モンキー的映画のススメ

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主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

【ネタバレ】「ベイビードライバー」感想と解説 まるでMVみたいなクライムカーアクション!

ベイビー・ドライバー 

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エドガー・ライト監督約4年ぶりの新作がやってきたぜ~~ぃ!

 

今作はお友達のサイモン&ニックを使わずに、えらくかっこ良さげな雰囲気の作品を作った様子。

 

強盗の逃がし屋って設定は、もしかしてあれのオマージュかい?

しかも音楽聞きながら運転するのかい?

かっこいいじゃないか!!

 

先に鑑賞した方の感想では、全編MVみたいだっ!!なんて声もありますが、一体どういうことなのか気になります。

と言うわけで早速鑑賞してまいりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

数々の快作を生み出したイギリスの奇才が、満を持してハリウッドメジャー作品として進出した記念すべき作品。

音楽を聴くことで、驚異的なドライビングテクニックをこなす主人公を中心にしたクライムアクションエンタテインメントを、若手注目株の俳優と、彼を支える大御所俳優が物語を盛り立てます。

 

Baby Driver (Music From The Motion Picture)

Baby Driver (Music From The Motion Picture)

 

 

 

 

 

 

 

あらすじ

 

 

ベイビー(アンセル・エルゴート)。その天才的なドライビング・センスが買われ、組織の運転手として彼に課せられた仕事―それは、銀行、現金輸送車を襲ったメンバーを確実に「逃がす」こと。

子供の頃の交通事故が原因で耳鳴りに悩まされ続けているベイビー。しかし、音楽を聴くことで、耳鳴りがかき消され、そのドライビング・テクニックがさらに覚醒する。

そして誰も止めることができない、追いつくことすらできない、イカれたドライバーへと変貌する―。

組織のボスで作戦担当のドク(ケヴィン・スペイシー)、すぐにブチ切れ銃をブッ放すバッツ(ジェイミー・フォックス)、凶暴すぎる夫婦、バディ(ジョン・ハム)とダーリン(エイザ・ゴンザレス)。

彼らとの仕事にスリルを覚え、才能を活かしてきたベイビー。しかし、このクレイジーな環境から抜け出す決意をする―

それは、恋人デボラ(リリー・ジェームズ)の存在を組織に嗅ぎつけられたからだ。

自ら決めた“最後の仕事”=“合衆国郵便局の襲撃”がベイビーと恋人と組織を道連れに暴走を始める―。(HPより抜粋)

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監督

監督と脚本を務めるのはエドガー・ライト。

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今回マーベルアメコミ映画「アントマン」の監督を降板し製作にかかったとのこと。

アントマン降板に関してはものすごく残念だったんですけども、新作が見られるのであればもう問題はないっす。はい。

 

ソフトも持っているほど大好きな監督でありますから、今回も面白かったらブルーレイ買おうと思っとります!!

 

今までどんな作品を手掛けてきたのかご紹介。

ジョージ・A・ロメロ監督の「ゾンビ」を下敷きに、大人になりきれないダメ男と恋の行方と生き残りをかけた、ユーモアとグロが隅々までいきわたったゾンビパロディ映画「ショーン・オブ・ザ・デッド」で商業映画デビュー。

 

日本では未公開でしたがファンの間で話題となり、有名刑事映画のパロディをふんだんに盛り込んだアクションコメディ「ホット・ファズ~俺たちスーパーポリスメン!」では、公開されないことにやきもきしたファンが、署名運動を起こし劇場公開させたというほど。

 

その後も、一目惚れした女性をゲットするべく、なぜか彼女の元カレたちと戦わなければならなくなった主人公のバトルの行方を、あらゆるゲームの要素を取り入れた内容で描いた「スコット・ピルグリムVS邪悪な元カレ軍団」、

 

盟友サイモン・ペッグニック・フロストのゴールデンコンビ3部作とも言われ、幼馴染のさえない中年5人組が、当時達成できなかったパブを制覇する偉業を達成しようとしていく中で、とんでもない騒動に見舞われていくSFアクション・コメディ「ワールズ・エンド 酔っ払いが世界を救う!」があります。

 

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キャスト

主人公の逃がし屋ベイビーを演じるのはアンセル・エルゴート。

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彼ですね、「きっと、星のせいじゃない」っていう、難病を患ってる男女の初恋を描いた青春ラブストーリーを鑑賞してから知るようになったんですけど。

 

きっと、星のせいじゃない。 [Blu-ray]

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一応イケメン俳優ですけど、彼カッコいいですかね?

顔がむちむちしてんのがちょっと・・・。

どちらかというとかわいい感じ?

だからなのか彼がベイビーって役名で演じるのはものすごくしっくり来ます。

 

ちなみに彼は「ダイバージェントFinal」にも出演しています。

 

 

 

ベイビーの恋人デボラを演じるのは、リリー・ジェームズ。

 

ディズニー映画「シンデレラ」で主役を演じ、一躍有名になった彼女。

とはいえシンデレラは見てないので、個人的には彼女は去年公開した「高慢と偏見とゾンビ」での美しく戦う様のほうでしか印象がありません。

 

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今回はキュートな感じで演じてくれるのかな?

