ベテラン
年1回くらいのペースでしか見ることの無い韓国映画。
ここ最近で言えば、建築学概論や怪しい彼女といったラブ要素の作品をよく見ていましたが、アクションものは久々な気がします。
というわけで、早速見てまいりました。
あらすじ
広域捜査隊のソ・ドチョル(ファン・ジョンミン)は、男気あふれる熱血刑事。世話になったトラック運転手がシンジン物産を訪れた直後、意識不明の重体に陥ったことを知ったドチョルは、不審を抱いて真相究明に乗り出す。
その直感は的中し、この謎めいた事件には巨大財閥シンジン・グループの御曹司チョ・テオ(ユ・アイン)が絡んでいた。
卑劣なもみ消し工作、度重なる捜査妨害にも屈しないドチョルは、八方塞がりの中で巨悪との命がけの闘いに身を投じていくが・・・《HPより抜粋》
監督・キャスト
監督はリュ・スンワン監督。
「生き残るための3つの取引き」、「ベルリンファイル」などで韓国での扱いづらい内容の黒い部分を題材にしスリル感を生み出しながらも、台湾映画を見て育った経緯があるように、魅せるアクションも決して忘れず、その演出と脚本、完成度の高さから評論家、観客共に高評価なんだとか。
今作も痛快なアクションと人間模様、そして、韓国最大のタブーに挑んでいるとのこと。
今回この作品を見に以降と思った理由がこれ。
これが意外と面白かったんです、twitterでたまたま見かけて気になって行ったら。
韓国の諜報員が北朝鮮とアラブ系の武器取引での捕獲に失敗。その背景に内通者の影があることに気づく。だが、その容疑をかけられたのは、彼の妻だった・・・。
北と南の絡みにアラブ系、ロシアなど複数の国が関わる世界規模に発展しかねない状態でのハラハラとガチガチなガンアクション、そして、主人公の妻への疑惑、韓国だからできる極上のサスペンスアクションでした。
しかも、哀しき獣での衝撃が忘れられないハ・ジョンウと名優ハン・ソッキュのタッグもこれまた見ものです。
主演のソ・ドチョルを演じるのがファン・ジョンミン。
あー渡部篤郎っぽい雰囲気ですねー。ぱっと見。てか、すいません、この方全く存じ上げませんm(__)m
監督と「生き残るための3つの取引」で仕事して以来のタッグなようで、今年日本でもヒットした「国際市場で逢いましょう」の主演に抜擢され、一躍トップスターの仲間入りを果たしたそうです。
そして、財閥の御曹司チョ・テオを演じるのがユ・アイン。
こちらも、K-POPアイドルのようなお姿ですが、俳優さんのようです。
韓国版「アンティーク~静養骨董洋菓子店」「トキメキ☆成均館スキャンダル」などの韓国ドラマで人気を博し、好青年を演じてきた彼が今回悪役に挑んだということでも話題になっているようです。
韓国ドラマは全く見ないのでどんなスターが出てくるかはこういう話題になる映画でしか情報を得ることが出来ないのが難点ではありますが、これで顔と名前を覚えられるほどの演技を期待したいですね。
他にも、個性の強い演技派ユ・ヘジン、ファン・ジョンミンと共演の多いオ・ダルス、世界で活躍するモデルで今作がスクリーンデビューのチャン・ユンジュなどが脇を固めます。
すいません、だ~れひとり知りませんっ!!!よくそんな映画見に行く気になったなぁ。マジで。
つーわけで、韓国で財閥でやらかしたって言ったら、あの飛行機でやらかした女副社長を思い出すわけですが、
そんな財閥のタブーを描いた痛快アクション映画の感想は、
笑いもアクションも盛りだくさんな痛快刑事ドラマ!
これTVドラマの映画化?
話が成立するのは見事だし、
笑って、アクションみて敵を倒して終わり!!ってムダがない出来になってたのがホント良かったです。
個性的なキャラも際立つ
韓国のタブーを斬るとは
そんな財閥のバカ息子、バカ娘が実際に飲酒運転や、大麻、裏口入学など日常茶飯事のようで、
今作はそんな子供に焦点を置いて作ったことがわかります。
しかも、テオは後妻の子供って事で2人の姉兄に事業を独占されそうになってる背景も垣間見ることができ、一族経営が兄弟間で火花を散らしてるわけですねぇ。
そんな金持ちのバカ息子を一般庶民で銀行に融資して家が買えるかもわからないような下っ端刑事たちが立ち向かう様が韓国でウケた要因なんでしょう。
にしても、できることなら財閥を揺るがすほどの大問題になってぶっ潰して欲しかったなぁ。
チラッとしかでてこない兄ちゃんと姉ちゃんとの確執とか、親父が検察に出頭したその後は何も描かれてないし。
今回のもみ消し事件が氷山の一角でズルズルと悪事を暴いて欲しかったです。
余談ですが、緊急会議の席で会長が席を立つまで離れられないからと男子全員紙おむつを履く件は笑いましたねー。
しかも、社内で幹部が出入りしたり、エレベーター使ったりすると館内放送で連絡してみんなが覚悟するとか、恐ろしい会社だなぁと。
てか、この題材にお金を出したスポンサーもすごいなぁ。財閥に目つけられないかなぁ。
そんな堅っ苦しい問題を頭に入れずとも、日本でもよく見る感じの刑事ドラマだし、コメディ要素も非常に強く、何と言っても都市部での豪快なカーチェイスと小道具を巧みに使い鮮やかに展開するアクションが韓国映画っぽくなく、娯楽映画として素晴らしい出来になっていたと思います。
日本のチンケなアクション大作なんかより数倍良いです。
中々の掘り出し物でした。