モンキー的映画のススメ

モンキー的映画のススメ

主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

【ネタバレ】映画「僕だけがいない街」感想と評価 犯人すぐわかるし、内容がひどい。

僕だけがいない街

f:id:monkey1119:20160218104653j:plain

 3月の19日公開に先駆け、たまさかで試写会に当選したので見てまいりました。

 何故かわかりませんが、2,3ヶ月に1回試写会に応募すると確実に当たってしまう強運があり、お金出してまでこの作品見たくはねぇなぁ~ってヤツが当たると非常に助かっています。こういう方が相手も誘いやすいし。

前置きはこれくらいにして。

 

 

 

あらすじ

藤沼悟(藤原竜也)は、「悪いことが起こる原因が取り除かれるまで」直前の時間に何度も短時間でタイムスリップする「再上映(リバイバル)」という特殊能力の持ち主。

自分にとっては何のメリットも感じられない能力を持て余しながら、アルバイトで生計を立てていたが、ピザ屋で一緒にアルバイトしている愛梨(有村架純)と、ある交通事故をきっかけに親しくなっていく。

そんな中、ある誘拐事件の真犯人に、母・佐知子(石田ゆり子)が気づいてしまい殺害され、悟は犯人にされてしまう。ここぞと「再上映」を発動、母を助けようとする悟だが失敗に終わってしまう。

もう一度「再上映」を発動させたところ、短時間ではなく、20年近く前の小学生時代にタイムスリップ。母が殺害された原因が20年前にあるということに気づいた悟は、その原因を取り除くため、2つの時代を行き来しながら事件の真相に迫っていく。《映画サイトより引用》


『僕だけがいない街』本予告

 

 

 

 

監督・キャスト

監督は平川雄一朗

 

TBS系列のTVドラマ中心の監督業をこなし、思春期の少年たちがエロにおバカに青春を送るコメディ「Stand Up!!」で初演出を手がけキャリアを積み上げた後、長澤まさみを主演に迎えた、忘れていた幼馴染との出会いと別れを描いた「そのときは彼によろしく」で映画監督デビュー。

その後も、劇団ひとりの処女作を実写化した「陰日向に咲く」、不良たちが熱血教師と出会い甲子園を目指すコミック原作を実写にしたTVドラマがスクリーンでラストを迎えた「ROOKIES~卒業~」、死んだ人を一夜だけ会わせることができる能力を持った男のヒューマンSF「ツナグ」といった話題作を多く手がけている方です。

 

毎回思うんですが、TBSのドラマって全部演出一緒な気がするんですけど、その原因はこの人でした。ルーキーズもJINとんび天皇の料理番も演出全部この人。

腹立つんですよねー。壮大な音楽流して無理やり話引っ張るパターン。逆に味気ない。

まぁ、それはTVドラマの話なんで映画ではどうなることやら。

 

 

 

 

主演のリバイバル能力を持つ青年・藤沼悟を演じるのは藤原竜也。

 

15歳で蜷川幸雄演出の舞台「身毒丸」でデビュー後、深作欣二監督の遺作となった中学生同士の殺し合いを題材にし、物議を醸した衝撃のバトルアクション映画「バトル・ロワイヤル」に主演、

その後も、名前を書けば必ず死ぬというノートを手にした男と不可解な死を遂げる者たちの謎を追う探偵との頭脳バトルを展開した人気コミック原作を実写化した「デス・ノート」、自堕落な毎日を送っていた男が借金の肩代わりをしたことであらゆるギャンブルに挑んでいく「カイジ~人生逆転ゲーム~」ホリプロ所属タレントが総出演したシェルター内での監視下の中、見知らぬ男女と7日間の殺人ゲームを繰り広げる「インシテミル 7日間のデス・ゲーム」、10億円の懸賞金をかけられた幼女殺人事件の犯人を常軌を逸した演技で度肝を抜かせた「藁の盾」、人間を操る能力を持つ男とその能力が唯一効かない男との対決を描いた韓国映画をリメイクした映画「MONSTARZ」、

そして、最近では、人気コミック原作で幕末から明治時代を舞台にした人斬りたちの剣術バトルを描いた「るろうに剣心」では、シリーズ最大の敵で全身火傷に包帯で覆った男・志々雄真実(ししおまこと)を見事に演じていました。

 

私が思う彼の肩書きとしては、「クズをやらせたら日本一」「G.W.D.(がなる・わめく・だれる)」(ミッシェルファンの皆さんごめんなさい)というキャッチコピーがふさわしい演技をする方だな、と。今回もどんな魂の叫びを放つのでしょうか。楽しみですwww

 

何故かはわかりませんが、上記のようにワーナーブラーザーズ配給の作品ばかり出演していますねー。今回もワーナー配給だし。癒着でもあんのか??

