モンキー的映画のススメ

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モンキー的映画のススメ

主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

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映画「ぼくのおじさん」ネタバレあり感想 これでいいのだ?屁理屈おじさんの恋路にちょっぴり泣いて笑って。

コメディ

11月4日

ぼくのおじさん

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松田龍平がが好きだっていう人、その理由の多くは彼のユル~い演技だと思うんですよ。それでいてこの攻撃的な目ね。そろそろ悪そ~な役とかお父さんみたいにハードボイルドな役が見たいなぁ~とは思うんだけども、やっぱりこのユルさを見たくて映画館へ足を運んでしまうわけです。

 そんな彼を主演に迎えた山下敦弘監督の最新作ということで、前作「オーバーフェンス」をあえてスルーしてこちらを楽しみに、いや私はこっちのほうが楽しめる!と思い公開日を待っていたわけです。

というわけで早速見に行ってまいりました!!!

 

 

 

 

 

 

 

あらすじ

 

担任のみのり先生(戸田恵梨香)から、学校の作文コンクールの宿題を課せられた小学生のぼく=春山雪男(大西利空)。「自分のまわりにいる大人について」というのがテーマ。
公務員の父(宮藤官九郎)と専業主婦の母(寺島しのぶ)では面白いものが書けそうにない。

居候しているぼくの“おじさん”(松田龍平)は大学の非常勤講師。哲学を週に一コマ教えているだけで、いつも万年床でゴロゴロして、ニャム(うちのネコ)よりも働かない。おまけに超貧乏でケチ、ドジで運動神経もゼロ。いつもくだらないイタズラをしてはぼくや妹よりもお母さんに叱られて、お説教をされても反省するどころか屁理屈ばかりこねている。雪男は、そんなおじさんを題材に『ぼくのおじさん』という作文を書くことにする。

そんなある日、おじさんにお見合い話が持ち上がった。苦手な智子おばさん(キムラ緑子)からの紹介で乗り気でないおじさんだったが、目の前に現れたのはハワイの日系4世で絶世の美女・稲葉エリー(真木よう子)。雪男の心配をよそにおじさんはエリーに一目惚れ!だが、エリーは祖母が経営するコーヒー農園を継ぐためにハワイへ帰ってしまう。エリーに会いたい一心で、あの手、この手を駆使してハワイへ行く策を練るおじさんだが、ことごとく失敗で落ち込むばかり。

・・・だがある日、奇跡が訪れ、ハワイに行けることに!おじさんと雪男はエリーを追いかけてハワイへ行くが、そこになぜか和菓子屋の御曹司、青木(戸次重幸)もやってきた!どうなるおじさんの恋?(HPより抜粋)

 

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監督・キャスト

監督は黒縁メガネ、ヒゲ、帽子がトレードマークの山下敦弘監督。

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監督作品との出会いは「天然コケッコー」でしょうか。当時映画館へ行くという行為自体に疑問を感じレンタルDVDで済ませていたころ、夏帆が黒板にキスをするあのシーン見たさに、同僚たちと今は無き「池袋テアトルダイヤ」のレイトショーに行ったのを覚えています。

それからというもの、彼の作品が公開される度に楽しませてもらっています。

作風としてはダメな男というかろくでもないやつをオフロードで描いた作品が多いように思えます。

最近でいえば、大学卒業後働きもせず家事も手伝わず実家でぐうたら生活を送る女性が、父との交流を経てほんの少しだけ前進していく様をゆら~りと描いた「もらとりあむタマ子」や、日雇労働で生計をたて、稼いだ金は酒と風俗で飛んでいくその日暮らしな男のクズっぷりを描いた「苦役列車」、初期の代表作として、成り行きで出会った男女のアテのない旅を描いたロードムービー「リアリズムの宿」などがあります。

他にも文化祭を控えたボーカルのいない女子高生バンドに韓国の交換留学生を加え挑む「リンダ リンダ リンダ」は個人的には大好きな青春映画のひとつです。

ちなみに去年の作品「味園ユニバース」では渋谷すばる演技にあまり好感を持てず座年だった感想を書いてます。よろしければ是非。

 

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 オススメです。

 

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主演のおじさんを演じるのは松田龍平。

 

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冒頭でも書きましたが、このオフビートな作風を持つ監督作品に彼が出たらそのテンポの遅さにゆるゆるになっちゃうんじゃないか、なんて変な心配もしてますが、それがいいユーモアを生んでくれたらいいなぁと思っております。

彼の作品は「モヒカン故郷に帰る」以来です。これもゆるさの中に少しだけロックのようなとがった感じが混ざっていて大変面白かったです。父親の柄本明がすごくよかった。彼に関してはこちらでどうぞ。

 

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 あ、これにも出てました。年貢を巻き上げる悪いやつ。

 

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 次回作は吉田大八監督の新作「羊の木」に出演予定のようです。こちらも楽しみです。

 

 

 

 

 

 

おじさんが恋をする女性、稲葉エリー役には真木よう子。

 

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去年はコメディ作品に積極的に出演していたように思えますが「劇場版 MOZU」しっかりクールビューティーに戻ってました。この演技はセリフ棒読みでひどかったw

