した「フラガール」では口コミで大ヒットし、監督3作目にして日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞し話題となりました。

他にも、今回の映画「怒り」を執筆した吉田修一の小説を基に作られ、漁村で孤独に暮らし、ふとしたことから殺人者になってしまった青年と、その男の孤独さに惹かれた女との逃避行を、事件に巻き込まれた周りの人物たちの人間模様とともに描いたヒューマンミステリー「悪人」、

名匠クリント・イーストウッド監督の名作西部劇を日本の北海道開拓時代におきかえリメイクした意欲作で、かつて人斬りとして恐れられ刀を封印した男が、昔の仲間と再会し他のもののために再び刀を抜く決意をしていくヒューマンアクションドラマ「許されざる者」があります。

 

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キャストは舞台毎に紹介します。

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まずは東京編。

 

・大手通信会社に勤めるエリートサラリーマン・藤田優馬を演じるのは妻夫木聡。

プライベートでは最近結婚もしノリノリの彼ですが、清純派のイメージを払拭した「悪人」以来の監督作出演です。キャスト人の中では最多の3度目ですね。その「悪人」で被害者役だった満島ひかり再共演することで話題の「愚行録」が来年公開予定です。

 

・新宿で優馬が出会った無職の男・大谷直人役に綾野剛。

今回妻夫木聡とゲイの役ということで、今作のある意味での見所のひとつとなっています。どんな演技を2人が魅せてくれるのかドキドキものです。今回の撮影にあたり、演じることは虚構に過ぎないが本番はノンフィクションが映っているはず、とコメントでおっしゃっています。そこまで言いはなつ演技やいかに。

 

東京パートでは他に、直人の過去を知る女・薫役に高畑充希、末期がんを患う優馬の母役に原日出子が出演しています。

 

 

続いて千葉編。

 

・千葉の漁業組合で働く愛子の父・槙洋平役に渡辺謙。

今年はマシューマコノヒーと競演したガス・ヴァン・サント監督の「追憶の森」が公開されたり、ミュージカル「王様と私」でブロードウェイ初舞台を経験しトニー賞にノミネートされるなど相変わらず世界をまたに駆ける活躍ぶり。「許されざる者」以来2度目の監督作出演にどんな演技を見せてくれるのか期待ですね。

 

・3ヶ月にわたる家出から帰ってきた洋平の娘・愛子役に宮崎あおい。

今回のために7キロ増量して挑んだそうです。原作ではふっくらした体型というのと、気持ちに油断がある娘と解釈した本人と監督の意向とのこと。画像見るからにどこが太ったんだい?今年は待機作に橋本愛の母親役を演じることで話題となっている「バースデーカード」が控えています。

 

 ・漁港に仕事を求め現れた後、愛顧と同棲する男・田代哲也役に松山ケンイチ。

この千葉編で、犯人かもしれないという役どころ。画像を見る限りどことなく暗く影を背負っている感じが見て取れます。監督からの指導が厳しいというキャストの声が多い中、迷うことなく演じることができた、とコメントでおっしゃっています。棋士として一生をささげた男を映画化した「聖の青春」が再来月公開予定です。

 

他にも、愛子の従姉妹で、叔父の洋平を支える一時の母・明日香を池脇千鶴が演じます。

 

 

最後に沖縄編。

 

・沖縄の離島に母と引っ越してきた高校生・小宮山泉役に広瀬すず。

今年だけですでに4本目というハイペースで話題作が公開されている彼女ですが、「ちはやふる」や「四月は君の嘘」とはちがった演技を見せてくれると思います。リハの時点でかなりの不安を抱えながらの役作りだったそうですが、この映画を通して一皮向けたであろう彼女に期待したいですね。

 

・無人島で泉が出会うバックパッカー・田中信吾役に森山未來。

久々の映画出演な気がします。最近はダンスの武者修行や舞台が中心な為、中々お目にかかれないので彼の演技は個人的に楽しみの一つでもあります。今回は素性のわからない旅人ということで泉に笑顔で接しながらも裏側にあるミステリアスな部分をどう見せるのか期待です。

