モンキー的映画のススメ

モンキー的映画のススメ

主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

映画「ララランド」感想ネタバレあり解説 2010年代の不朽の名作だよね。

ラ・ラ・ランド/LA LA LAND

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どうしてここまで惹かれてしまうんだろうというほど、予告見ました。

 というわけで、あえてここで言っておこう、「モンキー的映画のススメ」史上初の・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

今年度ゴールデングローブ賞7部門制覇、アカデミー賞14ノミネートなど、名だたる賞レースを席巻し、世界中で称賛の嵐を巻き起こしている作品は、前作「セッション」で世界を興奮と感動と熱狂を与えた監督の最新作。

歌、ダンス、音楽、ファッション、そして物語がすべてオリジナルにして圧巻のミュージカル映画です。今ここに極上のミュージカルエンターテインメントの幕が上がる!

 

 

 

あらすじ

 

 夢を叶えたい人々が集まる街、ロサンゼルス。

映画スタジオのカフェで働くミア(エマ・ストーン)は女優を目指していたが、何度オーディションを受けても落ちてばかり。

ある日、ミアは場末の店で、あるピアニストの演奏に魅せられる。彼の名はセブ(セバスチャン(ライアン・ゴズリング))、いつか自分の店を持ち、大好きなジャズを思う存分演奏したいと願っていた。

やがて二人は恋におち、互いの夢を応援し合う。

しかし、セブが店の資金作りのために入ったバンドが成功したことから、二人の心はすれ違いはじめる……。(HPより抜粋)

 

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監督

監督はデミアン・チャゼル

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若干31歳にして映画界の頂点を取ろうとしている超がつくほどの映画オタクであります

しかもこの方、昔はジャズドラマーを目指していたものの、夢に破れ挫折。

それで、じゃあ映画監督にでもなるかってんで始めて見たらこれだよ!!

どんだけ天才なんだよ!!!

 

そんな天才がどんな作品を手掛けてきたのかというと、はじめはいわゆる雇われ脚本家としてキャリアを重ねています。

 

若き天才ピアニストが演奏中に何者かに命を狙われていくという音楽映画にしてスリラーサスペンスという異色の作品「グランドピアノ 狙われた黒鍵」で脚本を執筆しています。

 

脚本で言うと、去年公開した映画「10クローバーフィールド」も彼が共同脚本としてクレジットされてるんですねぇ。

ポスターから予告からめっちゃネタバレだったことに腹を立ててましたが、物語はといえば、素晴らしいほどスリリングな密室スリラーになってました。

その功績は実は彼だったんですね~。

 

彼の作品といえば、もちろん「セッション」。

 

 

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ジャズドラマーを目指す若者が、寸分の狂いも許さない鬼教師の厳しい指導に心身ともに追い詰められていく様を、ラストの演奏シーンをはじめ、心を鷲掴みにしていく興奮と衝撃の音楽青春ドラマです。 

監督が高校時代、厳しかった音楽教師に扱かれた経験がこの映画で活かされているそうで、とにかくフレッチャー先生演じるJ・K・シモンズがおっかねーっ!!

そして、ドラムのことしか眼中にない音楽バカのニーマン演じるマイルズ・テラーもまた徐々に狂気のその先を演奏で披露する迫真の演技に、ラストシーンは完全ノックアウトしました!

 

この映画が公開した2014年の個人的1位でもあるこの作品、

今作も年間1位になるのかどうか、楽しみです。

 

 

 

キャスト

女優を目指しながらワーナースタジオのカフェで働くミアを演じるのはエマ・ストーン。

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いやぁかわいい。

かあいぃ・・・、もうね、エマは正直すごく美人な顔立ちではありません!

目はでかいし、そばかすあるし。微妙に口が曲がってます。

 

でもね、彼女が持つ雰囲気が素敵なんですよ!

絶対一緒にいたら楽しそうじゃない?

 

演技だって素晴らしい!

