モンキー的映画のススメ

モンキー的映画のススメ

主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

映画「万事快調〈オール・グリーンズ〉」感想ネタバレあり解説 クライム感出せばもっと面白いのに。

万事快調 〈オール・グリーンズ〉

数年前、「大学在学中の学生が松本清張賞受賞」なんて記事を読みました。

賞そのものにどれだけの価値があるのか、普段本を読まない俺にはさっぱりわからなかったけど、「高校生が学校の屋上で大麻を育てて一獲千金を狙う」というプロットに、当時物凄く惹かれたんですよ。

 

「これ映画にしたらめっちゃ面白そう!」と。

 

でも、まぁ、普段読まないから、読むとしても文庫になってからだな…と、興味は持ったものの手を伸ばすことはありませんでした。

 

それから数年、「釜山国際映画祭で旬の若手女優が登壇」という記事を読んだ俺。

何の映画か調べてみると、「はて?どっかで見たことある話だな、あ、原作あるのか、…ってあれ!?もしかして!?」

まさかあの時興味を示した原作だったとは!!

 

しかも監督が「猿楽町で会いましょう」の人!?

いかんいかん!これはマスト鑑賞だろ!!

その前に原作読まんと!!!

 

 

と、いつもの「これと思ったらそのこと以外目に入らない」B型気質が暴走。

仕事後ブックオフに直行したものの都合よくあるわけもなく、今から他の書店に行く時間がない、でも今すぐどうしても読みたい…

そうだ!!

電子書籍という手があるぞ!

でも!

普段読書をしない俺は、もちろん電子書籍など購入したこともなく、本といえば「紙媒体だろ!」なアナログ思考。

あの1枚1枚ペラペラめくるアレがあるから、続きに没頭できるんじゃねえか!

 

だから後日書店で購入しようとその日は諦め…きれなかったんですわこれがw

 

気が付いたらKindleをインストールし、アマゾンで電子書籍を購入!

その日の夜と翌日の午前中にかけてという、いかにも読書慣れしてないバカのペース配分で一気に読破してしまったのであります。

 

 

もちろん大満足。

北関東の寂れた町で大人になっても暮らすことなんて毛頭なく、一刻も早く地元とおさらばして東京で音楽やりてぇ!!と悶々としていた高校時代。

あの時の鬱屈した感情と本作の女の子たちの気持ちがものすごくリンクしたし、何より映画好きにはたまらない固有名詞がバンバン出てくるじゃねえか!

 

 

ヒップホップやSF小説、漫画方面は弱いけど、これらの固有名詞がただ羅列するのではなく、使うことで心情や意図が理解できる読みやすさ。

「万事快調」とか言っておきながら、全然うまくいってねえ感じも未成年ぽくてほほえましく、クライマックスの場面は絶対映画だったら最高だぞ!

そんな興奮状態で読み終えたのであります。

 

あ~公開前に読み終えてしまった…でも、「東京国際映画祭」で上映されるんだなこれが!!というナイスタイミングを見事に活用し、皆様より一足も二足も先に鑑賞したわけであります。

というわけで少々前置きが長くなりましたが、イントロダクションに続いて感想でございます。

 

 

作品情報

著者の波木銅が弱冠21歳の現役大学生で第28回松本清張賞を満場一致で受賞し、話題を呼んだ青春小説「万事快調 オール・グリーンズ」を、写真家志望と読者モデルの美しくも儚く痛い恋愛映画「猿楽町で会いましょう」の児山隆監督によって映画化。

 

未来が見えない田舎町を舞台に、スクールカーストの違う女子高生3人が、鬱屈した日々から抜け出すため、そして夢をかなえるために「大麻を栽培して売りさばき一獲千金」を企む姿を通じて、時代の閉塞感を吹き飛ばしていく。

 

 

 

ラッパーを夢見ながらも、学校にも家にも居場所を見いだせず鬱屈とした日々を送る朴秀美役には、南沙良

もう一人の主人公、陸上部のエースで社交的、スクールカースト上位に属しながらも、家庭では問題を抱えている映画好きの矢口美流紅役には出口夏希

 

