モンキー的映画のススメ

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主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

映画「28年後…白骨の神殿」感想ネタバレあり解説 腹抱えて笑ったけど続編としては無しだわ。

28年後…白骨の神殿

「28日後…」の続編となった「28年後…」の続編(ややこし)。

 

イギリスだけ「ウィルスが蔓延」した世界を舞台に、感染者が近づけない島で暮らす主人公の少年が、本島で見たもの得たもの体験したものを通じて、大人へと成長してく姿を描いた、といっても過言ではない解釈の前作。

 

モンキー的には、アレックス・ガーランドらしいポストアポカリプス感と哲学がちゃんとあり、ダニー・ボイル監督のホラー味ある演出と洗練された映像がマッチした娯楽作でした。

しかし、島に一度戻ってもう一度本島へ向かう物語の同線の面倒さ、親子3人の描写の少なさ、父の出番が後半激減など脚本の弱さを感じたこと、さらに次回作へと続くクリフハンガー的展開に「なんそれ?」とため息が出てしまったことが大きな不満となりました。

 

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今回はその続きが描かれます。

ジャック・オコンネル演じるジミーと接触することになったスパイク少年は、どうなってしまうのか。

そして、ケルソンとアルファのその後は、そしてキリアン・マーフィーは登場するのか!?

早速鑑賞してまいりました!!

 

 

作品情報

一度感染してしまうと、瞬く間に人間を凶暴化させてしまう「レイジウイルス」の蔓延により崩壊する世界を描き、猛スピードで襲いかかる感染者という描写でホラー映画の定義を覆した、ダニー・ボイル監督×アレックス・ガーランド脚本のサバイバル・スリラーシリーズの続編。

 

最愛の父と離れ、最愛の母との別れを受け入れた主人公スパイク少年、攻撃性の高いアルファと共存を図るケルソン、そして金髪にカラフルなトラックスーツで現れた集団らが交錯し、シリーズ史上最も救いのない狂気と恐怖が蔓延していく。

 

本作は3部作の2作目にあたり、前作でメガホンを撮ったダニー・ボイル監督から、「マーベルズ」、「キャンディマン」のニア・ダコスタへとバトンタッチ。

彼女は本作について、ウィルスや感染の脅威よりも、本当に恐ろしいのは人間であることに焦点を当て製作したとのこと。

家族の本質を映した前作から悪の本質を映し出す作品となった本作を、どう描いたかに注目だ。

 

キャスト陣は前作同様、スパイク少年役にアルフィー・ウィリアムズ、元医者のケルソン博士役に、「ザ・メニュー」、「教皇選挙」のレイフ・ファインズ、カルト教団「ジミーズ」のリーダー・ジミー・クリスタル役に、「罪人たち」のジャック・オコンネル、教団のメンバーの一人・ジミー・インク役に、「ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー」のエリン・ケリーマン、そして第1作目に登場したジム役を、「オッペンハイマー」のキリアン・マーフィーが続投して出演する。

 

社会秩序が崩壊した極限状態の世界で、真に恐れるべきものは何なのか。

 

28日後... (吹替版)

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  • キリアン・マーフィ
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28年後…

28年後…

  • ジョディ・カマー
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前作までのあらすじ

 

28年前、人間を凶暴化させるウイルスがロンドンで流出してパンデミックを引き起こし、多くの死者を出した。

 

海を隔てた孤島という環境のためウイルスの蔓延を免れたホーリーアイランドで生まれ育った少年スパイク(アルフィー・ウィリアムズ)は、本土で生き延びたドクター・ケルソン(レイフ・ファインズ)と出会い、そして病気の母親(ジョディ・カマー)を看取った。

 

その後、ウイルスに覆われたイギリス本土で生きる道を選んだスパイクは、感染者に襲われかけたところを、ジミー・クリスタル(ジャック・オコンネル)率いる全員金髪の暴力的なカルト集団「ジミーズ」に救われる。

 

しかし、彼を待っていたのは救済ではなく、救いのない世界で味わうさらなる絶望だった。(映画.comより抜粋)

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感想

一体何を見せられたのか。

死の本質から恐怖の本質へと主題を変えていくのかと思ったら、レイフ・ファインズが一芝居うつためだけの「茶番」へと成り下がってしまった。

しかし笑った。

以下、ネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

ざっくりあらすじ。

カラフルなトラックスーツに金髪の集団から助けてもらったスパイクだったが、彼らは「悪魔崇拝」を主とする集団だった。

 

スパイクはメンバーの一人とタイマンを命じられる。

ナイフを持つ手も震えるほど脅えていたスパイクだったが、なめてかかった相手の太ももにナイフを勢いで刺したことが致命傷となり、相手は死亡。

幸か不幸か、はれて「ジミーズ」の仲間入りを果たしたのである。

 

