モンキー的映画のススメ

モンキー的映画のススメ

主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

【ネタバレ】映画「ワンダーウーマン」感想と解説 ヒーロー誕生譚だけにバランスの取れた内容。

ワンダーウーマン

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バットマンVSスーパーマン」で病み付きになるBGMと共に鮮烈デビューを飾った最強の美女戦士の単独映画がついに公開なのであります!!!

やったああぁぁ~~いっ!!!

 

なぜこうも気持ちが高ぶってしまうのか。

 

それは、これまでのDCエクステンデットユニバース(以下DCEU)作品は、マーベルシネマティックユニバースよりもポップさもなければ緩急もなく、ひたすらシリアスで重くて。

スーサイド・スクワッド」でくだけたテイストで作っても、内容が面白くなく。

 

 そういった負のイメージがあったDCEU作品が、とうとう批評サイトで高評価を獲得し、全米でも大ヒットしたというのだから期待が持てるわけで。

 

アメコミ大好きなモンキーとしては、ようやくDCEUに光が射すことで今後のシリーズ作品が盛り上がって欲しいと思っているので、いつも以上に目に焼き付けて鑑賞してまいりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

「バットマンVSスーパーマン/ジャスティスの誕生」にゲスト出演したDCコミック原作キャラの誕生譚。

 

今まで男性ヒーローが主役というのが通例だったアメコミ映画に、女性ヒロイン単独の作品、そしてそれを手掛けたのが女性監督という、今までの常識を打ち破り全米で大ヒットを記録。

 

バットマンとスーパーマンに匹敵する力を持った彼女が、どうやって誕生したのかが今回描かれる。

 

女性だけの島で育った彼女が世界を一切知らず、男性すら見たことない、天然の魅力も発揮。

その圧倒的な美貌と強さとのギャップで観る者を魅了する、最強ヒロインムービーがついに幕を開ける。

 

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「ワンダーウーマン」オリジナル・サウンドトラック

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あらすじ

 

女性だけが暮らすパラダイス島で、プリンセスとして生まれ育ったダイアナ(ガル・ガドット)は、好奇心旺盛だが外の世界を一切知らず、男性を見たことすらなかった。

そんなある日、島に漂着したアメリカ人パイロットのスティーブ(クリス・パイン)を助けたことで、彼女の運命が大きく動き出す。

外の世界で大きな戦争が起きていることを知った彼女は、自身の力で世界を救いたいと強く願い、二度と戻れないと知りながらスティーブが暮らすロンドンへ行くことを決意。

やがて、ダイアナは、無敵のスーパーヒーロー“ワンダーウーマン”としてのパワーを開花させていく……。(Movie Walkerより抜粋)

 

youtu.be

 

 

 

 

 

 

 

監督

今回監督を務めたのはパティ・ジェンキンス

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今回の抜擢、ある意味すごいと思います。

 

なぜかというと長編映画作品1本しか撮っていない、しかも作品を制作したのは14年前!

もちろんTVドラマの何話かを監督したようですが、はっきりいって異例の抜擢じゃないでしょうか。

 

じゃあ何の作品を手掛けたのか。その作品が2003年製作の映画「モンスター」です。

 

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身体を売ることに疲れ自殺しようとしていた女性と、同性愛の治療を強制された女性が、意気投合し共に暮らすことを決意するが、金を作るため再び売春を重ね、衝動で殺人を犯してしまう。 

 

実在した元娼婦の連続殺人犯の生涯を映画化した作品で、この役を演じたシャーリーズ・セロンは役作りのために増量し、体当たりの演技を見せたことでアカデミー賞主演女優賞を受賞する快挙を成し遂げ、一躍スターダムへと上り詰めた作品です。

 

なんといってもシャーリーズ姉さんの体当たり演技が素晴らしく、共演のクリスティーナ・リッチも美貌を封印しレズビアンとして熱演しています。

そして、社会からはみ出すことになってしまったマイノリティに光を当てながらも、罪の奥深さをきちんと描いている、なんとも辛い作品であります。

 

監督は脚本もこなしており、そういった彼女の視点がワンダーウーマンと重なり、抜擢された理由だったりするんじゃないでしょうか。

 

 

 

 

 

