モンキー的映画のススメ

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主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

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映画「オリエント急行殺人事件」感想ネタバレあり解説 この事件の終着駅は哀愁が待っている。

12月8日

オリエント急行殺人事件(2017)

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 日本でこれ公開すると聞いたとき、あと2年くらい早くやってくれたら、みんなオチを知ることなくこの作品を楽しめたのかなぁと。

なんでって?ええ~それはですね、2015年のお正月に三谷幸喜脚本でTVスペシャルドラマを二夜連続やったからです。

今や国民的アイドルの地位を得た嵐のニノも出演していたこともあり、お茶の間の皆さんは自宅滞在率の高い正月の夜、家族揃ってみたって人も多いんじゃないでしょうか。

 

 正直アガサ・クリスティ原作映画なんて1本も観たことない私も、このドラマを観るちょっと前に気になって初めて74年版「オリエント急行殺人事件」を見たくらいで。

だからこのTVドラマのおかげでみ~んなオチを知っちゃったと思うんです。

 

それ以前に超有名な作品ですから、何を今更サスペンス映画をリメイクするのか疑問なんですけど、74年版同様本作も豪華なキャストですから、彼らの共演を楽しもうと思うわけです。

とりあえずどんなリメイクになったのか、早速観賞してまいりました。

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

数多くの推理小説が映画化されたミステリー作家アガサ・クリスティの名作「オリエント急行の殺人」。エルキュール・ポアロという人気名探偵キャラクターを生み出した原作は、過去に豪華キャストで映画化されアカデミー賞にノミネートされた名作中の名作。

そんな名作を今回、再び豪華キャストによってリメイク。

パリとイスタンブールを結ぶ豪華寝台列車内で起きた殺人事件をたまた乗り合わせることになった名探偵が挑む。

乗客全員にアリバイがある中、名探偵は犯人を探し出すことができるのか。そして犯人はなぜ殺されたのか。あの名推理と真実が再び蘇る。

 

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あらすじ 

 

エルサレムで教会の遺物が盗まれ、鮮やかな推理で犯人を突き止めた名探偵のエルキュール・ポアロ(ケネス・ブラナー)。イスタンブールで休暇を取ろうとした彼だが、イギリスでの事件の解決を頼まれて、急遽オリエント急行に乗車する。

 

出発したオリエント急行でくつろぐポアロに話しかけてきたのは、アメリカ人富豪のラチェット(ジョニー・デップ)だ。脅迫を受けているという彼は、ポアロに身辺の警護を頼む。しかしポアロはラチェットの要請をあっさり断るのだった。

 

深夜オリエント急行は雪崩のために脱線事故を起こし、山腹の高架橋で立ち往生してしまう。そしてその車内では殺人事件が起こっていた。

ラチェットが12箇所も刺され、死体で発見されたのだ。乗り合わせていた医師のアーバスノット(レスリー・オドム・ジュニア)は、死亡時刻を深夜の0時から2時の間だと断定する。

 

鉄道会社のブーク(トム・ベイトマン)から捜査を頼まれたポアロは、乗客たち一人一人に話を聞き始める。ラチェットの隣室のハバート夫人(ミシェル・ファイファー)が、「自分の部屋に男が忍び込んだ」と訴えるなど、乗客たちの証言によって、様々な事実が明らかになってきた。

しかし乗客全員にアリバイがあり、ポアロの腕をもってしても犯人像は浮上しない。

 

ラチェットの部屋で発見された手紙の燃えかすから明らかになったのは、彼がかつてアームストロング誘拐事件に関わっていた事実だった。

少女を誘拐し、殺害したラチェットが、復讐のために殺されたのか?殺害犯は乗客の中にいるのか、それとも・・・?(HPより抜粋)

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監督

この名作をリメイクした監督は、本作で名探偵ポアロとして主演も務めるケネス・ブラナー。

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舞台俳優としてキャリアを積み、映画では俳優、監督、製作、脚本もこなす多彩なお方。ただ日本ではそこまでずば抜けての知名度は無いんですよね~。あ、そうか「ダンケルク」に出演してたからそれで知った人も多いのかな?

