ハルチカ
昨今のこの手の映画。注目の俳優やアイドルが10代から好まれてるコミックかなんかをついに実写化!!みたいな感じなんでしょ?と思ってました。
今月期待の映画でも触れましたが、映画ライターのヒナタカさんがゴリ推しだったんですよ。
え?そんなに感動できる映画なの?と。
正直橋本環奈は、彼女が10代のうちにやる作品はなるべく見ようと思ってたこともあり、なけなしの金握りしめていっちょ行ってみっか!!と、重い腰を上げて、いざ鑑賞してまいりました。
作品情報
初野清の青春ミステリ小説「ハルチカ」シリーズを初の映画化。
幼馴染の男女二人が、高校の吹奏楽部の復活に向け動き出す中で、友達以上恋人未満な二人が互いを思いながら助け合い成長していく青春純愛ストーリーです。
さすがの角川だけあって、小説、アニメ、映画とメディミックス展開をしっかり行っています。
ハルチカシリーズ 4冊合本版 『退出ゲーム』?『千年ジュリエット』 (角川文庫)
- 作者: 初野晴
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
- 発売日: 2016/03/25
- メディア: Kindle版
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ハルチカ ~ハルタとチカは青春する~ 第1巻 [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
- 発売日: 2016/03/25
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あらすじ
ちょっぴり頼りないけど気の優しい美男子のハルタ(佐藤勝利)と、真っ直ぐな性格で負けん気の強いチカ(橋本環奈)。
小学校3年生の時にハルタが引っ越してしまうまで幼馴染だった二人が、高校入学式に運命的な再会を果たす。
入学後、ずっとあこがれていた吹奏楽部に入ろうと心に決めていたチカ。しかし、吹奏楽部は廃部寸前の危機だった!大好きなフルートを諦めきれず、チカはホルン経験者のハルタを巻き込んで部員集めに走り回る。
音楽一家で育った芹澤(恒松祐里)、部員をまとめようと奔走する部長の片桐(前田航基)とその彼女わかば(二階堂姫瑠)、野球部で肩を痛めた宮本(平岡拓真)、チャーバソロコンサート入賞の実力を持つ妙子(上白石萌歌)、登校拒否中のカイユ(清水尋也)などワケアリのメンバーたち。
それでも何とか部の復活にこぎ着けたチカたちは、かつては将来を嘱望される指揮者だった顧問の草壁(小出恵介) による指導の下、コンクール出場という一つの目標に向かってひたむきに突き進む。
しかしフルート初心者のチカなかなかみんなに追いつけず、ハルタもまたホルンを続けることに悩んでいた。
それぞれにすれ違う思い。部員たちの不満が爆発しそうになる中、地価の後ろに隠れがちだったハルタに変化の時が訪れる。
さらに二人の関係も動き始め・・・。(HPより抜粋)
監督
監督は市井昌秀。
名前を聞いてもピンとこない。はい調べました。
な~んと「箱入り息子の恋」の方でしたか!!
夏帆の魅力を最大限に引き出した方じゃないですか!!
そして星野源のパブリックイメージの原点ともいえるあの役柄。
そうかこの人かぁ。
てことは橋本環奈の魅力を最大限に引き出し、勝利君はこの役のイメージが定着されるのかな。
てかこの人元髭男爵のメンバーだったみたいです。
なんかテレビでも言ってたような気がする。
さて監督がどんな作品を手掛けてきたのかというと、上にも書いた通り、女性経験のない真面目で内気な35歳の男と、目の不自由な女が、見合いを期に両親の反対を押し切って惹かれあっていく様をユーモアを交えながら描いた純愛ラブストーリー「箱入り息子の恋」や、
性格正反対の二人の運命の恋の山あり谷ありな行方を描いた「僕らのごはんは明日で待ってる」などがあります。
「逃げ恥」好きは必見!とにかく夏帆の清純さが抜群にでています。
キャスト
上条春太(ハルタ)(佐藤勝利《SexyZone》)
【担当:ホルン】
弱気で頼りない性格だが、頭脳明晰にして超美形のモテ男。
高校入学式で幼馴染のチカと再会を果たす。ホルン経験者で、チカに強引に誘われ吹奏楽部に入部する。
ご存じ、マイルドをワイルドにしちゃうことで君にHITOMEBORE!な、アイドルのチャチャチャチャンピオ~ン「SexyZone」の一員。
今回が映画初出演にして初主演という抜擢。
きっと飯島さんがとってきた仕事なんだろうな。ファンの方すいません。
穂村千夏(チカ)(橋本環奈)
【担当:フルート】
真っ直ぐな性格で負けん気の強い女子高生。
高校入学を機に、憧れのフルートを吹くため吹奏楽部に入ることを決意する。
所属していたアイドルグループRev.fromDVLが解散、今後は単独での活動をしていいくことになった天使過ぎるアイドル。
激務が続いてるのか成長期だからなのかぷにぷに加減が増してきてる気がするんですが心身ともに大丈夫か?目のクマも気になるし。ここが正念場ですぞ。
お願いだから出家とかしないでねw
彼女の作品は去年の「セーラー服と機関銃」以来になります。
演技経験の少ないアイドルだから、うぶな感じがいいのに、余計な演技指導受けちゃったもんだから、そこそこうまい演技に設定がブレブレで監督のバカ!と。ティーって連呼してる奴必要あった?
