モンキー的映画のススメ

モンキー的映画のススメ

主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

映画「キングアーサー聖剣無双(2017)」感想ネタバレあり解説 良くも悪くもガイリッチー。

キングアーサー

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史劇ってどうも得意じゃないんです。

何故なのかはわからないんですが、おそらく一番知識がない時代の話だからなのかと。

 

でもですよ、ドラクエ大好きな自分としては、元ネタが中世ヨーロッパの話だったりすることがあるから、実は身近だったりするんですよね。

 今作は正にRPGゲームの元ネタにされることが多いアーサー王伝説を、ゴリゴリの男くさいアクション映画にした作品の登場です。

 

ほんとはこれサブタイトルに「聖剣無双」ってサブタイトルがついてたんですけど、登録商標に引っかかったかなんかで、消されてしまったんですよね。

 

これきっかけでちょっと見てみたいなんて同僚がいたからすごく残念なんですけども。

とにかく、そんな無双モードのバトルを期待して見てまいりました。

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

貧困街で暮らすかつての王の息子が、謀反を起こし王の座を奪った父の弟に立ち向かう「アーサー王伝説」の誕生秘話を題材に、肉体派、演技派といったイギリスを代表する俳優、監督が集結し、どん底から這い上がっていく、下剋上アクションエンタテインメントに仕上げた1作。

 

スローモーションを巧みに使用するアクションがウリの監督が、圧倒的なスケールと斬新なソードアクションを描いていきます。

 

アーサー王物語

アーサー王物語

 

 

 

 

あらすじ

スラムのガキから、王になれ!!

 路地裏で育った貧しい1人の青年。

まだ自分の偉大な宿命に気付いていないその青年の名はアーサー(チャーリー・ハナム)。

王の子でありながら、スラムで生きることを強いられた彼は、聖剣“エクスカリバー”を手に入れると、仲間と共に、両親の命を奪った暴君ヴォーティガン(ジュード・ロウ)に反旗を翻す。

イングランドの王となることを運命付けられたアーサーは、やがて救世主として後世に語り継がれる伝説の男“キング・アーサー”へと成長していく……。(MovieWalkerより抜粋)

 

 

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監督

監督はガイ・リッチー

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彼といえば、「スナッチ」、「シャーロックホームズ」などが有名ですが、私のお気に入りは何といっても、「ロック。ストック&トゥー・スモーキング、バレルズ」。

 

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悪友4人組が、悪いやつらのイカサマポーカーによってぶんどられた金を奪い返すため、ギャングや マフィア、殺し屋などを巻き込んで繰り広げられる群像劇をおユーモア且つスタイリッシュに描いた青春クライムムービー。

 

男ならまずはこれを観とけってくらい、映画にハマッた奴には必ず進める作品。(俺が持ってるからなんだけどw)

 

00年代を代表するTVドラマ「木更津キャッツアイ」が好きならまずハマるし、クドカン絶対これやりたかっただけだろ!と思うほど似てます。

 

表ではこんなことになってるけど、裏ではこんなことになってました的な展開を、巧妙に見せることで、謎解き感覚もあるし、予測不可能で進んでいき、結果的にはタナボタっぽく終わるのもまた最高。彼の作品ではおなじみのテンポのいい演出や音楽もカッコイイ。

 

また舞台がロンドンの下町というのも、また雰囲気が出てていいんですよね。

個人的に大好きな作品です。

 

彼に関してはこちらもどうぞ。

 

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キャスト

主人公の青年アーサーを演じるのは、チャーリー・ハナム。

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チャーリーといえば、これを語らずに何を語れというのか。

その作品は「パシフィック・リム」!!!

 

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 彼を一躍スターダムにのし上げた作品であり、アメリカ以上に日本の男子によって盛りに盛り上がった、地球を怪獣から守るためにロボットが立ち上がる、超SFアクションエンタテインメント作品であります。

 

※チャーリー・ハナムを一躍スターダムにのし上げた作品はこれではなく、架空の街で違法武器の売買をするバイカー集団を描いた「サンズ・オブ・アナーキー」というTVドラマだそうです。これは知らなかった!このドラマを経ての抜擢だったようです。ご指摘を受けたので追記いたしました。 

 

この中で、チャーリーは主人公ローリーを演じ、天才パイロットでありながら同パイロットの兄を亡くしたことで失意のどん底に陥り、その日暮らしをしていたが、長官に再び呼び戻され、地球を救うべく、かつて乗っていたジプシーデンジャーに乗り込むといった役どころ。

 

これといった特徴ある演技はないにしろ、アクションはきちんとこなすし、なんといってもこの顔ですよね。イケメン顔。

本作でも髭を生やしてサイドを刈り上げた髪型が似合ってます。

人気になってほしいなぁ。

 

彼はほかにも、「トゥモローワールド」や「クリムゾンピーク」など、イギリス製作映画や、パシリムつながりでギレルモ・デル・トロ監督作品に出演するなどしてキャリアを重ねています。

 

 こちらもどうぞ。

 