キャラクター紹介

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ダイアナ/ワンダーウーマン(ガル・ガドット) 

 

女だけの島で育ったプリンセス。島に不時着したスティーブと共に、外の世界へ平和をもたらすために立ち上がる。

黄金に光り輝く投げ縄や、弾丸を跳ね返す腕輪、剣と盾を使いこなし戦う。 

もうスレンダーな美女が大好きなモンキーは、このワンダーウーマン以前に「ワイルドスピード」シリーズに出演していたことなど最近まで知らず、画面越しで彼女を見て虜になっておりますです、はい。

クールビューティーなイメージですが、今回外の世界を何も知らないばかりに天然ぶりを発揮するということで、どんな表情をするのか楽しみであります。

 

 彼女に関してはこちらもどうぞ。

 

www.monkey1119.com

 

 

 

 

スティーブ・トレバー(クリス・パイン)

 

 

アメリカ陸軍航空部隊長。

ダイアナの住む島に不時着し助けられる。ダイアナと共に戦争の早期終結のため、共にロンドンへ向かう。

 

 私にとってのクリス・パインはやはりジェームズ・T・カーク艦長なので、今回アメコミ映画に出演すると聞いたときはちょっと意外でした。

 

www.monkey1119.com

 

 

 

 

 

他のキャラクターはこんな感じ。

ダイアナの叔母アンティオペ将軍(ロビン・ライト)。

ダイアナの母であり、島を治めるヒッポリタ女王(コニー・ニールセン)。

毒物の専門家でありマッドサイエンティスト、マスタードガスの新兵器を開発しているイザベル・マル博士/ドクター・ポイズン(エレナ・アナヤ)などが登場します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はてさて、DCEUシリーズ存続を賭けた待望のヒーロー映画、きっと面白くなってるよね?

きっとすごいドラマになってるよね?

きっとすごいアクションになってるよね?

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

 

感想

今までのDCEUとはひと味違う!!

性別を超え、人を思う気持ちを尊重したヒーロー誕生譚でした!!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

○○過ぎない映画。

女だけの島で育った箱入り娘ダイアナが、世界を知り、人を知り、愛を知っていく。

時に悦び、時に失望しながらも、希望を見出し、今をそしてこれからの世界をどう平和へと導いていくかといった使命を自分に課していく成長譚でありました。

 

 

もうですね、単純に面白かったです。

DCEUシリーズはこれまで重厚でシリアスで、息が詰まって集中力が途切れ、脚本がイマイチで映像がゴリゴリで、とにかく面白いとは言えなかったのですが、今作はそんな今までの反省を活かし、大幅に描き方を変えてきたように思えます。

簡単に今までとどこが違うかまとめてみました。

 

 

 

キャラクターが素敵。

宣伝や予告でもさんざん言われてきている、ダイアナというキャラクターがやはり魅力的です。

とにかく美しい!

結構顔のドアップを挿入してくるのですが、ほんと見惚れてしまいます。

 

表情も素敵。

見るもの全てが新鮮で、興味津々なんだろうなぁという、今まで見たことのない世界を初めて見るかのような眼差し。

このクリックリの目ん玉がまたかわいらしくピュアで、演技してる感じがしない、いい表情をしてました。

 

 

彼女のド天然、というか世間知らずなふるまいもまたキュート。

 

男を知らない、正確には知識としては知っていて、ちゃんと学んでいるという件があるんですが、何を読んで学んだかっていうのが「肉体的快楽論」全12巻を読破して学んだということ。

なんだそれwww

 

本だけでしか男を知らないもんだから、スティーブが風呂からあがってすっぽんぽんにもかかわらず、「あなたは男として標準的?」なんて大胆なこと言っちゃうし、船上で夜を明かすときも、相手関係なく横で寝なくていいの?なんて平気で聞いちゃう。

 

 

ロンドンに着いてからも、いわゆる戦闘コスチュームの上に布を纏った状態で降り立ったこちに変とも思わない感覚だったり、なぜ男女が手をつなぎながら歩くのかもよくわからない。

普段着や正装して歩く人たちが、あんな恰好でどう戦うのか疑問になったり、そのせいで服を調達する際、226着も試着してしまう。

 

