モンキー的映画のススメ

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主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

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映画「50年後のボクたちは」感想ネタバレあり解説 14歳の夏、かけがえのない冒険に出る。

9月16日

50年後のボクたちは

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毎年夏も終わりが近づくと、な~んかおセンチな気分になって、脳内が勝手に井上陽水の「少年時代」を流して、電車の中気がつけば窓の外を覗いてたそがれる。

そんな時、この手の映画をよく見てしまいます。「スタンド・バイ・ミー」的な青春映画を。かつて少年だった頃の自分と重ねて。

 去年もミシェル・ゴンドリー監督の自伝的青春映画「グッバイ、サマー」って映画がちょうど一年前に上映されて見に行きました。

 

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なんつーか、夏の終わりって色々と思い返すのにちょうどいい季節で、思い返さなきゃいけない気がして、そんな時にこういう映画を上映してくれるのがステキすぎません?ww

 

今回はそのグッバイ、サマーと全く似たような映画なんですが。一体どんな作品なのか。

というわけで早速鑑賞してきました!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

ドイツ国内で220万部以上を売り上げ、26ヶ国もの国で翻訳された大ベストセラー小説「14歳、ぼくらの疾走」を、世界三代映画祭を制覇し、最新作が今年カンヌ国際映画祭で主演女優賞を受賞した名匠により映画化。

クラスのはみ出し者と風変わりな転校生2人組が、夏休みに車での無計画な旅に出る。いろんな危険に目に遭いながらも自分達の居場所を見つけていくその姿に、まるでタイムカプセルを開いているかのようなノスタルジックな気持ちにさせる、あの時14歳だったせべての大人たちに捧げる、疾走間と切なさが詰まったロードムービーです。

 

14歳、ぼくらの疾走: マイクとチック (Y.A.Books)

14歳、ぼくらの疾走: マイクとチック (Y.A.Books)

  • 作者: ヴォルフガングヘルンドルフ,Wolfgang Herrndorf,Michael Sowa,木本栄
  • 出版社/メーカー: 小峰書店
  • 発売日: 2013/10/24
  • メディア: 単行本
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あらすじ 

 

マイク(トリスタン・ゲーベル)は14歳。クラスメイトのタチアナに片思い中だが、臆病者で話しかけることができない。クラスでははみだし者で、授業でアル中の母親についての作文を読むと、同級生から「変人(サイコ)!」と笑われ、先生から大目玉を食らう始末。

 

ある日、担任が転校生を連れてやってきた。チチャチョフ(アナンド・バトビレグ・チョローンバータル)という聞き慣れない名前。
「どこの出身か自己紹介を」
「面倒くせえ」
どうやらロシアのかなり遠い所から移住してきたらしい。目つきが悪く、変な髪型で二日酔い。とんでもない奴がやって来たと、転校生・チックの噂はすぐさま学校中に広まった。

 

夏休みが始まった。
ある日突然、チックが青いオンボロのディーゼル車“ラーダ・ニーヴァ”に乗って家にやってきた。
「盗難車か?」
「借りただけさ あとで返す」
「捕まるぞ」
「俺は14歳だ 刑罰は15歳からさ」
恐る恐る、車内を見渡すマイク。
「ドライブに行こうぜ」

そして2人はチックの祖父が住んでいるという“ワラキア”を目指して旅に出た。
トラブルに遭遇しながらも旅の途中でいつくもの出会いと別れを繰り返していく。やがて無鉄砲で考えなしの旅は、マイクとチックにとって一生忘れることのできないものになっていく――。(HPより抜粋)

 

youtu.be

 

 

 

 

 

 

 

 

監督

監督はファティ・アキン

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レンタルビデオ屋時代に「ソウル・キッチン」を鑑賞したのが監督を知ったきっかけ。

 

ソウル・キッチン [DVD]

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 ご都合主義ではありますが、音楽とメシが最高に物語と相性抜群で、それだけで楽しく鑑賞できる作品。

もちろん主人公とその兄貴の情けない姿と絆、そこからあれよあれよとうまいことなっちゃう、人生生きてりゃ何とかなる的なオキラクゴクラクムービーとしても、笑えて楽しめる大好きな作品です。

 

ユーモア描写を得意とする監督とばかり思ってたため、このあと手掛けた作品「消えた声が、その名を呼ぶ」がちょっと重そうな内容だったのでスルー。それ以降彼の作品を見ることをせず、今に至りました。

 

