モンキー的映画のススメ

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主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

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映画「スイスアーミーマン」感想ネタバレあり解説 バイバイありがとうさよオナラ、愛しい人よ。

9月22日

スイス・アーミー・マン

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去年この作品のニュースを見た時から、日本での公開をずっと待ちわびていました。

このポスター画像から見ても感じると思いますが、この映画は何の映画なんだっ!?という疑問と、草食系スター代表ポール・ダノダニエル・ラドクリフというキャスティング。そのダニエルが死体役www

 予告編を見ても好奇心しか湧きませんでしたよ。とにかく楽しそうだな~笑えそうだなぁ~シュールなんだろうなぁ~と。

死体とどんな友情を育み、生きる希望を見出していくのか。そんなテーマも描きながらコミカルに展開していくのでしょう。

 

というわけで早速鑑賞してまいりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

後に数々の映画監督を世に送り出したことで、インディペンデント映画の登竜門的存在となったサンダンス映画祭で、最優秀監督賞を受賞したことを皮切りに、数々の映画祭で話題をさらった、奇想天外な青春サバイバルアドベンチャー。

無人島で遭難してしまった青年と、そこへ流れ着いた死体との、かつてない友情の物語を、今作でデビューした映画監督が、独特の映像美と躍動感あふれる音楽で観衆を魅了する。

 

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スイス・アーミー・マン

スイス・アーミー・マン

  • アーティスト: アンディー・ハル& ロバート・マクダウェル
  • 出版社/メーカー: Rambling RECORDS
  • 発売日: 2017/09/13
  • メディア: CD
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あらすじ

 

 無人島で助けを求める孤独な青年ハンク(ポール・ダノ)。

いくら待てども助けが来ず、絶望の淵で自ら命を絶とうとしたまさにその時、波打ち際に男の死体(ダニエル・ラドクリフ)が流れ着く。

 

ハンクは、その死体からガスが出ており、浮力を持っていることに気付く。まさかと思ったが、その力は次第に強まり、死体が勢いよく沖へと動きだす。

ハンクは意を決し、その死体にまたがるとジェットスキーのように発進!様々な便利機能を持つ死体の名前はメニー。

苦境の中、死んだような人生を送ってきたハンクに対し、メニーは自分の記憶を失くし、生きる喜びを知らない。

「生きること」に欠けた者同士、力を合わせることを約束する。果たして2人は無事に、大切な人がいる故郷に帰ることができるのか──!?(HPより抜粋)

 

youtu.be

 

 

 

 

 

 

 

 

 

監督

今作を手掛けたのは、ダニエル・クワンダニエル・シャイナートからなる通称ダニエルズ

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あ~いいですね~ふざけてますね~w

彼ら二人で監督、編集、VFX、時にダンス、演技、スタントとありとあらゆる分野をこなすという器用な二人。

MV出身の彼らは、数々のミュージックビデオアワードで賞を獲得し、それと並行してショートフィルムの製作も行い、キャリアを重ねてきたとのこと

今作もサンダンス映画祭で最優秀監督賞という大きな冠を獲得したことで、今後の作品にも注目したいところ。

 

 

 

 

キャスト

島に流れ着いた死体メニーを演じるのは、ダニエル・ラドクリフ。

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なんて死体が似合うんだw

ハリーポッターでお馴染みダニエル君ですが、あれ以来なかなか人気作というか代表作がなく、役者人生として順風満帆じゃないのかぁ~なんて思っていましたが、きっと作品を選んで着実にキャリアを重ねているのでしょう。

じゃなきゃこんな役引き受けないでしょうw

 

 

彼の代表作を簡単にご紹介。

まずを語る上で外せないのが、世界的ベストセラー小説「ハリーポッター」シリーズ。実写映画として「賢者の石」から「死の秘宝」まで全ての作品でハリーポッターを演じてきました。

その後は、若い弁護士が、古い館を訪れたことで怪現象に見舞われていく「ウーマン・イン・ブラック/亡霊の館」や、ビートニクを代表する詩人の刺激的で危うい交友録を描いた青春ドラマ「キル・ユア・ダーリン」、恋人殺しの汚名を着せられた男が、突如生えてきた角の不思議な力を使って真犯人を暴き出す「ホーンズ/容疑者と告白の角」、スーパーイリュージョニストたちが巨悪に立ち向かう人気シリーズの第2作「グランド・イリュージョン/見破られたトリック」など、イギリス製作映画や、ゴシックホラー、ファンタジーなどのジャンル映画に多く出演しています。

 

グランド・イリュージョン 見破られたトリック [SPE BEST] [Blu-ray]

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ハリーポッターを一度も見たことのない私としては、彼の出演作品で唯一観たのは「グランド・イリュージョン 見破られたトリック」のみで、今回が2作目となります。

どんな死体っぷりを演じてくれるのか楽しみですw

 

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無人島に遭難してしまった青年ハンクを演じるのは、ポール・ダノ。

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もう彼にうってつけの役じゃないですか!