コメディエンヌとして、目鼻口を大きく開いてリアクションしたり、青春モノ恋愛モノでも笑いと涙とその眼差しで観客のハートを掴み、シリアスな演技でも鳥肌立つほど鬼気迫る演技で魅了する。

とにかくその豊かな表情が魅力的で、ありのままを全力で演じている女優さんだと思います。

 

 

そんなエマがどんな作品に出演してきたかというと、童貞の高校生3人組が卒業パーティーで意中の女の子と初体験を目指し奮闘する青春コメディ「スーパーパッド 童貞ウォーズ」で映画デビューします。

 

その後も、偶然出会った男女4人がゾンビのいない楽園を目指して旅するコメディホラー映画「ゾンビランド」、突然の離婚を突き付けられた中年男が、ある男の指南の下、新たな恋に悪戦苦闘していく中で、まわりの男女もまた恋愛関係に発展していくドタバタコメディ「ラブ・アゲイン」、人気アメコミ映画のリブート作「アメイジング・スパイダーマン」に2作連続出演し人気を得ます。

 

また、落ち目の中年俳優が再起をかけるために悪戦苦闘しながらも舞台に挑む様を全編1カット調で描いた「バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」でアカデミー賞助演女優賞にノミネートしています。

 

 

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ジャズが大好きでいずれは自分お店を持ちたいと思っているピアニスト、セブを演じるのはライアン・ゴズリング。

 

モンキー的3大次世代ハリウッドスター(なんじゃそりゃ)の一人でもあるライアン。

近年でいえば「ブレードランナー2049」、「ナイスガイズ」、「ファーストマン」など、大作級の作品に出ずっぱりです。

 

www.monkey1119.com

 

 

 

 

 

 

 

 

実はこの二人、今回で3回目の共演なのです。

1回目は「ラブ・アゲイン」でナンパ師とお堅くまじめな女の子という役柄で徐々に思いを寄せていくカップルを演じてます。

 

2回目は、「L.A.ギャングストーリー」。1940年代のロスで、巨大ギャングに非合法で挑む警察官との構想を描いた作品なんですが、ここでもライアンは警察官、エマはギャングの世話係として、禁断の恋の墜ちていくというカップルを演じてます。

 

ということは今回3回目でまた恋人同士、もう息ピッタリなんですよ!!

コールデンコンビなんです

よく付き合わないね二人とも。1回くらいはぁ・・・やめよう、萎える。

個人的には「ラブアゲイン」は激クソおもろいので是非ご覧あれ。

 

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L.A.ギャングストーリー [Blu-ray]

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他のキャストも素晴らしい。セブが働くバーのオーナー・ビル役に、前作「セッション」に続いて出演のJ・K・シモンズ。

ミアのルームメイトで同じく女優を目指しているケイトリン役に、「エクス・マキナ」でアンドロイドを演じ、「美女と野獣」にも出演予定のソノヤ・ミズノ。

セブの高校時代の友人で売れっ子ミュージシャン、ザ・メッセンジャーズのボーカル・キース役を、意外や意外!グラミー賞アーティストのジョン・レジェンドが演じます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

果たしてどんなミュージカル映画になっているのでしょうか?また二人の夢は、恋は実るのか?

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

感想

大・大・大・感動!!!

これが本当の映画だよ!!夢を追いかけた者たちへ捧げる人間賛歌だ!!!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

映画って最高だな、って。

ラ・ラ・ランドとはどういう意味なのか。

主にロサンゼルスのことを指すようですが、そこへ夢を叶えるために集まる者たちのことを総称して言うそうです

他にも現実離れした世界、おとぎの国、現実から逃避した状態と少々揶揄した言い方の意味もあるそうですが。

 

そんな世界の中で夢を見ることや叶えることの素晴らしさ、その反面夢見ることへの厳しさといった現実的な部分を惜しみなく極彩色で描き、その夢に向かっていく中で支えた人への想いまでも詰まった、夢見る愚か者たち、夢見た愚か者たち全てを称える大傑作でありました!!