まぁどう演じてもかわいいことには変わらない。

 

彼女に関しては こちらもどうぞ。

 

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他のキャストはこんな感じ。

組織のボス、ドクを演じるのは、「セブン」、「ユージュアル・サスペクツ」、「アメリカン・ビューティー」などなど数々の名に出演してきたケヴィン・スペイシー。

短気な男で早打ちの名手バッツを演じるのは、「RAY/レイ」や「ジャンゴ 繋がれざる者」、「ホワイトハウス・ダウン」のジェイミー・フォックス。

凶暴すぎる夫バディを演じるのは、「地球が静止する日」、「ミリオンダラー・アーム」のジョン・ハム。

その妻ダーリンを演じるのは、 TVドラマ版「フロム・ダスク・ティル・ドーン」で人気となったエイザ・ゴンザレス。

銀行強盗チームの一員グリフを演じるのは、Netflixドラマ「デアデビル」、「フューリー」、「ザ・コンサルタント」のジョン・バーンサル

他にも意外な人たちが出演とのこと。楽しみです。

 

 

 

 

 

 

 

 

映像にも音楽にもこだわる監督の最新作はどんな仕上がりになっているのでしょうか。

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

感想

YEAAAAAAAHHっ!!!

クライマックス最高だぜっ!!

音楽と映像を見事に融合させた、クールア~ンドスタイリッシュなクライムカーアクションムービー!!!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オープニングからノリノリ!!

犯罪組織のボスの車を盗んでしまったことで、借りを作ってしまった主人公。

 

幼少期の事故で難聴になり、耳鳴りから解放してくれるのはイヤホンから流れる音楽だった。

音楽で雑音をシャットアウトすることで、天性のドライビングテクニックを武器に、銀行強盗の逃がし屋として、少しづつボスに借りを返していく。

 

やがて運命の女性に恋をし、汚れた仕事から足を洗うことを夢見ていたが、犯罪に手を染めた過去はそう簡単に消すことはできない。

 

これが最後の仕事と意気込んだ仕事は、やがて養父や彼女をも巻き込んでしまう大騒動になっていく。

 

 

今までの監督の過去作から連想するに、どこかコミカルでマニアックなコメディ調の作品だとばかり思っていた。

 

しかしふたを開けてみれば、めちゃめちゃ緊張感の漂うクライムものとして描かれており、激しい銃撃、いつも以上にカット割りの多い編集、ド派手なカーアクションと、今までのエドガーライト作品とは一線を画したものとなっていた。

 

 

そして、監督特有のこだわりや愛が随所に現れていた。

 

特に強調したいのは、まだニュートラル状態な心のエンジンを一気にトップギアへと思っていくオープニングシーン。

 

 

ラ・ラ・ランド」や「スパイダーマン ホームカミング」などオープニングから一気に作品の世界へと誘ってくれる作品が少しづつ増えてきたが、今作もまた上映開始までの予告編の長さに呆れてしまいがちな、シネコンならではの苛立ちを一気に忘れさせてくれる素晴らしいオープニングとなっていた。

 

 

その理由はただアクションだけではない。

主人公がipodで聞いている音楽のメロディやリズム、歌詞にのせて映像がのっかていく、まさにミュージックビデオさながらの構成に、自然と指がをハイハットを鳴らし、足がバスドラを踏み、片でリズムを刻み、映像とともに自分が映画の世界観に没入していく高揚感になっていく。

 

 

ジョン・スペンサーの「ベルボトムス」の曲調に乗りながら、主人公ベイビーが強盗が終わるまでの時間のウォーミングアップとばかりに、車内で自由気ままにハンドルや車体を手で叩きながらリズムをとり、口パクで歌い、ワイパーの規則的な動きに音楽がシンクロし、体を揺らす。

 

 

過去に監督が全く同じようなPVを撮影していたことが公開前に話題になったが、そのPVと全く同じような映像であった。

 

 

 

街の喧騒までも。

このミュージックビデオさながらの演出はこんなもんじゃない。

 

冒頭のひと仕事を終えアジトに向かうベイビーは、いつものルーティーンとしてアジトに人数分のコーヒーを届けに街へ向かう。

日常でも音楽を肌身離さず聞いて歩くベイビーは、ここでもお気に入りの音楽を聴きながら街を闊歩する。

 

 

するとどうだろう、ストリートミュージシャンや、キャッシュディスペンサーで暗証番号を打つ女性、街角でiphoneからメールを送る男性、工事現場のおっちゃん、街にあふれる全ての喧騒が彼の音楽とマッチしていくではないか!!!

