モンキー的映画のススメ

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Netflix映画「マイヤーウィッツ家の人々(改訂版)」感想ネタバレあり解説 クソ親父に振り回された子供たちの今昔物語

10月13日

マイヤーウィッツ家の人々(改訂版)

 

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今年のカンヌ国際映画祭で議論となった「Netflix映画」の映画という枠組みの是非。

コンペティション作品に、本作を含め2作が出品されたものの、やはりフランスでは認められないようで。というか、必ずフランスの劇場で上映した作品でないと、出品お断りという新ルールが課せられ、しかもNetflixは配信後3年間は劇場上映できないという決まりがあるとのことで、来年以降ネトフリ映画は出品できそうにない、とのこと。

 とはいうものの、ここ何年か良質なコンテンツを配信していることが大事なわけで、たかが、といっては失礼ですが、映画祭なんかで評価されるよりも、観衆から評価されたほうが作品として嬉しいに決まってますからね。

要するに今後もお世話になります!

はい、というわけで、ポスト「ウディ・アレン」の呼び声も高い監督の最新作がNetflixで配信開始されましたので早速自宅にて観賞いたしました!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

 ちょっとこじらせた大人たちの悲喜こもごもを、コミカルに時にハートフルに描く作品で知られるノア・バームバック監督の最新作がストリーミング配信サービス「Netflix」で独占配信。

今作では、3人の兄妹が、大人になっても強い影響力をもつ芸術家の父との葛藤、そして家族の絆を描いたホームコメディ。

監督常連のキャストから、大物俳優まで出演した、この秋心温まる作品です。

 

 

 

 

 

 

あらすじ 

 

積年の恨みや競争心を抱えたまま、NYで顔を合わせた3人の兄妹。

大人になった今。過去の栄光にしがみつき、老いてなお気難しい芸術家の父に振り回される・・・。(公式HPより抜粋)

 

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監督

本作を手掛けたのはノア・バームバック。

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今回初めて配信限定作品となったわけですが、元々は劇場用として製作していたようで、編集過程で配信を決めてくれたNetflixの太っ腹なやり方に満足しているとのこと。しかしながら、やはり映画は映画館だからこそという思いもあり、その思いは複雑な様子。

そんな監督の作風はというと、基本はこじらせた大人たちをどこかおかしく、どこかしおらしくといった人間模様が特徴でしょうか。

そして好きな部分は、どの作品を見ても、ずっと見ていたくなるほど、滑稽で愛してやまない、魅力的な登場人物でしょう。

 

では、簡単に過去作をご紹介。

 彼が脚光を浴びたのは、多感な年頃の2人の兄弟が、両親の離婚問題に直面し。心の葛藤を経て成長していく姿をユーモア且つシビアに綴った「イカとクジラ」。この作品でアカデミー賞脚本賞にノミネートを始め、世界各国の映画賞をにぎわせました。

その後、ベン・スティラーを主演に迎え、精神病院帰りの孤独な四十男を描いた「ベン・スティラー 人生は最悪だ!」、

その作品にも出演したグレタ・ガーウィグを主演に迎え、プロのモダンダンサーを目指す27歳の女性の夢見ながらもやりきれない姿を、周囲の人たちとのふれあいを織り交ぜながら、ユーモラスにモノクロ映像で描いた「フランシス・ハ」、

身体にガタがきはじめている40代と、ユニークなセンスを持つ20代の世代の違う2組のカップルが、交流していく中で自分達の人生を見つめなおしていく様をシニカルに描いた「ヤング・アダルト・ニューヨーク」などがあります。

 

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 ラストカットが大好きです!!

 

 

 

 

 

 

 

 

キャスト

マイヤーウィッツ家の長男・ダニーを演じるのはアダム・サンドラー

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彼の作品をそんなに見たことはないんですが、よく耳にするのは、「ギャラをもらいすぎている」、「よくラジー賞(最低映画を決める祭典)にノミネートされる」という本人にとっては不名誉なものばかり。

確かに彼の映画はコメディ映画が主であるが故に、劇場公開は少なくDVDスルーばかりなのが目に付きますが、でも結構良い映画あるんだぜ!と。あまり見てない私が言うのもなんですがw

 

そんな彼の代表作を簡単にご紹介。

アメリカを代表数コメディ番組「サタデーナイトライブ」から映画界へと進出。コメディ映画を中心に何作も主演を務めています。

俳優として高評価を得たのが、ポール・トーマス・アンダーソン監督作品で、精神面で問題を抱える主人公が、初めて自分を好きになってくれた女性と、不器用ながらも恋愛を成就させていく「パンチドランク・ラブ」。