今年は老作家と金魚の姿を持つ少女とのエロティックな触れ合いを幻想的に描いた「蜜のあわれ」で幽霊の役を演じたり、今年のモンキー的2016年上半期ベストにも入れた、こんなはずじゃなかったと嘆きながらも前を向いて進んでいく家族の物語「海よりもまだ深く」で売れない小説家の主人公の元妻役として出演していました。

彼女に関してはこちらでどうぞ。

 

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他にも、おじさんの甥っ子・春山雪男役には子役の大西利空くん、雪男の母親節子を寺島しのぶ、雪男の父親定男役には宮藤官九郎、雪男の担任の先生役には戸田恵梨香が出演します。

 

 

 

 

 

 

ビンボーでケチで屁理屈なインテリぼんくらおじさんとぼく(雪男)がどんな掛け合いをしながら旅へ出るのか、おじさんの恋の行方は?

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こんなおじさんですが、愛してやってくださいby雪男

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダメ男のオフビートコメディ。

まずは、率直な感想を。

屁理屈ばかりたれる自称哲学者の自堕落な生活に、救いの手を差し伸べるかのように現れた天使を求めハワイまで足を運んだおじさんと甥っ子が、ハプニングあり恋模様あり人情話ありの珍道中を、ハワイの空気も手伝って監督お得意のオフビートに拍車がかかった、ゆる〜〜いバディムービーでございました。

 

前半では雪男の目線と雪男の作文を語り口に、ぐうたら生活な上にああ言えばこういうを繰り返す、春山家の目の上のたんこぶ扱いのおじさんがどんな人物かを丁寧に描き、

後半では素晴らしいハワイのロケーションの中で日系人の過酷だった日々を覗かせながらも、相変わらず姑息で心配かけてばかりなおじさんのダメダメだけどほっとけない人間性に笑うしかなく、エリーをモノにするため恋敵との小っちゃい争い、恋敵の覚悟、それにおじさんがどう応えるのか!?というクライマックスにまるで「男はつらいよ」の寅さんを彷彿とさせるような、切なさと小刻みな笑いで楽しんだ2時間でした。

 

 

 

対照的な二人。

とにかく松田龍平のユルさに、賢さと屁理屈と説得力が加わり、覇気がない上に偏屈で頑固で小憎たらし〜いおじさんとして見事に演じていたと思います。

これまでも「まほろ駅前〜」や「舟を編む」のようなフワフワしててゆるい演技ばかりしてきた彼だけど、それとはまた違ったつかみどころのないユルさを醸し出していたように思えます。

 

雪男に話しかける口調は、「〜なのだよ」とか「〜したまえ」とまるで教育者のように話したかと思えば、言ってることは自分勝手でガキ並みの言い訳ばかり。

色々と勘違いし空回りし見当違いなことばかりするけれど、おじさんは誰も傷つかない。そこにいても害はないw

世の中にはこんなやつが一人や二人くらいいた方が面白い世の中なのかな、なんて思ったり。

哲学者ってのはみんなこんなやつなん?

 

 

それにひきかえ雪男を演じた大西利空くん。まるで子役のお手本のような、ハキハキと頭のいい正しい演技を披露していたように思えます。というか、雪男自体が頭のいい常識のわかる役だったってのもありますが。

なんてったって雪男の作文に沿って話が進むんだけど、何この文章力!小4でその言葉のチョイス!文学性に乏しいって!!オレ小4んときそんな言葉使ったことないわ!そりゃあコンクールで入賞するわ!その文章力私にも分けてくださいw

そして大人のような立ち振る舞いね。おじさんと恋敵青木との小っちゃい痴話喧嘩を一括して制裁する小さな巨人!いやあおじさんとは対照的にしっかりしたお子さんでございました。

 

 

それにしたって真木よう子。あなたはやはりクールビューティで無口な表情で語る役以外はオファー受けない方がいいんじゃないか?日本アカデミー賞受賞者に傷がつくぜ?

そりゃ確かにショートヘアの時はちょっとふっくらしてだけど、日焼けして髪の毛伸ばして体引き締めてハワイ育ちの女っぽくちゃんと役づくりしてるのはすごい。

で、意外と笑顔がステキだってのも今回改めて思ったんですけど、セリフ回しは相変わらず抑揚がないというか滑舌がそんなに良くないというか。声質が低いからしょうがないってのもあるかと思いますが、英語はちょっとなぁ。

農業監督のおじさんがエリーに向かって「素人なのに一生懸命頑張ってるのはわかる」って言った時、それエリーに言ってるの?英語の発音が拙い真木よう子に言ってるの?と。

ちょっとこれはなかったなぁ。

 

 

 

それにしても監督はダメな男を撮らせたらいい余韻にさせてくれるなぁと改めて感じました。変に凝った演出もなく子供からみたおじさんだけあってわかりやすい。オチもその先の展開も読めるし捻ったところも全くない。

続編を匂わしそうなエンドロール後のオマケ映像に期待です。おじさんに春は来るのか?あ、ネタバレ…。

とにかくおじさんで楽しむ作品でありました。わお!これでよし!

というわけで以上!あざっした!

満足度☆☆☆☆☆★★★★★5/10