アトミック・ブロンド
ここ最近洋画大作の予告編で使われる音楽が、過去の洋楽ロックの名曲ってパターンが増えましたよね。
最近でいえば、「ジャスティス・リーグ」なんかは原曲ではないですが、ビートルズの「come together」だったり、「マイティ・ソー バトルロイヤル」ではレッドツェッペリンの「移民の歌」だったり、「キングスマン/ゴールデン・サークル」ではザ・フーの「マイ・ジェネレーション」だったり。
この「アトミック・ブロンド」はクイーンの「キラー・クイーン」を使ってるんですが、これがまたピッタリなんですよね。
むちゃくちゃカッコいい。
そんなピッタリなBGMにあわせて華麗にボコる、カッコいいシャーリーズ姐さんの、キレッキレのアクション映画が公開ということで早速観賞してまいりました!!
作品情報
アントニー・ジョンストンとサム・ハードが2012年に発表したグラフィックノベルを元に実写化した作品。
これまで男性ヒーローの象徴として描かれてきたスパイアクションのジャンルに、彗星のごとくスーパーヒロインが誕生した。
東西冷戦の象徴でもあったベルリンの壁が崩壊していく歴史的分岐点の時代を背景に、スパイ・リストを巡って繰り広げられる、スパイミステリーアクション。
かのジェームズ・ボンドと同様にイギリス諜報機関MI6に所属し、しなやかで強靭な肉体と、ブロンドの髪が美しいクールな美貌、そして卓越したスキル、その全てを兼ね備えた史上最強の女スパイが、国を揺るがす一大事件を追う!
- 作者: Anthony Johnston,Sam Hart,Sarah Weissbeck
- 出版社/メーカー: Cross Cult
- 発売日: 2017/07/17
- メディア: ハードカバー
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あらすじ
1989年、東西冷戦末期のベルリン。世界情勢に多大な影響を及ぼす極秘情報が記載されたリストが奪われた。
イギリス秘密情報部MI6は凄腕の女性エージェント、ロレーン・ブロートン(シャーリーズ・セロン)にリスト奪還を命じる。
ベルリンに潜入中のエージェント、デビッド・パーシヴァル(ジェームズ・マカヴォイ)とタッグを組み任務を遂行するロレーン。
彼女には、リスト紛失に関与したMI6内の二重スパイ、“サッチェル”を見つけ出すという、もう1つのミッションがあった。
リストを狙いベルリンに集結する世界各国のスパイ。
誰が味方で誰が敵なのかわからなくなる状況下、ロレーンと世界の運命は?(HPより抜粋)
監督
今回の作品を手掛けたのは、デヴィッド・リーチ。
今後注目すべき監督さんです。
なぜかといいますと、キアヌ・リーブス主演のアクション映画「ジョン・ウィック」をチャド・スタルスキと共同で監督していた経歴を持ち、次回作には、あのバイオレンス下ネタ傭兵というキャラを確立した、アメコミ界で絶大な人気を誇る「デッドプール」の続編を彼が監督するからなんですね~!!
これまでは俳優として、アクション監督として多数の作品に関わっていたこともあり、ジョン・ウィックでもそうだったように、アクションに関しては信頼と実績のデヴィッド・リーチ!!ということで、今作も安心して楽しめそうです!
監督作品はこちらもどうぞ。
キャスト
まずは人物相関図でも。
で、今回の主人公ロレーンを演じるのが、シャーリーズ・セロン!
この人ならお尻ぶたれてもいいです。いや、ぶってください。
かつて革命戦士「イーオン・フラックス」として抜群に柔軟な身体を見せ、「ハンコック」では怪力人妻と化し、「スノーホワイト」では敵の女王ラヴェンナ、そして「マッドマックス/怒りのデスロード」では頭を刈り上げ、反旗を翻す女隊長を演じるなど、時に妖艶に、時に勇ましく、時に逞しい女性を熱演してまいりました。
今回はその集大成とも言うべく、クールビューティーな女スパイを華麗に大胆にやってくれることでしょう!ちょっと気だるそうに見えるのは役柄か?
姐さんの作品はこちらもどうぞ。
主人公ロレーンとタッグを組むエージェント、デヴィッドを演じるのは、ジェームズ・マカヴォイ。
シャマラン監督の「スプリット」で多重人格を熱演したマカヴォイですが、髪が短いとなると、今作はその後に撮影したのかな?
