モンキー的映画のススメ

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モンキー的映画のススメ

主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

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映画「追憶(2017)」感想ネタバレあり解説 岡田准一の演技が健さんみたいだ。

5月6日

追憶 

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まずこの予告を見て思ったことはクリント・イーストウッドの「ミスティック・リバー」とおんなじ話じゃね?なんて思っちゃって。

幼馴染の3人が大人になって刑事で容疑者で被害者ってもろじゃねえかと。

きっと話の出口や空気感はそれとは違うと思うんだけど、どうしても切り離して見れない。

 しかも降旗×木村大作コンビ作品をほとんど見てないので、ちょっと抵抗感もある。

じゃあなんで見に行くのさって、そりゃあ岡田×小栗の掛け合い見たさってミーハーな部分が先行しての鑑賞なんで、そこまでたいした感想は言えなそうです。

そんな思いを抱きながら早速鑑賞してまいりました。

 

 

 

 

 

作品情報

高倉健主演作である「駅 STATION」や「居酒屋兆次」、「鉄道員(ぽっぽや)」などを手掛けた日本映画の伝説のコンビが、今をときめく豪華俳優陣を従えて、新たなる日本映画を生み出した。

風情豊かな北陸の地で、見るものを揺さぶる景観をスクリーンに焼き付けた今作は、ひとつの事件をきっかけに25年ぶりに再会した幼馴染が、心の奥にしまったままでいた過去と向き合っていく姿を描いたヒューマンサスペンスです。

 

追憶 (小学館文庫)

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追憶 オリジナル・サウンドトラック

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あらすじ

 

 

富山県の漁港で殺人事件が起きた。

事件によって、かつて親友だった3人は、刑事、容疑者、被害者として再会することになった。

刑事・四方篤(岡田准一)―――

妻(長澤まさみ)へ自分の心をうまく伝えられず、すれ違いの日々を送る。なぜ、愛する人にも心を開くことが出来ないのか。

容疑者・田所啓太(小栗旬)―――

会社の好転、妻(木村文乃)の妊娠、新居の建築と幸せの絶頂の中、なぜ、事件の真相を語ろうとしないのか。

被害者・川端悟(柄本祐)―――

倒産寸前の会社と家族のため、金策に奔走していた。

なぜ、殺されなければならなかったのか。

 

25年前、親に捨てられた3人は、涼子(安藤サクラ)は営む、喫茶「ゆきわりそう」に身を寄せていた。

常連客の光男(吉岡秀隆)とともに5人はまるで家族のような間柄になった。

だが、ある事件を機に、その幸せは終わった。

無実を信じる、四方の問いかけにも田所は口をつぐむ。

一体、何を守ろうとしているのか。

 

3人の過去に、何があったのか。

複雑に絡み合った壮絶な人生のドラマは、25年のときを経て、再び運命の歯車を回し始める。(HPより抜粋)

 

youtu.be

 

 

 

 

 

監督

監督は高倉健との共作で有名な降旗康男

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 この方の作品は1作しか見ていません。しかも今作とは程遠い時代劇。

昔は高倉健主演の任侠モノが多いですが、80年代以降は彼主演のヒューマンモノが多い印象です。

今作は名カメラマンである木村大作とのタッグゆえ、そのあたりを簡単以後紹介。

 

初めてのタッグは刑事と3人の女の出会いと別れを描いた3部構成からなるドラマ「駅 STATION」。ある撮影地点をどこにするかで意見が一致したことから信頼関係が深まっていったとのこと。

その後も港町で両氏として生きる男の壮絶な過去や縺れた愛を描いた「夜叉」、鉄道員として気概と誇りを胸に生きてきた男の物語「鉄道員(ぽっぽや)」、戦争の傷跡を内に抱えて生きる夫婦の物語「ホタル」などがあります。

 

で、監督作品で唯一見てるのが・・・

 

将軍家光の乱心 激突 [DVD]

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 これw

なぜか子供の頃録画してたやつを何回も繰り返してみていた作品。

中島貞夫脚本で降旗康男監督、アクション監督にバーチーこと千葉真一

自分の長男を殺そうとしている家光の刺客から、子供を守るため浪人たちが命がけで守る!って話なんですけど、とんでもねぇアクロバットアクションです。さすがバーチーです。で、その浪人の中にまだ売れてなかった頃の織田裕二が出演しています。速攻で死にます。

で、最後はアルフィーの主題歌。・・・最高です!!

 

 

 

 

キャスト

刑事・四方篤を演じるのは岡田准一(V6)

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気がつけば健さんの遺志を継いで、日本を代表する俳優街道を突き進んでいる岡田くん。

去年の「海賊とよばれた男」では、20代から60代までを一人で演じたのが話題でしたが、特殊メイクで施したとはいえ、少々無理があったなぁ。かなり気合い入った演技でしたけども。

 

www.monkey1119.com

 

今後は8月に時代劇「関ヶ原」が公開予定。石田光成を演じます。

 

 

 

 

あとはざっくりキャスト紹介。

容疑者・田所啓太役に、7月に「銀魂」と「君の膵臓を食べたい」が控えている小栗旬。

被害者・川端悟役に、昨年は「64-ロクヨンー」に出演した、若きバイプレイヤー柄本祐。

別居中の篤の妻、美那子役に、こちらも7月に「銀魂」、9月に「散歩する侵略者」の公開が控えている長澤まさみ。出産間近の啓太の妻、真理役に、11月に映画版「火花」が公開予定の木村文乃。