 

 

最悪の出会いから夢に恋に夢中な二人が、理想を求め現実にぶつかりもがいていく四季物語を、歌やダンス、音楽、ファッション、名作映画の小ネタまでふんだんに取り入れることで、こんなにも素敵な映画が生まれるなんて誰が想像したでしょう

言い過ぎかなぁ、言い過ぎじゃないよなぁ。

 

 

もうね、私この映画に恋してますww

かなり長いこと「ララランド」のことばかり考えてますw

夢から覚めることを知りませんw

はやくもまたこの映画に会いたい気分です。

中学生か俺はww

 

 

正直アメコミとかアクションとかガンガンCG使った大味な映画、大好きです。

でもララランド見て、映画ってこういう映画のことをいうんだなぁってしみじみ感じました。

何て言うんだろう、本当の娯楽って夢を見せてくれることを言うんだなぁと。

だからみんなディズニーランドに行くのかぁと。

ちとちがうかw

 

 

ミュージカル映画に関して詳しくもない自分が、冒頭でテンションが上がり、最悪の出会いが人生を大きく変える人となって、愛する人のために夢を妥協したり現実に立ち向かう姿に涙し、思いもよらぬラストにまた涙、こんな話だけでも素晴らしいのに歌とダンスと映像ギミックが加わるもんだから最高じゃねえか!と。

 

 

やはり自分も夢を追いかけ挫折した人間だからこの二人の気持ちがものすごくわかる。

自分のこだわりは曲げたくない、けど生活がある。

失敗するたびに逃げたくなる。

現実はそうはいかない。

努力しても成功なんか約束されない。

だけど大切な人がそばにいる。

応援してくれる。

時に挫折するけど頑張れる。

それが夢だと。

そんな夢見る二人に昔の自分を重ねながら、喜び、涙した映画でした。

 

 

この映画を見た後ぜひサントラ聞いてみてください。

きっとあのシーンが鮮明によみがえり、はにかむことでしょう!

そしてもしかしたら急に周りの人たち踊り出さないかな??なんて妄想すらしだしますww

それくらい楽しくて、切なくて、胸が躍り出す映画なんです!

 

 

数々の名シーン

冒頭から観衆の心を鷲掴みにすることでしょう。

SUMMITのロゴが白黒というこだわりから、画面は横に広がり1:2.52のシネマスコープの表示。

 

渋滞している高速道路から突如流れる音楽に合わせ、車から降りる一人の女性。

これはミュージカル映画だよ!と知らせるかのごとく始まる歌とダンス。

そして次々と歌い出す多種多様なエキストラたち。

ロサンゼルスへ夢を叶えにやってきた人たちが、明日は必ずやってくると声高らかに歌い上げエネルギッシュに踊る。

しかもこれをロングショットで撮り、ダイナミックに踊る。

この映画のオープニングにして最高潮なシーンです。

 

 

赤、青、黄、緑と原色のドレスを身にまとうミアとルームメイトたちが、おめかししながら部屋を駆けずり回り、群衆の中にいる私を早く見つけてと願いながらパーティ会場へ繰り出すシーンもまた、どうやって撮っているのか不思議なほど縦横無尽なカメラワークに思わずニンマリ。

このときのエマストーンの顔にご注目を。

カーテン包まるシーンで志村けんもびっくりなアイーンな変顔を披露してますw

女優ってスゲェな。

 

 

パーティーからの帰り、またも偶然出会った2人。

ロスの夜景が一望できる丘は夕暮れ時。まさにマジックアワー。

にもかかわらずこんなにきれいなのに何で隣があなたなの?とお互い茶化しながら、わざわざ靴をタップシューズに履き替えるという自虐ネタまで放り込んでタップダンス。

 

映画を見る約束の日、彼氏との約束をブッキングしたミア。

彼と食事をしてもどこか浮かない表情。

そのときレストランで流れるジャズの音色がセブを想うあまり彼が弾くあのメロディーに聞こえ、店を飛び出すミア。

このときの笑顔を浮かべて彼の元へ走る姿がめっちゃっキュート!!

 

そして映画館。

スクリーンの前に立ってセブを探すミア。

映写機がスポットライト代わりとなる後ろ姿も画になる!

!そして「理由なき反抗」を見ながら触れ合う指先、近付く顔!

そこから映画の舞台となったグリフィス天文台での無重力ワルツ、天にも昇る気持ちとはこのことだったのか!!