一方ケルソン医師は、幾度も襲い掛かってくるアルファと「共存」を図るフェイズに突入。

モルヒネによって感情が抑えられた状態のアルファに、ケルソンは幾度も話しかけることで友好の意を示していく。

 

一方物資を探す家族の姿。

背後から感染者を仕留めようと試みるも、木の枝を踏んでしまい気付かれ襲われる男性。

残った息子と娘は助けようのない父を置いて一目散に逃亡。

悪い知らせと共に帰宅すると、食卓にはジミーズたちが占拠し食事をしていた。

 

テレタビーズの話をはじめわけのわからないことで盛り上がる彼らに、ただただ脅えるしかなかった家族を横目に、帰宅した娘は「出ていけ」と強気に責める。

リーダーであるジミー・クリスタルは、それに対し怒りを露わにし、家族らを捕らえていく。

 

ケルソンは、大好きなデュラン・デュランの曲をかけながら、アルファと戯れる時間を増やしていく。

死など恐れていないケルソンは、薬が効いている状態のアルファに、まだ意識があったころの感覚を取り戻そうと、音楽を聞かせていく。

 

ジミーズが慈悲を行う間、別行動を取っていたジミー・インクは、そんなケルソンとアルファが手を繋いで踊っている姿を見て驚愕する。

 

夜になり、ジミーズは家族たちをつるし上げ一人ずつ皮をはいでいく。

見かねたスパイクは一人小屋を飛び出し嘔吐。たまたま戻ってきたインクに介抱されることで距離を縮めていく。

 

唯一逃げることに成功した娘は、小屋の上から痛みに耐えられず叫ぶ家族たちを眺める事しかできないでいた。

するとクリスタルは、息子に「メンバーの誰かとサシで勝負し、勝てばジミーズの仲間に入り、負ければ皮をはぐ、断っても皮を剥ぐ」という条件を提示する。

 

背中に羽根を付けて踊るのがすきなジミーヌを選び戦いを挑む息子。

しかしメンバーの中で一番弱そうな見た目の彼女は好戦的な人物で、息子はいとも簡単にやられてしまう。

上にまたがられとどめを刺されそうになった瞬間、彼女の頭にクレーンが突き刺さる。

小屋の上から見ているしかなかった娘が、反撃に打って出たのだった。

 

怒りをあらわにしたクリスタルは、娘を捉えるよう命令するが、中々小屋の上に上がることができない。

そうこうしてるうちに、何とか這ってガスボンベを抱えた息子が、メンバーの一人に火を放ったことで、小屋が一気に燃え盛っていく。

 

クリスタルは外で待っていたスパイクに娘を捕まえるよう命じる。

中々開かない柵に苦戦していた娘はスパイクに追いつかれるが、スパイクは「連れてってほしい」と懇願する。

娘は連れて行こうとする素振りを見せるが、スパイクの腹を撃一発殴って逃亡。

 

捕獲に失敗したスパイクは、クリスタルに「森の中で殺した、暗いから今行っても見えない」と苦し紛れの言い訳をする。

悪魔の使いであるクリスタルは、覇王にどう対処すればいいか耳を傾けようとすると、インクが急に口を挟む。

 

彼女は「白骨の神殿の前で体が真っ赤の男性が、魔物の様な人物と戯れていた」と語り、覇王の存在を仄めかしたのだ。

直接会ってどうすればいいか確かめるべきだと進言したインクに対し、ジミーはそれを受け入れることにした。

 

翌日の朝、スパイクはこっそりひとりで逃げだそうとするが、追手に見つかってしまい殺されそうになってしまう。

しかしインクが助けにやってきたことで、「逃げようとした仲間を捕まえることができず殺した」ということにした。

 

やがて彼らは遠くから双眼鏡でケルソンを確認。

まずはクリスタルが単独で接触を図ることになった。

 

ケルソンと対面したクリスタルは、彼に全てを話す。

幼い頃に家族や父親が感染者に襲われたこと、信仰も使いようによっては有効活用できること、そして今自分もお前も危機的状況にあるということ。

 

そう、彼らにケルソンが覇王であることを証明しないとクリスタルは立場がなくなる。

これに協力しなければ、ケルソンの命はない。

利害関係が一致した二人は、一芝居うつことにする。

 

夜に尋ねることになった一行は、それまで時間を潰していく。

スパイクはインクに本当のことを打ち明けようとするが、インクはケルソンが覇王であることを疑わなかった。

一方で、クリスタルが嘘をついているかもしれないと疑いを持っていることも明らかにした。

幾度も助けられた彼女をひとまず信じるスパイク。

 

