モンキー的映画のススメ

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主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

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映画「マンチェスターバイザシー」感想ネタバレあり解説 主人公の苦悩を静かに描く良作。

5月13日

マンチェスター・バイ・ザ・シー 

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今年のアカデミー賞はじめ、各映画賞を賑わせた作品の登場です。

マンチェスターと付いているからといって、決してイギリスが舞台の話ではございません。アメリカにマンチェスターバイザシーという町があるのです。

偉大なる兄の下でコツコツとキャリアを重ねてきた一人の男に、ようやく光が当たった記念すべき作品。

非常に楽しみな作品を早速見てまいりました。

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

本年度アカデミー賞にて主演だ優勝と脚本賞の2冠に輝いた本作は、マット・デイモンがプロデューサーを、また「ギャング・オブ・ニューヨーク」の脚本家が監督を務め、一人の男の絶望と再生を丁寧に優しく描いた人間ドラマとして完成させました。

 

マンチェスター・バイ・ザ・シー

マンチェスター・バイ・ザ・シー

  • アーティスト: レスリー・バーバー,デューク・エリントン,ドン・ジョージ,ジョニー・ホッジス,ハリー・ジェームス
  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2017/05/10
  • メディア: CD
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あらすじ

 

 

アメリカ・ボストン郊外でアパートの便利屋として働くリー・チャンドラー(ケイシー・アフレック)のもとに、ある日一本の電話が入る。故郷のマンチェスター・バイ・ザ・シーにいる兄のジョー(カイル・チャンドラー)が倒れたという知らせだった。
リーは車を飛ばして病院に到着するが、兄ジョーは1時間前に息を引き取っていた。
リーは、冷たくなった兄の遺体を抱きしめお別れをすると、医師や友人ジョージと共に今後の相談をした。兄の息子で、リーにとっては甥にあたるパトリック(ルーカス・ヘッジズ)にも父の死を知らせねばならない。

ホッケーの練習試合をしているパトリックを迎えに行くため、リーは町へ向かう。見知った町並みを横目に車を走らせるリーの脳裏に、過去の記憶が浮かんでは消える。仲間や家族と笑い合って過ごした日々、美しい思い出の数々——。

兄の遺言を聞くためパトリックと共に弁護士の元へ向かったリーは、遺言を知って絶句する。「俺が後見人だと?」

兄ジョーは、パトリックの後見人にリーを指名していた。弁護士は、遺言内容をリーが知らなかったことに驚きながらも、この町に移り住んでほしいことを告げる。「この町に何年も住んでいたんだろう?」
弁護士の言葉で、この町で過ごした記憶がリーのなかで鮮烈によみがえり、リーは過去の悲劇と向き合わざるをえなくなる。なぜリーは、心も涙も思い出もすべてこの町に残して出て行ったのか。なぜ誰にも心を開かず孤独に生きるのか。

リーは、父を失ったパトリックと共に、この町で新たな一歩を踏み出すことができるのだろうか? (HPより抜粋)

 

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監督

監督は今作で脚本も手掛けたケネス・ロナーガン

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 初めて耳にするお方です。

元々は脚本家としてキャリアをスタートした方のようで、「アナライズ・ミー」や続編「アナライズ・ユー」、「ギャング・オブ・ニューヨーク」ではアカデミー賞脚本賞を受賞する快挙を成し遂げています。

監督としては今回が2作目のようで、デビュー作は「マーガレット」。マット・デイモンやマーク・ラファロなどの豪華キャストでありながら、日本未公開だったようです。

ここでプロデューサーであるマットと繋がったんでしょうね。

 

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キャスト

主人公リー・チャンドラーを演じるのはケイシー・アフレック。

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お兄ちゃんのベン・アフレックより細身です。半開きな口がだらしない兄に比べて凛々しい表情が魅力的。

今作で念願のアカデミー賞主演男優賞を受賞し、その時の涙を流しながら壇上の弟を見る眼差しが最高にステキでした。

 

彼の作品は半分くらい見てますが、今までこんなに光が当たった作品を見てないので今回非常に楽しみです。

 

そんな光の当たらなかった彼の地道にキャリアを積み上げた作品を簡単にご紹介。

映画デビューはガス・ヴァン・サント監督の「誘う女」。その後、兄であるベンの出演作「チェインジング・エイミー」や「200本のたばこ」などに出演。

え?これも出てたのか!と後々気づいた「オーシャンズ」シリーズには、いつもけんかばかりしていたモロイ兄弟の兄として出演しています。

 

