モンキー的映画のススメ

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主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

映画「ザ・ウォーク」感想ネタバレあり解説 身体全身がギュっと締め付けられる怖さ。

ザ・ウォーク

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3週連続、巨匠!スターウォーズのせいで年明け公開の巻!でございます。

スピルバーグといい、ロン・ハワードといい映画好きにはたまらない1ヶ月ですなぁ。

 んでもって今週はロバート・ゼメキス!!

題材が綱渡り!はぁっ!?マジかよ!でも、面白そうだよ!ドキドキしそうだよ!

という具合なテンションで見に行ってまいりました。

 

 

 

あらすじ

フランス生まれの綱渡り師であるフィリップ・プティ(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)は、幼い頃にサーカスの大道芸で綱渡りを見てからというものの、綱渡りに心を奪われてしまった。そして、大人になったフィリップは路上で細々と芸を披露しながら、ある計画を着々と準備していたのだった。

それは、地上411mに達するニューヨークの超高層ビル、ワールド・トレード・センター(WTC)のツインタワーの綱渡り。

路上で歌を歌っていたアニー(シャルロット・ルボン)らを巻き込み、仲間に支えられながら夢の実現へと一歩ずつ綱を渡っていくのだった…。《映画サイトより抜粋》


映画『ザ・ウォーク』予告1 2016年1月23日(土)公開

 

 

 

監督・キャスト

監督は巨匠ロバート・ゼメキス。

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去年、あのタイムマシンデロリアンが未来へ来た年月日を迎え大いに盛り上がった作品「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズを手がけた人であり、

その後もフォレスト・ガンプキャスト・アウェイなどトム・ハンクスと共に作り上げたアカデミー賞作品、飛行機さかさま!なアル中パイロットの「フライト」も忘れてはいけません。

CGやVFXに長けた人だそうで、上記の作品でもかなりこだわった演出だったようですが、「ポーラーエクスプレス」「ベオウルフ」などでは興行収入が振るわず採算が取れなかったらしく、1つの作品にかなりの資金と労力を費やしてる人なんだなぁ、と思います。

 

 

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 はい、みんな大好きBTTF!です。

いじめられっこの高校生マーティと科学者のドクがタイムマシンを作り、誤って30年前にタイムスリップ。現代へ戻るため、ドクを助けるため、そして、なぜか自分を好きになってしまった母親がちゃんと父親と結婚してもらうため、マーティーが奔走する。

 

忘れがちなのが、未来にいったってのは2のほうってことですね。1は過去だった。

子供の頃さんざんテレビで見たことのある映画の一つであり、なんといってもマーティーの吹き替えを担当した三ツ矢雄二の情けない声が今でも頭から離れませんww

「おいっドクッ!!」ってね。

数々のオマージュやエピソードが存在するこの作品ですが、一番好きな部分はプロムパーティでマーティが怪我をしたギタリストの代役でジョニー・B・グッドを弾いた際に電話越しで聞いていたのがチャック・ペリーという件。

大人になって見返してなるほどねっ!と。映画って見返して新しい発見があるとホント面白い。

 

 

 

主演の大道芸人フィリップ・プティを演じるのがジョセフ・ゴードン=レヴィット

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 映画を本格的に好きになって最初の頃に好きになった俳優さん。意外と芸歴が長く、デビュー作は1992年のリバーランス・スルーイット。そこから、テレビ番組などで、キャリアを積み上げ、ブレイクしたのは彼の代表作でもある(500)日のサマー

この作品について書いたものがあるのでよろしければどうぞ。

 

www.monkey1119.com

 

 

 

 

他にも、G.I.ジョーでは仮面をかぶり、インセプションではディカプリオのクールな相棒、メタルヘッドではロン毛の破天荒なロック野郎、ダークナイト・ライジングでは正義感の強い警察官、50/50フィフティ・フィフティでは癌に冒される青年、LOOPER/ルーパーでは年取ったらブルースウィリスになってしまう殺し屋、シン・シティ復讐の女神では復讐に燃えるギャンブラーなどなど!優しさと狂気を役柄でうまく使い分けた感じが多いですね。

この中の半分はブルーレイ持ってるくらい彼が好きですねー。

そっちの気はないんですけどww

しかも、あのヘナヘナなザ・草食系男子だったジョセフが肉体改造までして挑んだコメディ「ドン・ジョン」という作品で監督としてもデビューもしてます。う~ん多彩っ!!