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アーサーの父を殺した暴君ヴォーティガンを演じるのはジュード・ロウ。

 

もう頭髪の後退っぷりが隠せない状況ですが、それでも顔はイケメンであります

PEPSIの日本版CMに登場したりして話題になりましたね。

 

ガイ・リッチー監督作品には、「シャーロック・ホームズ」でのワトソン役として既に出演済み。

 

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コナン・ドイルの有名ミステリー小説 を、そのまま映画化しても味気ない、だったら豪快なアクション映画にしちゃおうぜ!と、きっと監督は考えたに違いない。

 

ミステリーとアクションを組み合わせたことで、ガイリッチー色の強い作品へと変貌したこの映画。この映画でジュードロウはホームズの助手で、医者のワトソンを好演しています。

 

なんといってもホームズ役のロバートダウニーJr,との掛け合いが、非常に面白く、憎まれ口叩きながらもホームズのとこが心配で仕方ない,、Sっ気のあるワトソンという新たなイメージ像を作り出しています。

 

 

他にも、ジュード・ロウ作品て面白いのいっぱいあるんですよね。

ガタカ」とか「サイド・エフェクト」、「スカイ・キャプテン」とかが個人的にはお気に入りです。

 

 

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他のキャストはこんな感じ。

魔術師メイジ役に、「パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉」に出演していたアストリット・ベルジュ=フリスベ

ベディヴィア役に、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」、「ワイルド・スピード SKY MISSION」に出演していたジャイモン・フンスー

ビル役に、「シング・ストリート」でコナーのお父さん役だったエイダン・ギレン

アーサーの父、ユーサー王役に、「スタートレック」、「ブラックホークダウン」のエリック・バナが演じます。

 

 

 

 

 

 

 

 

ガイリッチーが手がけるアーサー王伝説は、一体どんな内容なのか。話よりも、そのアクション描写に注目したいところ。

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

 

感想

う~ん男くさい!!アドレナリン全開のアクションと、ガイリッチーお得意の演出にワクワクすっぞ!!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

良くも悪くもガイリッチー。

アーサー王伝説を監督が独自解釈し超娯楽アクションへと仕上げた今作は、自分の家族を犠牲にしてでも権力に執着した叔父ヴォーティガンを倒すべく、敵を作るより仲間を作ることをモットーにスラム街で頭と体を使って成長したアーサーが、過去の忌まわしい記憶を少しずつ受け入れながら、剣士として、そして王の風格を覚醒していく下剋上アクション物語でした。

 

これを普通の監督ならリアリティある物語に仕上げていくんでしょうが、ガイリッチーはそうはいかない。

クセがすごいんじゃ!!

 

 

冒頭から超巨大象の出現で、父ユ―サーの持つ聖剣エクスカリバーがどれだけすごい威力なのかを見せつけるため、繰り広げられるモルドレッド卿率いる軍隊との攻防戦。

 

もういきなりリアリティのかけらもありません。

なんてたって象がでかい!!

 

ユ―サーのアクロバテッィクなジャンプといい、モルドレッドの不気味さといい、史劇にしてはファンタジー色が凄いです。

 

 

そして!

タイトルロールが出たら、少年アーサーがスラム街で成長していく様をドンドコドンドコなBGMに乗せて、超早送りwww

お~い!!いきなりダイジェストですか!?ええ?

一気に20年くらい過ぎてったんじゃない?

 

まぁアーサーがどうやってワイルドでマッチョでスラムで幅をきかせていくかがすごく分かりやすいんですが、個人的には笑ってしまい、オープニングのあの迫力からのギャップに拍子抜けしてしまいました。

 

 

そうです、ガイリッチーはこういう演出をよくする人なのです。

早送り、スローモーション、ストップモーション。

今作もテンコ盛り盛りMAXで、この物語を面白く演出してくれています。

 

 

そして忘れちゃいけない、話の最中での回想シーン。

真の王の噂が街中で広まっている中、兵士たちがアーサーの存在を嗅ぎ付けるんですが、お前なんかした?とアーサーに尋ねる知り合い。

 

アーサーは、ヴォーティガンの息のかかった奴が、自分が住んでる売春宿の売春婦を痛めつけたことに腹を立て、問い詰め懲らしめたことで所在がばれてしまうんですが、最初にざっくり説明します。

 

いやいや、そんな要約するな!

ちゃんと順序立てて話せ!

大事なことなんだから!

と、せっつかれ、順序良く話します。

 

 

このやり取りの中で回想シーンが流れるわけです。

ざっくり話すときはざっくりとみせ順序良く話はじめると、テンポよく進む。

 

で、アーサーが話を脱線するんですけど、そこもちゃ~んと回想シーンで見せてくれる。

 

ぶっちゃけここいらないんですよwww

そこそんなに時間割いてやる件か!?と。

 

きっとこう思う方も多いと思いますが、これもガイリッチー特有の演出なのです。

過去作でもさんざんやってますw

 

きっと彼を支持する人たちはこういう無駄なシーンが好きなんでしょうね。

もち!俺も好きです!

