モンキー的映画のススメ

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主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

映画「SING/シング」感想ネタバレあり解説 キャラたちが歌で人生を変える!

SING/シング

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ミニオンズ」スタッフ最新作と言われてもですね、一度も見たことないんですよミニオン

だってかわいくないんだもの。

そんな食わず嫌いから始まったミニオンズスタッフ製作映画への拒絶もこの映画でオサラバします。

 弱いんですよ、歌を歌うことで何かから抜け出そうとするこの手の物語

それが実写だろうがアニメだろうが関係ない。

単純に面白そーじゃねえか!ということで早速見てまいりました。

 

 

 

 

 

 

作品情報

怪盗グルーの月泥棒」を機に、人気キャラクターとなったミニオンで一躍人気となったイルミネーション・エンターテインメントが贈る新たな作品は、レディ・ガガビートルズなど誰もが聞いたことのあるヒットソングをふんだんに取り入れた、歌の力で人生を変えようと一念発起する人たちの群集劇アニメーションです。

 

シング-オリジナル・サウンドトラック

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  • アーティスト: サントラ,長澤まさみ,大橋卓弥,山寺宏一
  • 出版社/メーカー: Universal Music =music=
  • 発売日: 2017/03/15
  • メディア: CD
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あらすじ

動物だけが暮らすどこか人間世界と似た世界。

かつては栄えていたにもかかわらず、今や客足は途絶え、取り壊し寸前の劇場支配人であるコアラのバスター・ムーン(声:マシュー・マコノヒー/内村光良)。そんな彼は根っからの楽天家で自分の劇場を何よりも愛し、劇場を守るためなら何でもやると決心 、最後のチャンスとして世界最高の歌のオーディションを開催すす。

当日、会場に集まってきたのは個性あふれる動物たち。

貪欲で高慢な自己チューのハツカネズミのマイク(声:セス・マクファーレン/山寺宏一)、ステージに上がることに恐怖心を持つ内気なティーンエイジャー、象のミーナ(声:トリー・ケリー/MISIA)、225匹の子ブタたちの育児に追われる主婦のロジータ(声:リース・ウィザースプーン/坂本真綾)、ギャングファミリーを抜け出し歌手を夢見るゴリラのジョニー(声:タロン・エガートン/大橋卓弥)、横柄な彼氏を捨ててソロになるべきか葛藤するパンクロッカー、ヤマアラシのアッシュ(声:スカーレット・ヨハンソン/長澤まさみ)、常にパーティ気分の陽気なブタ、グンター(声:ニック・クロール/斎藤司)・・・。

人生を変えるチャンスをつかむため、5名の候補枠をめぐり動物たちが熱唱、それぞれの歌を披露する・・・。(Movie Walkerより抜粋)

 

youtu.be

 

 

 

 

 

 

監督

監督はガース・ジェニングス

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名前は聞いたことない方だったんですが、過去に鑑賞した作品がコメディ色の強い作品だったので、今回の抜擢も納得な感じ。

とにかく楽しく見せてくれることでしょう。

一つ不安なのは今回アニメ映画初なんだよなぁ。

 

ミュージックビデオで活躍し、映画界に乗り出します。

最初は、宇宙人に地球破壊され、最後の一人となってしまった男がガイドブック片手に奇想天外な宇宙の旅に出るSFアドベンチャーコメディ「銀河ヒッチハイク・ガイド」」長編映画デビューします。

 

その後、厳格な家庭に育った少年が悪ガキの家で偶然鑑賞した「ランボー」に強い衝撃を受け、手作りの自主映画製作に没頭していく中で友情を育んでいく「リトル・ランボーズ」を手掛けています。

 

リトル・ランボーズ [DVD]

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 意外と掘り出し物です。ベタな話ですが、あんなに「ランボー」に感化される子供にはにかみ、ラストはじわっと涙を誘う良作です。

 

 

 

 

 

キャラクター紹介

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バスター・ムーン(声:マシュー・マコノヒー/内村光良)

