モンキー的2020年映画ベスト10ランキング
はじめに
いつも読んでいただきありがとうございます。
管理人のモンキーです。
この記事を持ちまして、当ブログ「モンキー的映画のススメ」は丸6年を迎える形となりました。
長いようで短い6年。
もっと書きたいこと、もっと書けること、書かなくてもいいことなど、毎度毎度反省を繰り返しつつも次に活かせず、ブロガーとして成長できてない私ですw
そんなことを頭の片隅で考えながらも、思ったことを正直に、情熱かつ冷静に、これからも感想を述べていきたいと思います。
さて、今年も恒例の年間ベストを決めました。
満足度の高かった作品、劇場や自宅での鑑賞回数、依存度などなど、あらゆる角度から吟味し、当初の満足度に加点して順番をつけてみました。
要するに好きな映画順ですw
あくまで私自身のベストですので、どうか冷ややかな視線でなく、温かな目で参考程度に覗いてもらえればと思います。
ちなみに2020年上半期ベストはこちら。
2020年鑑賞した新作映画の本数は、112本!!
今年は新型コロナウィルスの影響で、多くの新作映画が軒並み公開延期という非常につらく我慢の1年だったわけで、何とか3桁に乗れただけでも鑑賞できた方なのかなと。
特に今年は、自粛期間中に毎日旧作を鑑賞できる機会ができたので、ある意味では充実した映画ライフを送れたのかなと。
それでは発表です!!
第10位
音楽
楽器も触ったことのない不良少年たちが、思いつきでバンドを結成し、青春の日々を疾走していく姿を、音楽と一体となった躍動感そのままに描く。
ブログを書いてないのがもったいないw
え~、私のブログ仲間であります「物語る亀」のカメさんからおススメいただき、見事に大ハマりした作品です。
かつて「音楽」を志し、バンドを組み、スタジオで本作のような「せーの」とは言わずもカウントとって一斉に音を鳴らしたあの時の感情を呼び覚ましてくれた本作。
じゃあ今楽器を手に取って音を合わせて出せばいいのかといわれると、それは全く違くて、あの頃の純粋無垢で何も考えずに、ただひたすら夢中になっていた年齢だからこそできたわけで。
とはいえ、僕の中の「少年」が再び汗まみれになって自転車こぐような熱さを感じたし、何よりそこに至るまでのオフビートな笑いも最高。
どちらの面でもはまった1本です。
第9位
ワイルド・ローズ
スコットランド・グラスゴーを舞台に、出所したての主人公がカントリーの聖地ナッシュビルで歌手として活動することを夢見るも、二人の子育てという現実にぶつかっていく、シングルマザーの成長譚。
はい、なんとこちらも記事を書いておりません。
Twitterのフォロワーさんが上半期に推していたので、配信を狙って鑑賞しました。
やはり音楽映画をやるからには、歌のうまい役者でないと僕はイヤで。
楽器もせめて「当て振り」だと思われないような演技をしてほしいと常々思ってます。
本作の主人公を演じたジェシー・バックリィは、「ジュディ/虹の彼方に」で初めて知りましたが、ぶっちゃけジュディを演じたレニー・ゼルウィガーよりも全然歌うまいじゃないか!と。
しかも声がカントリーだったりロック向きのハスキーボイスかと思えば、ウィスパーボイスで発する歌もとんでもなく美しい。
また奔放に振舞う姿と、真実を明かさなくてはならない姿のギャップ!
あたくしこういう女性の表情を見ると弱いですw
あこがれの地ナッシュビルに行かずとも、カントリーは歌えるという着地点も見事でしたし、何より母ちゃんよ!
サントラが最高なので是非!