 

はいもうこの辺りから胸がキュンキュンしだします!

 

 

ロサンゼルスの名所を訪れながら愛を育んでいく夏のシーンも、駆け足で進みながらも一つ一つが美しく素敵だし、ロサンゼルスの名所でデートする2人が何度も衣装チェンジし、シンメトリーで構成した映し方だったり「セッション」で取り入れた部分もあったり(セブのピアノとミアのダンスが交互に映るシーン)と撮り方も一切妥協していない、こだわりのあるカットの連続。

 

 

白を基調としたセブの部屋にミアが住むことで、彼女が着ていたドレスと同様のグリーンのカーテンが印象的な2人の住処では、ピアノを奏で共に歌うなど仲睦まじい姿もあれば、久しぶりのディナーで、理想の夢を捨て妥協するセブを責め、その答えに失望し衝突してしまう悲しいシーン。

オーブンで作った料理がそれを物語ってます。

 

 

長い準備を重ね自ら脚本し挑んだ一人舞台。

大惨敗し実家へ帰り意気消沈だったミアにあのときのクラクションと一筋の光。

そのオーディションで歌い上げた、叔母の無謀な挑戦を引き合いに、役者に詩人に画家たちといった厄介な者たちよ、少しの狂気がカギなんだ、だから夢を追う者たちにどうか乾杯をと、6年かけて築いてきた女優魂を振り絞って歌う姿に、切なさが胸を締め付けます。

 

 

そしてクライマックスを迎えるラストシーン!!

理想を駆け抜ける二人に、観る人すべてが幸福感に包まれることでしょう!!!

 

数多の「if」という点が線で結ばれた理想の瞬間!

後半萎んだ展開から一転ギアMAXで華やかに描かれる映像に、オープニングの時以上の感動が待っています!!!

ここだけはネタバレせずに黙っておきます!!(かなり言ってたらゴメンちゃ)

 

ぜひ目に焼き付けてほしい!!!

きっと誰にでも心当たりのある思いを具現化した感動のシーンだと思います!!

 

 

監督アンタすごいよ!!

今作を見て、セブって監督自身なんだろうなと感じました

 

セブは、ホーギー・カーマイケルが座った椅子を店から拾ってきて集めたり、セロニアス・モンク荒城の月(ジャパニーズフォークソング)を序盤でひたすら練習してます)ジョン・コルトレーンなどの巨匠を愛し、好きなジャズクラブがサンバとタパスの店に変わっていくことを嘆くなど、ジャズに心酔しジャズを愛す男。

 

「ジャズなんてレストランやエレベーターで流れるBGM」、「地方のラジオ局でジャズ専門チャンネルがある」なんてミアが馬鹿にすると、「そうやって馬鹿にするやつらは実際にプレイを見ていないからそう言うんだ」、「演奏中個々のプレイヤーが曲を乗っ取る、それを代わる代わるやる、だから毎回違う曲になる、これがジャズだ!」

 

そして「ジャズが死にかけてる」と吐露するわけです。

ジャズドラマーを目指していた監督だけに正に本心だなぁと。

 

 

前作「セッション」では、長い間登場していないジャズ界のスターを生み出すには、とにかく限界を超えるべく指導するしかないという、常軌を逸した教師のスパルタ教育に、必死についていく一人の男が描かれたわけですが、凄まじいラストに感動の嵐の中、音楽を愛してないなんて批評もあって。

 

それで心の底からジャズを、音楽を愛してるよという意味をこめて今作を描いたと思うんです。

その思いが役柄から溢れていたし、ジャズという音楽を復活させたい思いが随所に描かれていたと思います。

 

 

で、これジャズだけじゃないんですよね、復活させたいモノっていうのが。

それがミュージカル映画です。

 

 

最近では「レ・ミゼラブル」や「ドリームガールズ」なんて名作ミュージカル映画がありますが、それはブロードウェイミュージカルを映画にしただけ。

今作はオリジナルミュージカル映画なわけです

そこが違うし、よく映画にできた!!