彼をちゃんと認識したのは、恐らく「マイティ・ソー」の監督をやった時かなぁ。だから監督として認識しかなかったから、その後レンタルビデオ屋で返却してるときに演者の中に彼の名前を見つけて、えっ!?俳優もやってんのこの人!?と。

とにかくすんごいお方だってことですよ、えぇ。

 

とりあえず監督作で代表的なのをサクッとご紹介。

ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーという団体で舞台俳優として活躍した彼は、映画界にも足を踏み入れます。

 

舞台でシェイクスピアを演じてきたこともあり、最初に手掛けた作品もシェイクスピア。15世紀前半、百年戦争最中のイギリスを舞台に、若きヘンリー5世の活躍を描いた作品「ヘンリー五世」で監督と主演を務め、アカデミー賞監督ならびに主演男優賞にノミネートされます。

 

その後も、輪廻転生を題材に40年の歳月を越えて結びつく真実をヒッチコック調のサスペンスタッチで描いたハリウッドデビュー作「愛と死の狭間で」や、古典ホラーの大作映画化「フランケンシュタイン」、長年熱望し実現した「ハムレット」など、自身が深く思い入れのあるシェイクスピア作品や、あらゆるジャンルに挑戦しています。

 

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近年では、史劇などを手掛けてきた彼だからこそ抜擢されたであろう、北欧神話の神がヒーローとなって活躍するマーベルコミック実写映画「マイティ・ソー」、CIAエージェントとして何度も映画となったジャック・ライアンシリーズのリブート作「エージェント・ライアン」、ディズニーが誇る王道ファンタジーラブストーリー「シンデレラ」などを手掛けています。

 

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 次回作はヤングアダルト小説「アルテメス・ファウル」を映画化するとのこと。

 

 

 

キャラクター紹介

 

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わかりやすいかなぁということで、一応74年版の作品と三谷幸喜版の作品の配役も付け足して紹介しようと思います。

左上から。

 

 

  • エルキュール・ポアロ(ケネス・ブラナー)《74年版アルバート・フィニー》《日本版・野村萬斎》・・・ベルギー人の名探偵。ロンドンに向かうために急遽、オリエント急行に乗車。

 

  • ラチェット(ジョニー・デップ)《74年版リチャード・ウィドマーク》《日本版・佐藤浩市》・・・アメリカ人の富豪美術商。脅迫状が届き、命の危険を感じている。

彼がヴィランとして出演する「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」の続編が18年秋に公開予定。

 

  • ハバート夫人(ミシェル・ファイファー)《74年版ローレン・バコール》《日本版・富司純子》・・・アメリカ人。ラチェットの隣室で、深夜に部屋に男がいたと証言。

最近では「ダーク・シャドウ」に出演していたのが印象的。

 

  • ドラゴミロフ公爵夫人ジュディ・デンチ)《74年版ウェンディ・ミラー》《日本版・草笛光子》・・・ロシアの貴族。愛犬も連れて列車に乗り込む。

英国演劇界のスターです。「007」シリーズのボンドの上司Mが有名ですね。

 

  • ピラール・エストラバドス(ペネロペ・クルス)《74年版イングリット・バーグマン》《日本版・八木亜希子》・・・宣教師。かつては乳母の仕事をしていた。デブナムと同室。

オール・アバウト・マイ・マザー」や「パイレーツオブカリビアン生命の泉」などでお馴染み。

 

  • メアリ・デブナム(デイジー・リドリー)《74年版ヴァネッサ・レッドグレイヴ》《日本版・松嶋菜々子》・・・バグダッドで家庭教師をしていた。アーバスナットと親しい。

スターウォーズ新3部作の主人公レイでおなじみ。「スターフォース/最後のジェダイ」がまもなく公開。

 

  • ゲアハルト・ハードマン(ウィレム・デフォー)《74年版コリン・ブレイクリー》《日本版・池松壮亮》・・・オーストリア人の教授。人種差別発言が多い。

スパイダーマン」でのグリーンゴブリン、「グランド・ブタベスト・ホテル」、「ジョン・ウィック」などに出演している名脇役。

 

  • ヘクター・マックイーン(ジョシュ・ギャッド)《74年版アンソニー・バーキンス》《日本版・二宮和也》・・・ラチェットの秘書で帳簿を管理する。アルコール依存症。

アナと雪の女王」のオラフの声、そして「美女と野獣」ではル・フウを演じ話題に。

 

  • エドワード・マスターマン(デレク・ジャコビ)《74年版ジョン・ギールグッド》《日本版・小林隆》・・・ラチェットの執事。ガンで余命が短いと宣告されている。マルケスと同室。