一方ケルソンは、ジミーズの存在により「もしかしたら死ぬかもしれない」という恐怖心を抱く。

それは、アルファとの貴重な時間の終焉が近いことでもあった。

 

ケルソンは、感染の原因は「精神病」かもしれないという可能性を見出し、アルファに新薬を処方する。

 

ケルソンとの時間が増え、少しずつ意識に変化が現れたアルファは、川の水を触ったり、森を散策していくうちに、かつての記憶を思い出していく。

彼の縄張りだった廃れた電車の車両を訪れたアルファ波、自分がエジンバラ行の電車に無賃乗車していたことを思い出す。

 

すると周囲には感染者たちがアルファを囲っていた。

一斉に襲ってくる感染者を力任せで反撃するアルファ。

 

 

果たしてケルソンの実験は成功し、感染者を救う活路を見出すことができるのか。

そしてジミーズという恐怖からどう逃れることができるのか。

スパイク少年は、クリスタルから逃れることができるのか。

 

・・・というのがざっくりしたあらすじです。

 

とんだ茶番だったぜ。

冒頭でも書いたように、そこまで面白かったわけではないけど、製作陣の意図はしっかり受け止めた前作。

本作はスパイクのその後を捉えながらも、レイフ・ファインズ演じるケルソンと、今回から新たにメインキャストとなったジャック・オコンネル演じるジミー・クリスタルの2人が軸となって物語が進行するものでした。

 

あらすじを読んでもらえればお分かりかと思いますが、アルファと面と向き合ってみたら大きな変化があったというケルソンパート、本当に怖いのは感染者でなく人間の方だぜ~ってのを体現するジミーズ、そこに混ざる羽目になってしまったスパイクの姿を交互に見せながら、物語を見つめていく内容です。

 

「恐怖こそが新たな信仰」というキャッチコピーの通り、ジミーズがもたらすものは悪魔崇拝と銘打っておきながら、クリスタルに逆らえば殺されるという「恐怖」で支配した上下関係。

その一部となってしまったスパイクがただ脅えるしかない姿をしっかり捉えると同時に、生贄とされてしまったとある家族たちに向けた拷問シーンは、中々グロテスクな描写でした。

 

そもそも食卓でのシーンの時点で恐怖は蔓延していたわけです。

門が開いていたから施しを受けたと良いようにほざいてますが、実際は「おいお前ら飯食わさねえと殺すぞおおおぉぉっ!!!」とでもキャンキャン吠えたんでしょう。

娘たちが帰宅しても彼らを歓迎してない家族たちの姿がその証拠です。

 

ここでのクリスタルの恫喝もなかなかでしたが、拷問シーンはその数倍も怖い。

縄でつるし上げ、さるぐつわをつけて一体何をするかと思ったら、服を脱がして皮を剥ぐという旧時代的な拷問!!

水責めとか火責めとか拷問にも色々あるとは思いますが、皮を剥ぐってのはさすがに見るに堪えない。

 

まずナイフで皮膚の表面に傷口をつけ、その傷口に手を突っ込んで一気にベロ~~ン!!!と剥がすわけです…。

今自分で解説していてもきついくらい、映像は見てられません。

一気にベロ~~ンと書きましたが、厳密にはそう簡単にはがせていないはず。

 

何度かシーンを挟んだ後、彼らの足元にたくさんの皮が落ちていたのを見ると、相当時間がかかったことや、もう叫ぶ気力もないほど意識のない家族たちの姿を見ることに。

さすがのジミーズもどこかクタクタな感じでした。

 

その後のタイマンシーンでも、背後からサクサクナイフで刺すジミーズの女の子。

そこから左腕の脈がある辺りをスゥ~~っと線を入れるように刺していくのが、まぁ痛々しい。

 

そういや冒頭でスパイクが相手の腿にナイフを刺した際の血の量も相当でしたね。

R指定だろうから色々配慮しないんだろうなって感じのゴア描写でした。

 

 

このように、前作よりは目を伏せたくなるような気味悪さがあって楽しめたんですが、個人的にはもっと楽しめたのがたくさんあったのが本作の大きな収穫。

 

 

そう、これとんだ茶番だったんですよ、内容が。

まず結論から言うと、物語を全然進める気がないくせに、笑かしにきてるのが、最高で最低、と言っておきましょうw

 

前作ではそんな気が全然なかったのに、急にケルソンに「音楽」の趣味があることが提示されていきます。

遺体を運んでる最中に鼻歌を歌ってるのが伏線だったんですね。

 

地下にある彼の部屋に行くとレコードを回す機械が設置されてるわけですよ。

で、彼が好きなのが「デュラン・デュラン」なんですね。

パンデミックが起きたのが00年代頭くらいで、ケルソンが一番多感だった時期と考えると、80~90年代に流行ったイギリスのバンドが一番適任だろうと。

 