てか、「X-MEN」で坊主になっちゃったから、最近のマカヴォイはこのヘアースタイルばかりw
またX-MENやるからしばらく坊主なんだろうなぁ・・・。
彼に関してはこちらをどうぞ。
他のキャストはこんな感じ。
CIA主任・カーツフェルド役に、「キングコング/髑髏島の巨神」、「10クローバーフィールドレーン」のジョン・グッドマン。
東ドイツ国家保安省から亡命を企てた男・スパイグラス役に、「シャーロック・ホームズ」、「おみおくりの作法」のエディ・サーマン。
ロレーンの上司・グレイ役に、「キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー」、「ハンガーゲーム」のトビー・ジョーンズ。
フランスのエージェント・デルフィーヌ役に、「キングスマン」、「ザ・マミー/呪われた砂漠の王女」のソフィア・ブテラ。
ドイツ人協力者・メルケル役に、「シンプル・シモン」、「IT イット “それ”が見えたら、終わり。」であのピエロを演じた、ビル・スカルスガルドなどが出演します。
アクション演出に定評をある監督が手掛けた、スパイ映画のニューヒロイン映画。
一体どんなアクションで、どんな攻防戦を描くのか。
ミステリーの要素も目が離せません!
ここから観賞後の感想です!!!
感想
ネオンの光がスタイリッシュ!でも姐さんのバトルはスマートじゃなく泥臭い!
キズだらけの美人て…いいよね♡
以下、核心に触れずネタバレします。
単純にカッコいい映画
主人公の長い回想シーンをベースに、胡散臭い登場人物たちとの駆け引き、決してスマートではない決死の攻防バトル、赤青緑を基調としたネオンの光、そして当時を彩る80年代ロックが鳴り響く、シャーリーズ姐さん暴れまくりのアクション映画でした。
これまでスパイ映画ってのは、男性が主人公のものがほとんどで、女性ものがあったとしても恋愛要素や自立をメッセージにしたような、ある意味純粋なスパイ映画には感じられないものが多かった印象が強いんですが、今作は恋愛もない、女性よ立ち上がれ!的なメッセージもない、ミステリー要素を孕んだスパイアクションだったと思います。
舞台が冷戦下末期、というか崩壊寸前の数日ということで、そこに世界情勢を脅かすほど重大なモノを奪還しなければならない、一体誰が味方で誰が敵なのかわからない状態の中、素性がバレながらも1人危機を突破するロレーンの逞しさも手伝って、画面に釘付けになることでしょう。
ただ一つ言えるのは、途中から置いてけぼりになってしまう人もいるのではないか?というほど駆け引きが横行する内容。
そもそもど頭から回想シーン。
10日前と現在を行ったり来たりなので、ちょっと時系列も不親切。
一応スプレーで文字の形をとるような演出で3日前とか出るんですけどね。
あ、この演出はカッケー。
でもご安心を。
最後にあーそういうこと!となる締め方です。
話を追いながらあれこれ理解していく見方もいいですが、この映画はシャーリーズ姐さんの逞しい筋肉から醸し出されるセクシーさと、オレこういうショット撮りたいんだよ!っていう監督の最高のシーンを観て、カッケーーーっ!と思ったら十分な映画だと思います。
姐さんがカッコイイ
このアクション映画をシャーリーズ姐さんが見事に肉体改造をして挑んだだけあって、氷水から覗く背筋!
たくましい二の腕!
なのにキズだらけ!
なんで⁉︎という疑問も付いてくる冒頭からうへぇ〜…な映像。
で、なんでそんなキズだらけになったのかが描かれる後半、長回しによるKGB工作員たちとの過激なバトルが素晴らしい!
銃で撃ちまくり、ナイフで刺しまくり、グーパンチで殴りまくり、そして黒いブーツでトドメの顔面キック!
と、これだけ動けるのにも関わらず、あまり防御してなかったからなのか意外とダメージも多く、姐さんの顔が赤く腫れ、口も切り、ほぼ白がかった金髪の毛先は赤く染まり、肩で息をするほどボロボロ。
それでも重要人物を必死で守る姐さんの必死の形相がたまりません!
他にも、車内での攻防シーン、警察官とのロープを使っての高等戦術など、銃の力に頼らない肉弾戦のオンパレードでございます。
ランジェリー姿も惜しみなく映し出され、ただでさえきれいな姐さんがたくさん拝めることでしょう。
もう拝んじゃおう!
そして今作の見どころなのは、ソフィア・ブテラ演じるフランスエージェント、デルフィーヌとのベッドシーンであります。
明らかに自分を尾行していることに気付きながらも、彼女の誘いに乗るロレーン。
ちょっと静かな所で話さない?と軽くキスからの、廊下までおびき寄せてのキーーース!
でもあぁた、アタシの事つけ狙ってたでしょう?
何なのこの銃は?と壁ドンで反撃の姐さん。
そこから濃厚なベッドシーンの始まりでございます。
見えそで見えないおっぱいが腹立たしい!
姐さんビーチク手で抑えてちゃあいかんのですよ!!