転機となった作品が、アメリカ西部開拓時代の荒くれ者にし今でも南部の人間から愛されている男と彼を慕いながらも刺繍的に殺してしまう男のドラマを描いた「ジェシー・ジェームズの暗殺」でアカデミー賞助演男優賞にノミネートし話題になります。

 

兄ベンの監督デビュー作「ゴーン・ベイビー・ゴーン」でも主役を演じ評価を得ますが、彼が監督製作脚本撮影と作品のほとんどを手掛け、俳優ホアキン・フェニックスが俳優人生を辞め、ヒップホップアーティストに転向すると言う発言が、実はフェイクドキュメンタリーだったということを公表するまでを描いた「容疑者、ホアキン・フェニックス」がメディアや一般人から反感を買い、業界から干されてしまう事態に。

 

最近では、食糧危機となった地球の人たちを救うべく宇宙へと旅立つ父、離れ離れになりながらも地球で彼を支える娘との絆と、人類の運命を壮大なスケールで描いた「インターステラー」で主人公クーパーの息子役として出演しています。

 

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他のキャストはこんな感じ。

リーの元妻ランディ役を、「ブルーバレンタイン」や「ブロークバック・マウンテン」、そしてジャニス・ジョップリンの伝記映画にも主演予定のミシェル・ウィリアムズ

リーの兄・ジョー役に、「SUPER8」や「アルゴ」、「キャロル」などに出演していたカイル・チャンドラー。

リーの甥・パトリック役に、「ムーンライズ・キングダム」や「グランド・ブタベスト・ホテル」などに出演していたルーカス・ヘッジズが出演しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人々の心を揺さぶると評判の今作。主人公が過去に犯した過ち、そして直面する問題にどう向き合っていくのか。

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

感想

その痛み、その悲しみ、消し去ることはできない。

消えない思いを背負った男の悲しくもどこか温かいヒューマンストーリー!

以下、核心に触れずねたばれします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

体感時間は長いけども。

ある出来事を境に、悲しみと痛みを背負い心を閉ざしてしまった男が、父を亡くした甥と過ごしていくことで、再び痛みと悲しみに向かい合っていく様を描いたヒューマンドラマでした。

 

誰にでも犯した過ちを消し去ることなどできない。いつだって逃げたいに決まっている。時間が忘れさせてくれるのか。過去はそう簡単に変えることはできない。

だったらどうすればいいのか。いっそのこと逃げたまま生活すればいい。そうすることで生きていけるならそれもひとつの答えだ。

そんなことを教えてくれる作品だと感じました。

 

兄が死に、甥の後見人となって地元へ戻る。葬儀が執り行われるまでの間、パトリックの将来を案じ、あれこれ模索するリーだが、パトリックは彼の提案を拒む。

この町にいたくないリーと、留まりたいパトリック。

平行線のまま時は流れるも、少しづつリーはパトリックへ歩み寄っていく。

 

劇中に何か劇的な変化が訪れるわけでもなく淡々と物語は進む。

この物語には、観客を飽きさせないような15分に一度の変化という映画お得意の演出などどこにもない。ただただパトリックとの生活がそこには描かれている。

日常なんてそんなもんだよ、と監督に言われてるような気がした。

そして、リーが抱える悲しみはたった2時間ちょっとの内容では救われないのだ、そうも言われてる気もした。

だから体感時間が非常に長く感じた。

とはいえ決して苦痛な時間ではなく、リーの悲しさがおおよそを占める中で、ごくごく小さなエピソードに些細なユーモアが混じっていたことも手伝って、程よく退屈にならないような工夫人へのもされていて見やすい作品だと感じました。

 

殺風景の中に。

言葉で語られない分、画で心に訴えてくる描写がたくさんありました。

リーの空っぽの心が、曇った空と海しかないマンチェスターバイザシーの殺風景とリンクし、時折吹く冷たい風が彼の体温を奪っていく。

それでも飛び続けるカモメがリーの現在を映し出しています。

リーは、後見人としてパトリックと共に暮らすことで、どうにか変わろうと努力していることが分かります。

 

他にも、冒頭と終盤でリーの行動を同じように描いてるのも面白い。

例えば、便利屋としてアパートの部屋をまわり、修理するリーが映し出されているが、途中クレームを物申す住人に悪態をつく。

バーカウンターの向かいでちらちら自分を見る男性2人組に苛立ち殴りかかる。

このような行為から彼の心が不安定だということが読み取れるが、終盤でも同じようなことをしでかしている。

便利屋を辞めて地元へ戻ってきても、物語の最後には再び便利屋に戻り仕事を続ける。

要するに彼は変わってないことが読み取れる。

 

彼以外にも、パトリックの心情もうまく描かれていた。

父の遺体を冷凍保存することをかたくなに拒んでいたパトリック。突然夜中に起き、冷凍庫を開けると山のように詰めていた冷凍チキンがあふれて落ちてくる。

それを見て彼は発作を起こす。

落としたチキンを冷凍庫にしまいたいけどうまく仕舞えない。

きっと冷凍保存したくない父のことを思っての発作だったんだろう。

 

このように、言葉でなく画で表現する描写がたくさんあり何度見ても感慨深くさせる作りになっていました。

 

 

何故こいつらモテる?