「ヘンリー五世」や「シンデレラ」など監督作に多く出演。

 

  • ドクター・アーバスノット(レスリー・オドム・ジュニア)《74年版ジョージ・クールリス》《日本版・笹野高史》・・・従軍経験のある医師。ラチェットの遺体を調べ、死亡時刻を推測する。

※アーバスノットという名前は、74年版でショーン・コネリーが大佐役でこの役名になっていますが、ここでは医師を演じたコンスタンティンで置き換えています。

 

  • ピエール・ミシェル(マーワン・ケンザリ)《74年版ジャン=ピエール・カッセル》《日本版・西田敏行》・・・オリエント急行の車掌。深夜、ラチェットのうめき声を聞く。

ザ・マミー/呪われた砂漠の王女」に出演していた方です。

 

  • ヒルデガルデ・シュミット(オリヴィア・コールマン)《74年版レイチェル・ロバーツ》《日本版・青木さやか》・・・公爵夫人のメイド。ミシェルとは別の車掌がいたと証言。

イギリスの女優さんで「ホット・ファズ」や「ロブスター」などに出演。

 

  • エレナ・アンドレニ伯爵夫人ルーシー・ボイントン)《74年版ジャクリーン・ビセット》《日本版・》・・・体調を崩して薬を常用している。

シング・ストリート」で一躍人気となった方。クイーンの伝記映画「ボメミアン・ラプソディ」に出演予定。

 

  • マルケス(マヌエル=ガルシア・ルルフォ)《74年版デニス・クイリー》《日本版・藤本隆宏》・・・キューバで脱獄し、アメリカにわたって自動車販売で成功。

マグニフィセント・セブン」に出演しブレイク。

 

  • ルドルフ・アンドレニ伯爵セルゲイ・ボルーニン)《74年版マイケル・ヨーク》《日本版・玉木宏》・・・ハンガリーの貴族。有名なダンサーでもある。

英国ロイヤル・バレエ団で史上最年少でトップダンサーになるも引退し、俳優業に進出。

 

  • ブーク(トム・ベイトマン)《74年版マーティン・バルサム》《日本版・高橋克実》・・・オリエント急行を運営する鉄道会社の重役

監督のシアターカンパニーのメンバーとなり多くの舞台作品に出演。

 

 

 

 

 

 

というわけで豪華なキャストで、元の作品から人種や設定などの改変もされているみたいですね。

配役から色々思い出せると思い一緒に書き込んでみましたが、ちょっとややこしいかな・・・。

世界一の探偵が豪華客船で謎解きに挑むミステリー映画の傑作映画。一体どんなリメイクになたのでしょうか!

ここから観賞後の感想です!!!

感想

 ようこそケネスブラナー劇場へ!!彼より豪華なキャストの見せ場がないぜ!

でもリメイクされてもいい映画なんだよなぁ。

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お金かかってますね~。

エルサレムでサクッと事件を解決し、休暇を楽しもうとしたのもつかの間、寝泊りする部屋の番号「3」が、彼の中で不吉な数字を意味した通り、豪華寝台列車オリエント急行車内で起きた殺人事件の解決を求められ奔走する名探偵ヘラクレス・・・失礼、エルキュール・ポアロ。

車内いた乗客や被害者を調べていく中で、ガウンや車掌の制服、ハンカチや燃えカス、パイプクリーナーなど多すぎる手がかりに困惑しながらも、過去に起きたの事件に結び付いていく。

いったい誰が犯人なのか。そしてその動機は、過去に起きた事件とどう結びついていくのか。それが明かされた時名探偵は試練の時を迎える。

 

74年版では車内がほとんどの撮影だった中、今作は列車の屋根に上ったり、列車から逃げる男と追いかけっこ、はたまたポアロが窮地に立たされたり、真相解明シーンでは列車の外に出てトンネル内でまるで「最後の晩餐」のように横並び座らせて映したり、と推理以外でも楽しめる内容になっていました。

他にも、今だからこそ描ける雪山を走る列車を遠目から映す大スケールな風景にうっとりするし、雷が鳴って起きる雪崩もちょっとチープなCGではありましたが壮大でしたし、列車内の食堂や厨房といった部分の豪華さ、冒頭での船から眺める街並、エルサレムでのポアロの腕を示す事件の解決シーンなど、ロケーションにも力を入れることで、キャスト以上に華やかで美しい景色を堪能できました。