さらに、朴秀美や美流紅とともに、同好会「オール・グリーンズ」を結成する岩隈真子を、劇場アニメ『ルックバック』で河合優実とともにW主演を務めた吉田美月喜が演じるほか、「ゴールドボーイ」で異彩を放った羽村仁成、「猿楽町で会いましょう」の金子大地、「見はらし世代」の黒崎煌代など旬なキャストが集結。

 

彼女たちの不適切な青春が、今、始まろうとしている。

 

 

 

 

 

あらすじ

 

ラッパーを夢見ながらも、学校にも家にも居場所を見いだせず鬱屈とした日々を送る朴秀美(南沙良)。

陸上部のエースで社交的スクールカースト上位に属しながらも、家庭では問題を抱えている映画好きの矢口美流紅(出口夏希)。

 

未来が見えない町で暮らすどん詰まりの日々の中、朴秀美が地元のラッパー佐藤(金子大地)の家で〇〇〇〇を手に入れる。

その出来事をきっかけに、同級生で漫画に詳しい毒舌キャラ岩隈真子(吉田美月喜)、岩隈の後輩で漫画オタクの藤木漢(羽村仁成)らを仲間に引き入れ、同好会「オール・グリーンズ」を結成、〇〇〇〇の栽培に乗り出す。


人生を諦めるのはまだ早い!

自分たちの夢をかなえるために、この町を出ていくには、一攫千金を狙うしかない!
そして、学校の屋上で、禁断の課外活動がはじまる―(公式より抜粋)

youtu.be

 

 

感想

地獄から抜け出すには犯罪犯すしかねえのよ。

彼女たちの人生の第二部が幕を開ける!

そこから抜け出したいなら突っ走れ!!

以下、ネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

原作からかなりうまくまとめたね。

東海村の工業高校に通う朴秀美と美流紅、真子。

彼女たちは決して仲良くつるんでるわけではない。

美流紅はスクールカースト上位の連中と楽しく談笑し、教室の隅っこで秀美と真子は、はみ出されたもの同士で肩を並べる程度の仲。

 

物語はまず秀美の視点で語られる。

引きこもりの弟に暴力をふるう父、それを心配する母親、抵抗むなしく殴られる弟、そして祖母。

帰宅するや否や家族と食事などせず、駅前に集まる「東海サイファー」たちと「ニューロマンサー」の名をかたりラップを披露し、終わったらアメスピを吸いながらストゼロを流し込む日々。

 

地元で有名なヒップホップアーティストの先輩に実力を認められた秀美は、制服で来ることを条件に、先輩の家で音源を作ってもらえる約束をする。

 

その帰り道、裸足で子供を抱えた女性が車に惹かれる姿を目撃。

たまたま美流紅と真子もその場に居合わせた。

夜中に帰宅したことに腹を立てた父親に殴られる秀美。

なぜ自分はこんなところでこんな人たちと暮らさなければならないのか。

 

そんな地獄を抜け出すきっかけとなる事件が起きる。

それは先輩の家に招かれたときのこと。

今回の作業をもって音楽の道を断ち、結婚と就職を決意した先輩は、音源を作る代わりに一発ヤラせてと秀美にお願いする。

 

躊躇する秀美だったが、か弱い女の子が男性の家に一人で上がり込んだ時の対処法くらいわかっている。

案の定先輩が差し出した飲み物には睡眠薬が混入してあり、隙を見て先輩の飲み物とすり替えたおかげで秀美は難を逃れた。

 

家を物色していると金庫の中に大麻の種があることに気づく。

こっそりカバンにしまおうとした瞬間、先輩が目を覚ましてしまう。

上に覆いかぶさって身動きの取れない秀美はなんとか抵抗するも、男の力には勝てない。

しかしたまたま近くにあったマイクで後頭部を殴って形勢逆転、そのままマウントポジションでひたすら顔面を殴る。

 

こうして心はボロボロになったものの、秀美は大麻を手に入れることに成功する。

 

 

一方美流紅は、実習中に小指を切断してしまったことで、周りの友達が離れていき孤立していた。

真子もこっそり応募した漫画のコンテストの結果を見て自暴自棄になっていた。

 