第8位
ソウルフル・ワールド
夢をかなえたい音楽教師と、生きる目的を見出せないソウルが、「どんな自分」になるかを探す冒険に繰り出す、魂を揺さぶるファンタジー・アドベンチャー。
配信公開に対しての意見はそれなりにあれど、ここでしか見ることができないのであればもはや従うまで、と気持ちを切り替えディズニー+に加入し視聴。
主人公のジョーは、それまでの人生を振り返りたくないほど嫌気がさしていて、ようやくつかんだチャンスを前にして、「ソウル」になってしまうわけなんです。
そこで出会った「生きる目的」のないソウルと出会い、互いの目的を達成するために冒険に出るというお話。
「自分は○○をするために生まれてきた」、大義名分を掲げ一生懸命夢をかなえるために努力したのに、その道が閉ざされたり、叶わないことってあると思います。
それがなくなったからと言って「生きる意味」は失われてしまうのか?
そもそも「生きる意味」って何なのか?
これまで様々なJPOPが「前を向こう」「空を見上げよう」「信じれば夢は叶う」と無責任なフレーズを並べ、僕らは踊らされてきましたが、別に前を向こうが空を見上げようが夢を持ってなかろうが、それが「生きる意味」ではなく、もっと目の前にある絶対的な「瞬間」に触れたり意識することで、実はこの現実世界は素晴らしいものだということを教えてくれる作品だったと思います。
さらに言えば、その一瞬を生きることでたどり着く場所こそが「生きる意味」になっていくのではないかと。
ミスチル愛で覆われた私としましては、本作を鑑賞して真っ先に思い出したのは「HOME」というアルバム。
それ以前までは「バンド」として「旅」と人生としての「旅」を壮大なテーマで歌ってきた彼らがたどり着いた場所が、「目の前にある幸せ」という答え。
ずっと上を向いて歩いていたけど、目線を落としてみることで気づく日常の彩りは、本作に共通した部分なのかなと。
またたくさん「擬人化」して愛らしいキャラを生んできたピクサーだからこそできる表現力に、今回も思いっきりやられました。
2020年ギリギリに飛び込んできた良作でした!
第7位
ブルータル・ジャスティス
白昼堂々と銀行を襲った強盗犯 一攫千金を狙う2人の刑事
金塊に引き寄せられた狼たちが織りなす衝撃のクライム・アクション!
・・・これまた記事書いてません。
映画兄さんと飲んだ時に、「ブルータル・ジャスティスは今年観ておいた方がいいぞ」といわれ、自宅で高い料金払ってレンタル前に鑑賞。
鑑賞された方が口をそろえて「鈍重」と言うように、なかなかのテンポの遅さ。
しかしながら、この鈍重さとテンポの遅さ、無駄なシーンこそ登場人物の人間性が少しずつにじみ出てくるので面白い。
また、S・クレイグ・ザラー監督が描く暴力性と一見無関係なやりとりから「第2のタランティーノ」とも言われてますが、この無駄にも思える日常でのやりとりが、敵の残忍性と暴力性を増してくるのです。
そして本作は単純に刑事と強盗の金の奪い合いから、「分断された社会」や「貧富の差」などにも言及しており、メルギブソン演じる刑事の奥さんが嘆く言葉や、親子でしているハンティングゲーム、ラストでこのゲームを誰がしているのかを見せることで、社会性も秘めています。
ラストはモンキー的にはかなり皮肉だなと。
150分なんですが、200分近く感じます。
その長さのおかげで、日常に潜む狂気が良く描かれていた1本でした。
車中でサンドイッチを長い時間かけて食べるシーンはツボですw
第6位
レ・ミゼラブル
パリ郊外のモンフェルメイユを舞台に、警察官らと少年グループとの間に起った些細な出来事がきっかけで文字通り「悲劇」を起こしてしまう社会派ドラマ。
何でもかんでも上から力で抑えつけたら反発することをわかっているはずなのに、この物語に登場する警察官たちはわかろうとしない。
だから何でもかんでも見た儘をまねしてしまう少年たちは、ラストでとんでもないことをしてしまう。