 

列車内で撮影してるから通路を歩く際は外からノーカットで乗客と会話したり、部屋の中を上から映す手法もまた面白い演出でよかったですね。

 

名作ミステリーを再び現代に甦らせたケネスブラナー監督主演というだけあって、彼がとにかくカッコイイ。てか男前すぎるだろw

74年版のアルバート・フィニーが演じたポアロは、背が小っちゃくぴっちり横分けおひげびっしりの太った体格という、原作のポアロに近い風貌でまぁクセが凄い演技でありましたが、こちらはクセはもちろんあるものの、スマートでスタイリッシュな紳士という容姿から、肌身離さず持っているステッキで軽くアクションもこなす鮮やかさも兼ね備えており、新たなポワロ像を確立したのではないでしょうか。

 

その分、これ見よがしなカメラ目線、愛するカトリーヌを思うが故の、誰に語ってんだ・・・な独り言の多さ、どこをとっても彼が映っているほど、そのギラついた視線に、その圧の強さによって、ケネスのケネスによるケネスのための映画となってしまっているようにも感じます。

舞台役者というだけあって彼の演技は素晴らしいのは当たり前だとしても、主役やって自身が監督しているのを理解したとしても、後ろに控える豪華なキャスト陣を活かしきれてないのが非常に残念でありました。

 

今作と74年版の上映時間はほぼ変わらないのですが、74年版は容疑者との取り調べでじっくり時間をかけての会話劇だったのに対し、今作は要点だけを絞ってテンポよく流れるように取り調べていました。

確かに今回はそれによって、軽快に事が運ばれ、その余った尺によって前作にはなかったポワロのピンチやアクション、列車外での出来事などを描き差別化を図ったことでエンタメ映画として完成されていましたが、観衆が誰が一体犯人なのかという考える余韻も与えず、どんどん話が進んでいくから置いてけぼりになる部分も多々あったように思えます。

単純にミステリーとして楽しみたかったモンキーとしては、この流れは少々残念に感じます。

 

そして、このケネス劇場を見ることによって、せっかく豪華なキャスト陣との演技合戦がほとんどないというのも残念だったひとつ。

食堂内でのやり取りもあまり長くなかったし、逆に前作ではなかった乗客たちのやり取り何か加えてもよかったんじゃないかなぁと。

 

とはいえですよ、やっぱりクライマックスのシーンは涙を誘う哀愁が漂っていてよかったです。ほんとラチェットを殺した理由がせつないんで、ここはどうしても感情移入しちゃいます。

そしてポワロは今回、冒頭のシーンからこの世には善と悪しかない、とか、ゆで卵が同じ大きさじゃないと食べないとか、片方の足でうんち踏んだらバランスが悪いからもう片方の足も踏んだ方がいいとか、とにかく自分の中の天秤が同じ重さでないと許せないという信念を持っている人物像なんですね。

今回ポワロがこの事件を自分の中でどう決着するかという葛藤を描いてるのもまた良くて、最後まで哀愁を漂わせながら幕を閉じる終わり方がオツでありました。

 

次回作を匂わせるキーワードが出て来たのも嬉しかったですね。お、アレやるのかい!?みたいな。

 

スターウォーズという横綱がドンと構えていることもあって、あまり大作映画が乱立しない冬興行なんですが、この映画はそういう意味では冬の大作映画らしく景色もキャストも豪華絢爛で、それでいて謎を解いた後の切なさに涙してしまう娯楽映画でありました。

 

 

 

74年版との改変箇所。

ここからはがっつりネタバレ含んでおりますのでご注意を。

 

原作未読のモンキーなので比較するのがどうしても74年版の作品に泣てしまうのですがご容赦ください。

エルキュール・ポワロ

上でも書いた通り、容姿はまるで違います。スラッとした体格で、いかにもモテそうな紳士ヅラ。蓄えた髭も髪も白髪交じりで、特に髭はもっさり。

今作ではカトリーヌという女性の存在がいたことを描いており、寝る前に彼女の写真を眺めて恋焦れる場面がありました。

冒頭でのエルサレムの事件解決シーンで、彼がどれだけの名推理をするかというを知らしめるのは前作にはなく、これによってグッと没入できたように思えます。

 