 

 

これをコーヒーショップまでの道のりをワンカットで撮っていくシーン。

カーアクションもスゲェけど、オレのこのこだわりも楽しんでくれよとばかりに、監督の遊び心と仕事に対しての本気度がバシバシ感じる映像が目に飛び込んでくる。

 

 

個人としても毎朝音楽を聞いて出勤するわけだが、プレイリストに今聞きたい曲がドンピシャで流れてきた時、歩く速度が曲のBPMとドンピシャで合わさった時、人目を気にせず、はにかんだり、心躍る瞬間があることが多く、まさにそれを体現してくれるような感動を覚えた。

 

 

この演出は全編通して施されている。

銃撃戦での銃の発砲時、ギターのリフと同じリズムで発砲したり、監督お馴染みの細かいカット割りにあわせて、車のスタートボタン、ギアの切り替え、アクセルを踏む足を音楽にのせて演出するなど、数えきれないほどの監督の遊び心が隠れており、何度見ても飽きないテイストになっていた。

 

 

緊張感もすごい。

ジェイミー・フォックス演じるバッツが登場してから、どことなくこいつヤバい奴感が徐々に画面を覆ってからは、緊張の連続であった。

 

仕事でミスをしたJDを、ベイビーがコーヒーを買いに行っている最中に始末。

人を殺めることに抵抗感のあるベイビーの前で、簡単に人を殺めてしまうバッツの突拍子もない行動。

ガソリンスタンドに立ち寄り、ガムを買ってくると言い残し大量のガムを車内に持ち込む。

店内を覗くと店主の姿がなかったり、武器の取引で仲間に何も言わず銃をぶっぱなし銃撃戦に突入してしまったり、

腹が減ったと言い出し立ち寄った店がデボラのいるダイナーで、それまであった緊張感がさらに高まり、デボラの身に危険が近づいてしまっているという、ベイビーと同様の危機感も覚える雰囲気が漂っていた。

 

 

普段コミカルな役もこなすジェイミーが、ここまでギラついてアブナイ奴を演じたことで、役者としてまた一つ見方が変わった作品としてこれからも覚えていくことだろう。

 

その緊張感はクライマックスまで続くのですが、これ以上語ると核心に触れるので、是非とも劇場で体感してほしい。

 

 

 

ザ・ドライバー

この作品、どう考えてもこの作品と切っても切れない関係だと思う。

それが「ザ・ドライバー」という作品。

 

ザ・ドライバー <制作35周年HDニューマスター版> [Blu-ray]

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強盗の逃がし屋として仕事をしているドライバーが、警察との駆け引きを繰り広げるクライムカーアクション映画の元祖といってもいい作品。

 

48時間」や「ストリート・オブ・ファイヤー」などを手掛けたウォルター・ヒル監督の代表作の一つとして知られている作品で、 最近映画を好きになった人なら記憶に新しい、ニコラス・ウィンディング・レフン監督の「ドライヴ」。

そのリメイク元となった作品が「ザ・ドライバー」である。

 

ベイビードライバーの終盤、ある役をこの作品を手掛けたウォルター・ヒル監督が出演していたことが鑑賞前の予想から確信に変わった。

 

 

師匠にドライヴが好きだと話したところ、この映画を薦められ鑑賞したわけだが、1度目はドライヴとまるで違う雰囲気に少々低評価だったわけだが、先日久々に鑑賞したら、画面から溢れんばかりのカーアクションの凄まじさに心奪われ、口数少ないドライバーのカッコよさにのめり込んでいた自分がいた。

 

 

「ベイビー・ドライバー」の面々はヒロインのデボラ以外が本名を明かさず、いわゆるコードネームで呼び合うという設定になっていたが、この「ザ・ドライバー」も主人公の役名はドライバーであり、警部もディテクティブ、女はプレイヤーなど、名のついてない役名になっていて、かなり影響を受けていることがわかる。

 

またドライバーもカントリーミュージックを好んでおり、そういった部分も今作にヒントを与えているように思えた。

 

肝心のカーアクションも今作に匹敵するほど、夜の街を激走するカーチェイスが描かれており、スピード感あふれる疾走感、響くブレーキ音、粗削りなドリフトなど文字通りカッコイイシーンの連続だった。

 

 

最後に

もっともっと語りたいわけですが、これ以上書くと楽しみを減らしてしまうのと、言葉で語るより、お前の目と耳で映画館で感じてこいッ!!というのが一番しっくりくる薦め方なのかなと。

 

もうね、クライマックスですよ!!

久々にアドレナリンドバドバなカーアクションで銃撃戦ですよ!!

クイーン最高!!!ブライトン・ロック最高!!です!!

 

そして「ザ・ドライバー」だけでなく、「ゲッタウェイ」、「俺たちに明日はない」的な逃避行が展開され、終盤はちょっと涙ぐんでしまう場面もあり、とにかく楽しい映画になっていました。

 

 

ちょっとこれもう一度見に行こうと思います。

というわけで以上!あざっした!!

 

ベイビー・ドライバー(初回生産限定) [Blu-ray]

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満足度☆☆☆☆☆☆☆☆★★8/10