ある夜、秀美が駅前でラップをしているところを美流紅に見られてしまう。

急いでその場を離れる秀美だったが、美流紅に追いつかれ「ラップやってよ」とせがまれてしまう。

秀美は恥ずかしながらも、スクールカースト上位の美流紅に対する思いのたけをラップでぶちまける。

 

人が好きでやってることの邪魔をするな、お前みたいなやつに私の気持ちなんぞわかるものか、邪魔だ消えてくれ

そんな魂の叫びをぶつけられた美流紅はいたく感動する。

 

実は美流紅は、学校では人気者のように見られているが、家に帰ればぬいぐるみを集めインスタライブをし、ビーズでアクセサリーばかり作るイタイ母親と向き合わなくてはならない日々を送っている。

名前も「ハーヴェイ・ミルクからとった」と自分なりに解釈し、なぜこんなキラキラネームにしたのかさえも恨んでいる。

そんな母親と「友達」のようにふるまう演技を身に着けたことから、誰とでもうまくやれることが自然と特技になっていた。

 

互いに鬱屈な日々を抱えていた二人は、ボウリング場へ行き「こんな生活とおさらばするため」の策を練る。

売りでもするかパパ活でもするか、いっそのことチャリでも盗んで売りさばくか。

 

それをたまたま横で聞いていたのは真子。

実は彼女はこのボウリング場で働いていたのだ。

 

仕事を終えた真子は、帰り道も二人と共に帰る羽目に。

そもそもお前らなんでつるんでるんだよ、しかも何物騒なこと言ってんだよ。

バッティングした自分を呪うかのように文句の呪文を唱える真子に、美流紅は「イワクマコは何でバイトしてるの?」と問う。

 

彼女もまたこの地元から抜け出すために今から貯蓄をしていると語る。

 

そしてあの交差点、裸足のまま子供を抱えて車に引かれた女性は、その後河原で命を落としていた。

夫を殺し家を燃やして逃げていた犯人だった彼女。

3人は彼女と自分たちの未来を重ねていく。

 

このままでは、ああなってしまうかもしれない。

そこで秀美は、「大麻育てて売りさばいて金儲けしない?」と相談する。

すかさず美流紅は秀美に「そんなこといえるほど頭良くないよね?」と小馬鹿にするが、秀美はカバンの中から種を見せ本気であることを態度で見せる。

 

美流紅は思わずその案に乗るも、関わりたくないとごねる真子。

そうこうしてるうちに後ろから警官が追いかけてくる。

3人はすかさず夜の車道を猛ダッシュで走り抜ける。

 

こうして彼女たちの不適切な青春が幕を開けるのだった。

…というのが物語の序章です。

 

 

原作を読んだ身としては、秀美を軸に物語を進行しながら、美流紅の視点も見せていく構成になっていて、なかなか本筋に入らずに横道ばかり逸れていた原作よりもかなりスムーズに入っていて、これはよい改変だなと感じました。

 

原作では特に秀美の家族の話が結構長く、クチャラーの両親に対する秀美の思いや、引きこもりの弟や祖母のエピソードが読み応えあるものの、映画版では一切出てきません。

家のカギを無くして裏口からこっそり侵入した秀美を、死んだ爺さんの幽霊と勘違いしパニクって階段から落ちて死んでしまう祖母の話もないし、そんな祖母がずっと悩まされてきた幽霊の正体が実は大麻を盗まれた先輩が家にこっそり忍び込んでいたこと、しかもそれを弟が匿っていたこと、そんな弟を飼いならそうと暗躍するも、外見からメンタル迄がらりと変わってしまった弟の話など、本作には一切描かれておりません。

 

他にも吃音の設定だった真子の後輩をいじめられっ子の設定に変えていたし、原作では結構重要だと思っていたマチェーテが出てこない!