ようやく服が決まっても剣と盾は肌身離さず持っていたい。

せっかく素性がばれないように変装したのに台無し。

しかも回転ドアのタイミングに戸惑ったり、ソフトクリームに感動し、店のおっちゃんに誇りに思いなさい!とプリンセスならではの励ましのお言葉。

 

 

このように初めて知る世界を堪能する姿はほんとかわいいです。

 

 

その反面戦争に対してや、すぐさま行動しない人間たちの後ろ向きな部分にはご立腹。

 

目の前で倒れている人や困っている人がいるのに、なぜ彼らは手を差し伸べないのか。

 

人間はやるべきことをやるために、優先順位を勝手に決め、なるべく最短距離で目標に向かうことがあります。

スティーブ達もそうでした。

 

目の前で助けてと叫ぶ人がいても、使命を全うするためには、多少の犠牲は仕方のないことだ。

その考えにダイアナは賛同できず単独で行動を開始します。

 

最初こそ反発していたダイアナですが、徐々にスティーブの考えにも理解を示していき、彼を通じて人間を理解していきます。

 

 

そんなダイアナが時にキュートに、時に凛々しい姿を見せ、未熟な考えのまま世界に飛び出し、理解し、成長していく姿が色濃く描かれていた気がします。

 

 

スティーブもまたナイスキャラでした。

全く世界を知らないダイアナに手を焼きながらも、一つも愚痴をこぼさず彼女にわかるように説明し、釈明し、尊重し、人間を信じてほしいと説得する姿がとてもよかった。

 

彼でなければダイアナは敵の罠にはまっていったんじゃないかと思うほど、良きパートナーだった気がします。

 

 

 

戦争映画過ぎない。

今作は第一次世界大戦の真っただ中でのお話。

 

ドイツ軍と連合軍が休戦状態へと話をもっていってる裏で、ドイツ軍将軍ルーデンドルフとドクターポイズンが極秘に殺人兵器を作っており、何とかして休戦状態へ流れようしている空気を壊し、国に勝利をもたらそうと画策していたのでした。

 

そして殺人兵器をばらまこうしている彼らを阻止するべく、ダイアナたちは敵の基地へと潜り込んでいくのですが、前線では激しい銃撃戦が繰り広げられていて、スティーブによればこの1年間2センチも前へ進めていないほど停滞していました。

 

そこへダイアナが風穴を開けるべく中央突破していきます。

 

この場面では壮絶な銃撃戦が描かれており、ダイアナでもそう簡単に前に進めないほどの銃弾の雨が降り注ぎます。

 

他にも小さな村を救出すべくスティーブ達が突入する場面が描かれており、よく見る戦争映画と同じ光景が続くのですが、全編通してこんなのばかりではないところが、見ている人を疲れさせないよう配慮しているような気がしました。

 
恋愛映画過ぎない。

一応ダイアナは女で、スティーブは男なのでロマンスはあります。

 

初めて見る男を前にしてもひるまないダイアナに少々困惑するスティーブは、突拍子もない行動に出るダイアナに手を焼きながらも、徐々に彼女の表情や考えに惹かれていきます。

 

階級社会である軍隊では、上に逆らうことができないのが通例ですが、それをぶち壊してくれるのがダイアナでした。

 

ダイアナもまたスティーブが自分に理解を示してくれることに、また彼の優しさやふるまい、そして彼の気持ちに心を動かされ、愛情を感じるようになります。

正に相思相愛といった関係です。

 

村でダンスするシーンも、雪を降らせロマンチックなムードを漂わせることから、ちゃんと恋愛要素も盛り込んでるのですが、これがまた丁度いい塩梅で場面が変わるのがいんですよねぇ。

 

 

ユーモア描写も笑わせ過ぎない。

やっぱり今までのDCEUシリーズと違う一番の要因はユーモア描写です。

 

とにかくダイアナの天然な一挙手一投足が面白いです。

 

上でも書いた通り、本の知識で男を知ったようなやりとりや、試着し過ぎの件、せっかく変装したのに剣と盾を持ち歩いたり、ソフトクリームに感動したり、スティーブとダイアナが敵に囲まれ、男を見せようと彼女を守るも、銃弾を見事に跳ね返すダイアナに「いや、やっぱり頼む」とお願いしちゃったり、色々笑ってしまう件が多々あるのですが、思ったほど多いというわけではありませんでした。