劇中では彼らの定番チューンが流れるわけですよ。

中でも僕はオーディナリーワールドが好きでして、当時ソニーのウォークマンのCMソングとして聞いていこう、俺の中ではデュラン・デュランと言えばこれ!って感じだったんですよ。

 

でもね、この曲がどこで使われていたかというと、アルファと手繋いで踊ってるシーンていうwww

もうね、一体何を見せられてるんでしょうか。

共存を図るというのは、決して手を繋いで踊るということではないと思います。

もっとほかに方法があると思います。

 

ケルソンの意図をくみ取って考えれば、言語が通じない以上音楽で心を掴む、音楽で心を通わすというのは非常に効果的だということでしょう。

医学的に見てもそうなんだと、ケルソンの態度で伝わります。

 

実際麻酔が聞いている以上に、アルファもどこかしら楽しん…でなくても画的におかしいんだよww

 

仮にも「28日後」の続編で、あれだけ感染者に襲われる姿が怖い物語で、前作でも少年が散々怖い目に遭う姿で楽しませてきたのに、今回感染者が全然襲ってこねえじゃねえか!!

とりあえず待ってみたら、なんで一緒に踊ってんだよ!!…と怒りたくもなります。

 

たださ、画的に面白くてさw

それこそずっと遺体を焼いて、墓作って孤独に暮らしていたレイフ・ファインズがさ、ようやく仲間っ通貨友達を見つけたかのような嬉しさがあのシーンから感じられてさ、なんだか微笑ましくてねw

 

そしてなぜ茶番なのかを語ろうと思うんですが、クライマックスではケルソンがアイアン・メイデンの曲をかけて、ジミーズたちの前でパフォーマンスをするという「一芝居」が映し出されます。

 

あらすじでも書きましたが、ジミー・クリスタルに従うしか生きる道がないケルソンが、自分を覇王だと彼らに信じ込ませるために一生懸命準備をし、スパイクやジミー・クリスタル、さらに我々観衆をも驚かせるパフォーマンスを披露するのです。

 

一体誰がこんなクライマックスを予想したことでしょう。

もはや28日後シリーズは、襲う襲われるの内容から逸脱し、茶番で我々を楽しませる領域に突入したということです。

 

物語の都合上、ジミーズとケルソンが合いまみえることは見えていたが、まさか「茶番」を見せるとは思わなかった。

しかもこのパフォーマンスがガチすぎて笑うしかないという面白さ。

 

ヨウ素で体を真っ赤に染めただけではインパクトがないと思ったのか、最後の方では遺体を焼却する際に来ていた防火服をレザージャケットのように着て、メタル風ファッションで登場するという気合の入れ様。

パンデミック当時子供だったジミーズたちからしたら、メタルファッションなんて知らないでしょうから、見たことないいでたちだと捉えることでしょう。

実際インクの目は『これが覇王…」という眼差し。

 

それもそのはず、ケルソンは登場するや否や彼らに幻覚剤のようなものを吹きかけていたので、トリップしてるわけです。

トリップついでにアイアン・メイデンの曲聞いて思いっきりハイになってるのもウケるしw

 

ほんと、ずっと笑ってましたよ。

これ28年後だよね?なんで俺こんなの見せられてるの?wwwと。

 

 

最後に

ただ真面目な話、物語に進展がないんですよ。

あれだけ恐ろしさ見せつけといてラスト茶番ていう。

アルファの変化くらいで、あとは前作のケルソンと新たなキャラのジミーをぶつけて退場させるってだけの話で。

 

今回キリアン・マーフィーが登場するってことなので楽しみにしてましたが、まだイギリス内、というか1作目のラストにいた場所から離れてなかったって解釈でいいのかなあれは。

共に逃げてきたセリーナとの間に子供が生まれて、しかも自分の名前「ジム」を付けてるあたりがよくわかりませんし、ハンナはどうしてるんでしょう、もちろんセリーナも。

 

物語的な収穫はぶっちゃけそれくらいで、なんなら今回テーマ的にも「恐怖の本質」をちゃんと提示出来てない、寧ろ掘り下げてもいない気がしてどうしちゃったんだろうと。

それこそダニー・ボイルとアレックス・ガーランドの2人にあった哲学的な部分がホント失われてて、これは続編としてどうなんだろうと。

むっちゃ笑ったけど。

 

最終章にはダニー・ボイルが戻ってきて監督を務めるとのことなので、キリアン・マーフィー演じるジムと、生き残ったスパイクとインクが出会ってどんな物語を生み出すのか楽しみです。

しかし、レイフ・ファインズがヴォルデモート以上だったな…。

というわけで以上!あざっしたっ!!

満足度☆☆☆☆☆★★★★★5/10