レヴェナント 蘇えりし者
今年は20世紀FOXさん調子いいっすねー!!オデッセイに始まりこれでしょ?でもってインデペンデンスデイにX-MEN新作がある。おーっと!デッドプールを忘れてた!!いやはや、頼もしいです。はい。
そして何よりデカプーよ、オスカーおめでとう!!!いつかは取れると信じていたけど、そんな遠い先の未来じゃなかったね。もっとおっさんになってからの受賞だと思ってたからね。
そんなことより去年のバードマンに引き続き日本公開が遅いっ!!
もっと早くみせてぇやぁ・・・。レオ様の新作だぞ?
とまぁ愚痴はおいといて早速見てまいりました。
あらすじ
1823年、西部開拓時代のアメリカ北西部、極寒の荒野の中、狩猟をして毛皮を採取するハンターチームはネイティブアメリカンの一団に襲われ多大な犠牲にあいながら命からがら船で川を下る。
チームのひとり、ヒュー・グラス(レオナルド・ディカプリオ)はネイティブアメリカンの妻との間にできた息子、ホークとともにガイドとして同行していた。船を捨て山越えルートを選んだチームは森で野営する。
翌早朝、グラスは見回り中に子連れの熊に襲われ、瀕死の重傷を負う。急ごしらえの担架でグラスを運ぶが山越えには足手まといであること、瀕死でもあることから、隊長のアンドリュー・ヘンリー(ドーナル・グリーソン)が死ぬまで見届け埋葬する者を募ると、ホーク(フォレスト・グッドラック)とジョン・フィッツジェラルド(トム・ハーディ)、若いジム・ブリッジャー(ウィル・ポールター)が残ることになった。
ジョンは2人がいない時にグラスを殺そうとするところをホークに見つかり銃を向けられるが、返り討ちにし殺してしまう。ジョンはジムを騙しグラスに軽く土をかけただけでその場を離れる。
一部始終を見ていたが動けないグラスは奇跡的に一命をとりとめ、折れた足を引きずり這いながらジョンを追う。(Wikipediaより抜粋)
監督・キャスト
監督は去年に引き続きアカデミー賞監督賞を受賞したアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督。
1回覚えたら声に出していいたい監督の名前ナンバー1だと思います。だってイニャリトゥですよ?いにゃりとぅー!!母音だけでも普段なかなか使わないですもの。
名前聞いてなんとなくわかるかと思いますが、メキシコの方です。
ラジオのDJ、テレビやコンサートのディレクターなどを経て、
ひとつの交通事故を起点としたさまざまな人間模様と切なくも激しい愛の物語をオムニバス形式で描き、メキシコが生んだスター、ガエル・ガルシア・ベルナルを主演に迎えた「アモーレス・ペロス」で長編映画デビュー。世界で評判を呼び、
続いて製作された、2人の男と1人の女がある事故により運命的に引き合わされてしまう、命の重さについて問いかける「21グラム」、
役所広司や本作でアカデミー賞助演女優賞にノミネートした菊池凛子の出演、東京が舞台になるなどでも話題となり、世界中のあらゆる場所での伝わらない思いや言葉を、ある事故を通じて描き旧約聖書にある町の名前をモチーフにした「バベル」など徐々に賞レースにその名をとどろかせていき、
ついに昨年、落ち目の俳優が公私共に再起を賭けブロードウェイで成功しようと悪戦苦闘していく様子を全編1カットという驚異の映像マジックで魅了した「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」でアカデミー賞作品賞、監督賞、脚本賞、撮影賞を受賞し、名監督の仲間入りを果たしました。
監督の特徴として、時間の交差を多用した人間と人間との交わりだったり、それがもたらす悲劇と奇跡を描くような作品が多いなぁと思います。そして何より暗い!重い!切ない!もしイニャリトゥを立て続けに見ようなんて人にはかなりの根気がいるかと。
前作のバードマンがほんとちょうどいいです。
タイトル見ただけじゃちっともわからない映画ですが、死とは何かを考えさせられる作品です。
余命1ヶ月と宣告される大学教授と死ぬ前に子を授かりたいと願う妻、前科者の男は改心し信仰に篤く、くじで当たったトラックさえも神の思し召しと信じ、ドラッグに明け暮れていた女も今では幸せな家庭を築いている。そんな交わることのない3人が居る事故を機に交錯し、思いもよらぬ結末へと導かれていく。
人は死んだとき21グラムだけ軽くなるそうで、そんな命の重さをテーマにした人間ドラマです。この作品の見所は時系列がバラバラというところ。ショーン・ペンが弱ってるかと思いきやピンピンしてたり、ベニチオ・デル・トロは職があったりなかったり、という具合に序盤はチンプンカンプンです。
それでも徐々に点と線がつながっていくパズルのような感覚と、終盤訪れる生と死の境界線は21グラムしかないのかという問いかけに考えてしまう1本です。
今回は撮影監督も紹介したいと思います。エマニュエル・ルベツキ!
今回でアカデミー賞撮影賞を史上初の3年連続で受賞した撮影界の神的存在であります。もうアーネスト・ホーストばりにアイム ア スリータイムス チャンピオン!!!