そんな監督の代表する作品をサクっとご紹介。

 偽装結婚から始まったトルコ系ドイツ人の男女の愛の行方を描いたラブストーリー「愛より強く」でベルリン国際映画祭金熊賞を受賞し、60年代から80年代まで続いたとされるムーブメント「ニュージャーマンシネマ」を彷彿とされる作風で注目されます。

ドイツとトルコの社会情勢を背景に、3組の親子の絆と葛藤を綴ったヒューマンドラマ「そして、私たちは愛に帰る」でカンヌ国際映画祭脚本賞を受賞

ハンブルクの大食堂で繰り広げられる様々な悲喜こもごもを描いたコメディドラマ「ソウル・キッチン」はヴェネツィア国際映画祭で審査員特別賞を受賞し、世界三大映画祭全てで受賞する快挙を成し遂げました。

 

監督自身トルコ移民の2世ということで、作品からもその背景が常に描かれており、「愛より強く」、「そして、私たちは愛に帰る」、「消えた声が、その名を呼ぶ」の3作は「愛・死・悪に関する三部作」として移民問題なども絡めた作品として作られています。

 

 

 

 

 

 

キャスト

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左に座っているのが、マイク役を演じるトリスタン・ゲーベル。

そこそこキャリアを積んでる役者さん。ほとんどが国内で公開されていないんですが、ドイツの文豪ゲーテの代表作「若きウェルテルの悩み」のモデルにもなった恋の行方を軸に自身の青春時代を綴った「ゲーテの恋~君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」~」で実の兄弟と出演したとのこと。

 

そして右に座ってるのがチック役のアナンド・バトビレグ・チョローンバータル。

今作でスクリーンデビューをしたそうです。どこの国の人なんだろう。名前と顔からしてモンゴルっぽいんですが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

監督が映画化を熱望した今作。私たちにどんな青春映画を見せてくれるのか。そして何を思い出させてくれるのか。非常に楽しみです。

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

感想

クラスのはじかれ者2人がやりたい放題!大人になっても憧れちゃう2人の珍道中。

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

14歳、子供から大人への通過点。

クラス内で変人と揶揄される主人公と素性の知れない浮いた存在の転校生が、ひょんなことから盗んだ車で南へ向かって旅する中で、片親だけの大家族や、プラハへ行きたい浮浪者の女の子らと出会いながら、今まで立ち止まったままの人生から少しだけ大人へと成長を遂げていくロードムービーでした。

 

いわゆる正攻法での青春映画とは違い、何かを強調するような描写はほとんどなく、伏線の回収も特にない。描かれているのは、2人の旅、触れ合い、ハプニング、アクシデント。ここはこういう意味だよとか、ここで彼らの心情を読み取れよ、みたいな監督のエゴも感じさせないサラッとした物語だったなぁという印象を受けました。

 

一番多感な時期かもしれない14歳。

このころの少年少女はとにかく相手の目に敏感なのであります。

もう存在感がないだけで変人扱い。マイクは正にクラスの中で影のような存在でした。それに加えアル中の母親を持ち、その母親を恥とも思わず誇りに思っている。

普通とはちょっと考えが違うだけで、環境がちょっと違うだけではじかれてしまうスクールカースト。

 

クラスで唯一無二のマドンナ女子の誕生会に呼ばれなかった彼の居場所のなさはものすごく同情します。せっかく彼女が着ていたシャツの刺繍をの入ったスカジャンを購入し、誕生会で渡すように書いた彼女のデッサン(これ上手でした)まで用意したのに。

これもうトラウマレベルでしょww

小学生の頃ならまだしもこの年でこの仕打ちはきつい。しかもそれが想いを寄せる女の子だから尚更。

 

でもこのスカジャンが、隣の席にいた大五郎カットの背高ノッポであるチックの目に留まり距離を縮めていきます。

てかお前は誰にあこがれてその髪型にしたんだ。まさかかつてのロナウドか?

 

 

この出会いによって、退屈で臆病な男だと勝手に思っていたマイクを変えていくと同時に、偏見によって恐らく退屈だったであろうチックが豊かな表情をしていく姿がとても素敵でした。

 

 

道中での出来事。

じいちゃんに会いに行くと、いつかの尾崎の歌のように盗んだ車で走り出し、ひたすら南へ向かう2人。

車に寝袋やら救急箱やら詰めるのはわかるが、なぜテニスのラケットを積んだ?見逃さなかったぞ俺はw。

彼らの思い付きはそういった荷物の詰込みからも読み取れる。道中腹が減りバッグから取り出した缶詰を開けようにも缶切りがない。どうやって食べようと思ったのか冷凍ピッツァも出てくる。それをライターであぶって食おうってどういう発想だw