 

かつてハリウッドはオリジナルのミュージカル映画であふれていました。

各映画会社の専属スターを台頭に数々の名作映画が誕生し、当時の娯楽映画の中心はミュージカル映画でした。

 

しかし時代が進むにつれ、SF映画やアメリカンニューシネマが主流となり、大物監督がミュージカル映画に挑戦するもあえなく撃沈。

次第に衰退していったわけです。

 

 

あの頃の古き良き時代の映画を復活させたいと、少年時代に数々の映画に酔いしれた監督が、その映画たちに賛辞とオマージュを加え、色々修正を求められながらも頑なに拒み、長い間企画を温め、前作での高い評価をきっかけに実現した「ラ・ラ・ランド」。

 

シン・ゴジラ」や「この世界の片隅に」なんか、特に監督が細部までこだわりにこだわったオタクぶりが評価の一因だったように、デミアンもこだわりにこだわった作りがこうやって評価されていったんだと思います。

 

 

正直よくあるラブロマンスかもしれません。

ただ、何を描くか、ではなく、どう描くかに特化したことにより、これまでにない映画を生み出し、世界の様々な賞で称賛されたんだと思います。

 

今後何十年と語られる名作になってほしいなと切に願っております。 

 

 

 

ラ・ラ・ランドを見たらこれも見よう!

ではどんな作品の元ネタがこの作品に隠されていたのか、ぶっちゃけ町山さんが解説した小ネタや海外サイトなどをあさっての情報ですが、自分も予習して臨んだ作品だけにそれなりに理解しての解説をしたいと思います。

全体的なプロットはここから。

 

ニューヨーク・ニューヨーク [Blu-ray]

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 あのマーティン・スコセッシがかつて描いたミュージカル映画。

デミアン同様、当時の夢に満ちたミュージカル映画に思いを馳せて手掛けた作品です。

 

サックスプレイヤーとシンガーが口論になりながらも、激しく恋に落ち、やがてツアーを続けていく中で、徐々に思いがすれ違っていくお話。

 

町山さん曰く、デニーロ演じるサックスプレイヤーはまだ流行でなかったビバップという自由な即興形態を先駆けて取り入れていたことにより、日の目をみなかったんですが、「ラ・ラ・ランド」のセブはそれとは逆に、既に飽きられていたビバップにこだわって日の目を見ない生活を送っているという設定でした。

 

大まかな設定以外にもそういった対比させた設定までもこの作品に影響を受けているというわけですね。

 

どちらも気の強い男女の主張に共感できるし、ラストシーンはホロッとする切ない終わり方です。

 

 

 

 

シェルブールの雨傘 [Blu-ray]

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 フランスが生んだ大女優カトリーヌ・ドヌーヴの代表作。

全編歌で構成されたミュージカル映画です。

 

結婚を誓い合った恋人同士が、戦争へ招集された男と離れてしまったことが別々の道を歩むきっかけへとなってしまう悲恋を描いた物語。

 

こちらも全体的な部分に対してのオマージュでしょう

鮮やかな色合いはもちろん、ストーリー構成や、あのエンディングまで(あ~っとこれは核心に触れたか!?)。

個人的にはカサールが歌うメロディラインが気持ち悪くて肌に合わない作品だったんですが、ドヌーヴがとにかくキレイです。

 

 

 

クライマックスはこれの再現!

 

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 クライマックスでの二人の理想を描いたシーンはこの映画へのオマージュでしょう。

 

パリに住む絵描きが、自分を好いてくれる金持ちの女性がいながらも、ある女性に夢中になるが、それが友人のフィアンセだったというお話。

 

 

とにかくジーン・ケリーのダンスが素晴らしい。

子供と戯れるシーンでのタップダンスに感動したし、何といってもこの映画のラスト20分に及ぶ壮大なミュージカルシーン

まだ行くか!?まだ行くか!?と長尺にもかかわらずグイグイと映画の世界へ誘ってくれるクライマックスに拍手すること間違いなしです。

 

正直これだけは「ラ・ラ・ランド」の後に見てほしいです

見れば言わんとしてることが分かるかと。

 

 

 

オープニングシーンはこれが元ネタ!

