モンキー的映画のススメ

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主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

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映画「とんかつDJアゲ太郎」感想ネタバレあり解説 ポンコツDJサゲ太郎でした。

とんかつDJアゲ太郎

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 どうも、クラブに縁のない、ばりばりライブハウス派のモンキーです。

 

とんかつとDJという対極に位置する2つの食いもんと音楽。

これが一つになって出来上がった作品があるそうで。

 

おいしそうなのか?

ノリノリになれるのか?

 

とんかつとかけまして、DJととく。

その心は?

どちらもアガるんです!

 

うまいこと言った!

うまいこと言ったぁ~!

 

というわけで、今回鑑賞する作品は、とんかつ屋の息子がDJになってフロアもとんかつもアゲられる男になるために精進するというお話。

ふざけてそうなプロットですが、一応意中の女の子のためってことで、捧腹絶倒でありながら恋愛青春要素も込みの内容になりそうです。

 

どうでもいいけど、俺「とんかつDJアゲ太郎」と「DJみそしるとMCごはん」の区別がつかないんだけど。

なに、親戚?w

早速鑑賞してまいりました!

 

 

 

作品情報

イーピャオ(原案)と小山ゆうじろう(漫画)によるウェブコミックから火が付き、「少年ジャンプ+」で3年にわたり連載されたギャグマンガを実写化。

 

とんかつ屋の跡取り息子が一目ぼれした女性を射止めるために、一人前のとんかつ屋と一人前のDJを目指していく、コメディ型青春ラブストーリー。

 

チワワちゃん」で新たな青春映画像を生み出した新進監督が、最強プレイリストと若手最強の役者陣でコメディに挑む。

 

ジューシーなとんかつを揚げる音とフロアを熱狂に包むビートが融合し、今まで感じたことのない音楽映画としても楽しむことができる。

 

果たしてアゲ太郎は意中の女性のハートを射止めることができるのか⁉

アゲ太郎が劇場をクラブに変えていく!

 

 

 

 

 

 

 

あらすじ

 

とんかつ屋3代目の跡取り息子・アゲ太郎(北村匠海)。

 

とんかつもフロアもアゲられる男「とんかつ DJ」を目指そうとする!

すべては一目ぼれした苑子ちゃん(山本舞香)の心を射止めるために——。

 

でも、豚肉にも、DJ機材にも触ったことがないアゲ太郎。

 

いい加減な性格のDJオイリー(伊勢谷友介)に弟子入りしたり、大人気DJ屋敷(伊藤健太郎)を勝手にライバル視しちゃったり、ノーテンキなアゲ太郎の道のりは、一に勢い、二に勘違い、三に運命の出会い⁉と大ハプニングだらけ!!

 

果たして「とんかつDJ」として頂点を目指せるのか——⁉(HPより抜粋)

 

youtu.be

 

 

 

 

監督

本作を手掛けるのは、二宮健

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お写真から想像するに、映画監督というよりかはスタイリストさんのように見えてしまうほどオシャレな装い。

 

監督作品で唯一観てるのが「チワワちゃん」。

 

チワワちゃん

チワワちゃん

  • 発売日: 2019/06/12
  • メディア: Prime Video
 

 

グループの中心にいた女性の死をきっかけに若者たちの刹那を描いた青春群像劇。

成田凌門脇麦といった今を時めく若手有望株らが連ねていることが興味を惹くこともいいのですが、僕が一番感心したのは映像のセンスです。

 

カラフルな色合いを随所に見せることで「若さ」だったり「幻想的」な空間を生み出しています。

またカメラが流動的に動き回るかと思えば、様々なシチュエーションに合わせるかのような視点の切り替えが物語にリズムと躍動感を与え、チワワちゃんの死の真相というサスペンス性に拍車がかかるとともに、登場人物のパッションだったりパワフルさだったり、やり場のない思いや満たされない気持ちといった心情面を映像で醸し出しています。

 

色あいから蜷川実花を連想させるんですけど、総合的に二宮監督の方が映画作りの感性が優れていたなぁとも思ってしまったくらい、才能のある方だと思います。

 

本作でコメディに挑戦するということですが、自主製作で手掛けていた経験はあるそうで、これまでのディスコグラフィから想像するにちょっと不安視していた点もあったので、とりあえず一安心。

 