 

田舎道を蛇行運転で走ったり、霧で前が見えず高速に入ってしまい、隣の走る車に写真を撮られ通報するぞと脅されながらも、なりふり構わず前へ前へと進む。

 

ドライブには音楽がつきものなんですが、後部座席にあったカセットテープを流すと、どう考えてもこのドライブには合わない、リチャード・クレイダーマンの名曲「渚のアデリーヌ」。

明らかに違和感である曲とともに、スマホを捨て地図もないままひたすら南へ進む。道が分からなければ作ればいい。そんな感覚でトウモロコシ畑をつっこみ、農家のおっさんにトラクターで追われたり、野宿の際に出会った自転車貴族とのシーンでは、腹が減っても自分から物乞いをしないというよくわからないポリシーを掲げる。

 

闇雲に進みながらも彼ら(どちらかというとチック)のルールやポリシーがどこか遠回りしている感が否めないが、旅はそこに行くまでが楽しいのだ、と言われている気がした。

 

訪れた街のスーパーで食材を買おうと、道を尋ねるとある民家に昼食を招待される。4,5人の子供たちと母親で食卓を囲み頂く、ハンガリー風リゾットリジビジ。

「ソウルキッチン」でもそうだったけど、監督が撮る料理はものすごくおいしそうだ。あえてアップで撮るのだから自信があるんだろう。

チックもマイクも空腹もあって頬張る。

デザートは大小の器に盛られ、ベリーの入ったヨーグルト。ここで母親がクイズを出し、早く正解した人から好きな器のデザートを食べられるという形式。

意外と頭のいい子供たちにマイクもチックも恐らく観客も脱帽したことだろう。しかも何が凄いって、父親の姿がない。お母さんは女手一つで子供たちをここまで賢く育てている。

2人はきっといろんな形の家族がいることを学んだのかもしれない。

 

心もお腹も満たした彼らに災難が降りかかる。

巡回中の警察官に職務質問され、二人は逃亡。しかも離れ離れになってしまう。

連絡手段もなければ、ここがどこかもわからない。はぐれてしまった彼らは考えに考えた。

それは通ってきた道を戻ること。

2人の思いは的中し、旅は再開していく。

 

いったい目的地はどこにあるのか。気づけばガス欠。ガソリンを入れようにもれ方がわからない。とりあえず止まっている車から盗んじゃおう。

でも、どうやって盗んだらいい。ホースを探そう。

サービスエリアの裏から粗大ごみ置き場を見つけるがなかなかホースが見つからない。

そこへ一人の少女が叫ぶ。ここから出ていけと。

いがみ合う両者だが、マイクが事情を説明。ホースの在り処を教えてもらうが、彼女がなぜここにいるのかわからない。服もボロボロ髪はボサボサ。お前に臭いがきつい。

 

劇中では彼女はプラハに腹違いの姉がいて、そこへ行きたいということしか説明されておらず、よくわかりませんでした。

 

彼女にガソリンの盗み方まで教わり、彼女もつれて旅は賑やかさを増す。

ダムで汚れた体を洗い流す。チックが食料調達の間、彼女と二人きりになり彼女の伸びた髪を切ることに。自分の膝に彼女の手が置かれ、マイクは初めて女性に触れられたことへの喜びと戸惑いを感じる。

とりあえずキスでもする?そんなムードに行くかと思いきやチックの登場。

 

モヤモヤの残ったまま、ある遺跡を訪れる。そこで彼らは3人の名前の頭文字を掘って足跡を残す。

 

 

 

彼らの旅はもう少し続くのですが、ここからは核心に触れる恐れがあるためぜひ劇場で。

 

 

最後に

 

この無鉄砲で無計画な冒険の旅は、決して誰でもまねできるようなものではないアブナイものではありました。

しかしこの冒険でマイクは大きな変化を遂げます。14歳という多感な時期にこのような経験ができた彼を羨ましく思います。学校という小さな世界でしか存在価値を見いだせなかった彼が、外へ出たことで今まで知らなかったことを知り、心を通わす友達ができ、彼自身を成長させたのですから。

 

もし今彼のように旅をしている子が訪れたら、自分もメシくらいは食わせやれるくらいの存在でありたいなぁと感じた瞬間でもありました。

 

まぁ映画としての物足りなさもありますが、夏の終わり、大人になった今、是非この映画を見て当時の自分を振り返ってみてはいかがでしょうか。

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆★★★★★5/10