その後も「ウェディング・シンガー」以来2度目の共演で話題を呼んだ作品で、前日のことを全て忘れてしまう記憶障害の女性と一途な思いを貫く男が、毎日やり直す恋の顛末を描いた「50回目のファーストキス」や、

9.11で心に深い傷を負った者と、生活に恵まれながらも心が満たされない生活を送る2人の男、かつての友人がNYで再会し、互いの心を少しずつ癒していくハートフルストーリー「再会の街で」などがあります。

 

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 女性ってこの映画好きだよね~。

 

 

 

 

 

 マイヤーウィツ家の次男坊・マシューを演じるのは、ベン・スティラー。

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こちらもコメディ俳優ですが、恐らく日本だとアダムより彼のほうが有名なのではないでしょうか。だってねぇ、「ナイトミュージアム」があるものw 

 他にも懐かしの「メリーに首ったけ」や「ミート・ザ・ペアレンツ」、「ズーランダー」なんてのもありましたね~。2は観てませんが良い評判は聞いてませんw

彼に関しては主演作がきたら紹介することにしましょう!

 

 

他のキャストはこんな感じです。

マイヤーウィッツ家の長女・ジーン役に、「バーン・アフター・リーディング」、「ボーン・レガシー」のエリザベス・マーヴェル

継母モーリーン役に、現在カズオ・イシグロで話題の「日の名残り」、「いつか晴れた日に」、「美女と野獣」の名女優エマ・トンプソン

そして、3兄妹の父ハロルド役に、「卒業」、「クレイマークレイマー」、「大統領の陰謀」、「わらの犬」、「レインマン」、「マラソンマン」、などなど数々の名作で名演してきたレジェンド!ダスティン・ホフマン(もう80歳ですって)などが出演します。

 

 

 

 

 

 

 

父と兄妹の確執を一体どのようにコミカルに描いてくれるのか。きっとクスッとするような演出が盛りだくさんなんでしょう!!だってアダムとベンだもの!!!

ここから観賞後の感想です!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

感想

お父さんがこれじゃあ子供たちも大変だ・・・。テンポのいい会話が延々と続く、監督ならではの家族の話。

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

負け犬の強がり

結婚と離婚を繰り返す元大学の教授で彫刻家として復帰を目指す父ハロルドと、全て母の違う異母兄弟。子供の頃の父とのわだかまりを残したまま、再び集まることになった家族の触れ合いと、心境の変化を、監督独特の会話シーンと、NYの過去と未来が詰まった風景、そんな映像を助長させるピアノ主体の音楽によって、軽快に描かれたた作品でした。

 

今回もまたニューヨークでのこじれた家族の関係を、時におかしく時にしおらしく、さりげなく過去の映画愛も交えるなどした、監督らしさが出ていた作品でした。

 

芸術家の父ということで、歳をとってただでさえ頑固なのに、結婚を3回も繰り返すというある意味自分に忠実な男。そんな彼から生まれた3人の兄妹たちですが、だいぶ子供の頃から芸術家としてあれこれ言われたりやらされたりしたんでしょう。

子供が多感な時期にきちんと向き合って愛情を注いでいたはずのハロルドでしたが、どうやら間違っていたようで、3人の子供たちは父親への不信感というか怒りというか、そういったものを持ったまま成長していました。

 

ですが長男ダニーは、妻との離婚と娘の大学入学を機に父の住む家にしばらく身を預けることになり、また次男マシューはハロルドの家と作品を売って税金対策を手助けをするために、再び彼の元を訪れます。

 

久々の再会に当時のわだかまりや苛立ちを抑え、仲のいい親子のように接していく子供たち。

実は気まずいのは親だけではなく、兄弟間でもありました。

それもまた子供時代の時の生活が原因で、その原因も父の教育にあったわけで。

 

 

とにかくハロルドの我儘というか身勝手というか、奔放過ぎる部分がたくさん出てきては、苛立ちを通り越してクスッと笑わせてくれるナイスなオヤジでした。

 

友人の展示会へ訪れるためタキシードを来て行ったはいいモノの、誰も正装などしておらず、挙句の果てに正式招待されてない。ダニーも同じ格好で行く羽目になり、ちょっぴり恥ずかし気。