 

 

 

DEATH NOTE デスノート [Blu-ray]

DEATH NOTE デスノート [Blu-ray]

 

 あれから10年経つんですねぇ。早いような遅いような。藤原竜也、芸風変わってねぇなぁ。

 

あらすじは、名前を書かれた者は必ず死ぬという死神が落としたノートを拾った男が、法で裁けない罪を犯した者を次々と葬っていく。そして、連続した犯罪者の不自然な死を連続殺人と睨んだ世界的名探偵との天才同士による闘いはどう決着するのか。といったところ。

 

邦画で前後編という2部編成を最初にやったのはこの作品なんですねぇ。後に配給会社の金儲けのための手段になっていくわけですが。

でも、これって最初失敗だったんですよ、確か。前編が見込んでいた興行収入にいかず。悩んだ製作陣はついに掟破りの方法で後編の動員を増やしたんですねぇ。それが、後編公開日の前日に、まだDVD化されてない前編をテレビで放送するというもの。

当時レンタルビデオの店員をしていた私は、常識を覆す方法に怒りを覚えました。普通順番としては劇場公開という1次使用→DVD販売もしくはレンタル店にて貸出という2次使用→時期が経ったらTV放送、この流れをぶっ壊したわけです。

業界内ではかなり批判を食らったと聞きました。特に2次使用を扱う業者は怒り心頭でしたでしょうね。私もテレビ放送後「デスノートどこですか?」なんて問いあわせに追われたのを覚えてます。

 

おかげで、後編は前編の倍の興行収入を稼ぎ大ヒット。んでもって前例も作っちゃったもんだから、二番煎じで編集版と称して2部作、3部作の作品をパッケージ化する前にテレビ放送しちゃう悪しき慣習ができてしまったわけです。最近こそ、そういった編成の作品が減ったからかテレビで見なくなりましたけどね。

それもこれも、テレビ局主体の映画が増えたからこその手法でもあるんだと思います。

 

というけで、異例尽くしだった映画って話でしたww あ?作品の思い入れ?とりあえず、原作と違う結末は悪くなかったかな。あ、今年デスノート2016ってのやるみたいですね。そのときにでもまた。

 

 

 

 

悟が働くピザ屋の店員で、親しい仲になる愛梨役に有村架純。

 

今をときめく人気女優さんですねぇ。かわいいとは思いますがあんまし興味ないですかねぇ。さっきから否定的な意見ばかりですいません・・・。

 

NHK連続テレビドラマ小説「あまちゃん」で小泉今日子演じる天野春子の少女時代を演じブレイク。

その後、確実に同じ事務所の先輩・戸田恵梨香のバーターだろっ!とツッコんでいた、捜査一課が手におえない未解決事件を担当する刑事たちとその事件の首謀者となる特殊能力(SPEC)を持った者たちとの戦いを描いた「劇場版 SPEC」、普通の女の子たちが名前に色が付いてるってだけで世界の平和を守るため悪の組織と戦う羽目になった特撮コメディー「女子ーズ」、長かった髪をばっさりカットして役に望んだ、自分の思いに自信の持てない女子高生とが学年一の人気者との恋愛模様を描いた「ストロボ・エッジ」、

そして去年映画初主演にして大ヒットとなった、偏差値の低い金髪のギャルが慶応大学を目指す青春映画「ビリギャル」では数々の映画賞で受賞される快挙を成し遂げています。

 

「女子ーズ」Blu-ray 片手間版

「女子ーズ」Blu-ray 片手間版

 

 おととしの作品ですが、今考えたらキャストすごいな。

このメンツでコメディとかすげぇもったいない!群像劇やったほうが絶対いい。

 