ラチェット

前作では彼は引退した身で、同業者から狙われているような設定でしたが、今作では美術商にもかかわらず、その目利きは素人以下で贋作を売り付けていたことで命を狙われてたという設定に変わっています。

彼はアームストロング家の娘デイジーを誘拐し、身代金を受け取ったにもかかわらず殺してしまうという残虐な男でした。今作はそのデイジーの敵を討つために彼を殺す計画だったというわけです。

 

ハバート夫人

彼女のカバンから短剣や制服のボタンが出てくる件は今回カットされ、その代わり、彼女が背中を刺されるというシーンが追加されていました。犯人に顔を覆われ背中を刺され、その隙に逃走を図ったよう見せていたということですね。

アリバイ作りのためラチェットが夜中うなされて声を発したのも、懐中時計を壊したのも彼女に改変されています。(74年版はマックイーンがやっています)

彼女は殺されたデイジーの祖母であり、娘の死により早期出産で母子ともに命を落としたソニアの母、そして名女優と称されたリンダ・アーデン。

事件によって魂が抜かれ隠居しているという噂でしたが、今回の計画の首謀者として、女優としておしゃべりな夫人のふりをしていました。

 

ドラゴミロフ侯爵夫人

特に大きな改変は見当たりませんでしたが、前作ほど年を取っているようなそぶりは見当たらず、車いすも使ってませんでしたね。確か前作ではグリーンサラダをドレッシングなしで頼んでいたのに、今作はドレッシングかけた野菜を頼んでいたようなw

彼女の正体はデイジーの名付け親で、ソニアの母親リンダ・アーデンの友人でした。

 

ピラール・エストラバドス

前作はスウェーデン人で片言の英語を話す宗教に没頭した女性でしたが、今作では人種についての説明は特にな買ったように思えます。何より取り調べの時間が短く人物像を掘り下げていないので、この役は特に目立ったエピソードがなかったのです。

彼女の正体はデイジーの乳母で、事件の夜ワインを飲み過ぎてしまってうたた寝をしてしまったところを誘拐されてしまい、それ以来彼女は宗教に入れ込んでいました。

 

メアリ・デブナム

冒頭からポワロと会話するシーンや、彼女だけ列車外での取り調べシーンなどがありました。前作では、恋仲であるアーバスノットと同席しての取り調べだったのでそのあたりが改変された箇所でしょうか。

74年版ではアメリカ人であることを言い当てられてましたが、今作ではなかったですね。

彼女の正体は、デイジーの家庭教師。冒頭でのポワロとのやり取りで袖にチョークがついていたことから推理されていました。

 

ゲアハルト・ハードマン

彼は人種差別発言の多いドイツ人大学教授ということでしたが、実際はドイツ訛りの男で、ピンカートン探偵社の探偵で、ラチェットに雇われていたということを自白します。

この雇われ探偵というのは前作も一緒なんですが、大学教授という部分と、正体が元警察官というのは改変されていましたね。

彼は、アームストロング家に仕えていたメイドの恋人であり、犯人に仕立てられた彼女が自殺したことに憤りを感じ今回の計画に参加しました。

前作のハードマンより年を取ってれていたので全く違う設定なのかなと思いましたが、そこは歳の差が離れていても彼女は自分を愛してくれていたと語っており、ハードマン自体はそこまで改変してなかったようですね。

 

ヘクター・マックイーン

ラチェットの秘書として彼をサポートしていましたが、目利きのない素人なラチェットに変わって彼が仕事を仕切っていました。74年版ではそこまで重要な仕事をしてなかったのが改変された箇所でしょうか。

他には彼の帳簿をごまかし金を横領していたというのが大きな改変箇所だと思います。

彼の正体は、検事として彼の父がデイジーの事件に関与しており、メイドを犯人にしたあげくそれが間違っていたことに非難を受け、亡くなってしまったという過去を持っていました。

74年版では幼くしてッ母を亡くていたことで、それをソニアで埋めていたような描写がありましたが今作ではありませんでしたね。

 

エドワード・マスターマン

ラチェットの執事として仕えているのは一緒ですが、彼に睡眠薬を飲ませる件はなく、またがんで余命わずかという設定も前作にはありませんでした。

彼の正体は軍人としてアームストロングの部隊におり、その後あー彼の家で執事として仕えていました。

 