音楽映画としても監督ならセンスのある描写にしてくれるだろうと期待しております。

 

 

 

 

 

登場人物紹介

 

  • 勝又揚太郎(北村匠海)…渋谷のとんかつ屋「しぶかつ」の三代目。ある日、とんかつのデリバリーで訪れたクラブで啓示を受け「とんかつDJ」を目指すことを決心する。

 

  • 服部苑子(山本舞香)…「円山旅館」の正面にあるスタイリスト事務所で見習い中。アゲ太郎あこがれの女の子。

 

  • 屋敷蔵人(伊藤健太郎)…気鋭のDJで「屋敷世代」といわれるフォロワーを持つ。一方でIT企業「Y‐Cloud」を立ち上げ次世代起業家としても注目されている。

 

  • 尾入伊織(DJオイリー)(伊勢谷友介)…実力に定評はあるものの、いい加減な性格で貧窮生活を送る中堅DJ。アパートを追い出され、アゲ太郎に助けを求める。とんかつとラードが大好物。

 

  • 室満夫(加藤諒)…旅館「円山旅館」の三代目。旅館の宴会場が三代目道玄坂ブラザーズの溜まり場になっている。

 

  • 夏目球児(浅香航大)…電飾業「東横イオン電飾」の三代目。

 

  • 白井錠介(栗原類)…薬局「道玄坂薬局」の三代目。

 

  • 平積タカシ(前原滉)…書店「宇田川ブックセンター」の三代目。

 

  • 勝又ころも(池間夏海)…アゲ太郎の妹。店の手伝いをよくする。いい加減な兄を心配している。

 

  • 勝又かつ代(片岡礼子)…アゲ太郎の母。アゲ太郎のことを影から応援している。

 

  • 勝又揚作(ブラザー・トム)…アゲ太郎の厳格な父。「しぶかつ」の二代目店主。

(以上HPより)

 

 

 

 

 

 

とんかつとDJに一体どんな共通項があるのか。

ハチャメチャな理論で笑わせてくれそうな青春コメディになりそうですね。

また、北村匠海の新たな一面に期待です。

ここから鑑賞後の感想です!!

 

感想

こりゃアガらん!

業種ミックスで大成しようとする主人公が、色々ナメてて大きな挫折をせず、大した努力も描かずフロアを上げちゃう、少年ジャンプの理念を雑に扱った音楽映画でした。

以下、ネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

なんてテンポと間の悪い映画なんだ・・・

渋谷の円山町で60数年の創業を持つ老舗のとんかつ屋。

地元のソウルフードとして愛されているも、やりたいことが無いからとりあえず店の手伝いをしているアゲ太郎が、クラブに弁当を届けた時に天のお告げを受けたかのように「とんかつDJ」としての道を目指す物語。

 

意中の女性をゲットするため、また「やりたいこと」で名を上げるため、道玄坂ブラザースや家族、勝手に弟子入りしたDJオイリーをも巻き込み、DJのデの字もわからぬまま、とりあえず持ち前のノリとホームである地元で得た愛嬌で突き進んでいくわけですが。

 

 

え~非常に面白くありませんでした…。

どうしたらここまでつまらなくなるんだろうというくらい面白くありませんでした。

 

単純にですよ、うだつの上がらない主人公が、天性の才能を秘めつつセンスだけでのし上がっていく中で、大きな障害だったり挫折をして塞ぎ込むけど、他者からのアドバイスや金言を得ることで、さらに技に磨きをかけて最後のクライマックスで爆アゲしてフィニッシュ!って流れではあるんです。

 

それこそコメディでありながらも「少年ジャンプ」の理念である、努力、友情、勝利をしっかり掲げてるし、ヒロインの魅力も十分にあった。

 

 

しかし!