 

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 27歳で脊髄癌を宣告された感情を表に出さない男。家族、親友、恋人に打ち明け落ち着いた日々を送っていたが、病状の悪化と共に見え始める周りの人たちの軽薄な優しさや愛情に、心身ともに情緒不安定になっていく。

と思い内容とは裏腹に、親友役のセス・ローゲンが笑わせてくれます。ジャケットのカミソリは彼の下のおけけ用だったりww しかも病気をネタにナンパしてお持ち帰りなんて軽々しくやらかします。

でも、これが彼にとっての思いやりだというのが後々になって観衆にもわかってきます。とあるシーンで。はい、涙腺決壊です。ずるいです。マジで。

そんなセスもいい味出してますが、ジョセフも負けてません。いい塩梅の存在感とたたずまい。ふわっとかもし出すオーラ。

序盤こそ飄々としてますが、病状が悪化してきてからの彼の変貌振りと叫びからくる心情吐露はズシっとくるものがあります。

病気モノで笑って泣ける作品ていくつかあるとは思いますが、その中でもどちらにも長けている作品だと思います。

 

 

 

プティの恋人、アニー役にシャルロット・ルボン。

 

カナダ出身の女優さんだそうで、最近では、ムード・インディゴ~うたかたの日々~や、イヴ・サン・ローランマダムマロリーと魔法のスパイスなどに出演しています。

ん~、お目目ぱっちりですねぇ。今作ではじめて知ったんですが今後も飛躍していくんでしょうか。注目したいですね。

 

 

他にも、名優ベン・キングズレーや、24のシーズン3でチェイス役として出演していたジェームズ・バッジ・デールも出演してます。懐かしいっ!!

 

 

 

フィリップ・プティってどんな人?

そもそも、この話は実際にあった話です。

元々はフランスの大道芸人だった彼が17歳のときに当時一番高いツインタワーがニューヨークに出来るというニュースを見て思いついたんだとか。

そして、23歳のときにこの綱渡りをやってのけ一躍時の人となります。もちろん、この偉業を成し遂げた後、逮捕されちゃいますけどね。

他にも、パリのノートルダム大聖堂、シドニーのハーバーブリッジの横断なんかも成功したとのこと。

そんな彼の偉業は「史上最も美しい芸術犯罪」と評され、2008年にはドキュメンタリー映画「マン・オン・ザ・ワイヤー」としてアカデミー賞最優秀長編ドキュメンタリー賞も受賞したほどの作品となりました。

でも、当時の画像はあるが映像は無いそうで、今回のザ・ウォークではその綱渡りの部分がようやく再現されるということで、非常に楽しみであります。

 

 

 

さぁ、そんなただの曲芸では済まされない、一人の男が人生をかけて挑んだ大博打にどんなドラマがあったのでしょうか?その感想は、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次のミッションインポッシブルはあなたでお願いします!!

以下、核心に触れずネタバレします。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

ただの曲芸じゃない、クレイジー野郎のサクセスが面白い!

作中、終始においてフィリップが自由の女神の上でワールドトレードセンターでの綱渡りに至るまでの経緯を話しながら物語が進むというモノでした。
それは、きっと実践するのは見て楽しんでもらって、そこまでの過程は話術も交えて楽しんでもらうような監督の意図かな、と捉えました。
 
そう、この綱渡りに至るまでの話が中々面白く、彼がどんなにブッとんだ奴かってのが手に取るようにわかるわかる!
 
サーカス団の綱渡りを見てから取り憑かれるかのように独学で練習し、ジャグリングの才能も開花して、晴れて大道芸人としてデビュー。
そして、ワールドトレードセンターの記事を見て綱渡り師として高みを目指し、サーカス団の団長、パパ・プティに教えを請うわけです。
 
晴れて一人前になると拠点はNYへ。
こっからが、あー、銀行強盗やら窃盗団、果てはルパンとかイーサンハントとかって実行に移すまで何百回も計画を練って入念な下調べしてるんだなー、
と思わせるほど毎日変装して侵入し、仲間を募り決行日まで過ごして行きます。
 
正にスパイ大作戦の始まりです。
 
もうこれがハプニングありアクシデントありの連続にも関わらず、意外とテンポよく早めのスピードで話は進み、BGMがジャズなもんだから、ほんとルパンのお宝強奪大作戦を見てるかのようなテイストに、
これから訪れる緊張の連続など予感させない作りに楽しく観ることができました。
 
 
 

手汗ビッシャー!ケツ筋キュッ!!心拍数上昇!