 

もしかしたら少ないと思う人も多いかもしれません。

 

でもこれもちょうどいいのかなとも感じる作品でした。

 

 

このように、どの要素もやり過ぎない、ちょうどいいバランスで描かれていた作品だったと思います。

 

何が良いって、これをずっと続けるのでなく、物語の転換部分だったり、ちょっと話がダレそうだなぁって時に、うまく盛り込むんです。

 

アクションが続けばロマンス要素を入れ、ロマンスが続いたら、本題の戦争部分というかミッション再開、島でのシーンも説明が長くならないように、ユーモアを入れたりして、全てがいいバランスで展開されてた作品でした。

 

 

 

アクションも丁度いい。

「バットマンVSスーパーマン」を見てて思ったんですが、やはりスーパーマンが超人過ぎるからバトルの規模がでかいんです。

デカすぎるんです。

だからバトルが始まった時にちょっと胃もたれするんですよね。

またどでかい花火がバンバン上がるのかと。

 

でも今作は、クライマックス以外は大バトルはなく、ミニマムなバトル、中くらいのアクションと、段階を踏んでいってるのがいいなと思いました。

 

 

最初はアマゾンの戦士がドイツ軍と戦うシーン。

今回きりもみで銃弾を交わすの多いなぁと思ったんですが、この序盤でのアマゾンの戦士たちが戦うシーンが一番感じました。

 

ここでは弓矢と銃での攻防。

文明の違いを見せつけられる戦いでしたが、銃VS銃でないし、場所が昼間の浜辺ということもあり、重々しさもなく程よい迫力とアクロバティックなアクション。

またいいところでスローモーションが入ってよかったです。

 

そして、ロンドンへ着き路地裏での格闘。

これもカット割りを多くして接近戦を爽快に映していました。

ここから徐々にアクションの規模が大きくなってきます。

 

中盤の見せ場である前線での銃撃戦。

今まで隠していた戦闘コスチュームを披露し、縄と盾で敵を圧倒していくダイアナの姿に、よっ!待ってました!と心で叫びましたw

 

ここから村での大掛かりな戦闘シーンへと突入。

屋外と屋内でのアクションを交互に見せ緩急をつけていました。

ここでの締めは時計台にいる狙撃手をダイアナが大ジャンプで仕留める大技でフィニッシュ。

 

こんな具合でアクションも徐々に規模を大きく見せることで、観衆の気持ちを高ぶらせていくように演出していました。

 

 

そしてクライマックスは、これぞDC映画!とおもわせるドでかい花火の連発!!

なんてったって敵はゼウスの息子ですからね~、適当な攻撃なんか効かないんですよ。

辺り一面、火の海のような光景をバックに、鉄くずが飛び交う、稲妻が走る、そして大爆発と、超人VS超人の一騎打ちが放たれるんですね~。

 

 

 

 

まとめ

とにかく飽きさせない工夫を考えて作られている作品でした。

 

いろんな要素入れたいけど入れすぎたら面白くなくなる、ただでさえ、失敗続きのシリーズ作品をまずはフラットな位置にもっていきたい、マイナスイメージを払拭したい、そんな製作側の意図を感じた作品でありました。

 

物語の内容も単純明解ですし、アクションも多様。

DCEUシリーズへとつながるような話ではなく、純粋にワンダーウーマンというヒーローを掘り下げるための作品でした。

 

正直ずば抜けてよかったのかというと難しいところではありますが、まずはDCEUシリーズでは1番面白いです。

 

これまでのアメリカを皮肉った裏テーマも感じられるのも面白いです。

今日を救うために戦争はどれだけの命を奪ったのか。

親玉を倒すだけでは戦争は終わらないのはわかっているのに、続けなければならない実態。

それをやってきたのはどの国でしたっけ。

 

余談ですが、冒頭のDCヒーローが一気に登場するロゴ表記がカッコよかった!!

ジャスティスリーグ早く見てえ~っ!!

 

というわけで以上!あざっした!!

 

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満足度☆☆☆☆☆★★★★★5/10