あらすじはというと、名前に色が入っているという理由だけで集められた5人の女性陣が世界征服をたくらむ悪の組織から地球を守るヒーローとして立ち向かう、5人そろって繰り出す必殺技で怪人たちを撃破できるが、恋愛、仕事、美容、野暮用と何かしら多忙な彼女たちは5人そろうことができない。果たして悪の組織から地球を守ることはできるのか?というお話です。

 

有村架純はグリーン担当で、真の姿は劇団員という設定でした。これが大根役者でしかも端役。意味不明な劇と役柄をクソ真面目な顔して演じてる姿は爆笑モンでしたが、

いかんせん福田雄一監督のものはコンセプトはすごくいいものの、途中からネタ切れなのか満足しちゃったのかガス欠気味になり、しまいにはカメラを固定してダラダラやってしまっている始末。この人の作品は深夜のTVドラマサイズがちょうどいいです。これもその時間帯でやってくれたら必ずみますww

 

 

 

他キャストとして、悟の母・佐知子役に石田ゆり子、悟の少年時代の担任の先生・八代学役に及川光博、悟の少年時代の近所に住む青年・白鳥潤役に林遣都、母佐知子の元同僚・澤田真役に杉本哲太などが出演します。

 

 

 

 

 

 

というわけで、母が殺害された原因とは?20年前の過去にどんな理由が?そして、犯人は?原作と違う結末になるんでしょうか?

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結局感動路線で終わるのが納得いかない。

以下、核心に触れずネタバレします。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

リバイバルとはなんぞや?

この作品の一番の魅力はこのリバイバルという能力だと思います。
能力者の周りで事故や事件が起きるとその能力が発動、その直前まで戻りそれに気づいた能力者は何度も繰り返し訪れる出来事の中で違和感を探し、その事故や事件を未然に防ぐ、というものでした。
 
最初こそ体を張って未然に防ぐことでどんな能力かを説明できたように思えましたが、
次は違和感を見つけたのは自分じゃなく母親で、しかも殺されちゃう。
未然に防いでないではないか!
そして、次のリバイバルが事故の直前ではなく主人公がピンチの時に発動、で、いきなり18年前。
んー、そこまでさかのぼる前にこの能力発動していてもおかしくないんじゃないか?
 
そして、なぜか解決されてないのに現在に戻るという、なんとも不思議な能力。
解決されてないのなら、また最初の18年前からやり直しになるんじゃないのか?
そして答えがあっているのなら、そこから18年間普通に時を刻んでいくんじゃないのか?
という風にいちいち疑問の生じるものでした。
 
というわけで、この能力がイマイチ作品に活かしきれてないな、というのが率直な感想です。
エンディングを見て逆算して考えるとめちゃめちゃやるせないものだなとも感じましたし。
 
 
この手の能力を基にした映画ならミッション8ミニッツが真っ先に思い浮かびます。

 

 

 

ミッション:8ミニッツ [Blu-ray]

ミッション:8ミニッツ [Blu-ray]

 

 

 

 

これもリバイバルと同じような構造で、ミッション達成するまで何度も8分前に戻されるんだけど、いざ現実に戻ると主人公の体は悲しいことになっていて…って話なんですが、
こんな映画のように、同じ場面をひたすらチャレンジしてそこから派生していくようなやり方でも良かったと思うし、
 
 
逆に2分先が見えるっていうパターンのNEXTという映画。

 

 

 

NEXT [DVD]

NEXT [DVD]

 

 

 

 

2分先を予見して敵の動きを回避するって話なんですが、終盤、実は我々が見せられていたのは主人公の予見してたものだった、ってオチなんですけど、こんな風にして話を終わらせてもいいのになぁ、と。
 
 
せっかく能力が魅力のひとつなのに疑問しか浮かばなかったので、あくまで私ならこんな風にする、という話です。
 
そして、最大の疑問はなぜ主人公がこの能力が使えるのか、そしていつから使えるのか説明が一切ないということ。
これには困った。
散々心情吐露や状況を丁寧に口に出して説明するくせにこの説明は一切なかった。
ごく当たり前に能力持ってます、みたいに片付けられてるみたいで残念でした。
せめてちょろっとでいいから、いつから使えるようになったかの説明はさらっと入れて欲しかったですねぇ。
 
 
と、このように不満から入ってしまいましたが、SFのジャンルで括るのならちょっとこれひどいんじゃない?という見方でした。
 
じゃあ、ミステリーの観点で見てみたら?
 