今あらゆる国でこの負の連鎖ともいえる出来事が起きており、世界中で「悲劇」と化しています。
この悲劇を止めるためには、正しさを押し通すのではなく、力でねじ伏せるのではなく、怒りに任せるのではない。
大人がそんなことしていたら、子供だってマネしてしまうんですよ。
とまぁ、こんなことを想いながら見てたんですが、劇中での一触即発を見るたびにヒヤヒヤしてしまう緊張感は、本作で長編映画初なのによくできているなぁと。
とにかく「怒りで抑えれば、怒りしか生まれない」ってのを痛感した1作でした。
第5位
ブック・スマート/卒業前夜のパーティーデビュー
勉強に青春を捧げた仲良し二人組の女子が、パリピのくせに皆良い進路先だったことにショックを受けたことを境に、卒業前夜に青春を取り戻すべくパーティーに向かう姿を、コミカルかつセンチメンタルに描いた青春映画。
自身の青春時代を思い起こさせてくれるのが青春映画のいいところだと思うんですが、もはや僕が過ごしたようながっつりスクールカーストの学校映画なんて時代遅れ!と言われそうな、非常に最先端をいってる学校内で起きた青春映画でした。
二人の珍道中はアダム・マッケイ製作だけあって爆笑ものなんですが、それ以上にトイレはジェンダーフリー、見た目でいじめない、ステレオタイプだとみていたのは実は主人公たちで、周りの子たちは話してみたら超いい奴ら。
俺の学校生活もみんながこんなに寛容だったら、さぞ最高なスクールライフだったことでしょう。
実際にこういう学校があるわけで、それでも彼らには悩みがあって、救ってくれる人がいて。
日本もこれくらいになってほしいなぁと。
そして初監督であるオリヴィア・ワイルドのセンスの良さには脱帽です。
笑いのテンポもダレずに絶妙、それでいておセンチにさせようとしといてさせない!!
ラストの車中!あれはずるいって!!
とにかく青春映画史の新たな分岐点にもなり得るだろう画期的な作品でした。
第4位
シカゴ7裁判
1968年のシカゴ民主党大会で暴動を企てたとされる7人の被告=シカゴ・セブンの、歴史に悪名を轟かせた裁判の模様を、音楽と編集でテンポのいい作風に仕上げた群集劇。
右でも左でも原告でも被告でも公平に裁かれる場所なのに、一方的に不利な状況にされてしまうシカゴセブンたちの苦しい立場に、見る側は少しずつ怒りがこみ上げてきますし、肝心のシカゴセブンが思想の違いからなかなか一枚岩にならない姿にもやきもき。
そんな展開から、彼らが一つの答えを出した時のラストのカタルシスには、一瞬呆然としたものの、あとからグツグツ本作に対する熱い何かが噴き上げた1本です。
キャストも、年季の入った割には活きのいい役者陣ばかり。
特にマークライランスは素晴らしかった…。判事役のフランク・ランジェラもホント腹が立つほどの憎まれ役。
また歴史が繰り返されているとも感じ取れる作品なだけに、本作は今見る価値のある作品でしたし、我々は体制側がすることをしっかり監視しなくてはいけないのだなぁと。
第3位
ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密
ある資産家の死の謎を解くためにやってきた名探偵が、容疑者とされる家族たちの秘密を解き明かしながら真相に迫っていく姿を、ユーモラスとシニカル、アガサ・クリスティオマージュを盛り交ぜて描いた王道ミステリー。
007とは打って変わって、どこか隙がアリアリの名探偵を演じるダニエル・クレイグが名推理をしてしまうってのが面白かったですよね~。
二転三転していく謎ってのももちろんですし、一癖も二癖もある登場人物がホントいいんですよ。
人が死んでるってのに、容疑者の家族は遺産にばかり頭がいってるし、それをあざ笑うクリス・エバンスの嫌味な顔やアナ・デ・アルマスが終始困った表情でいるのもキャラとして素晴らしい。
また全体的になんか間の抜けた感じも好きなんですよねw
テンポといいカーチェイスといい。
