30年後の同窓会
同窓会。
あってもいきません。
というか、あったのも知りません。
何やら当時仲のよかったグループか集まって催してるってのは聞きましたが、それを僕の中では同窓会と呼びたくない。ただの集まり。
今じゃLINEでパパッと連絡まわして参加を募るみたいですが、それでは全員に連絡いかんだろう。
ちゃんと幹事がしっかり実家の住所調べて葉書で全員に連絡するのが筋だろう。
とか何とかいちゃもんつけてますが、俺に連絡ない時点でハブられてるし、それ以前に会いたい気持ちなどこれっぽっちもないし、ただの僻みやっかみなのでほっといてください。
というわけで今回はそんな僕とは無縁の「同窓会」と題したお話。
再会のほうがしっくり来るんですが。
さすがにまだ30年ぶりに再会するような友人や同級生など現れてないし、そんなヤツに腹割ってあれこれしゃべったり悩みを打ち明けたり頼ったりするほど本性は明かさないのですが、この先生きていく上でどうなるかわかりませんから、そういう意味でもこの物語に浸れたらと思います。
なんか冒頭からオレの文章冷たいなぁw
というわけで早速観賞してまいりました!!
作品情報
「さらば冬のかもめ」で有名な小説家ダリル・ポニックサンが発表した「Last Flag Flying」を、「6才のボクが、大人になるまで」やビフォアシリーズでお馴染みのリチャード・リンクレイター監督が12年間暖めて企画し、ポニックサンと共同で脚本を手がけた作品。
かつてベトナム戦争で共に戦った3人。
酸いも甘いも経験し大人になった彼らが30年ぶりに再会し、親友の息子の遺体を連れ帰る旅に出る様子を、苦しみに向き合いつつも仲間とのユーモラスな会話をベースに描いたロードームービー。
現在と当時で起きた戦争での拭いきれない喪失感を、仲間との旅路で癒していき、やがて心を再生していき、人生の新たなる出発へと向かっていく。
30年ぶりの再会にもかかわらず一瞬にして当時の関係性を取り戻した3人を、リアル且つ緻密に作り上げるため3週間のリハーサルを敢行したようで、作品の中で大きな役割を担う3人の距離感が伝わる映画へと完成させた。
あらすじ
男一人、酒浸りになりながらバーを営むサル(ブライアン・クランストン)と、破天荒だったミューラー(ローレンス・フィッシュバーン)の元に、30年間音信不通だった旧友のドク(スティーヴ・カレル)が突然現れる。
2人にドクは、1年前に妻に先立たれたこと、そして2日前に遠い地で息子が戦死したことを2人に打ち明け、亡くなった息子を故郷に連れ帰る旅への同行を依頼する。
バージニア州ノーフォークから出発した彼らの旅は、時にテロリストに間違われるなどのトラブルに見舞われながら、故郷のポーツマスへと向かう――。
30年前に起きた悲しい出来事をきっかけに出た再会の旅。語り合い、笑い合って悩みを打ち明ける旅路で、3人の人生が再び輝き出す。(HPより抜粋)
監督
今作を手がけたのはリチャード・リンクレイター。
インディペンデント映画の雄、リンクレイター監督。
一夜限りの恋に落ちた男女の再会を3作にわたって描いたビフォアシリーズ。
一人の少年の大人になるまでの成長を同じキャストで描いた「6才のボクが大人になるまで」。
そして大学入学直前の野球部の寮に入った主人公中心に、ひたすら遊び倒す3日間を描いた「エブリバディ・ウォンツ・サム!!~世界はボクらの手の中に~」など、長きに渡って根気よく撮影をし、作り続けることで生まれるリアリティや、ほんの僅かな時間でのひと時にフォーカスをあてた作品だったりと、時の流れの残酷さと美しさをベースに作っているように思えます。
今回も30年ぶりに再会した男3人の物語ということで、過去での悲しい出来事に向き合い、現実も乗り越え、その先の姿を見据えていくような作品なんだろうと。
監督に関してはこちらをどうぞ。
キャスト
妻に先立たれ、息子も亡くしてしまった失意の主人公、ラリー・“ドク”・シェパードを演じるのはスティーヴ・カレル。
コメディ俳優の印象が強かった彼ですが、「フォックスキャッチャー」以降コメディ映画に出ていないのがちょっとさみしい。
今作も完全に落ち込んでいる役柄なので、彼の持ち味であるユニークな面が見られるかなぁ。
彼に関してはこちらをどうぞ。
他のキャストはこんな感じ。
飲んだくれのバー経営店主・サル・ニーロン役に、「トランボ/ハリウッドに最も嫌われた男」、「パワーレンジャー」、そして「犬ヶ島」で声の出演もしているブライアン・クランストン。
破天荒ながら現在牧師のリチャード・ミューラー役に、「マン・オブ・スティール」、「ボビー・フィッシャーを探して」、そして「マトリックス」ノモーフィアス役でお馴染みローレンス・フィッシュバーン。
ラリーの息子の友人ワシントン役に、監督の前作「エヴィリバディ・ウォンツ・サム~世界はボクらの手の中に~」で映画デビューしたJ・クイントン・ジョンソンなどが出演します。
悲劇によって集った3人が、旅路の果てで得たものは何なのか。また、再会した3人がどんなたびを送るのか。どうやら湿っぽいだけではなさそうですね。やんちゃするのかな?
ここから観賞後の感想です!!!
