モンキー的映画のススメ

モンキー的映画のススメ

主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

映画「おさるのベン」感想ネタバレあり解説 猿怖すぎっ!でもドラマ性なさすぎっ!

おさるのベン

猿映画、最近多すぎないですか?

ちょっと前に「ザ・モンキー」ってやつやったばかりでしょ?

猿でなく猿のおもちゃが怖いって話なんだけど。

 

で、もうちょっと前に「モンキーマン」てのがあったでしょ。

こっちは怖いんでなくて、インドの神猿がモチーフのノワールアクション。

 

どうしてもモンキー的映画のススメって名前でやってるんでね、敏感になってるし、猿だけに見なきゃいけないって使命感に駆られてる。

だから今回鑑賞する映画「おさるのベン」もちゃんと観ますよって話。

 

大体猿って怖いですよね。

動物園行って眺めてても、どこか怖い。

ちょっとでもちょっかい出すと威嚇するでしょ。ちょっかい出すこっちも怖いんだけどw

 

映画でも「NOPE」なんか怖かったよね~。起源で言ったら「猿の惑星」も初見時はちょっと不気味でしたし。

なんなら「28日後…」の冒頭の猿が暴れるのも怖いですからね。

このように、猿はホラーに持ってこいって話ですよ。

一体今回の猿映画、どれだけ怖いのか、早速鑑賞してまいりました!!

 

 

作品情報

IT/イット “それ”が見えたら、終わり。」を製作したウォルター・ハマダと、「海底47m」、「バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ」を監督したヨハネス・ロバーツが手掛けた、アニマル・パニック・ホラー。

 

ハワイの森の奥に佇む一軒の豪邸を舞台に、幼いころから共に暮らしていたチンパンジーが豹変し、家族に襲い掛かる姿を、幾度となく演出されるジャンプすケアによって、90分という短尺がもっとスピーディーに感じられる、ジェットコースター型パニックスリラー。

 

監督のヨハネス・ロバーツは本作を「スティーブン・キング原作ホラーのクジョーへのラブレター」だと語る。

クジョーは、狂犬病に罹った犬が家族を襲うという内容の映画。

温厚なペットが突如殺戮マシーンへと変貌を遂げてしまう絶望的な設定は、キング作品の系譜にあたる。

ヒッチコックの「」やスピルバーグの「ジョーズ」など、動物を人間が襲う映画は、多々あるが、本作は、たとえ人間に対して温厚に振舞う動物でも、理性が外れたらとんでもないことになるという恐怖を突き付ける。

 

キャストは、ルーシー役をドラマシリーズ「デクスター:ニュー・ブラッド」のジョニー・セコイヤ、ルーシーの父アダム役を「コーダ あいのうた」のトロイ・コッツァー、妹エリン役を、ジア・ハンターが演じます。

 

愛情をいっぱい注いだからこそかけがえのない、家族のような存在、それがペット。

そんな「かわいいけど怖い=kowaii」チンパンジーを、ご堪能あれ。

 

 

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あらすじ

 

大学生のルーシー(ジョニー・セコイヤ)は友人たちとともに、ハワイの森の中にある高級別荘地にたたずむ実家に帰省する。

 

幼い頃から家族として一緒に暮らしてきたチンパンジーのベンとの再会に心躍らせ、プールにパーティと楽しい休暇を満喫するルーシーだったが、いつもは賢くてかわいいベンの様子がどこかおかしいことに気づく。

 

やがて、豹変したベンは人間たちを次々と襲いはじめる。(映画.comより抜粋)

youtu.be

 

 

感想

狂犬病の恐ろしさを十二分に体感できるヤバさ。

それを伝えるのはいいが、肝心のお話が無さ過ぎて退屈。

愛する家族を殺さないといけない家族の複雑な気持ちが全くないのでグッと来ない。

以下、ネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

おっかなびっくり系ホラー。

ウィルスを持ったマングースと格闘した結果、ベン君どんどん具合が悪くなって次々と人間たちを殺しまくる、愛されペットの破壊的暴走ホラー。

 

大体猿をペットにすること自体が間違ってんのよ、人間にとって犬か猫程度の動物をペットにする方がちょうどいいの、って話はまず置いときましょう。

生態系の頂点に君臨する以上、それ以下の動物を飼い馴らせるという発想こそ、人間のエゴなのです(まだ言うかw)。

 

このベン君、どうやら言語学者だった母親が、人間とのコミュニケーションを研究するうえで飼っていたようで、かなり前から人間と一緒に住んでいた様子。

実家に連れてきた大学の友達も、なんで家に猿おんねんっ!?うぎゃあああっ!!