しかも友人を元々評価していないハロルドにとって、友人の作品が批評家やネットで好評なのを聞いた途端、さっさと帰ろうとする始末。

こんな父に振り回されるダニーがかわいそうで仕方がない。これは相当子供の頃に鬱憤が溜まっていたんだろうなぁと。

 

マシューが訪れた時も、勝手に待ち合わせに45分も早く来ては、入れないと悪態をつき、レストランの店員の態度が気に入らないと店の場所を変え、家の売買に関して専門家の知り合いを連れてきたが、そりが合わずさっさと終わらせてしまう。

その後の食事も隣の席の男がジャケットを間違えて出て行ったので、食事を切り上げ追いかけるも、結局はハロルドの勘違い。

 

今も昔も振り回される子供たちの苛立ちが少しづつ蓄積されていくのが目に見えます。

 

 

要はハロルドはとうに芸術家としてのキャリアのピークを終えていて、それでもなお現役だと思い込んでしまっている節が所々感じられます。

加えて性格もあってか、とにかくやっかみまくっている。彫刻家の友人に、レストランの隣の客に、前の奥さんなどなど。

冒頭で犬の散歩の最中、藪に突っ込んでけがをしたことを、負け犬の強がりだといってますが、それが自分の事だと彼は気づいているのでしょうか。気づいてないんだろうなぁ。

 

 

子供たちの葛藤

こんなクズオヤジの下で育ってきた子供たちの過去と現在ですが、ダニーもマシューも親が親なら子も子ということで、離婚することになったダニー、離婚しそうなマシューというのがなんともせつないわけで、彼らが一体どんな仕打ちをされてきたのか、会話の端々を辿ってみました。

 

まずダニーですが、彼はハロルドから音楽の才能があるといわれ、ピアノを習わされてきたんだと思います。でもきっとハロルドにボロカス言われたんでしょうね。

16歳の時にニューヨークの家に1年間だけいたと言ってましたが、それ以降は家から追い出されクソ扱いされ、それに対しての抗議ということでピアノを辞めてしまいます。

過去にはピアノ教師なんかもやってたようですが、現在は無職、家も追い出され、娘だけが生きがいな感じ。

 

マシューは、音楽と彫刻の才能があると言われてますが、現在は会計士と芸術とは全然関係のない職業で成功しています。

丁度ダニーらが幼少期の頃結婚したのだと思うんですが、一番下の存在だけあってハロルドの愛情は多かったんだと。

でも彼にとっては苦痛で仕方なかったようで、彼は父親なら僕にだけじゃなく、なぜ彼らにも父親として接しなかったんだ、とハロルドに訴えてます。

 

そして長女ジーンですが、なんと幼少期から無視されるという悲しい時代を過ごしていたようで。毎年夏の旅行にも連れてってもらえない、そこでの辱められた行為を相談しても何もしてくれない、写真も全然残ってないのを見ると、さぞ影の薄い時代を過ごしたんでしょうね・・・・。

それでも父親だからと会いに来る彼女の生真面目さが、なんともせつないです。

 

 

最後に

だいぶ短めな感想、というか解説みたいな内容でしたが、豪華メンツ陣による親子のいざこざコメディということで、概ね楽しめたというのが率直な感想です。

 

話の途中でぶつ切りして笑いを誘う編集や、本気なのか演技なのかわからない兄弟げんか、いい大人の兄弟が仲睦まじく日常を過ごす風景の滑稽さ、NYの街を走る意味深さ、どうしてお前ら一方的な会話しかできないんだw会話はキャッチボールだろwとツッコみたくなるかみ合わないトークなど、ユーモアはいつものように満載であります。

 

酒浸りなヒッピーのモーリンの飯のまずさや、なぜか急に車で気に衝突したりとインパクトのある存在感や、斬新なセックスアート映像を作るダニーの娘イライザも可愛い反面ぶっ飛んだ芸術肌なのもいいアクセントになっていましたね。

 

この話の結末が、まぁ意地悪な終わらせ方というか、いやこれでいいだろうなんて思ってしまう。やはり父親としてはクソだけど芸術家としては微力ながら影響力はある人なんだなと。

 

どうしてもこのような家族で育った経験がないし、うちのオヤジはこんなクソ親父ではないので感情移入できないんですが、あれくらい歳をとってああまで言われたら俺も見限るのかなぁ。いやそもそも幼少期にクソ扱いされてないからまずないよなw

 

またスペシャルゲスト的なレジェンド女優が出演してますが、この人は最近出オチ的な扱いしか映画に出てない気がするのは気のせいでしょうかw。

 

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆★★★★★5/10