どうにもこうにもテンポが悪すぎる。

特にギャグパートに至っては、急に回想シーンに入る手前でタメが発生するんですが、「タメ」という緊張に対して、笑いに結び付くような緩和のインパクトが弱く、これのどこが捧腹絶倒なのかまるでわからない。

 

例えばDJオイリーがこれ見てDJの特訓をしろとビデオテープを取り出し、アゲ太郎はDJのレッスンビデオを見せられるんです。

この講師がDJ KOOなわけです。

まぁ出オチですよね。

ここでひと笑いあってもいいんですが、なかなか笑いに繋がらない。

テクニックを教えるのではなく、とりあえずDJはノリが命!と言わんばかりに、1,2,3!とリズムを発しながらキメポーズをとるというもの。

 

笑うポイントではあります。

ただここでもっと笑うには、このビデオを見て練習しているアゲ太郎を俯瞰で見る人物がいないということ。

というか、俯瞰で見ている人物が冷めた目で「これでDJ上達するのか?」という視線を送る人物を抜くことで、もう少し笑いが膨らむんですが、それを見せない。

 

後で、夏目が部屋を訪ねて「俺さ、昔漫画家の通信講座受け手上達しなかったからわかるんだけどさ、これ絶対上達しないって」と、真面目に話しちゃうわけです。

 

そこさぁ、笑いにつなげないで普通にエピソードにしてどうすんのさ!

 

 

他にもこのレッスンビデオを見ているうちに、アゲ太郎がビデオの中に入って迷走するんですが、ここでも映像内に入ったなら、何か一つ笑わせればいいのにひと笑いもなし。

ようやくDJオイリーから修行を付けてもらえるんですが、フロアを想像してプレイしろという件で、何度も違うイメージをするわけです。

最初はDJオイリーがとんかつ弁当を食べている姿。

次になぜかクラブにいなかったアゲ太郎の親父がステップ踏みながら踊っている姿。

最後に苑子ちゃんが、ただ立っているだけの姿。

自分がプレイする音楽に乗ってくれないことに苛立ったアゲ太郎が、苑子ちゃんの前で踊り出す。

 

映像的にはそこまで笑えるシーンではないんですが、それこそバラエティ的な効果音を付けるとか、想像シーンに入る瞬間を上手く編集するとか、この妄想の暴走を妄想シーンの中でDJオイリーがハリセンなりレコードで引っ叩いて(さすがにこれはDJらしくないか)なりしてツッコミを入れるような、暴走ボケに対するツッコミが成立してないわけです。

 

 

序盤はこのような妄想と現実を行ったり来たりな上に、渋谷の街でとんかつの格好をしたりして踊る動画がYouTubeでプチバズりして調子こいて、DJを勘違いしているアゲ太郎の姿が描かれており、クラブに行ったことのない自分でもかなり場違いなDJ像を映していることに腹が立ち、さらに音楽をもバカにしているように見えて仕方がありませんでした。

 

 

いや、序盤でこれくらいナメた姿を晒しておいて、終盤にとんでもないDJプレイを見せてくれるのだろう。

そんなことを思っていた僕がバカでした。

 

確かに趣味として仕事として音楽をしている北村拓海ですから、DJプレイやリズムの取り方は、伊勢谷友介や伊藤健太郎らよりも説得力のある演技でした。

 

とんかつDJの名の通り、とんかつ店内で沸き立つキャベツの千切りの音、卵をかき混ぜる音、客がとんかつを頬張るときに鳴る衣の音、それらによって店内に賑わいが訪れる空気を、ドラムリズムコントローラーにサンプリングしてクラブフロアを一気にとんかつ屋にしてしまう制圧ぶりは、クライマックスならではの展開でしたし、お!これはようやく楽しめる流れになってきたか!と期待しました。

 

いや待てよ、とんかつDJって言ってるけど、ここまででアゲ太郎はとんかつを揚げる技を習得していないじゃないか!

まだ店の手伝いをしてるだけじゃないか!

キャベツ切って、漬物漬けて、衣の下準備して、テーブル拭いて皿洗ってくらいしかできてないじゃないか!

 

なのに、とんかつDJなのか!

ん~これでとんかつDJといえるのか・・・。

 

そもそも、DJプレイを学ぶ練習風景ってのが全然ない。

DJオイリーの口利きで大きなイベントでDJデビューしてとんでもない失態を犯し挫折。

苑子ちゃんの「誰でも最初は失敗するし、今でも失敗続き。でも続けてる」や、親父からの「最初にしでかした時の瞬間を常に意識していれば恐怖に打ち勝てる」という金言を授かることで精神的に回復はするんだけど、肝心のDJプレイを習得する師匠が教えてないし、どうすればフロアを上げられるかという課題をクリアしてないし、リズムコントローラーの練習なんて一度もしてないし、レコードのチョイスやツナギのタイミング、スクラッチの練習、BPM、テンポなどなど、初心者が通るであろうDJプレイの何たるかを全然描いてない。