 

他に、泉の同級生・知念辰哉役にオーディションで抜擢された新人、佐久本宝が出演します。

 

 

そして、八王子の夫婦殺しの犯人を1年かけて捜査している八王子警察署警部補・南條邦久役にピエール瀧、その部下である北見壮介役を三浦貴大が演じます。

 

 

 

 

 

 

 

果たして犯人は誰なのか、そもそも犯人などこの中にいるのか、ひとつの疑惑が信じる気持ちをどれだけ揺さぶるのだろうか、その気持ちがいったいどんなドラマを生むのか、

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

7人の俳優が渾身の演技を魅せた魂を揺さぶる映画!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人を信じるってどこで判断してるんだろう。

まずは率直な感想を。

人を信じてあげることができなかった、信じていたのに裏切られた、人を見下していたことで正気を保っていたのにすぅーっと心に手を差し伸べられた反動に、人を愛するがために、その深さを確かめてしまったが故に、戦うことを諦めるしか生きていけない、守ってあげたいのに力になれないなどなど、声に出して怒るという怒りではなく、行動できない、その強さがない、弱さ故の己への怒りを3つの大きな異なるエピソードという糸をしなやかに編み上げた構成に、

その物語を、坂本龍一が作り出したピアノと弦楽器による壮大なBGMで、そっと寄り添うようにキャストの心情をうまく表現したことで生まれるカタルシスに、

そして最後に迎えるキャストの様々な表情に胸をえぐられるような感覚でした。

 

 

主人公たち同様に、我々も素性の知れない容疑者たちに最初は疑いながらも徐々に事件のことなど忘れ、突如放り投げられた事件の新展開に現実に戻され、また疑っていく。

もろに主人公たち目線で見てしまっていました。

その理由の1つに綾野剛、森山未來、松山ケンイチが犯人らしき写真にそっくりで。3人とも疑いながら見てしまっていました。

もちろん顔だけでなく、3人の屈託のない笑顔とその裏に潜んでいるであろう思惑が覗けてしまうような芝居が非常にうまくて。

 

ただ1つ文句を言うのであれば、顔のドアップ連発はやはり好みでなく。ここお前ら感情こみ上げてくるとこだぞっ!!と言わされてるような圧の強さに、2時間半という上映時間の中で何度も感じてしまう監督のしつこさに少々嫌気がさしたことも事実。

後ろ姿を映して回想シーンを挟むことで今の心境を感じ取れた妻夫木聡のシーンはうまいなぁと思ったので、直接でなく間接的に心に訴えるシーンがあればもっと疲弊せずに見られたのかなぁと。

 

それは抜きにしても、説明セリフを抑え、なるべく最小限にとどめ画力で押した監督の手腕は見事だったと思います。

 

 

 

どのエピソードも重いなぁ。

やはりこの作品で一番見入っててしまうのは、妻夫木聡と綾野剛の濡れ場だったかなと。

美男子2人がはしゃげば腐女子が盛り上がるようなBL的演出なんかではなく、怪しげに光るブラックライトの小部屋で半ば強引に絡むベッドシーンは、なんかもう見てはいけないものをしてしまった罪の意識さえ芽生えてしまう展開でした。

見終わった後、新宿にゲイたちが海パン一丁でプールで踊りまくるクラブが本当にあるのか、しかもそのまま奥の小部屋でセックスする環境なのか、なんで綾野剛はあそこで1人うずくまっていたのか、未知の世界に知りたい欲求とそんな疑問など吹き飛ばしてしまうシーン。

 

今日の獲物を物色しながらあたりを見回す優馬、そこで見つけた獲物・体育座りで小刻みに震える直人。

右足で股を強引に開かせ拒もうとする直人を力技で強引に仰向けに寝かせ、いただきまーす!と目をギラつかせる優馬。

禁欲から解放されたのか直人の口めがけ舌を絡める。次第に力の抜ける直人の下着を下ろしうつ伏せに寝かせ、慣れた手つきでコンドームの袋を歯で破り、股間に装着するやいなや、生々しく響くローションの音。