客足が遠のき、倒産寸前のオンボロ劇場の支配人。

愛する劇場を再生させようと心に決めている。

ショーへの情熱と超楽観的思考で回りを巻き込み、墓穴を掘ることもしばしば。(HPより)

 楽観的思考だから劇場がつぶれかけてるのに果たして情熱だけで復活できるんでしょうか。

 

 

ミーナ(声トリー・ケリー/MISIA)

内気で極度のあがり症なティーンエイジャーのゾウ。

パワフルな歌声を内に秘めている。

オーディションで失敗し、劇場のステージクルーとして働くことになるが・・・。(HPより)

ラストですんごい歌声が待っているんでしょう、きっと。吹替がミーシャってのが意外。

 

 

 

アッシュ(スカーレット・ヨハンソン/長澤まさみ)

失恋したてのヤマアラシで、パンクロックを愛する少女。

ロック・ソングを書き下ろしたいと思っているが、ポップシンガーにしたいバスターと衝突する。(HPより)

かすれた声で歌うスカヨハも聞きたいし、叫ぶ長澤まさみも良さげ。

 

 

 

ジョニー(声:タロン・エガートン/大橋卓弥〈スキマスイッチ〉)

ロンドンの下町出身のゴリラ。

美しい歌声と音楽への熱い情熱を持ち、シンガーになりたいと思っているが、ギャング集団のボスである父親に言い出せず、ひそかにオーディションに参加する。(HPより)

ロンドン出身ということでタロン君なんでしょうね。歌うまそうだなぁ。

 

 

 

グンター(ニック・クロール/齋藤司〈トレンディエンジェル〉)

陽気なシンガー兼ダンサー。

ペアを組むことになったロジータの、歌の素質を即座に見出し、彼女の才能を引き出すことを自らの使命としている。 (HPより)

 SNSで批判の嵐だった、トレエン齋藤のギャグが邪魔してしまうのか否か。

 

 

 

 

マイク(セス・マクファーレン/山寺宏一)

欲張りで自己中心的なジャズ・ミュージシャンのネズミ。

特技はフランク・シナトラのように歌うこと。

 お金、権力、そして派手なモノが大好物。(HPより)

 きっとマイクから往年の名曲が聴けることでしょう。セスの歌声聴きたいなぁ。山ちゃんもいいんだろうけど。

 

 

 

ロジータ(リース・ウィザースプーン/坂本真綾)

家事と25匹の子ブタたちの世話に追われる専業主婦。

歌への熱い思いを胸に抱き、母親でも妻でもない“自分”を取り戻したいと思っている。 

 久々にリースの名前を聞いた気がする。彼女の歌も楽しみ。

 

 

 

 

 

他のキャラクターはこんな感じ。

 バスターに献身的なトカゲ、ミス・クローリー(ガース・ジェニングス/田中真弓)。

過保護に育てられたヒツジ、エディ(ジョン・C・ライリー/宮野真守)。

エディの気難しいお祖母さん、ナナ・ヌードルマン(ジェニファー・ソーンダース/ジェニファー・ハドソン/大地真央)。

 

まだまだいますが後は省略!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

豪華ハリウッドスターが、そして豪華な日本の吹替陣が超メジャーヒット曲でどんな物語を描いてくれるのか。

ここから鑑賞後の感想です!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

感想

ヒット曲のオンパレード!!やっぱり歌っていいよね!でも話が凡庸すぎるよね!!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

歌は素晴らしい。

今回字幕版での鑑賞。どうしても長澤まさみが歌うコールミーベイベーとオリジナル曲「set it alll free」が聞きたかったのですが、やはり洋楽を吹替えで聞くというのは、楽しさが半減してしまうんではないかという判断の下、字幕一択で挑みました。

 

どうしてもイルミネーションエンタテインメント製作のアニメは子供向けのイメージがあり、今回もそれは大いに感じたわけで、話が全くといっていいほど深みがなく、キャラクターが日々の中で抱えていた問題を、いとも簡単に歌で解消してしまうのと、それに対して歌が活きてこないように見せている感じがして非常にもったいないと。

