3月1日
幕が上がる
色んな媒体で絶賛されていたので、いつものミーハー魂の如く鑑賞してきました。といっても、大好きな本広克行監督ですので見ないわけにはいかなったわけですが。
富士ヶ丘高校演劇部の高橋さおり(百田夏菜子)、看板女優のユッコ(玉井詩織)、ムードメーカーのがるる(高城れに)、1年後輩でしっかり者のあけみ(佐々木彩夏)は先輩たちと挑んだ地区大会で負けてしまい後にさおりは部長に任命されるが、3年生になり地区大会で勝つために何をすればいいかわからないでいた。
そんな時、新任の美術教師の吉岡先生(黒木華)にアドバイスをもらうが苛立っていたさおり達は八つ当たりで「先生、やってみせてよ」と言い放つ。
窓を開け、髪をほどき演技モードになった先生をみたさおり達は、その演技力に呆然と立ち尽くす。
調べてみると吉岡先生は、かつて学生演劇の女王という名でその世界では有名な人であることを知る。
演劇部達は吉岡先生に指導して貰うようお願いすることに。
そして、演劇部全国大会常連校から転校してきた中西さん(有安杏果)も加わり合宿に精を出し、彼女達の地区大会突破、そして全国大会出場を目指す彼女達の幕が上がる。
主演は今をときめくももクロことももいろクローバーZの5人に先日日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を受賞して黒木華、そして、本広組にはかかせない顧問の溝口役にムロツヨシ!てなキャスト。
本広克行監督は舞台をよく映画化する人で、もちろん踊る大捜査線シリーズのようなTVドラマもありますが、主にスペーストラベラーズや、曲がれスプーン、サマータイムマシーンブルースなんかが舞台からの映画化でした。
今作も舞台からの映画化かと思いきや、小説からの映画化。とはいっても、舞台人である平田オリザさんの著書からなのでやはり舞台からは切っても切れないんですね。
あと、本広監督とももクロという組み合わせが意外でした。
感想は、
タダのアイドル映画ではない!
これにつきます。
どこぞのアイドルが分刻みのスケジュールで合間を縫ってとりあえずやってみました、とか、
アイドル達の裏の顔を写し全てをさらけ出すことでファンに見てもらうドキュメンタリー、
ではなく、きちんと時間をとって演劇のワークショップを行い、彼女たちのポテンシャルを引き出してから撮影に入るほどの気合いっぷりだったようで、
エンドロールを見るまで彼女たちをももクロだということを忘れさせます。
演技面ではほぼ素人並みの彼女たちがこの映画を経て女優として成長する姿と、
演じている彼女達の役がどんどんうまくなっていく過程が重なってアイドルとは別の顔になっているのが、きっと見たらわかるんじゃないでしょうか。
あと本広監督といえばリンクが有名です。過去の自分の作品で使っていた小道具やその役で出たりとか。一番有名なのはカエル急便ですかね。
でも今回はあまりリンクと思われるような部分は少なかったように思えます。細かいから見逃したかも。
唯一わかったのは、最初の舞台道具を焼却するシーンで最後に燃やした台本のタイトル。
本広監督、いやこのタイトル見たらあの映画だってわかると思いますけどね。
あとは、ユッコのお父さん役のあの方ww
完全出オチ!何故彼を使ったのかわからないww
見たら絶対笑います!
ものまねする人もいるし、ガキ使の笑ってはいけないシリーズでよく出るあの方です。本業じゃねーしww
そして、黒木華のズバ抜けた佇まい。
彼女たちの前で肖像画という演技をするシーンは圧倒過ぎて心を持っていかれました。
もちろん、演出もあると思うんですが、演技の終わりを告げる合図の手を叩くまでまばたきすら忘れるくらい。
さすがでした。
舞台の演目は銀河鉄道の夜。
ジョバンニがどこへでもいける切符を手にしたように彼女達も舞台の上でならどこへでもいける切符を手にし、果てのない宇宙と同じような不安を抱きつつも前へと突き進む眩しい姿はきっと当時の何かに打ち込んでいたあの頃を思い出してくれることと思います。
1個残念だったのは、チョイチョイももクロの挿入歌が流れる所。
これなければすげーよかったのに。
有安杏果って永作博美に似てない?