 
 

特にミスリードもなくわかってしまう犯人

母親が殺されたのは、18年前に起きた幼女連続殺害事件がきっかけだと確信した主人公は、その被害者であったクラスメイトを守ることから事件を未然に防ぐことを考えていきます。
当時犯人にされてしまった青年は、真犯人の対象でないことから、18年前に戻っても絡むことは一切なく、
当時の同級生が犯人というのも設定に無理があり、
そうなってくると、それっぽい大人って限られた人物しか出てこない。
 
きっとそうだろうなぁと思っていたら案の定そいつという。
 
事件の謎を解くモノも大してないし、伏線もたくさんあるわけではないし、謎が謎を呼ぶものではないし。ほとんどの人が引っかからないんじゃないのか?
と、ミステリーと呼ぶには厳しい内容だったと思います。
 
 
じゃあこの作品は何のジャンルで推すのがいいのか?
結果ヒューマンドラマという括りになっていくんじゃないか、と。
そう考えていくと、役者の演技の評価とかになっていくわけですが。
 
 
 

子役の2人の演技が良かった!

まずは、主人公の少年時代を演じた中川翼くん。
なんとオーディションで選ばれ、本格的な演技はこれが初めてなんだとか。
 
これって何が難しいって、体は子供だけど頭脳は意識は現在の主人公の考えっていう、江戸川コナンみたいな気持ちで演技しなきゃいけないという難易度の高いもので、
しかも、主人公演じる藤原竜也に寄せた人物像にならなければいけないという注文の多さ。
 
これを、顔が若干似てるというアドバンテージもあるとはいえ、終始小学生らしからぬ凛々しい顔立ちから感情の持っていき方、かと思いきや普段の子供らしさも出していくという器用さ、おーうまいなこの子、と。
相当苦労しただろうし、演技指導した人もかなり細かく指示したんだろうなぁと感じました。
 
そして、さらに上をいったのが18年前に殺されてしまう同級生の女の子を演じた鈴木梨央ちゃん。
彼女に至っては親から虐待を受け心を閉ざしている少女が主人公と打ち解けることで徐々に心を開いていくという役どころで、
一番スゲえな!と思ったのは、主人公の家で朝メシをご馳走になるシーンで泣き出すんですが、これがいい塩梅の泣き方で大泣きでもすすり泣きでもないホロッと泣いてソーセージを頬張るというシーン。
これには彼女の演技に完全に心を持って行かれたし、何がいいってこのシーンだけで彼女がどれだけ虐げられてきたか、どんな辛い目に遭ってきたかというものが1度に読み取れる、
しかも、セリフを一切入れなかったことで余計に状況を感じ取れたこと。
これに関しては監督!わかってんじゃん!と思いました。
 
 
 
と、作品の半分以上を占めるこの子供たちによって物語が形成されていた気がします。
その根底には、勇気を出して行動すれば悲劇なんて結末は存在しないというセリフが出てくるとおり、
言葉通り事件を未然に防ごうと行動する主人公のおかげで何人も救われる、思いや行動は時間を超えて届くんだ、というメッセージが込められていると感じ、
そう考えてみるとヒューマンドラマという括りが一番しっくりくるのかな、と。
 
にしても、変にBGMや演出で泣かせようとする監督のキライな部分が出てきてこれっぽっちもグッとくるような部分はありませんでしたが。
 
 
 
 
 
 
 
 
最後まで読んでいただきありがとうございます。
今作に関してはマンガやアニメを一切見ずに作品を見た感想に過ぎないのでこのような感想になりましたが、これらを見てればまた違った感想に行き着くかもしれません。
ただ、これを見てマンガやアニメを見て見ようと思う人は果たしているんだろうか?という疑問もあるほど満足のいく内容ではなかったです。
全てにおいて中途半端であり矛盾があり、導線がバラバラという残念なものでした。
 
原作やアニメファンの方は是非その違いを楽しむということだけに集中して見たらさぞかし楽しめるのではないでしょうか?
 
とりあえず生でミッチーと石田ゆり子が見れて良かった。
 
 
 

満足度 ☆☆★★★★★★★★2/10