このシーンニヤニヤしながら見てましたから。

まーた始まったwwみたいな。

 

 

ちなみにこの後、作戦会議、作戦実行時にもこういう監督特有の演出がたくさん出てきますのでお楽しみに。

 

 

 

アクションが斬新!

当初サブタイトルについていた「聖剣無双」。

劇中では、その無双っぷりに鳥肌が立つことでしょう。

 

 

アーサーがエクスカリバーを抜いた瞬間、毎晩夢でうなされていた、子供の頃の微かな記憶の続きが飛び込んできます。

それを瞬時に拒んでしまうことで失神してしまうアーサー。

 

彼がエクスカリバーを使いこなすには、子供の頃に見た記憶を受け入れなければいけないのでした。

 

一方町では、真の王が登場したことに希望を持ちはじめ、不満が募っていたヴォーティガンのやり方に対し、暴動が起き始めます。

 

中々覚醒できないままヴォーティガンを倒すべく作戦を実行。

しかし、昔からつかっていた道場で兵士たちに囲まれてしまいます。

アーサーは唯一逃げられる川へと続く穴へ誘導しますが、みんなは逃げようとしません。

どうして?

みんな命が惜しくないのか?

 

 

彼らは死ぬ気でした。

真の王が現れたことで戦う気になったのです。

アーサーの中でみんなを守りたいという感情が芽生えます。

 

その時、魔術師メイジが兵士に捕らえられてしまいます。

それを目にした瞬間、両手で持ったエクスカリバーに刻まれた文字が光り輝きだし、アーサーの瞳が緑色に輝く。

 

するとどうでしょう!!

 

突然砂埃が舞い、片っ端から豪快に敵を倒していくではありませんか!!

 

もうアレです、ドラクエで言ったらギガスラッシュ並みです。いやギガブレイクか。

 

一人一人を小刻みに斬っていくのではなく、大ナタを振って敵をなぎ倒すようなそんな感じでしょうか。

 

きっとこのシーンから聖剣無双というネーミングを思いついたのではないでしょうか。

 

このシーンに関しては覚醒の瞬間を描きたかったのかわずかでしたが、クライマックスでは魔力を手に入れたヴォーティガンと火花が散る中、暗闇で光る剣と赤く光った炎の玉がぶつかり合い、ド迫力な一騎打ちになっています。

 

 

 

音楽もかっこいいぞ。

今回流れる音楽ですが面白い作りになってました。

 

メインBGMになってる音楽は、いろんな打楽器を重ねドンドコドンドコとアーサーの鼓動を聞いているようなリズムで構成されています。

マッドマックスでも打楽器がかなり重要な音楽になってたような位置づけかな。

 

そこに、素早いバイオリンの音色で疾走感を出し、そこからなんと息遣いをサンプリングしたものを重ねてるんですね~。

 

スーッススハッハッみたいなのがずーっとリピートされてるんですよ。

で、よーく聞くと、今度は、口を開けたまま頬を叩くやつ?(これ名称ないの??)

を重ねて音楽を作ってるんですよ。

 

この頬を叩くやつ、口を小さくしたり大きくしたりすることで、ちょっとした音階が奏でられるんですよね。これをリズムに合わせて使っています。

 

もちろんクラップも多用してるから、もっと細部まで聞くと体を使った音を採集して音楽を組み立てているのかも。

後でサントラ聞いてみよう。

 

 

最後に

正直言ってすごく面白かったのか?と聞かれるとう~ん・・・というのがありまして。

 

とにかく覚醒するまでが長いw

それまではスラム街で育ったワイルドなアーサーの筋肉と知恵と悪ガキっぷりを披露するような流れになっていて、なかなか話が進みません。

 

これはガイリッチーが余計な演出をすることもあったし、話自体寄り道が多かったなぁというのもあります。

 

あとはもうツッコミどころいっぱいで、そんな時代に格闘を教える道場があったのかよ!とか、その道場主がアジア系の人とか、しかも最後そいつとアーサーのスラム街時代の仲間ウェットスティックが、そういう立場になるの!?とか、モルドレッドってアーサーの子供じゃなかったっけ?とか、魔術師は出てきたけど、マーリンは出てこないとか、色々自分の知ってる範囲のアーサー王物語とだいぶ違っていることに少々困惑したのも事実。

 

単独修行も特に効果なかったし、結局メイジがいないとヴォーティガンと戦えないのかよとか、スラムのくせにそんな貧困に見えない感じとか。

 

 

やはりガイリッチーは史劇をやるのではなく、軽妙な語り口で、銃とヤクと酒ばかりくらってるファンキーな奴らを描いた現代劇がいいです。

きっとイギリス人だから一度はアーサー王やりたかったんだろうけど、なんか合ってなかったなぁ。まぁ階級社会のお国なので、キングスマンのような、立場で人生決めんじゃねえぞみたいなことを言いたかったのかなぁ。

 

それでも男なら楽しくみられる映画だったと思います。ド頭から迫力凄いんで。

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆★★★★★5/10