霧がかったビルの屋上から伸びる朝日を浴びて、いざ、その一歩を踏み出すフィリップの晴れ晴れとした表情から始まる世紀の大道芸。
 
それまでのアクシデントに慌てふためいていたフィリップ一同がウソのように落ち着いた状況の中、一歩また一歩と彼はワイヤーの上を歩いていくのですが、
その一歩を踏み出すたび、カメラは上空から、はたまたフィリップの足元から見下ろす映像を見せられ、
見てるこっちは目を背けたくなる、顔をしかめる、そのうち手に汗握る、肛門が締まる、チンチンが縮み上がる、瞳孔が開く、足が震える、鼓動が高鳴る
結果その緊張を超えてヘラヘラ笑うww

 と、大袈裟だけどあながち間違ってない状態に陥りわけわかんなくなりますw

しかも!フィリップは大道芸人でありアーティストだと自負している男。

綱渡りの最中、エリーゼのためにが流れることでこの狂った偉業が一気に芸術へと変貌を遂げ、

ただ、渡るだけじゃない!

うわーっ!もうやめてーっ!!

おおおおおおお〜〜っ!!ちょ!まっ!!

…ふぅ〜ういいぃ…からのおぉっ!!

どうなってんの!!はっ!?

そんなことしたら落ちるー!!

ようなことをやってのけます。

はい、シロ目ー、からの昇天www

 

なんだぁこれはぁ…!!(北大路欣也っぽく)

 

監督のしてやったりな顔が目に浮かび、ビビリ〜な私としては、些か腹が立ったのは事実です。

 

これ、そもそもワールドトレードセンターなんかもうないから、現場ではなくCGなんだけど、綱渡り自体はジョセフ本人がちゃんとやってます。

猛特訓したんでしょうねー。これぞハリウッドスターの真髄ですよ。

ちなみに、フィリップはフランス人で英語も訛ってるんですが、それもしっかり真似てます。

フランス語も流暢だし、なんか歯に詰まるような英語の話し方も素人でも気づくくらいなんかおかしい喋り方だな、って。

 

ラストにフィリップがもらったあるモノが現在では使うことのできないものなんですが、それを説明して終わるフィリップの言葉に物悲しさを感じたのが尾を引きましたが、

見終わった後の、なんていうんですか緊張感ならぬ、金縛りにも似た症状から解放され、

爽快感と自分がやったわけでもないのに達成感のようなものを感じました。感じ過ぎ〜ww

とにかく、監督と役者が久々に見せつけてるなぁ、と思い知らされました。

 

 

 

何故そんなことをするのか。

生きているうちは、死にたいとか考えないのが普通です。
では、何故死と隣り合わせのような体を張ったことをフィリップはやるのだろうか。
作中、彼は綱渡りの最中、死ぬということを想像しないように心掛けてると話していました。
むしろ、生きているということを実感してる、と。
そんなことしなくたって生きている実感を味わえることは容易いと私は思いますが、
彼にとっては小さい時から叶えたい夢へと向かっている時、そしてその夢を叶えてる時が一番生きているということを実感できる場なのかな、と。
 
やはり自分には無関心なことに情熱を注いだり、夢を追いかけている人の心情など理解できないし理解したくもないってこと、あると思います。
でも、そんな人こそその瞬間生きているということを感じていて、
フィリップもきっとそうなんだな、って。
 
 
 
 
そんな理解できない人の無謀な挑戦を題材にし、綱を渡る、たったそれだけのことをここまでエンターテイメントに仕上げた監督と、
その偉業を再現するべく特訓を重ねたジョセフに敬意を表したいと。
おかげで彼を理解できたつもりだし、楽しかった、面白かった、ドキドキした。
 
 
今回は3Dで観ましたが、やはり間違ってなかった。確実に映画館で、そして3Dで見るべき作品でした。
 
今月は当たり多いなぁ。
 
あ、ジョセフさぁ特殊メイクかなんかしてる?あれ、ヅラじゃね?
 
 
 

満足度 ☆☆☆☆☆☆☆★★★ 7/10