リーとパトリックの共通点は大きな喪失感であり、物語が進むにつれて二人はその喪失感をどう埋めていくか、どう向き合っていくかを描いているわけですが、それ以外にも二人には共通点がありました。

それは女からモテること!

何だよ、心に深い闇を持ってる奴は女を引き寄せられるのか???

 

まずリーですが、便利屋として便器のつまりを直しに女性宅に訪れるわけですが、直してる最中に、奥で女性が友人に電話をしています。

「ヤバイ私今便利屋に恋しちゃいそう!」「汚れてるとこ直してもらってるにもかかわらず、なんでこんな気持ちになっちゃうの?」

そして彼女はチップを渡すことで好意を示しますが、リーは素っ気ない態度!

おいおいつれないねぇ、リーさんや。

 

その後もパブで一人一杯ひっかけてるところに、いかにもエロイ女が、リーと吉家画を作るために、超わざとらしくリーの服にビールをこぼします。

「あらごめんなさい!!マスター、ナプキン貸して!」「ほんとにごめんなさい、私○○っていうの、あなたは?」

「大丈夫だから、気にしないで。」

これまたリーさん素っ気ない態度!!その2!!

せめて名前くらい言えや!

 

そして、なんとパトリックの彼女のお母さんまで彼に好意を持つというモテっぷり。

パトリックの彼女の家でのバンド練習の送迎で、外で車中待機しているリー。

するとお母さんが出てきて、「まだ練習終わるまで時間がかかりそうだから中で待ちませんか?もしよかったらパトリックと一緒に夕食でも?」

「時間になったらまた来ます。」

これまたリーさん素っ気ない態度!!その3!!

なんて非社交的なんだ!!

 

このことを彼女から聞いたからなのか、パトリックはあることをひらめきます。

彼女とHしたい願望MAXのパトリックですが、定期的に母親が部屋を訪ねてくるので、そうさせないようリーと彼女の母親を会話させることで、Hする時間稼ぎをさせようと目論みます。

お母さん、大きく胸元の空いた服でセクシーさをアピール!もっとお酒を飲ませようと頑張りますが、

これまたリーさん素っ気ない態度!!その4!!!

なかなか会話の弾まない空間に耐えられなくなって、お母さんギブアップ!!!

 

こんなモテモテのリーの素っ気ない態度が何度も出てきて笑わせてくれます。

こいつ気づいてんのか?

 

そしてパトリックも超グラマーな彼女が。

父を亡くしたことで心配になり、パトリックの元を訪れた彼女。彼の父ジョーも公認であり、何度も家にお泊りまでする仲。

そんな彼女がいるにもかかわらず、パトリックには別の彼女がいます。地下ビジネスとか例えてますが、お前それ立派な二股だからな!

その彼女こそバンドの女性ボーカル。彼女とバンド練習をした後、彼女の家で宿題をやると称して、Hに勤しむという性欲むき出しなパトリック。

 

これ以外にも希望者が二人出てくるというモテっぷり。

 

こんなモテモテな二人をどうか笑いながら見てくださいw

 

 

 

最後に

はい、今回もまた考えがまとまらないままのグダグダな文章になってますが、要は良い映画でしたww

終盤で必死に謝る元妻ランディとの会話のシーンは涙腺決壊すること間違いないでしょう。そこでリーはどう接するのか。是非見て感じてほしい場面です。

 

リーの犯した過ちが何なのかが結構序盤で明かされ、その衝撃度の大きさに、彼が心を閉ざすのも仕方ないよなぁと同情してしまいます。

自分も彼の立場なら地元へ帰りたくないです。これは辛すぎる。自責の念が強すぎる。だからこそ、この映画はそんな辛い過去を持つ人に、手を差し伸べる作品になっていると思います。

どう足掻いたって消えないのなら、逃げてもいいよと。

クライマックスは冬から春、そして夏の訪れを感じさせる季節で幕を閉じます。

リーにもきっと雪解けの季節が訪れる日が来る、そう感じさせる終わり方でした。

 

ケイシ―アフレックの、一見何考えてれるかわからないような無表情な演技が、この役に見事にマッチしてるのも見どころです。

というわけで以上!あざっした!!

 

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満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10