ドクター・アーバスノット

前作では、アーバスノットは大佐のみの設定。別にギリシャ人医師がいたので、彼と合わせての設定になっています。デブナムと恋仲であるということは同じですが、前作はショーン・コネリーが演じているため人種が違うこと、取り調べでアームストロングの過去を語るなどの描写はなく、自ら正体をさらす運びになっていました。

彼の正体は、アームストロングと共に戦争で戦った仲で、その後彼の援助で医師になっったことを明かします。

 

ピエール・ミシェル

74年版では神の名を2つも持っているにもかかわらず、娘と妻を亡くしている設定でしたが、年齢をグッと若くした設定になっています。

彼の正体は、犯人に仕立て上げられたメイド・スザンナの兄。74年版ではメイドの父親という設定でした。

 

ヒルデガルデ・シュミット

74年版ではうっかり自分の正体を明かしてしまうような件がありましたが、今作ではそこはカットされ、その代わりドイツ語でのやり取りが加わっていましたね。

彼女にも目立った見せ場がなかったのでこれといった改変はなかったように思えます。

彼女の正体は、アームストロング家に仕えた料理人でした。

 

エレナ・アンドレニア伯爵夫人

彼女はずっと薬を服用している設定で、前作と大きく違うのはその体調の部分でしょうか。

パスポートの名前に「H」が消えていて、そこから彼女の正体が見えてくる流れは一緒でしたね。

彼女の正体は、ソニアの妹であり、デイジーは姪にあたります。事件のショックで薬を摂取しているため、昼と夜が逆転していました。

 

マルケス

彼は脱獄後、自動車販売で成功した男という設定でしたが、74年版では陽気なイタリア人ディーラーとして、とにかく話しかけて同室のマスターマンを困らせていたエピソードがありませんでした。

彼の正体はアームストロング家の運転手で、資金を出してもらいビジネスを成功した過去を持った男でした。

 

ルドルフ・アンドレニ伯爵

貴族でありながら有能なダンサーというのは、演じたセルゲイ・ボルーニンがバレエダンサーだからという理由だからだと思います。

カメラに獲られるのを執拗に嫌い、その身の軽さで華麗な攻撃を見せていたのが印象的でした。やはり俳優としては場数を踏んでいないためかほとんどセリフがなかったのが残念ですね。

すぐキレる、すぐ反抗するという点においては前作でも似ており、妻が疑われるようものならば、口が出る手が出る男でした。

彼の正体は、妻エレナの夫なので、デイジーやソニアと義理の家族にあたることになります。事件のショックで隊長のすぐれない妻を支えていました。

 

ブーク

74年版はビアンキという名の中年の重役でしたが、今作では若いコネ入社のチャラい男として設定されていました。また、事件を推理するポワロの手伝いをしていましたが、取り調べをするごとに「あいつが犯人だ!」という流れが今回一切なく、そこが坪だった自分としてはちょっと寂しかったですねw

クライマックスでもビアンキの一人でこの犯人たちを警察に突き出すか黙認するかを委ねられた立場でしたが、そんな見せ場もなかったのが残念でした。

 

 

というわけで、この事件はハバート夫人を中心に、アームストロング家の娘デイジーの命を奪ったラチェットを殺害すべく計画されたもので、計画に賛同したのはデイジーを、ソニアを、アームストロング家を愛した者で構成されていたということです。

そして計画当日たまたま乗車することになった名探偵を欺くべく、当初計画にはなった行動をする羽目となり、即興でのアリバイ作りをしたものの、それが糸口の見えない事件となりポワロを困惑させていたのであります。

 

最後に

ざっくりとネタバレしてしまってますが、モンキー的には74年版を鑑賞していても、今作は全然楽しめたクチで、やはりラチェットを殺した動機が明かされるシーンは何度見ても涙を誘うので、そこは非常に満足してますし、話を知ってる人でもきっと同じような気持ちになれるだろうと思っています。

ただ、感想の部分でも書いた通り、ケネスの独壇場になっているし、他のキャストの見せ場がない、そのキャストの役が深掘りされていない、意外と早く容疑者が正体を明かしちゃう、テンポはいいけどあっさりし過ぎていてミステリーとして楽しめないなど、多少の不満は出てしまったのが本音です。

 

デイジーリドリーとルーシーボイントンがかわいかったから案外それで満足だったりしてw

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆★★★★★★4/10