海街diary

運良く激安で前売り券を手に入れ、無駄に朝早く起きてしまったので朝一番の回で見てきました。
鎌倉に住む香田家の三姉妹、長女でしっかり者の幸(綾瀬はるか)、自由奔放な次女佳乃(長澤まさみ)、マイペースな三女千佳(夏帆)のもとにに父の訃報が届く。
15年前、家族を捨て、その後、母(大竹しのぶ)も再婚し家を出た。
そして、父の葬儀で腹違いの妹すず(広瀬すず)と出会う。
すずの母は既に他界し、義母を支え気丈に振る舞う中学生のすずに、幸は鎌倉で暮らさないか、と声をかける。
すずが加わった4人の新しい生活が始まるが、祖母の七回忌に突如姿を現した母により、四姉妹の心のトゲが見え始めていく。
監督は前作「そして父になる」でカンヌ映画祭審査員賞を受賞した是枝裕和監督。

誰も知らないや、歩いても歩いても、花よりもなほ、空気人形などたくさんありますが、どれも見てない(^◇^;)
見てるのはまえだまえだが主演した奇跡くらいでしょうか。お父さんとお母さんと再び一緒に暮らすために新幹線を見に行く少年たちの旅に心がほっこりした作品でした。
最近はフジテレビと製作が多いっすね。おかげでヒットしてることは嬉しいです。
てか、マンガ原作を実写化したのって初めての試みなんじゃないすかね。これまた注目の一つです。
キャストは豪華!
長女の幸に綾瀬はるか、次女の佳乃に長澤まさみ、三女の千佳に夏帆、四女に広瀬すず。

うおー!!ヽ(;▽;)ノこんな美人姉妹いたら誰でもいいから婿養子にいきますけど何か?と男性なら思いたくなるのもわかります。
意外にも綾瀬はるかと長澤まさみはこれが初共演なんだとか。
どちらも主役をはれる人なのに啀み合いみたいなゴシップ誌が喜ぶようなネタはなかったんすかね。ま、我が強い女優さんではなさそうなのできっとそんなことはなかった、と信じたいです。
でもまあ、事務所がよく許したもんだ。
それにしてもナイスキャスティングですよね。
誰もキャラが被ってない。
是枝監督のアプローチもあったのかな?
夏帆も任侠ヘルパーのキャバ嬢然り、みんなエスパーだよのパンチラ田舎弁丸出し女子高生役などイメージを払拭しようと演技の幅を広げてましたが、やっぱりこういうほわぁ〜っとした役柄が一番すね。
そして、何と言っても、四女すず役に大抜擢された広瀬すずは最近はCMやドラマなど出ずっぱりですね。これを機にまた飛躍すること必至ですね。
他にも、母親役に大竹しのぶ、おばあちゃん役に樹木希林、幸の恋人に堤真一、佳乃の上司に加瀬亮、すずの所属するサッカーの監督に鈴木亮平、千佳の勤務先の店長にまさかの元スーパーバタードッグで、レキシの池田貴史!意外!
そして、リリーフランキーなどなど是枝組でおなじみの人もいれば、初出演の人もいて、まー、豪華。

カンヌ映画祭にもコンペティション部門に出品され話題になりましたね。残念ながら賞は取れませんでしたが、おかげで知名度は抜群。今週はプロモーション活動もテレビで頻繁に見かけたのでヒットすることは間違いないでしょう。
そんな豪華な顔ぶれのキャストで描いた四姉妹のお話の感想は、
これが日本の映画だなーとほわっとします。
四姉妹のアンサンブルはさすがでした。
夜中にやってたメイキングで見たんですが、鎌倉の家で四人で掃除、洗濯、家事をやりながら仲を深めてからの撮影だったようで、
それが功を奏したのか、はたまた女優魂かはわかりませんが非常に息のあったお芝居だったと思います。
特にすずは、鎌倉に着たての頃は、どこかよそよそしくお利口さんで敬語で姉妹たちと接していきますが、徐々に他人から家族の一員へと距離を縮めていく様は若いながらもうまいと思いました。
もちろん、他の3人も既にすずが来る前の3姉妹として出来上がっていたし、幸と佳乃の口論も多分アドリブもかなり入れていたと思いますがいい演技で、その状況を我関せずと思いきや実は空気を読んでいて絶妙なタイミングで仲裁する千佳の雰囲気もさすが。
ごく普通の、よくある家族の風景をこの4人でよく表せたんじゃないかと思います。

そして、何と言ってもこの映画の醍醐味はまるで鎌倉の観光PRかっ!?
ってくらい風情のある四季や建造物、景観。
きっと、カンヌでみた人達はさぞかし、OH!KAMAKURA!it’s beautiful!!
と叫んだことでしょう。あ、フランスだから英語じゃねーか。まーいーや。
と、美しい鎌倉の四季を大画面で拝めます。温かみのある、光の質感がまた素晴らしく、花火が反射する水面、桜並木のトンネル、誰もいない海、雨上がりの紫陽花、落ち葉が敷き詰めた並木道、などなど季節の象徴をきちんと切り取っていて日本らしさを感じることができます。
そこへどアップで笑顔を振りまくすずの顔が一瞬心の支えがとれた満面の笑みで観衆をほっこりさせてくれます。
監督ー、狙ってるなー。

ふと考えてみれば、腹違いの妹と暮らすなんて非日常的なことですんなり家族になれるなんて時間のかかること。
やはり、心の闇はあって、特に自分たちを捨てたと思う幸と親を亡くし鎌倉に来たものの父のことを話せずにいるすずは親に対してのおもいが強く、そこへの葛藤も描かれています。
それをわざとらしくなく、あくまで自然にセリフをこぼすかのような演技、変に音楽をつけて盛り上げない演出に是枝監督ぽさを感じました。
説明のない、行間を読み取らせる脚本も分かりづらい部分はなく、これが日本の映画だなーと。
最近の大衆映画のように余計なものはこの映画には一切なく混じり気のない純度100%の映画だなーと感じました。

そこにあるのは、鎌倉の四季とあることで家族になった四姉妹の日常。
これを自宅でなく映画館で見ることにやはり意義があると思います。
もっとこういう作品を増やすべきだなと思います。
満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10