感想
何のための戦争だったのか。
反戦のメッセージを下敷きにしながらも、かつての友との再会によってバカ騒ぎしながら、これからを見つめていくロードムービー!
ただちょっと単調過ぎて眠気が・・・。
以下、核心に触れずネタバレします。
かつてを思い出し、今を生きる。
イラク戦争時の2003年を舞台に、ベトナム戦争で苦楽を共にした3人が、息子の遺体を持ち帰り埋葬するまでの道中で、かつての戦争から抜け出そうとするもの、未だ引きづっているもの、家族を亡くした者の3人の登場人物が、神父と無神論者との立ち位置を踏まえて、当時を思い出しながらのバカ騒ぎする掛け合い、戦争でどのように死のうがそれはヒーローなのかという問題提起、そして本当に3人が昔から仲が良く思えてしまうほど緻密でユーモアに富んだ会話で進んでいくロードムービー。
一切の回想シーンを入れず当時の状況を会話で語ることで、彼らがどれだけ国のために戦い、若気の至りをしたのかが伝わるのがうまく、また行きよりも帰りの方が長いということが、彼らがあの頃に戻る意味にも見える、監督の脚本が素晴らしい。
やはり今作も30年ぶりに出会った中年3人が当時を思い出しながら、仲を取り戻していき過去を反省していく姿が、時の流れの残酷さと美しさを描いており、時は流れても再会すれば一瞬であの頃に戻れる楽しさを映しながら、かつての戦争がそれだけではなかったことをしっかり会話の中で表現しているのはさすがでした。
しかしながら物語は大きな転換点がなく、やや単調で綴られていくせいもあって、いや作品のせいにしちゃあいかん、僕のコンディションのせいです、ちょっと眠気が襲ってきて会話が頭に入ってこなく・・・。
中盤はごっそりっとまではいってませんが、ちょっと覚えてません・・・。
アマゾンスタジオなので、近いうちにプライムビデオで見れるでしょうから、その時にリベンジしたいと思っております。はい。
中年のバカ騒ぎ
劇中では、妻に先立たれたあげく2日前に息子を亡くしたラリーが意気消沈している状態、未だベトナム戦争を引きずりアル中で神など信じないバー経営者サル、ベトナム戦争を忘れるために神父になり、当時のキレっぷりが全くなくなったミューラーと、きちんとキャラ設定ができております。
基本道中では、無神経ながらも筋の通ったサルの行動や言動に、ミューラーが神父としての立ち位置でたしなめ、そのやり取りを見てほほ笑んでいるラリーという画が前半続きます。
息子の遺体を回収するシーンでは、大佐が立場的に頑なに彼は国の英雄の一点張りでなかなか本当の死因を話さないんだけど、そこに一緒にいたワシントンにサルが詰め寄ると、戦闘中の死ではなく、パシリに行った際に狙われたことを知る。
ここでもやはりサルが、ジャブをかます度にミューラーが止めろと制止。
本当の事を教えてもらい、ラリーに話そうとするとこれまたミューラーが制止。
だったらと筋を通してラリーに教えるという件が、彼らの性格などを表していたように思えます。
最初こそ久々の再会、というかなぜ彼らがベトナム戦争から会わなかったのかという部分が明かされぬまま進み、若干ギクシャクしていますが、そこはサルのぶっ飛んだ性格で徐々に距離を詰めていくんですね。
気が付けばみんな当時の関係に戻り、戦争時のやんちゃぶりや下ネタなどに花を咲かせ、いい年した大人たちがバカ騒ぎする姿は癒されます。
特に携帯電話を購入するシーンは素敵でした。
みんなで買ってさ、電話しまくろうぜ!!だって無料なんだからさぁ!とはしゃぐサルにラリーが乗っかる、早くしないと電車に乗り遅れるから!あ~わかった!買えばいいんだろ!って掛け合いがこの物語でいちばん印象に残るシーンでした。
その後も俺は神だ!と目の前にいるミューラーに向かって電話をかけしゃべるサル。
これは別れた後もきっとこの手の電話をかけまくるんだろうなw
楽しいおっさんだw
きっとラリーはあの時のように、彼らと過ごすことで笑顔を取り戻せるんじゃないか、そんな風に考えたのではないでしょうか。
結果彼らと行動を共にしたことでかつての関係が蘇り、またかつてしでかしてしまったことへの反省と懺悔をすることで精算していく。
自分が前に進むためには、彼らが必要だったというのが、最後のシーンで感じたことです。
もし自分も歳をとって悲劇に見舞われたら、当時を懐かしみながら旅をしてくれる友人はいるのだろうか。彼らの掛け合いを見たらそんなことを考えてしまいました。
最後に
何のための戦争なのか。何のための戦いだったのか。
無心で国のために尽くした戦いは、あとになって何の意味もなかったことに気付き、大きなトラウマだけが残った状態。
恐らく軍人になった者やその家族には、そんな辛い部分を抱えながら生きているのでしょう。
戦争によって生まれた悲劇を抱えて生きている人に焦点を充て問題を浮き彫りにし反戦を訴えながらも、友情の素晴らしさをユーモア満載で描いた映画でございました。
しかしまぁひたすら会話なのがちょっときつかったんですよねぇ。
正直そこまで笑えなかったのもある。
文章量がいつもよりかなり少ないのがその証拠ですw
要はつまらなかったわけじゃない。眠かったのだ。
コンディションが良くなかった自分が悪いのだ。映画のせいではない。
というわけで以上!あざっした!!
満足度☆☆☆☆☆★★★★★5/10