こちらもどうぞ。
他のキャストに、天才的な演奏をするクラリネット担当・芹澤直子役に出演作「サクラダリセット」公開が控える恒松祐里。
登校拒否のパーカッション担当・桧山界雄役に、「ちはやふる」の清水尋也、吹奏楽部部長のトランペット担当・片桐誠治役に、「まえだまえだ」の兄の方、ワイドナショーのある意味準レギュラー前田航基。
元野球部のアルトサックス担当・宮本恭二役に、「中学生円山」の平岡拓真。
ソロコンテスト入賞者のチューバ担当・米沢妙子役に、「君の名は。」の三葉の声をした上白石萌音の妹、上白石萌歌(でけえ声でCHARA歌ってるCMの子ね)。
部長の彼女でオーボエ担当・野口わかば役に、「エイプリルフールズ」の二階堂姫瑠。
吹奏楽部の復活に条件を付ける校長役に、ナイスボイスのバーコードハゲ志賀廣太郎。
将来指揮者を目指した吹奏楽部顧問・草壁信二郎役を、「愚行録」での野心的な男を演じた小出恵介が出演しています。
新しい春を迎える新入生にピッタリかもしれない、吹キュン純愛ムービー。
果たして吹奏楽部はどうなっていくのか、そして二人の恋の行方は?
ここから鑑賞後の感想です!!!
感想
グランドフィナーレですべてが報われる!!悩める十代よ、上を向いて歩こう!!
以下、核心に触れずネタバレします。
正直退屈ではあった。
今回敬愛してやまない方の絶賛ツイートに感化され鑑賞してきたわけですが、ものすごく素晴らしい映画だった!!・・・というほどまで満足できなかったのが率直な感想。
もちろん青春映画の題材にふさわしく、部活動を通じて仲間との絆がどれほど素晴らしく美しいかを描いた良い映画だったんだですが、いささか駆け足で事が運ばれ、主人公2人以外の人物を深掘りできていなかった。
それ以前に私は「セーラー服と機関銃」でのドスを効かせ、啖呵を切るSっ気たっぷりの橋本環奈に若干引いていたこともあり、開始早々チカがハルタにかます数々のキックパンチ&ボディブローを見た瞬間、興醒めしてしまったわけで・・・。
そもそも橋本環奈自身にSな部分が感じられないのだ。
一生懸命演じているんだろうけど、先入観は否めない。
ちょっと悪い口調も普段使ってないんだろうなというのも感じたし、この時点でこの作品の世界に入り込めなかったのであります。
部員集めもなかなか。
とはいうものの、前半は部員集めというある意味「マグ二フィセント・セブン」のような流れの中で、チカの後ろで髪の毛をぐりぐり回しながらハルタのひとり推理ショーが始まり、なかなか吹奏楽部に入ってくれない子たちの悩みや躊躇している理由を解決し、仲間を増やしてく。
この件はワクワクしましたね。
何を急に考え込んでんだハルタ!とおもったらそういうことかと。
ただやはり一人一人やっていくもんだから、少々くどい。
一生懸命にビラ配りしている姿を見て、部長とその彼女と初心者の女の子が入部、野球をケガで続けられなくなり、やり場のない怒りを持っていた宮本を、チカが過去の自分と似ていることで距離を縮め入部、ハルタの推理のおかげで、突然チューバを辞め彼氏に夢中な米沢さんを復帰させる。
ここまでで既にお腹一杯。
やはり仲間集めは7人揃ったら本筋行けよって余計なことを考えてしまう。
そして吹奏楽部に欠かせないクラリネット担当とパーカッション担当を説得するわけだけど、ここではかなりミステリー要素が強くなる。
1週間前突然席替えを希望し孤立した芹澤さん。
なぜ彼女はそんな突飛な行動をしたのか。
加えて吹奏楽部の精神的支柱だったカイユの突然の登校拒否。
学校行かないで何やってるかと思ったらFM放送でジジババをゲストに放送事故ギリギリのラジオ番組。
なぜ彼の前に老人たちがいるのか。
なぜ突然部活動も辞め、学校に来なくなってしまったのか。
この2人の行動をハルタの明晰な頭脳で推理し解決するわけです。
確かに、ここまでの部員集めで深く人物像を掘らずとも、何に悩んでいるのか、キャラ的にはどういう人物なのかは理解できるのですが、揃ったら揃ったで部活動開始かと思いきやぞろぞろ部員が入ってくる流れに少々困惑。
結局16人もいるじゃねえか!