 

フォーリング・ダウン [Blu-ray]

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 高速道路が渋滞しているシーンはこちらの冒頭も一緒

 

超短気なオジサンが別れた女房と娘の誕生日を祝うべく、接近禁止令が出てるのにわらしべ長者的武器の強化で暴れ周り、会いに行くというスリリングなお話。

 

こんな作品からも着想を得るとはさすが映画オタク。

冒頭の渋滞シーンは今作とは真逆に楽しくない描かれ方ですが、非常にこの映画を象徴するシーンとなっています。

 

 

 

ロシュフォールの恋人たち [Blu-ray]

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 こちらのオープニングシーンは楽しい!

 

フランスの海辺の町でいつの日か素敵な恋人に出会い夢を実現させたい姉妹が、年に一度の祭りが近づく前日に運命の出会いをしていくお話。

 

曲芸集団の男女が躍るオープニングがすごく楽しいという点では非常に似ているし、これも「シェルブールの雨傘」同様ジャック・ドゥミ作品だけに鮮やかな色彩が多用されています。

 

ミアが青いカーディガンを背に羽織り、歩きながらくるっと回るシーンはこの映画が元ネタだと町山さんがおっしゃっていました

いや気づかないからww

 

そして、メインテーマ曲も結構似ているというおまけ付き。

この曲絶対聞いたことあると思うので聞き比べてみてください。

 

 

 

巨匠の失敗作も。

 

 もうこのジャケの道路、モロ出てきますw

 

倦怠期を迎えた男女が口論になり別れを告げ新たな恋に走るも、改めてお互いを見つめ直していくお話。

 

普通にやれば悪くない話なんですけどねぇ、歌が好きじゃないw

 

あのフランシス・フォード・コッポラが大失敗したミュージカル映画。

ロスの夜景が一望できる丘や、怪しく強く光る色彩やネオンといったあたりはここから引用されたのだと思います。

 

 

 

あの名作ミュージカル映画も。
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 ご存じミュージカル映画の金字塔。

 

サイレントからトーキーに変わりつつある映画業界で大スターと女優の卵が愛を育んでいきながらいろんな障害を乗り越えていくお話。

 

ジーンケリーが街灯に手をかけくるっと回るシーンは、セブが同じことをやっています。

他にも店のネオンサインが代わる代わる映るシーンや大所帯で踊るシーンはこれが元ネタ。

 

顔やスタイルは超是美人なのに声が変でセリフが下手クソな会社専属の女優がまぁムカつくし、ほんとに下手で笑えますw

 

 

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この名作へのオマージュも。

 

敵対関係にあった異人種の非行グループの抗争を軸に、恋に落ちてはいけない二人の悲恋、憎しみの連鎖を描いたミュージカル映画です。

 

随分前に見て以来久々に見直しましたが、ダイナミックに踊るシーンの連続に昔は恥ずかしさを覚えましたが、よく見ればストーリーも映像もこだわってるし、音楽も素晴らしいと思えるようになってました。

いやぁいい映画だよこれ。

 

昔夜の公園の野外ステージで、一発芸やれと言われてこの映画のマネしたらバカウケされたのを思い出しました。

 

セブが海辺の桟橋で歌う「City of stars」や、パーティーへ繰り出すミアたちルームメイトがじゃれあいカーテンを体に巻き付けるシーンはこれが元ネタのようです。

非常にカットが似ています。

 

 

 

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これは町山さんの元ネタを聞いてなるほどと。

 

落ち目のスターが、奇抜なアイデアで話題の演出家が手掛ける舞台に挑んだものの大不評。本当にやりたいものを目指し遠征興行を敢行しながら、馬の合わない主演女優と徐々に仲を深めていくお話。

 

自分の型にはまったかつてのスター俳優と若手のエキストラたちと意気投合し、団結していくシーンが大好きです。

そしてあんなに仲の悪かったヒロインに少しづつ思いを寄せていく主人公。

そして成功までを描く過程が正にエンタテインメント。これも面白かった!