挿入した瞬間、堪えていた声を漏らす直人。

 

ほんの2、3分のシーンではありましたが、序盤でこんなものを見せられるとはつゆしらず。

そもそも輪郭を覆うように蓄えた髭に海パン一丁ではしゃぐブッキーがゲイにしか見えず、それに対しあまりにも無表情な綾野剛がノンケに見えることで、このシーンが狩るものと狩られる者という構図を見事に表情しているなあと。だったら余計に直人があそこにいる理由がわからないわけなんですけどw

いやぁ、役者ってすげえな!と思った瞬間でありました。

 

 

 

新潟編でも3ヶ月家出していた娘が歌舞伎町で風俗で働いていたところをNPO職員に見つけられ、父である洋平と面会するってのも親父目線で見たらきついものがあるなぁと。

宮崎あおいもブッキーと綾野剛見習って、ご奉仕してるところを映してそこへ親父が来るってシーンにすれば良かったのに。さすがに無理か!!それでお父ちゃん!って言われてもだし…

そんな妄想は置いといて、この宮崎あおいも愛されたい女子という田舎娘を見事に演じていたと思います。

客の要求に頑張って応えようとした結果、エスカレートしていく要求につぶれてしまった背景があるが故に、素性の知れない田代に徐々に惹かれていく恋愛体質な役柄が、ノーメイクでも全然可愛い幾つになっても歳をとらないベビーフェイスな彼女の顔立ちと少々ネジのゆるい感じの言葉遣いも手伝って、あーこんな演技もできるのかぁと感心してしまうほど。

娘が家出した挙句風俗で働いていたことが、田舎あるあるで町民に知れ渡ったとしても健気に娘に接しているけれど、心の中ではどこか諦めている。そんな難しい葛藤を抱えた父親の渡辺謙も、強張った表情とは裏腹に結局は娘に甘い父親を見事に演じていたと思います。

 

 

最後に沖縄編。これも重い内容でした。広瀬すずよ!お前はすごい!!ここに関してはホント見た感じて欲しい。この撮影時17歳ですよ。インタビューで散々逃げたかったと話していましたが、この役柄を普通に演じるのも難しいのに、しつこさで有名な監督に相当追い込まれたんだろうなぁと。

これは核心をついてしまうのでネタバレしませんが、あのシーンは顔をしかめることでしか見られなかった。

やはり沖縄ということで澄み切った海と浮かぶ島の大自然とおおらかに暮らす島民たちの風景も良かったですが、辺野古基地反対のデモや轟音と共に通り過ぎる戦闘機、島民たちの気持ちなど御構い無しで騒ぐ米兵たちなども惜しみなく映し出していて。

同級生の辰哉の父親が店の民宿を休んでまで参加するデモのシーンで、仕事を疎かにしてまで戦い続けることに何の意味があるのか、諦めるという選択肢はないのか、その立場に置かれた人ならではの見方でしかわからない悩みに思わずハッとしたシーンの1つでした。

この問いかけが後に泉にも降りかかって来るわけですが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「疑っているのは信じたいからだろ?」直人のいうセリフはすごく的を得ていて頭から離れません。

自分と関わる周りの人たちを自分は本当に信じきっているのか?疑って生きているのでないか?その弱さが人間関係を複雑にし、自分を追い込んでいく。たどり着くところはこの作品の犯人なのか。

エンディングでの叫びは何となくその答えなのかなと。

色々と考えさせられ、今後生きていく上で改めなければならない、そんな作品だったのではないでしょうか。

 

今回も勢いに任せた文章に考えがまとまってませんが、どのキャストもとんでもない演技だし、全く関わらない3つの話を上手く繋げた監督に脱帽だし、それを彩る音楽も素敵だし、顔のアップのくどさ以外は良かった!

何より広瀬すずだ!お前はスゲエ!!

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆☆☆★★★7/10