それならやっぱり7人揃ってあとは省略でいいんじゃね?
後半はハルチカコンビの苦悩
でもここから少しづついい味出してくるんです。
なんてったって人一倍吹奏楽部の復活に情熱を注いだチカがフルート初心者という事実。
先生が作った曲でコンクール金賞目指して練習を重ねるわけですが、チカのソロパートだけは何度言ってもうまくいかない。
結果彼女だけ個人練習をさせられ練習は一時中断。
その間、残った部員たちのフラストレーションが爆発するシーンが凄かった!
カメラを教室の入り口辺りから部員たちのやり取りを固定で写してるんですが、これちゃんとリハとかやったのかなぁ。もしかしたら大筋だけ決めて、後は流れというか即興でやったように見えました。
チカを信じて待つしかない
➡練習増やそう
➡土日は塾があるから参加できない
➡やる気がないならやめちまえ
➡じゃあ帰る
➡チカ含め1年は実力不足だから仕方ない
➡パートリーダーはちゃんと教えてるのか
➡金管パートは黙っとけ
➡リズム隊は黙っとけ
➡木管パートはちゃんとしろ
➡部長キレる
➡吹奏楽部荒れる
➡ハルタ決め台詞。
この一連の流れを終始名が回しカメラ固定で映すというシーン。
食い入るように見てしまいました。
カイユが部を離れたのをきっかけに自然消滅していった吹奏楽部。
1人が欠ける事でこんなにもバランスを失ってしまうのか。
音楽をやる上で必要のないパートなどいない。
皆が皆を補い支えるからハーモニーは生まれるのだ。
それぞれが目標を喪失し、輝かしい学校生活を送れていなかった。
それを一つにまとめてくれたチカの存在の大きさに改めて気づく部員たち。
だから彼女がこの問題を乗り越えるまで見守ろう。
部員たちが一つになろうとし始めた象徴的なシーンでした。
そしてハルタも苦悩していた。
高校に入学したら学業に専念する。
両親との約束を守りながらも本当にやりたかったのはホルンだった。
学年で1位になるほどの秀才は勉強と部活の両立に無理がたたり、過労で倒れてしまう。
ここで看病する先生のセリフがまぁ素敵で。
「君たちがこれから経験する世界は美しい。しかし様々な問題や不条理なことに直面するだろう。でもそんな時は顔を少し上に上げてほしい。仲間たちがいることに気付いてほしい。」
この吹奏楽部の面々は、正に問題を抱えながら学校生活を送っていたけど、仲間がいたからこそ吹奏楽部に戻ってこれた。
それを象徴する言葉でしたね。
ラストは圧巻。
この後のラストの大団円までは非常によくできていました。
バラバラになりかけた吹奏楽部は、チカが問題を乗り越えたことで一つにまとまっていく。コンクール前日。先生が書いた楽譜に記された言葉を部員たちは目にし、先生の思いを受け取る。
ソロは一人という意味じゃない!っていう言葉はグッときました。
そしていよいよ本番。
はい!!ここからが素晴らしいのです!!
これまでの些細なセリフや言動や行動が伏線となり、ラストの演奏がめちゃくちゃ楽しく泣けるんです!
屋上での一言が、音楽室での一言が、バスの中での立ち位置が、楽譜に書いてあったアドバイスが、先生の言葉が。
誰ですか!!最初正直退屈だったとか書いてた人は!!俺だ!!
音楽って素晴らしい!
仲間って素晴らしい!!
美しい世界とはこのことだったのか!!
ありがとう先生!!
そんなことを感じさせてくれる感動のシーンが待っています!
もう具体的に書くと核心に触れてしまうので書けませんが、このラストシーンだけは最高だった!
本当に序盤からの積み重ねを丁寧に深く掘っていてくれたらこのラストがもっと良かったのに!というのが悔やまれます!
言い過ぎかもしれませんが、このシーンに関しては「ラ・ラ・ランド」のラストシーンと同等のレベルかもしれない。
言い過ぎじゃないです。
ただ、個人的には特に前半部分がノれなかったのでほんと悔しい。
さっきから同じことばっか言ってるなw
最後に
この映画に関して絶賛しているヒナタカさんのレビューを貼っておきますので、面白かった!と思った方、また実はこの映画気になってるけどこいつの感想じゃ全然役に立たねえよ!と思った方は是非彼のレビューを読んで映画館に足を運んでもらえたらと思います。
『ハルチカ』音楽映画史上、最高のクライマックス!(ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)
いやしかし仕事後に映画見て深夜に感想書くのしんどい。頭が回らん。
というわけで以上!あざっした!!
満足度☆☆☆☆☆★★★★★5/10