大体彼がやる役柄は、根暗、変質者、非モテ、挙動不審、文系などなど、どちらかというとイケてない役ばかり。

それでもいいんですよ!今そういう役をやらせたら彼以外思いつかないほど定着したイメージだし画になる!そして愛着がわくw

今回だって人生に絶望しまくりのなか、死体と仲良くなって生きる希望を見出していくって難役誰ができるかって!俺は彼が出るから見に行こうと思ったんだ!!

それくらい大好きな役者さんです。

 

そんな彼の代表作を簡単にご紹介。

 

17歳で映画デビュー後、崩壊寸前の家族の再生までの道のりを皮肉も織り交ぜながらユニークに描いた「リトル・ミス・サンシャイン」や、石油を掘り当てアメリカンドリームを実現した男の欲望と裏切りの人生模様を骨太に描いた「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」で注目を浴びます。

その後も、スランプ状態の小説家の前に、彼が書いた理想のヒロインが現実となって現れるファンタジックラブストーリー「ルビー・スパークス」、殺しのターゲットが30年後の自分という近未来SFアクション「LOOPER/ルーパー」、アメリカの田舎町で行方不明となった少女の捜索を、冷静な刑事と暴走していく父親の対照的な姿を描きながら事件の真相に迫っていく「プリズナーズ」、伝説のロックバンドのメンバー、ブライアン・ウィルソンの波乱万丈の音楽人生を綴ったドラマ「ラブ&マーシー/終わらないメロディー」などがあります。

 

中でも「プリズナーズ」での犯人かもしれない不審者役として、見事にキモい姿を見せ、ヒュージャックマンにボコボコにされながら監禁される様は、恐怖を通り越してもはや笑いでありましたw

 

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そうそう今年はNetflix映画「オクジャ/okja」にも出演してました。

 

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他のキャストとして、ハンクの元カノ・サラを、「スコット・ピルグリムVS邪悪な元カレ軍団」、「10クローバーフィールドレーン」のメアリー・エリザベス・ウィンステッドが出演しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

スイスアーミーナイフ(十徳ナイフ)ならぬスイスアーミーマン。いったいどんな機能を兼ね備えているのか。そして二人がどのように友情を育んでいくのか?だって死体だぞ?wさらにどんな感動が待ち受けているのか?

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

感想

君は君でいいんだよ!!死体と下ネタが生きる希望を見出してくれる、キテレツサバイバルヒューマンドラマでした!!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

冒頭からグッドセンス!

無人島に漂流してしまったハンクの前に現れた水死体。何日間そこにいたかわからないけど、とにかく寂しかったんだろう。死体であれ人であることに変わりはなく、ひたすら話しかけるハンク。

 

すると、彼の体内からオナラが出るではないか!あれ?こいつ生きてんじゃね?でも明らかに死んでるよね・・・。さて、俺もそっち側へ行くか、と首を吊る準備をしてると、死体が波打ち際でゼンマイ仕掛けのおもちゃのようにプルプル震えているではありませんか。

するとどうでしょう、どんどん体は大きくぶれだし海の中へと入っていく。ハンクはそこでひらめき、あれこいつにまたがって行ったら海渡れんじゃね?と彼にまたがり、彼のズボンを脱がし、首つりの紐をくくって大海原を渡っていきます!!

 

ここでタイトルバック、ドーン!!!

 

Swiss army man!!!

 

えー!!いきなりエンディングみたいな映像!!

もしかしてこれは最後のシーンで、こっから回想へと行く流れなのか?