と、拳を握りながら見てしまったわけですが、いやぁエロス爆発でございました。
脇役も良いんです。
今回設定では相棒という形のパーシヴァル役を務めた、ジェームズマカヴォイですが、彼の敵なのか味方なのか、あ~味方なのか、ん??みたいなどっちつかずな役柄を見事に体現していました。
実際助けたかと思えば、裏でロレーンを邪魔したり、リストを暗記しているスパイグラスを保護して西へ逃がすと言っておきながら暗躍したりと、こいつもしかして二重スパイ?という立ち位置を、あのカメレオン的ニヤケ面でまんまと騙されましたよ俺は。
随分と長いこと東側にいたせいなのか、明らかに精神が少し異常な感じもまたマカヴォイの良さが出ていましたね。
あの髪型は東側の流行でシニード・オコナ―の髪型を真似したって件は爆笑しましたw
あとは先ほども書きましたが、ソフィア・ブテラもようやく普通の女性を演じた気がして良かったなぁと。
今まで宇宙人やら義足の用心棒やら呪われた王女やら特殊メイクやアクション在りきの役柄だったのに対し、今回はフランスエージェント、そしてレズビアンということで、美しくしなやかなボディを魅せ、ロレーンに思いを寄せる普通の女性をナチュラルに演じていたように思えます。
他の役者陣も安定の存在感で、上映中に気付いたんですが、あの時計屋は、「ノッキン・オン・ヘヴンズ・ドア」のテイル・シュバイガーだったんですね!
相変わらず、ザ・ドイツ!なお顔立ちで強面でした。
チョイ役でしたが彼を久々に見られてよかったです。
色づかいについて
今回の作品、ドイツ冷戦末期、特に東ドイツの閉鎖的な雰囲気と季節が冬という設定もあり、基本青味がかった画質で構成されていました。
冒頭のロレーンの部屋も思いっきり青で冷めきっており、氷水に浸かる彼女もまた青味によって冷淡さを助長させる画になっていたと思います。
ですが、彼女とデルフィーヌが落ち合うクラブでのシーンでは、青いライトと赤いライトが入り混じった色で映し出されていたんですね。
これが何を意味するのか考えてみました。
最初は青をほとんどを占めていたライトに当たるロレーン。
しかし、後頭部から背中にかけては、赤いんです。
そして、廊下へ連れていくと一気に真っ赤なライトに当たるロレーン。
要するにこれ彼女の心情を意味していたと思います。
普段はスパイということで、時には残酷な決断もしなければならない、常に冷静さを保てていないと命取りになるお仕事なわけで、そういう意味では青味がかった色主体というのはなんとなく想像つくかと思います。
で、彼女の欲望と感情が爆発したのが、デルフィーヌとの濃厚なキスシーンてことで、彼女の情熱さがうかがえる背景色だったのかと。
で、これもうひとつありまして。
ロレーンはラストシーンで赤いコートを着るんです。
ここでも赤。
これ非常に大きなネタバレになるんで書きにくいんですが、この赤が何を意味するのか、それはロレーンの本当の自分という意味の赤なのかなと考えました。
そうすると、デルフィーヌへの愛は本物で、ラストの彼女も本当の自分てことで、なんとなく筋が通るかなぁと。
是非気にして見てみてください。
本当はここに緑がかったロレーンてのも出てくるんですが、うまく考察できませんw
誰かヘルプ!
音楽もカッコイイ
80年代のミュージックシーンを彩ったロックやポップな曲がたくさんBGMとして使われたのも今作の魅力のひとつ。
ニュー・オーダーの「ブルー・マンデー」やデヴィッド・ボウイの「cat people」、クラッシュの名曲「ロンドン・コーリング」、ネーナの「ロックバルーンは99」なんかはバージョンが通常のでなくマイナー調のコードで作られた曲の方を使ってましたね。
他にも、ジョージ・マイケルや、マリリン・マンソンの曲も使われていたり、「ラ・ラ・ランド」でミアがセバスチャンがサポートで参加していたコピーバンドにリクエストした「I ran」も流れてましたね。
多分原曲初めて聞いたw
まぁ一番残念だったのは予告で流れたクイーンの「キラー・クイーン」は使われてなかったこと。一応エンドロールで彼らの曲「under pressure」は流れましたけどね。
最後に
話の流れとしては、スパイたちの名が記載されたリストを奪ったものから奪還するため、東側に潜伏している協力者と共に探し、尚且つ二重スパイも見つけ次第抹殺!しようとベルリンへ向かうんだけど、ソッコー身バレ、あらゆる国との腹の探り合いの騙し合い。
一体任務は遂行されんのかどうなのか、って話なんですが。
色々ミスリードするアイテムや行動があって、真実が何なのか最後まで目が離せない内容です。
リストが奪われて漏えいすると冷戦が40年延長してしまうということで、そうなると一番損するのは・・・。
どうでもいいんですけど、ベルリンついてロレーンがソ連のスパイたちと車内で格闘する場所。あれ「シビル・ウォー」でブラックパンサーとウィンターソルジャーが追いかけっこした高速道路ですよね?違うかな・・・。
というわけで以上!あざっした!!
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満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10