 

 

まぁ話の面は後に書くとして、とにかく65曲もの素晴らしいヒットチューンをこれでもか!と放り込んでくる部分は、まさにタイトルのごとくSING!さぁ歌おう!!と歌が持つ力を改めて感じさせてくれた、そんな印象を受けました。

 

 

なんてったって冒頭からビートルズのゴールデンスランバーを壮大なゴスペル風アレンジで聞かせたかと思えば、ビヨンセケイティ・ペリー、レディ・ガガ、ニッキー・ミナージュテイラー・スウィフトといった現在のアメリカンポップスを牽引するディーヴァたちを小出しに出しながら、ヴァン・ヘイレンバナナラマクイーンワム!などの80'sポップスもきちんと用意されるご丁寧さ。

 

クラシックやオペラも取り入れていたり、ボサノヴァやフラメンコ、ヒップホップと多種多様な音楽が盛りだくさんなラインナップは、どの世代が見ても懐かしむことができたり、知らない間にリズムに乗って体が動いたりと、音楽で楽しませてくれることに関しては非常にすぐれた作品だったのではないでしょうか。

 

 

特にラスト、満を持してのショーは素晴らしかった。

選ばれた5組のシンガーが、それぞれの葛藤を乗り越えてステージに立ち、渾身の1曲をパフォーマンスする姿、そして歌は感動ものでありました。

 

家事に翻弄され毎日に嫌気が指していたロジータが、家事をしながら突如変身しグンターと共に、私はただ踊って踊って踊りまくるの!と、テイラー・スウィフトの「Shake it off」を歌いながら、内に秘めた自分が覚醒していくパフォーマンスに、ロジータの子供たち同様お母さんスゲーーーってなる。

 

そのあとステージに立った、ジョニーがピアノを演奏しながら、僕はしっかりとここに立ってる、自分の足でしっかりと、と力強く歌うエルトン・ジョンの「I'm still standing」は、モータウンビートのリズムに合わせて手拍子したくなる、上がりまくりの歌だった。

 

 

続いて登場する傲慢なネズミのくせに、めちゃめちゃしゃくりをいれ、ためて歌うムーディー勝山改めムーディーマイクの「My Way」は少々トラブルがありながらも結果オーライな感じで拍手喝さい。

てか、お前の人生まさにマイウェイじゃねーかw

こればっかりは声を演じたセス・マクファーレンの新たな一面が見れていい収穫。

 

その後のパンクロッカー、アッシュがロックがポップスかどちらを謳うか悩んだ結果、オリジナルソングで挑み、足で手拍子を誘い、サビでギター爆音!わおっ!!ロック!しかもギターソロでライトハンド!!

パンクじゃねーじゃんww

 

そして彼に対して嫌味をこめて私を自由にさせてくれたと高らかに歌い上げるその姿!!

ふっきれたねぇ~!

 

 

そしてトリを務める内気で引っ込み思案なゾウのミーナが、もう悩まない、くよくよしないと誓いながら歌ったスティービー・ワンダーの「Don't you worry 'bout a thing」を何オクターブあんだよ!!と突っ込みたくなるほど高音域までパワフルに歌い上げ、見事舞台をぶっ壊す圧倒的な歌を披露し、この作品で一番の盛り上がりを見せてくれました。

 

 

皆がそれぞれ舞台に立ち歌うことで、今までのことから解放され人生のスポットライトを浴びる瞬間は、見てるこちら側も何か勇気をもらえそうな、そんなショーを見せられた気がします。

 

 

でも話は普通。

ここまでラストのショーが良かったのに、そこまでの過程がうまく運べてなかったのが非常にもったいないと感じました。

 

感想の冒頭でも書きましたが、それぞれのキャラが抱えた問題をどう解決していくか、それを経ての歌という点において弱い。

大きなカタルシスは感じなかった。

 

確かに、どんどん早回しでいこうぜとバスターが序盤のオーディションで言ってた通り、物語のそういう部分は今回深掘りしないぜ!とにかく歌をみんなに聞いてもらって素晴らしいショーにしようぜ!っていう内容でも問題はない。