と、おっかなびっくりしてましたが、そりゃ誰だって驚くし、寧ろ人見知りなのって言われても信じられんし、それでいて握手求めてくるのも驚き。

 

とまぁ、色々驚くわけですよ。

 

ベン君は、人間に感情を伝えるためのパッドを渡されています。

パッドには家族や家族の友達の名前、そして様々な感情を表現するためのボタンがあります。

例えば、「モンキー、良い子」みたいに、名前と感情を一つずつ押すことで、相手に気持ちを伝えることができる仕組み。

 

これを押して人間に気持ちを伝えるだけでもすごいのに、ちゃんと誰に対してとかも分かってるからめちゃ賢い。

この程度のコミュニケーションができる動物なら、例え猿でも問題なく飼うことができるよね!って、妙な期待値を上げさせるのがこの映画の悪い所よw

 

しかしベン君、どうも様子がおかしい。

腕を汚してるのを見つけた父ちゃんが、馴染みの獣医に診てもらうよう手配。

小屋には血だらけのマングースがいたようで、万が一のことも考えてベン君は隔離されてしまいます。

 

すると夜遅くにやってきた獣医が、モノの見事にベン君によって殺されてしまいます。

この医者、小屋の中に隠れてしまったベン君を懐中電灯で照らした途端中へ引きずり込まれ、顔を皮ごと剥がされるだけでなく、肉の部分まで抉られて引き裂かれるという、なんとも恐ろしい光景からこの映画が始まるんです。

物語はその36時間前から始まるので、ツカミとしての登場だった御様子。

 

ね、言ったでしょ。猿なんて飼うもんじゃありません。

人間に一番近い動物だからって、むやみやたらにシャツ着せたり一緒に遊んだりするなんて言語道断!

野蛮な動物だってことですよ~。

 

これ見た後に天才志村どうぶつ園とか見れないよね。

 

とにかく様子のおかしいベン君は、この後檻から飛び出し、夜更けに目を覚ました彼らに襲い掛かるのであります。

 

 

本作の凄い所は、ベン君役の猿が、ま~~じで演技が巧いところ。

もちろん特殊メイクを施したり照明やカメラワークで怖く見せてるんでしょうが、あんなによだれ垂らしたり唸らせたりキャッキャキャッキャ騒がせたりと、そう簡単にできる芸当じゃないと思うんです。

 

そもそもベン君は、人を襲わなきゃならない。

劇中ではいきなりマウントポジションで襲ってくることもあれば、じわじわ近づいて恐怖を植え付けるような行動もあり、そのバリエーションは豊富だったんですよね。

 

細かいところで凄い所。

何とか車まで逃げてこれたし、スマホも手に入れた、これで助けを呼べるぞって時に乗る車を間違えた。

恐る恐る外に出ようとすると、既にベンが待ち構えており、何と都合のいい事か、間違って乗ってしまった車のキーを持っている。

鍵をかけてもリモートで解除されてしまうという、正に「詰み」しかない光景のシーンがあるんです。

 

これがさ~、ベンがリモートキーでロック解除を何度もするのが地獄なわけですよw

もちろん逃げた女の子の詰んだリアクションという受けがあっての成立だし、猿がただリモコン押すだけでしょって思うかもしれないけど、そこまでの過程で既にこの猿マジで怖ええぇ!!ってなってっからw

そりゃ最悪って気持ちになるんですよ、ええ。

 

他にも勝手についてしまったテレビにくぎ付けになるかと思ったら、急にテレビに向かって殴りかかるし、襲われた人間が阿鼻叫喚の表情をしてるのに対して、ベン君は一体どんな気持ちで口に指ツッコんだり腕抑えたりしてるんだろうと、人間でないからこそ底知れぬポテンシャル、想定を上回るアクション。

 