満足度☆☆☆☆★3.5
3月1日
シェフ 三ツ星フードトラック始めました
ジョン・ファブローが製作、監督、脚本、主演した意欲作。
ロサンゼルスの有名レストランで総料理長を務めるカール(ジョン・ファブロー)は、支持の高い料理批評家が来店するとあって大張り切りだった。
ただ、彼のブログを読むと酷評。頭にきたカールは息子のパーシーからツイッターを教わり、ネット上でもう一度俺の料理を食べに来いとケンカを売る。
徹夜で考えた彼の創作料理を振る舞おうとするが、店のオーナー(ダスティン・ホフマン)からいつものメニューを作らないならクビだと言われ彼はそのプライドの高さと融通のきかないオーナーにブチ切れ店を辞め、その批評家に罵声を浴びせる様を動画に撮られネット上で拡散、笑い者にされる。
そのせいか次の就職先もなく途方に暮れていたカールを見た元妻のイネズはマイアミへ親子3人で訪れキューバサンドのうまさに惚れ込み、元妻の元夫(ややこしい!)のマーヴィン(ロバートダウニーJr.)から移動販売車を譲ってもらい、マイアミからロサンゼルスまでカールと息子パーシーのキューバサンドの移動販売の旅が始まる。
ジョン・ファブローって誰?っていう人、けっこう多いと思います。
俳優であり、監督もこなす人なんです。
一番わかりやすいのはアイアンマンでしょう。この監督を2作連続で務め、尚且つトニースタークのボディーガード、ハッピー役として出演してました。
この映画は、そんな彼がアイアンマン3の監督依頼を蹴って作ったそうです。
大作映画ばかり撮らされる、いわば雇われ監督の立場を捨て、彼の本当に撮りたかった、描きたかったものを撮るという、
正に雇われ料理長を辞め、自分で自分の作りたい料理を売ってお客さんに喜んでもらいたいと願うカールに置き換えてることがわかります。
感想は、
何か食べてから観ないと腹が減りすぎて頭に話が入ってきませんw
この映画の醍醐味はまず、飯!めし!メシ!です。とにかく美味そう!!
キューバサンドもそうですが、カールが作るレストランの料理からパーシーに食べさせるお手軽朝食、果ては食材の仕入れついでに食べるお菓子など全てがこだわった映像で、それを美味そうに食べる役者たち。
今の言葉でいう
飯テロ!
ってやつです。
案の定それを想定して食事を済ましてから鑑賞したものの終盤小腹がすいて帰り道、ドトールでミラノサンドを食べたのは映画にしてやられましたww
これがキューバサンドです。
あとは、ツイッターを多用している所。もう現代を描く作品には必ずといっていいほど出てくるツイッターですが、この機能を使って移動販売をするという現代ならではの売り込みをする、そして、その感想をお客さんはつぶやく、その度にあのツイート音が聞こえるとなんか心地よくなる自分がいました。
演出としてもバッチリはまってます。
そして、親子のロードムービーという所。妻と別れ、決まった日にしか会うことのない親子。
仕事優先で決していい父親とはいえないカールとそんな父親にかまってもらえない息子パーシーが、この旅を通じて絆を深め心を通わし、パーシーが成長する姿にときめきます。
失敗から這い上がろうとするカールのサクセスな部分も面白さを駆り立てます。
とにかくそんな5分に一度小刻みに笑わせ、親子の絆を見せてはホロっとさせる、ジョン・ファブローの人望で豪華キャストも揃うという面白い要素がたくさん詰まった映画でした。
でも、アイアンマン4をもしやるならジョンに帰ってきてほしい!あなたの作品はやっぱり面白いんだから!
満足度☆☆☆★★ 3