 

というのは早合点であり、死体の体内で増幅されたガスはすぐさまエンプティになり、結果二人とも溺れてしまい別の島へと漂着するわけであります。

 

上映開始5分足らずで、この現実なのかファンタジーなのかよくわからない世界へと誘う求心力がとにかく素晴らしいオープニング。

ほんの少し前まで死のうとしていた男。大海原で躍動する姿からは、まだ死にたくない!まだ生きたいという思いが爆発したこの映画の最初にして最高のシーンだったのではないでしょうか。

 

いつもならざっくりな内容と感想を書くのですが、ここ最近の映画の中で一番といっていいほど心を掴まれてしまったオープニングなわけで、まずはここに関しての解説と感想を書かせていただきました。

 

この設定はなんだw

もう生きていく自信がない。無人島で一人孤独に死を覚悟した青年の前に現れた水死体によって、生きる活路を見出していきながら死体との心の交流を、子供じみた下ネタを沢山織り交ぜ、ユニーク且つアーティスティックな描写で綴った、ファンタジー調のアドベンチャーヒューマンドラマでした!!

 

ええ自分で何書いてるかわかりませんが、一つのジャンルではくくれないほど、コメディあり、アクションあり、ヒューマンありの笑わせて泣き落とす濃密な90分でした。

 

 

もう設定がですね、ぶっ飛んでます。

まぁ青年が無人島で孤独に死のうとしているとこはまぁ想像がつきます。そこに水死体が現れ、こいつと仲良くなる。色々いじってると機能が充実していて、まるで十徳ナイフ=スイスアーミーナイフのようだと。

ここまでは予告で見た通り面白そうっ!な設定だったんだですが、本編を見ていくとこの死体がしゃべるんですね~

 

だからといって普通に体が動いてってわけでもなく、一般人のようにあれこれ言葉を選んでしゃべるわけでもない。単純に心がないというか。そう心も死んでいたんですね。

人生ってなんだ?とか言い出したり、思ったことをすぐ口にしてしまう子供のようなしゃべり方。喜怒哀楽もない。

そんな相手にハンクは生きることの悦びを知ってもらおうとあれこれ努めるわけです。

 

そうしてい行くことで友情が芽生え、死体メニーを使って何とかして故郷へ戻ろうと色々と模索するんですが、物語が進むにつれハンクのこれまでの過去、そして心の闇が浮き彫りになっていきます。

 

下ネタで泣くなんて。

そして何より面白いのが、下ネタギャグを恥ずかしげもなくどストレートに言い放ってしまうセリフの数々。

冒頭からオナラで始まりオナラで締めるほど、オナラのオンパレードです。死体ってこんなに体内にガスが溜まるものなのか?と思うほどコキまくります。

 

このオナラ、もちろん最初は笑わせるための材料でしかないんだけど、徐々に多機能にあらゆる場面で活用し、オナラをするとはどういうことなのか?なぜ人は隠れてオナラをするのか?といった哲学的な面を見せ、それが伏線となりラストシーンでのオナラに泣くという、とてつもなく不思議な感情に見舞われる状態へと発展していきます。

人前ではなかなかかませないオナラ。そのオナラがハンクの過去の行動と重なり、最後には彼がこの世界で生きていく上での所信表明と繋がっていく。

もう発想が凄すぎます。

 

山中では動物のクソが散乱し、このまま山の中で遭難してたらクマに襲われて俺たちもクソになっちゃうぜ、もしそうなったらクソ同士で落ち合おうぜ!とかよくわからない会話をしたり、エロ本を見たメニーに女性の神秘を教えることで、メニーの体に異変が起き、心臓が脈を打つのはいいとして、しまいには勃起しだし、そのギンギンに反りたったモノがまさかのコンパスとして活躍すうるというトンデモない展開。

 

そして自慰行為に関しても言及しだし、いったい何を見せられているんだという思いと、そんなの抜きにして笑わずにはいられないという思いがぶつかる、なんとも言えない気持ちになっていきました。

 

さらには、メニーの女への性的欲求が爆発し、ハンクのスマホに映っている女性サラを見てからというもの、中に入れたいだとか先っぽだけとか、なんでもかんでもオブラートに包まず言いたい放題。

 

ええ、下ネタ大好きモンキーはこういったしょーもない笑いが大好きであります。

男はいつまでたってもうんこチンチンが大好きなのであります。

きっと監督もそうなんでしょう。

しかしながら、その下ネタをただ言うだけではなく、そこからハンクの人生観や肩身の狭い思いをしてきた背景が少しづつ浮き彫りになっていくと同時に、生きていく上で必要不可欠な生理現象こそ生きている実感であり、性に対しての悦びでありと不快ではなく深イイメッセージへと変化していくのです。

 