要するに欲しい所で欲しい動きをし、欲しいところで容赦なく襲い掛かる、マジでこれ演技!?と思っちゃうお芝居をするんですよ。

本作をどうプレゼンするかを考えた場合、、真っ先に言いたいのはこの猿の演技がヤバいってことです。

 

 

家族描写が弱すぎる。

とにかくベン君すごい!ってことを伝えたわけですが、残念ながら肝心のドラマが面白くないんです…。

 

まず最初に言いたいのが、一体誰が主人公で誰がどういう家族構成なのか、時間が経たないと分かんないって点。

まず主人公のルーシーはすぐわかる。

で、飛行機で隣に乗った子が、片割れのハートのペンダントを持っていて、ルーシーのと重ねるとひとつになることから、こいつら姉妹なのか?と。

でも、電話の向こう側にいるのが妹で、要するに三姉妹?と。

 

空港に到着すると男が待っている。

ルーシーの幼馴染なのか?でペンダント持ってる子と兄妹っぽく、一緒についてきた女友達に一目ぼれする。

で、一緒についてくる女友達と恋仲になっていく雰囲気がありながら、実は嫌な奴だったってのを急にぶっ込んでくるから、マジでこいつらの関係性がよくわからん。

 

ルーシーはルーシーで、この幼馴染に気があるような素振りをしておきながら、一ついてきた女友達と良い感じなってるのを見てしまったから、お前嫌いなんだよ!と吐いたんだろうが(もちろんベンを殺せと言ったことも加えて)、決して鬱陶しいそぶりも見せなかったし、実家についてきたくらいの仲なわけよ。

だったらこういう揉め方すんなよといいたい。

 

 

さらに残念なのが、ルーシーと妹、そして父を演じたトロイ・コッツァーによる家族のドラマが余りにも薄すぎるという点。

父親は出版した本のサイン会に行かなくてはならず、さらにそこで本の映画化について話内をまとめるために出張しなくてはならなくなったという設定。

だから、彼のいない間に悲劇が起きてしまうということが序盤で判明する。

 

またトロイ・コッツァーと言えば聾唖の演者であることから、劇中も手話で会話したり、音のこもった状態が突然挿入されることから彼の視点に切り替わることもしばしばみられる。

こうした描き方をする以上、きっと親父は帰ってきて何かしらのトラブルに巻き込まれることは予想でき、それがどういった演出でホラー描写になるのか楽しみにしてたわけです。

 

しかし出張と言っておきながら、数時間後には帰宅できてしまう距離だったり、彼が帰ってきたことで形勢逆転するような何かが猿笛のみという薄味感、耳が聞こえないことでどんな危機が降りかかるのかと思えば、後ろで娘が叫んでるのに気づかないということだけ。

う~ん。物足りない。

 

だいたい、家族が巻き込まれる系のホラーって、例えば父と娘の関係があまりよくなく、妹が間に入ってようやく家族って感じの仲の良さで、こうした危機を乗り越えることで親子の絆が深まるみたいな、それなりの感動ができる設定を用意してるはずなんですよ。

それがいくら安っぽくてもいいから、ホラーをやる前にそういうドラマを構築してくれよと。

 

実際は、全然帰ってこないルーシーに対して妹がご機嫌斜めで、ようやく3人揃ったから友達が帰った後で楽しもうって話し合いをするんですよ。

でも親父は出張でいないっていう、一体その約束はフリになるのかそれとも何の脈絡も繋がりも持たない会話なのかどっちなんだいと。

 

仮に、3人で仲睦まじい風景を見せたところで、友達はみんな死んじゃってるんで、その風景で終わるのもあり得ないし、一体何の会話だったんだろうって。

 

 

家の使い方ももっと工夫できたんじゃない?って思っちゃったんですよね。

もうね、いかにもって感じなんですよこの家。

崖の目の前にプールなんか作って、そのプールを上から眺めることができるデッキがあって、そこから家に上がれて、地下か2階に行けるって設計なんだけど。

デッキからプール、またはプールから崖ってのが、もう安全性が全く担保されてないあほ設計で、いかにもホラー映画向きの家なんですよね。

 

また猿は水に弱いということで、結構序盤の段階でプールから出られない状況になっちゃうんですよ。

猿が見張ってる中、どうやってここから抜け出して助けを呼ぶかってことになるんですけど、これがクドイ!