喫茶「ゆきわりそう」の店主・仁科涼子役に、柄本祐の奥様!9月公開予定の「奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール」に出演する安藤サクラ。

涼子に思いを寄せる山形光男役に、岡田くんとは「海賊とよばれた男」で共演済みの吉岡秀隆らが演じます。

 

 

 

 

 

 

 

豪華キャスト、そして、日本を代表する監督撮影コンビがどんなドラマを作り出したのか。映りだす情景はどんな意味がこめられてるのか。

 

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

感想

岡田准一の演技が冴えわたる!過去に翻弄された男たちの真実に胸が締め付けられる!!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一昔前のドラマみたい。

過去を忘れることができず生きている者、過去の出来事により巻き込まれた者を必死で守る者、やっとできた家族を守る者。

それぞれが抱えた過去への思い。

運命は再び彼らを結びつけ、過去と対峙していく。

海から見渡す夕日や、皆既日食、桜並木、半島の海沿いなどなど能登の絶景をバックに、過去の彼らに何があったのかを少しづつ紐解きながら、主人公の心の闇を少しづつ取り払っていく、抗うのでなく、受け入れることでこれからどう生きていくのかを描いたヒューマンサスペンスでございました。

 

簡単に言うとですね、東野圭吾のヒューマンサスペンスのような内容でした。

結果的には事件は事件で、3人の過去は過去としてって話で。

ここをどう絡ませて、観衆を迷わせるのかってのをうまく描いてたように思えます。

 

伏線とか別の人物の視点とか、伸ばそうと思えば伸ばせるような話なんですが、無駄な要素を省くことで、コンパクトにまとめており、そのくせ登場人物たちの心の機微をうまく抽出した作品だったのではないでしょうか。

そして事件の犯人は誰なのか?ってことよりも、3人が抱えた過去の秘密、そしてひたすら黙ったままの啓太が守ろうとしているモノに焦点をあて、それが明かされた時のカタルシスを楽しむ作品だったと思います。

 

展開に関しても、冒頭で3人の過去の秘密を明かしたり、エピソードとエピソードの間に過去の回想シーンを細かく短く入れる作りに、多少のくどさはありつつも、あえて伏線をすぐ回収するような流れは、最近の作品ではあまり見ないやり方だったので、忘れることなくスムーズに解釈ができる作りになっていたと思います。

 

例えば、初めてゆきわりそうを訪れた篤に差し出されたラーメンのメンマを残す件を先に見せた後、すぐに現在の場面に切り替わり、メンマを残す男性を見て、悟が篤だと気づく食堂でのシーン。

他にも、篤が母親に金を渡しに行くも不愛想に対応する篤のあと、すぐに険悪な関係の発端である過去のシーンを挿入したり。

 

前半ではこういった編集により、過去の彼らに何があったのかがすぐわかるような流れになっていました。

 

映像の質感も最近のデジタルなつくりではなく、どこか温かみのあるフィルムでの撮影だったように思えます。

それにより役者の表情や風景も鮮やかでありながらも、どこか懐かしさがこみ上げるような、一昔前の映画を見てる感覚になりました。

やはり昭和を代表する監督とカメラマンなので、どこの場面でどう撮るかという構図や風景をどう美しく撮るか、その前に立つ役者などこだわりのある映像だったように思えます。

 

 

岡田准一の渋さ。

そんな監督たちが、キャスティングした主人公篤役の岡田准一の演技は、今回高倉健を意識したような演技に感じました。

過去の出来事を忘れないように生きてきたことで、心に闇を持ったまま成長した篤を、笑顔も声も抑え、鋭い眼光で他者を見つめる眼差し。

その寡黙さからにじんでくる渋さは正しく監督と多くの作品を撮ってきた健酸を思わせる演技だったと思います。

 

だからといって無骨な感じではなく、妻と円満でない生活を送っていながらも、どこかやさしさを忘れない言葉や表情に微かな柔らかさを見せる演技はさすがだったのではないでしょうか。

 

 

啓太を演じた小栗旬も久々の普通の一般人役ということで、違和感なく見ることができたのかなと。

 

そして涼子を演じる安藤サクラも今回ある意味で役の光と影のような部分を分けて演じなければいけないようになってるので、その差を見事に演じていたように思えます。

夫である柄本佑との共演も1シーンだけですが、終盤に流れるので個人的には嬉しい場面でした。

 

 

 

最後に

篤はなぜ刑事になったのか。

それは過去の出来事のせいである人を怖い存在と思っていたことから、その怖さを隠すために刑事になりました。

けど彼は啓太や悟と25年ぶりに再会し、当時の人たちと関わっていくことで、過去の自分と対峙し、現在の妻との関係、母親との関係、そして現在の自分がこれからどう生きていくのかという答えを見出していきます。

 

ラストカットの篤の表情と沈む夕日に、彼の追憶が重なり、静かな余韻に浸るエンディングと感じることでしょう。

 

若干の物足りなさも感じるでしょうが、昨今のコテコテの演出でおなか一杯になりがちな作品とは違い、これだけさらっと観られるヒューマンサスペンスもなかなかお目にかかれないので是非見てみてはいかがでしょうか。

 

今回どの部分も書いたら核心をつきそうなので、なるべく全容を伏せての感想ではありますが、豪華キャストが、間を大切にしながら、細やかな表情で演技し構築してきた作品を是非ご堪能いただければと思います。

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆★★★★★5/10