 

セブとミアがロスの夜景が見える丘で踊るシーンは、この映画から引用されてるようです。きっと僕らは分かり合える、と夜の公園で主人公とヒロイン2人が踊るシーンに非常に似ています。

 

 

 

まだまだあるぞ小ネタ集。

他にも劇中では「カサブランカ」で使われたものが出てきたり、

「理由なき反抗」のリバイバルを見に行き、実際にグリフィス天文台へ行くシーンがあったり、プールの中でぐるぐる回る映像が「ブギーナイツ」だったり、

プラネタリウムで踊るシーンが「ムーランルージュ」からだったりとオマージュが満載。

 

エンディングに関しても「踊るニューヨーク」や「パリの恋人」といった名作が元ネタとなって描かれています。

 

 

そして、ミアの部屋にはデカデカとイングリッド・バーグマンのポスターがあり、家中に映画のポスターが飾られています。

 

バート・ランカスターのデビュー作「殺人者」、シドニー・ポワチェの「野のユリ」、ボリス・カーロフの「黒猫」、ノーマ・タルマッジの「赤い鳩」、プレストン・スタージェス監督の「結婚五年目」、アルフレッド・ヒッチコック監督の「逃走迷路」など探せばまだまだありそうな小ネタたち。

 

おい!!ミア!!

女優志望なのに随分と好みがマニアック、いやクラシック映画好き過ぎやしねえか!?

おいら一つも知らないぞ・・・。

このネタ探すのにどれだけ苦労したことか・・・。

 

 

さて映画好きな方はいったい幾つ探せるでしょうか。

 

私がこれきっとそうじゃない?って思ったのはワーナースタジオの道を二人歩いてるとき、撮影のため立ち止まるシーン。

あの時撮影してる役者の格好が「パンチドランクラブ」の二人に感じました。

気のせいでしょうか。

 

ミアの部屋以外にもたくさんあるようですので探してみるのもまた楽しみの一つになるかもしれません。

マジすごいあるよこれ。

あれなんだろうってネタがたくさんあるから。映画愛がハンパないわこれ。

 

てか私は全然わかりません!!

 

 

是非ララランド鑑賞後に見て、過去の名作たちを堪能してみてください。

そしてもう一度今作を見ると違った見方ができるかもしれません!

 

 

まとめ

どうも好きすぎると長く書いてしまう癖があり、よくないです。

 

ほんとはもっと音楽についてジャズ中心の音楽なのに、なんであのポップミュージックが!とか、

ジョンレジェンドの曲めちゃくちゃカッケ―じゃん!!正に過去のジャズにこだわらずに未来を見た楽曲だなぁとか、

おいそんなに日本の国産車人気なのかよwwとか、

やっぱりライアンは笑わせてくれるぜ!とか、

車のクラクションが最悪と最高の音を対として使ってることとか、

オープニングの高速道路もラストシーンで対として使われてるとか、

2人の歌とダンス超絶巧いわけじゃないんだけど、その完璧じゃない感じが夢追い人っぽくていいじゃん??みたいなこととかいっぱい書きたいですがこの辺でということで。

 

 

ミュージカルなんかやだ!!

なんて言わずだまされたと思って観てくれ!!

すごいんだよ!

最高なんだよ!!

楽しいんだよ!泣けるんだよ!!

夢見せてくれるんだよ!!!

 

 

 あ、この度シネマイレージカードを「ラ・ラ・ランド」デザインに変更しましたw

どうでもいい報告でしたw

 

 

そして!

第89回アカデミー賞授賞式が27日に幕を開け、監督賞、主演女優賞はじめ6部門を受賞しました。

 

肝心の作品賞ですが、プレゼンターにより発表されスタッフキャスト陣が登壇しスピーチまでしたのに、なんと封筒の渡し間違えという前代未聞の大ハプニング。

 

結果、対抗作品とされていた「ムーンライト」が受賞。

この映画もおもしろうそうなんですが、ララランド絶賛派の一人しては非常に悔しいオチでございました。

 

まさに「夢を見ていた」です・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

というわけで以上!あざっした!!

ちょっと甘いかもですがモンキー的映画のススメ史上初の満足度です!!!

 

 

満足度☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆10/10