 

にもかかわらず、セカンドデビュー戦であれだけのプレイをしてしまう、あれだけオーディエンスを心を掴んでしまうのは物語上、かなり無理がある。

 

さらには、道玄坂ブラザーズがアゲ太郎の前で、ド派手な格好をして踊り出し、急にラップを始める。

他のプレイヤーは、こういうパフォーマンスなど一切していないだろうに、どこか卑怯。

いわゆる色もん扱いで盛り上がっているようにしか見えないし、クラブみんなが同じ振り付けで踊るような光景なんてあるのだろうか(ここは映画的にアリとは思うけど)。

 

 

あくまで映画に対してのツッコミではあるけれども、全体を通して言うのであれば完全にテンポの悪さが一番痛い。

 

例えば序盤での「とんかつDJ」に至るまでのエピソードをもっと省略(あの動画で持たせるのはかなり無理がある)して、オイリーとアゲ太郎の師弟関係でのエピソードをもっと増やす。

そこで天性の才能を見るオイリーの眼差しから見てるこちら側にアゲ太郎の期待を持たせ、色々な技を習得するシーンをダイジェストとして見せる。

デビュー戦で挫折、苑子ちゃんのアドバイスを受けた後、親父からとんかつの揚げ方を教わることで、さらに「とんかつDJ」としてのオリジナリティーを見出す。

デビュー戦で消えたオイリーが、何とかカムバックしてさらにアゲ太郎を追い込む。

そしてクライマックスで、DJ屋敷とのDJバトル。

努力、友情、勝利の理念がキチンと映画内で描かれ、フロアもとんかつも映画館もアゲるという算段。

 

あくまで思いつきのプロットではありますが、これくらい構成をガラリと変えて、さらにコメディの一番大事なテンポと間、緊張と緩和をもっと意識して作り上げればより良い音楽コメディ映画として成立するのではないでしょうか。

 

 

 

 

最後に

グルーヴが大事だと言っておきながら、物語全体にグルーヴ感が無いし、衣のようにサクサクな歯ごたえのある編集もしていない。

 

とはいえ、北村拓海の卓越した音楽センスとユーモアセンスはこれからも期待の出来る芝居でしたし、何より山本舞香をかわいく美しいヒロインとして映し出していることに関しては、監督よくやったと言いたい。

 

これも愚痴ですけど、幾ら苑子ちゃんが旅館のたまり場でかけたベリンダ・カーライルの曲を、クライマックスの一番大事な所、「フロアがアガっている時にかける曲が忘れられない曲になる」というDJ屋敷のアドバイスを受けてかける曲ってのが、正直弱いです。

苑子ちゃんがかけた曲がもう少し今の流行りの曲だとか、BPMの速い曲、できれば縦ノリになれる曲だったら、あそこで一気にカタルシスを生まれるんですけど。

ハッキリ言って選曲ミスですね。

あそこでリード曲のブルーノ・マーズなんじゃないの?

アナログっぽくないけどw

 

あ、ジャスティスの「D.A.N.C.E.」は懐かしかったなぁ。

 

あとは何でしょうね、よくいく渋谷の街をあれだけロケーションとして使ってくれたのは嬉しかったですね。

円山町周辺はたまに飲むことあるし、渋谷百軒店や、丸井とタワーレコードがある神宮通の交差点、宇田川町交番前、センター街、公園通りを抜けて渋谷TSUTAYAで折り返して道玄坂へ向かうジョギング風景などなど、渋谷を堪能できる、渋谷が生んだカルチャーを映像で堪能できるという点は楽しかったですね。

 

コロナによる公開延期、伊勢谷友介の逮捕、さらに伊藤健太郎まで逮捕という、バツが3つもついてしまった作品になってしまいましたが、それ以前に内容はバツだらけでした。

ネット上では「ひき逃げDJ撥ね太郎」とか残念な大喜利合戦が繰り広げられていますが、僕から言わせれば内容に関しては「ポンコツDJサゲ太郎」でした。

 

 

楽しめたという方がこの感想を呼んで傷ついてしまったら申し訳ありません。

所詮原作など読んでいない男の戯言です。

受け流してください。

というわけで以上!あざっしたっ!!

満足度☆☆★★★★★★★★2/10