クライマックスでの対決には絶対欠かせないマチェーテは却下されてしまっています。

 

映像化したら確かに面白いだろうし、秀美の物語としても分厚くなったことでしょう。

ですが、あくまで「地獄から抜け出すために犯罪を犯す女子高生」を軸として考えたら本筋にはそこまで影響を与えるエピソードではなく、削って正解とも思えます。

さっきも言ったように、原作は3分の2くらいでようやく大麻を育てていくので、限られた尺を考えた場合、第1幕で大麻を育てる決意をさせないと厳しかったと思います。

 

 

また本作に欠かせないキャラづくりをした女優陣も見事。

特に本作の主役といってもいい秀美を演じた南沙良が思ってた数倍良かった。

 

これまでずっと彼女の作品を追っていたわけじゃないのですが、彼女がかつて出演した「あの子は邪悪」って映画の演技が酷すぎたんですよ。

セリフ回しがどうとか立ち振る舞いがどうとかは置いといて、誰かが演じてるときにただ突っ立ってるだけで表情も動きもサボってたんですね。

これは酷いよ、学芸会じゃないんだからせめて自分だけが抜かれるショット以外でも何かアクションしないとだめだろうと。

表情も終始固いし声量も出てないし、ただかわいいだけか!と。

 

それ以降彼女の作品を見てはいなかったんですが、今回見てめっちゃ成長してるじゃねえかと。

今回ラップを披露するんですが、ちゃんと練習しただけの甲斐がある披露でした。

若干リズムが「ん?」ってところもあったり、もっと堂々とやってもいいといった注文はあれど、身振り手振り含め一応の形になってるし、別にプロのラッパーを演じてるわけじゃないのでこの程度のレベルがリアルだな、そう思えるラップでしたね。

 

もちろんそれ以外にも、男と取っ組み合いしなきゃいけない、叫ばなきゃいけない、メンチ切らなきゃいけない、呆然としなきゃいけない、タバコも酒も様になってないといけない、ヤサグレMAXの中で暴言はいたりブチぎれなきゃと、清純派とは真逆の役を演じなきゃいけない中、すべてが想像を上回ってたんですよね。

 

要するに「カッコいい」女子高生を見事に表現してたことが何よりの収穫でした。

 

それに比べて美流紅演じる出口夏希は、原作とは少々イメージが違うキャラになってましたね。

普段は人気者だけど実は演技だった、そんな猫をかぶってるかのようなキャラだと認識してたんで、裏表の激しい役柄を見せてくれるのかなと思ってたんですが、彼女が出演した過去作と大して変わり映えのない演技だったなと…。

 

普段TVドラマや映画で明るく振舞う彼女をそのままやったことで、率先して大麻栽培をしようとする姿や、秀美や真子の前でもほかの生徒と大して変わり映えのない接し方をしてる辺りは、もっと差を出した方が良いのではと思いましたが、母親に大金を燃やされたことを機に感情むき出しになる姿を見て、「あ、それまでの芝居はここでグッと思わせるための布石だったのか」と解釈すると、割と悪くなかったかもしれません。

 

また真子のキャラ設定が「犯罪に対して後ろ向きでビビりだけど、一番まとも」なキャラだったし、秀美は不良の如くヤサぐれてるので、秀美と同じように不良っぽくしてしまうと逆にキャラが立たず霞んでしまっていたかもしれないと考えると、これで正解だったのでしょう。

 

3者3様のキャラが絡むからこそ、大麻栽培からの一獲千金が盛り上がったのだと思いたいですね。

 

とはいえ期待度の割には…

ただ残念ながら「思っていたんと違う!」という思いは強いです。

基本的に先に原作を読んでしまった場合先入観が生まれてしまうので、映像化された作品を素直に楽しめることは、僕にとっては難しいです。

じゃあ読まなきゃいいじゃんて野暮なツッコミはおよしなさいw

めっちゃ読みたかったんだもん!

 

真面目な話、もっと脚色してほしかったんですよね。

仮に青春映画とは言え、犯罪を扱ってる以上もっとスリリングな展開が用意されてほしかったんですよ。

 

今回万事快調とタイトルの如くコトが上手く行くわけじゃないんです。

様々なトラブルが生じてしまうんです。

例えば、客と対面するのはゲイカップルの男子高校生なんですが、一度秀美が行くことになったときになって「やばいおっさん」と遭遇してしまう。

一体誰に断ってここでマリファナ売ってんだあこら!!みたいな。

 

東海村周辺に「縄張り」とか「シマ」の概念があることに驚いたけど、どこにでもこういうやつらはいるのかと。

原作でもこの件はあって、ラップ仲間のジャッキーが助けてくれること、彼にマリファナをあげてたはいいものの、吸った途端目を離した隙に行方がわからなくなり、フラフラして車に轢かれて重体だったことなど、そこまで重要なエピソードではないんですけど、順序は違えど描かれてはいた。