 

キャラのドラマに比重を置かないことでたくさんの曲を届けることができる、そちらの方に重点を置いたのだと思う。

 

ただそれでは個人的には満足できなかった。

 

 

人前で歌っていた自分にとって、ミーナのように引っ込み思案で内気な部分なんか舞台の上に立って歌っただけで克服できないってわかってるし、ジョニーも息子を使って悪だくみをしてたような親父が、息子がトチッたせいで刑務所にぶち込まれ、縁を切るとまで言ってたのに、息子の歌を聞いただけで脱獄してまで会いに行って詫びるってのもいささか強引すぎる。

 

ロジータに至っても、歌って踊ることの喜びを感じ、見事家族から信頼の眼差しを贈られることになるけど、あれだけ妻をテキトーに褒めて仕事の疲れで何も家のことをしない夫がコロッと惚れ直すのもドラマがないというか。

 

マイクに至っては性格も変わんねえし、問題も片付いてねえし。とりあえず女はゲットしたってことはプラスなんですかね。

 

 

そしてバスター、おまえはなぜ歌のコンテストをやろうと思ったんだ?それこそ思い立ったがなんとやらなのか?と冒頭から疑問に思うほど。

 

やはり楽観的な考えだからなのか、彼も成長はしていない。たまさかでことがうまくいっただけ、そんな印象。

 

でも、作中でショーマン魂を見せつける部分や、オーディションを受けに来た人たちの潜在的な何かを見つけることができる、いい眼を持っていたし、エンターテインメントをわかっているなぁという演出面も、結果的には失敗に終わったものの、秘めた才能は見せていて、その才能がもっと光ることで終わってほしかったなぁと。

 

 

ゴールデンスランバー

ビートルズのアビーロードに収録されている「ゴールデンスランバー」。

この曲は最初と最後に作品の中で流れます。

 

残念なことに権利上の問題だからか、唯一歌詞が表示されないという非常にもったいない扱いになっていました。

 

❝かつて故郷へと続く道があった、家へと続く道があった、黄金のまどろみがお前の瞳を満たし、ほほ笑みがお前を覚ます、泣かないで、子守唄を歌ってあげよう❞

 

そんな内容の歌なのですが、バスターにとって劇場はまさに家であり、輝かしい栄光の時であり。あの時の華やかで活気のある劇場に常に帰りたかったのでしょう。

 

冒頭でこの歌が流れた後、現在の劇場は銀行に追われ、ギャラも払えない貧乏劇場と化していたわけで。

 

ラストでもこの歌が流れたことで、あの時の華やかで活気あふれる劇場に帰れるという流れが生まれ、感動を煽ります。

 

強引に絡めますが、この歌と同タイトルで物語に重要な意味を持つ、堺雅人主演のサスペンス映画「ゴールデンスランバー」は個人的に好きな作品でもあり、この歌の意味を改めて思い知らされた、とてもいい映画でした。

 

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まとめ 

もう冒頭で怪盗グルーとミニオンたちが出てきて今夏の新作番宣してくるし、エンディングでは「SING/シング」続編製作決定のニュース、そして吹替え版も見てねという宣伝と、とにかくこの作品を当てたいという配給側の目論みが散りばめられていて、ちょっとゲンナリ。

 

しかも日本版だけ吹き替えありらしく、ユニバーサルミュージック所属のきゃり~ぱみゅぱみゅの楽曲も使われているという点から、日本は稼げると思われてるんだろうなぁと。

 

そんな宣伝に足を引っ張るような感想になってしまいましたが、音楽が素晴らしい映画なんてもっとたくさんありますし、そういう映画に興味を持つ登竜門になる作品になってくれたらとは思います。

 

てか、カエルとケガしたラクダみてぇなやつどうなったん?

あとスティービーとアリアナグランデのデュエット曲最高!!

というわけで以上!あざっした!!

 

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満足度☆☆☆☆★★★★★★4/10