とはいわず謙虚な方だと思いますが。
もうあらゆる監督からオファーが殺到していてさぞ忙しいかと思います。特に「ゼロ・グラビティ」のアルフォンソ・キュアロン監督や、「ツリー・オブ・ライフ」のテレンス・マリック監督の作品には必ずといっていいほど参加してますね。
彼の作風のひとつに長まわしがあります。正確にはそう見せるように編集して視覚効果をもたらしてるわけですが。ゼロ・グラビティやバードマン、トゥモローワールドなんかも彼の技術が最大限発揮されています。
そしてもうひとつは自然光を取り入れた驚異の映像美!これがなんともまぁ美しくて惚れ惚れしちゃいますねぇ。ツリーオブライフは話はちっとも理解しがたいものでしたが映像に関してはグイグイもってかれました。
そんな彼が実はインスタグラムをやっているのをご存知ですか?今作のレヴェナントでの写真をここ1年くらいずーっとアップしてます。メチャメチャきれいです。
主演はヘンリー隊長の元で働く探索ナビゲーター、ヒュー・グラスを演じるのはレオナルド・ディカプリオ。
タイタニックやロミオ&ジュリエットのときのようなアイドル俳優なんて遠い昔。彼は完全な演技派俳優として着実に経験値を積み念願のオスカーを獲ることができたわけです。
ただ、クソまじめな性格ゆえ精神的におかしい役やらクレイジーな金持ち、詐欺師、長官、などなどいくらやっても一生懸命すぎて余裕がないというか完璧すぎるというかユルさがないというか。そんな感じに見えます。
おかげで眉間のしわが完全にジャックニコルソンになってます。役に没頭しすぎです。おそらく。
そんな彼も今回は限界突破できたから賞賛されてるんでしょうね。いつもの一生懸命だけが取り柄のデカプーじゃねえっ!って思わせたわけですから。
でも、個人的にはスコセッシ監督の作品で彼にオスカーを獲ってほしかったのが最高の形なんじゃないかな、と。あんだけタッグ組んで取れなかったから余計そう思ってしまいますね。
彼の作品は誰でも知ってるから省きます!好きな作品はこれ!
ちゃんとはじめて彼の作品をみたのがこれのおかげで、変な先入観なくこの人すごいなと思えた作品です。
他にも、ハンターとして働き、グラスと子供を殺そうとするジョン・フィッツジェラルド役に、昨年「マッド・マックス怒りのデス・ロード」で日本男子を虜にさせたトム・ハーディ、
彼らを率いる狩猟チームの隊長ヘンリー役に「スター・ウォーズ フォースの覚醒」でハックス将軍を演じるなど最近いろんな話題作に顔を出しているドーナル・グリーソン、
ガイド見習いとして働く若者ジム役に、あの「リトルランボーズ」の悪ガキがこんなにおっきくなったとは!最近では「メイズ・ランナー」などにも出演しているウィル・ポールターが演じています。
3人ともイギリス、アイリッシュ出身の役者っていうのも時代のことを考えてのことなんでしょうね。さすがです。
レヴェナント100連発
twitterにこんなハッシュタグがあるのをご存知でしょうか。撮影時の裏話がふんだんにツイートされてるんですが、是非見る前に知っておくといかにこの映画が過酷で大変だったかがわかると思います。
手前味噌だが言わせてくれ
— レヴェナント:蘇えりし者 (@RevenantJP) 2016年3月3日
劇中でディカプリオが生やしているモッサモサの髭は特殊メイクではなく本物。本作のため1年半も生やし続け、「ずっと一緒に寝てるからもう奥さんみたいなもんだね」とジョークも。俳優業は大変!#レヴェナント100連発 pic.twitter.com/c7lTDkCXoq
こんな感じでいくつかマジかっ!!と思えたツイートを書いていきたいと思います。
- 撮影現場ではバッファローの生レバーを実際に食べて見せたディカプリオ。実は彼はベジタリアンだが、あまりにも役に入り込んでいために躊躇せずにレバーにかぶりついた。
- ディカプリオは本作のために二種類のネイティブ・アメリカンの言語を習得。特にアリカラ族の言葉は話せる人が10人未満と言われており、もはやディカプリオは言語学の貴重な資料かも
- ネイティブ・アメリカンの村のセットを建てた美術スタッフは、極寒の中で壁の材料になる泥が凍らないように溶かし続けなくてはならなかった。想像を絶する地味な作業の蓄積
- 劇中では全身に重傷を負うディカプリオの特殊メイクに一日4~5時間。その後一日中リハーサルを繰り返し、マジックアワーを狙って日没前の1~1.5時間だけ撮影。これをほぼ9か月繰り返した。
- トム・ハーディの証言によると撮影チームは「文明から隔絶された辺境で一日12時間から16時間労働、現場の往復に8時間、週6日間稼働で8か月間、200kmを陸路で動き回った」。
- 過酷な撮影を続けるイニャリトゥへの不満を募らせるスタッフのガス抜きため、ハーディは自分が監督の首を絞めている姿をプリントしたTシャツを作って配った。
- なんでもかんでもスタントなしでやれと言うイニャリトゥ監督にトム・ハーディが激怒。口論からガチのケンカに発展して、ハーディはイニャリトゥの首を絞めたらしい。
まだまだありますがこの辺にして。トムハーディがウケるww
なが~い前振りになってしまいましたが、
果たして、仲間に裏切られ息子を殺された父の復讐の旅の果てにはいったい何が待ち受けているのだろうか?
てなわけで、感想です!!
圧倒的な映像と壮絶な描写は絶対IMAXで見るべき!!
ルベツキの驚異の映像マジック!
この映像マジックを体感してもらうべく個人としては絶対IMAXで見ていただきたいと思っております。
普通の2Dのスクリーンとはワケが違うんです!でもって音楽もハンパない!
今回坂本龍一が手がけた音楽が作品全体に息吹を与えてくれてるわけですが、非常に邪魔をしない音楽だったと思います。
なんてったってメロディが少ない!その少ないメロディに弦楽器を重ねに重ねた重厚感で自然の壮大さ過酷さだったり、ディカプリオの心情を表し、
先住民との戦いやアクシデントではドンドコドンドコと脈打つティンパニの音も作品を活気づかせたりとメリハリをつけて楽しませてくれます。
是非これを体感してほしいので料金高いけどIMAXで堪能して欲しいですね。