 

でも、例えば、この件がチンピラの兄貴、または組の幹部にまで知れ渡って、マリファナの売人を捕まえろ!みたいにふくらます案はなかったのかと。

 

さっきも言いましたけど、犯罪をやるにはぬるいんですよ、原作も映画も。

学校の屋上という「先生に見つかったらアウト」な場所で、ふっつ~にタバコ吸いながら水撒いてるのほほんな姿もいいけれど、ずっとこんなだとメリハリがない。

ハリを出すためには、やっぱり彼女たちを敵対視する勢力並びに敵キャラ、彼女たちの成功を阻む何かがいないといけない。

 

そのためにはそこそこ大きな組織が出てもいいと思うんですよ。

東京に行って大麻を売りさばくシーンもありましたけど、あそこで追われてしまうとか罠にかかってしまうみたいなのもあってもいいよなと。

 

そして一番言いたいのは、そうした敵キャラを担当するのが大麻を盗まれた先輩にあたるんですが、全然出てこない。

出てこないし、出てきたら出てきたでそこまでの脅威がない。

 

原作では先輩は、秀美の家のカギと学生証を入手しており、家を突き止め祖父の部屋にずっと隠れて様子を伺ってたんですね。

で、弟を仲間に入れて探りを入れさせていくわけです、大麻持ってないか、と。

 

他にも、いじめられて引きこもりになってしまった弟に喧嘩の極意を教えたのち、様変わりした弟を利用できなくなったことから姿を消すが、やがて秀美の前に現れてビニルハウスの中でマチェーテ持って戦うっていう、アニメみてえな展開が待ってるんですよ。

 

秀美の知らないところで実はヤツが暗躍していた、ってのが第3者である我々にはわかっている。

いつこいつが秀美の前に現れて報復してくるのかわからないわけですよ。

そうしたドキドキを抱えながら小説を読んでいたので、映画でそれが一切ないのが僕としては不満でした。

 

やっぱり弟とのエピソード共に消えてしまったんでしょうが、そこは無の所から生み出して脚色してもよかったんじゃないかなと。

 

最後に

先輩の動きと同時進行で見せれば、読んで字の如く「青春の影」が近づくスリリングな内容にもなれたと思うんですよ。

 

何度も言いますが犯罪映画をやってる以上、敵対勢力は必要です。

何なら警察でもいいですよ、何やら管轄内で大麻が裁かれてるから検挙するぞ!みたいな。

それからうまく逃げたり時には反撃したり、涙を流すほどの最悪な事態があり最後には真っ向勝負するとかあってもよかったよなぁって。

それを夢中でやってるから青春で、因果応報なんて現実にはないって言ってる秀美に「因果応報」の重さを思い知らせる、だけどちゃんと策はあって、その言葉通りにはならねえぞ!って感じさせる面白さは出せたよなぁ、全くないわけじゃないけども。

 

ただこれは僕の不満であって、監督の意図としてはもっと「青春」に比重を置きたかったのかなと。

監督自身、青春を送った自覚がなかったけど、何かに夢中になってたあの瞬間は紛れもなく青春だったと語ってる。

この言葉を思うと、彼女たちがやってたのは「犯罪」よりも「青春」だよな、こんな地獄からおさらばするための通過点でしかなく、一度失敗しても走り抜けるだけの気力が今ならある、そんな若さも含めて青春なんだよなって言われてる気がしました。

アメリカンアニマルズみたいな映画にはしたくなかったんでしょうねw

 

ステレオタイプなんかにはめられてたまるかよ一度きりの人生と、中指立てて終わるあのセリフ、最高でしたね。

原作にはなかった閉じ方をしていたのは本当に良かったです。

実際に犯罪はダメだけど、地獄から抜け出すことはできる、地元がどうとか親がどうとか学校が金がとか○○ガチャに一喜一憂するんじゃなく、走るしかないんだと。

というわけで以上っ!あざっしたっ!!

満足度☆☆☆☆☆★★★★★5/10