 

もうね、プールに入っちゃたら導線が限られるんですよ。そこから出てデッキに上がって家に入る。

この1本しかない。

なんとか家までは言ってスマホを手に入れたとしても、結局追いかけられてプールに戻るしかない。

スマホと車の鍵を手に入れて外に出ても、結局猿に見つかって終わり。

 

わかりやすい導線かも知れませんが、ワンパターン過ぎて面白みに欠ける。

せっかく複数いるんです、この行き止まりの場所から他のルートを探す道筋を作るとか、そこから二手に分かれて猿を錯乱させるとか、猿にも水が苦手という弱点の他に何かウィークポイント作るとか、色々やりようがあると思うんですよ。

 

それこそ導線がひとつしかないのであれば、猿が後退して人間が一歩前に出られるような攻防戦もできたりするはずなんです。

プールから出られないのは猿が目の前にいるから、では猿が家に入ったらデッキまで行けるんですよ人間たちは。

そこでどういう心理戦ができるのかとか、押したり引いたりの接戦もやれたはず。

まぁ、うまくいくかはおいといてw

 

 

あとは一番残念なのが、それまで家族として接していた猿に対する複雑な気持ちの少なさですね。

ルーシーがベンを銃で殺そうと叫ぶ友達に感情むき出しになったり、髪の毛掴まれたけど幾度か躊躇したりと、主人公らしく戸惑う箇所があるにはあるんですよ。

 

とはいえ、幼馴染含め狂犬病かも知れないとなった途端、けっこうあっさり敵とみなす感じが解せない。

ルーシーも妹に噛みついた時点でかなり怒ってたけど、既にその表情がペットに躾ける程度の怒りを超越した怒りになってたこと。

そりゃ冷静考えれば人間を傷つけた以上、もうダメなことはわかるんだけど、それでも小さいころからいた家族ですよ。

何か、思い出に更けるとか回想でもいいから我々にも伝わるようなベンの良さみたいなのを提示しても良かったと思うんですね。

 

要は感動ポイントですよ。

もうあいつは家族じゃないという見切りをちゃんと出すと同時に、でもベンはちゃんと家族だったという想いを見せるべきではと。

最後のとどめとかも、とうとう殺めてしまったかのような後ろ向きな思いが全く見えないし、最後家族で抱擁するけど、それでいいの?と。

 

あとは狂犬病にかかったことないからわからないんだけど、ベン自体かなり苦しかったはずなんですよ。

そもそも腕を噛まれていたいということを何度も訴えてたんですよね。

それを家族のくせに重く見てない感じとか、自分が自分じゃなくなってく葛藤みたいなものをベンは訴えてたんですよ。

こういう時にパッドを使って訴えるみたいなシーンがあっても良かったし、それで気持ちを伝えたと思ったら暴走して襲い掛かるみたいなフリとオチがあっても良かった。

 

ペットと家族という愛し合う関係を壊してしまった狂犬病を憎むみたいな結末に持っていくことは考えなかったんですかね。

もう最初から最後まで本当に家族だったのか疑いたくなる愛情表現の薄さでしたね。

 

 

最後に

簡潔に言えば、猿の演技はすごいが脚本がなってないと。

ホラー描写もよかったけど。

 

しかしなんでまたトロイ・コッツァーはこんな映画に出たんですかね。

色々と不思議な映画だったなぁ、怖かったけど。

 

文句が多くなってしまいましたが、こういう動物を使ったホラーは個人的にはあまりいいとは思えない部分もあり。

動物の意思が確認できない以上、こうしたお芝居は控えた方がいいのかなとも思っちゃうというか。

 

それを言ったらキリがないんですけど、狂犬病の怖さを伝えるための手段はこれでいいのかなってことも思うわけで、その辺は人それぞれで考え方が違うでしょうからこの辺でやめときましょう。

 

90分でまぁまぁ楽しめはしたものの、ただ辛いだけで旨味が全くないラーメンを食べたような、舌が痺れただけの映画でした。

というわけで以上!あざっしたっ!!

満足度☆☆☆☆★★★★★★4/10