 

監督のアートなセンス。

MVで活躍してきただけの画力がこの映画には溢れていました。

特に目立ったのは、劇中でハンクがこしらえた小道具の数々。

ハンクの意中の女性サラを、君の好きな人だよとメニーに見せ、嘘をつくことでメニーの生きる活力になればと考えたハンク。

君はこんな世界で暮らし楽しんでいたんだよと、森の中で見つけたごみを漁ってバスを作ったり、家を作ったり、部屋を作ったり、とめちゃめちゃ器用な仮想ブースをいとも簡単に作ってしまうわけです。

 

ただでさえ森でのサバイバルという殺風景な状況をガラリと変えるこの美術と技術。何でも自分でこなす監督ならではの、お金をかけないハンドメイドチックな工夫が施された映像でした。

 

このゴミで作ったものをですよ、出来上がるまでの過程をばっさり編集してテンポよく見せるのも映像ディレクターっぽい編集で。

あれですよ、エドガー・ライトとかガイ・リッチーが良くやるアレです。超ハイテンポで小気味よく編集して見せるアレです。

最近の人たちはこれ好きだよなぁ。見てるこっちも大好きなんだけどw

 

他にもここぞとばかりにスローモーションを使うとことか上手だなぁと、

一番好きなのは、さびれたパイプの上を渡ろうとしたら折れて川へ落下し溺れそうになった2人。メニーに空気を送ってお尻を出してガスを使ってのジェットで水上まで上昇する場面。

そこでスローモーション使うかぁwwと一人でケラケラ笑ってしまいました。

 

メニーとは何だったのか。

ここは核心に触れるのでご注意を。

 

ハンクのスマホに映っている女性、サラ。この女性は彼の彼女かと思いきやバスで一目ぼれした女性を隠し撮りした画像でした。

ハンクはバスの中で彼女に声をかけたかったけどかける事ができず、自分の積極性のなさに嫌気が指していました。きっとそんな自分と決別するために無人島に行き死のうとしたのでしょう。

 

そこで出会ったメニーはきっとそうなるであろう自分の未来の姿としてみることができます。結果一人になって死にたくないと感じたハンクはメニーに自分を投影させ鼓舞していくわけです。

 

そんな死んだように生きていた自分が見たかった世界を、メニーを通して自分に返していきます。それがサラに変装したハンクとメニーとのやり取り。

 

メニーに生きる活力を出させるためについた嘘が、このサラが君の彼女だというもの。それからメニーは彼女を思い出すためのきっかけになればと、ハンクはサラに変装して手助けします。

 

実際はハンクはバスで一人音楽を聞きながら窓の外をのぞくだけだったわけですが、メニーとの仮想現実では、声をかけ親しくなり、それが発展しホームパーティーで楽しむという流れに進んでいきます。

 

 

そもそも死体がしゃべるわけがなく、感情の吐露などもってのほか。ではなぜハンクにはしゃべっているように見えるのか。これはもう一人のハンクというのが一番しっくりくるんじゃないでしょうか。

現実の自分とこうありたい自分、大人の自分と子供の自分、本音の自分と建前の自分。妄想にも感じるけど、決して都合よくメニーが話すわけでもないことから、心の声ともとれる人物としてメニーは描かれていたのかなぁと。

 

 

最後に

およそ90分という尺にもかかわらず、一度見ただけでは完全に咀嚼できない面白さと深さ、そして映像の美しさが見事に重なった良作でありました。

最後の考察なんかはぶっちゃけどうでもいいです。所詮見た人の感覚なので。

 

ポール・ダノのヘタレっぷりは相変わらずで、でもそこから醸し出される優しさとか愛くるしさがホントよくて、それ以上にダニエル・ラドクリフの死体なんだけど死体に見えない、血が通ってるようで通ってない感じが素晴らしかったし、ここまでよく体張ったなぁと思えるナイスな演技でありました。

 

きっと見た人によってはちんぷんかんぷんな内容かもしれません。

しかし誰でもわかる下ネタの数々やしたいと人間との奇妙な友情、そこから展開していく人生とは何か、変態と普通の違い、社会で暮らしていくことの難しさ、そんな大きなテーマへと変貌を遂げていくこの映画を是非堪能してほしいと思います。

 

ラストはめちゃめちゃ切ないです。でもなぜかスッキリします。ありふれた言葉ですが、この言葉以外思いつかない。

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆☆☆★★★ 7/10