そしてちゃんとアメリカの構造なんてのも下地にしてラストにメッセージを組み込むライアン・ジョンソン監督の脚本ね。
あの~急いで続編お願いしますw
第2位
ストーリー・オブ・マイ・ライフ/わたしの若草物語
幾多もリメイクされた「若草物語」を新たな解釈と構成にして大胆リメイク。 性格もし将来の夢も違う4姉妹の夢と憧れと現実の物語を、現代とこれからの女性たちにエールを送るようなタッチで描く。
鑑賞後すぐ記事を書く習慣なんですけど、本作を見終わった直後に書こうにも、シーンを思い出すだけで泣いてしまうという、落ち着け俺!状態でしたw
もう単純にどの時代の「若草物語」もいいんですけど、この使い古されてしまった古典的作品を、ここまで時間軸をぐちゃぐちゃにしても物語として成立させてしまう構成力といいますか、ジョーとエイミーを中心に4姉妹のキャラがそれぞれの夢を持ち、どう生きるかってのを、現代的解釈も加えてみずみずしく描いてるのがね~ま~ずっと見てられるといいますか。
観終わった後、オレ男なんですけど、女性が主人公の物語なんですけど、「その生き方でもいいんだよ?」って背中押してくれた気がしましてね~…
どうしてここまで刺さる映画だったんだろうなぁ~と今でも不思議に感じてます。
グレタ・ガーウィグって人は、おそらく次回作もアカデミー賞にノミネートするんでしょう。
それくらい監督として力のある方だと本作を見て感じました。
女優業もやってほしいけど、この「ストーリー・オブ・マイ・ライフ」を見て考え方が変わりました。
もっと作品作って!
そして!
モンキー的2020年映画ベスト、栄えある1位の座に就いたのは!!
第1位
フォードVSフェラーリ
60年代のアメリカを舞台に、モータースポーツの最高峰ル・マン24時間レースに参戦したフォード社に雇われた二人の男が、苦難を乗り越えながら勝利を目指すドラマ。
初鑑賞は2019年の東京国際映画祭。
実はあの日からずっと本作が暫定1位でしたw
単純に熱い男のドラマってのだけでも高い評価をしてしまうんですが、本作がすごいのはそれだけじゃない。
150分もの長尺にもかかわらず、時間経過を忘れてしまうほどの没入感と爽快感。
エンジン音がうなるにつれてBGMも加速し、見る者の耳までも楽しませる演出。
現実社会でも味わうかのような過酷な試練。
それでも夢とプライドと命を懸けて突っ走る男たちの熱い熱い魂にやられたんですよあたしゃ!!!
二人の男たちの姿も素晴らしく、社交的だけど、道半ばで離脱したことで心の中では夢を捨てずにいられるシェルビー、そんな彼が夢を託したのが限界へのあくなき挑戦をする暴れ馬マイルズ。
一見馬が合わなそうな二人がキャットファイトを超えて築いていく関係、絆、友情、そして…。
他にも職人監督を言わしめるジェームズマン・ゴールド監督の、レースを再現させるうえでの細部にまで行き届いたこだわりなんてのも映像からあふれ出ています。
また北米ではオリジナル脚本で1億ドル稼ぐという快挙を成し遂げており、リメイクや原作ありきの作品、ヒーローものでなくとも、大作映画としてオリジナル作品はまだまだ需要があることを証明した1本でもあります。
いわば「古き良きアメリカ映画」の匂いをふんだんに放った作品なわけですけども、僕はこういう映画がこの2020年に制作され公開されたというだけでもう興奮なんす。
そもそもかっこいいだろ、映画自体が。
というわけで、モンキー的2020年映画ベストテンは、
- フォードVSフェラーリ
- ストーリー・オブ・マイ・ライフ/わたしの若草物語
- ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密
- シカゴ7裁判
- ブック・スマート/卒業前夜のパーティーデビュー
- レ・ミゼラブル
- ブルータル・ジャスティス
- ソウルフル・ワールド
- ワイルド・ローズ
- 音楽
でした。
実写洋画8本の、海外アニメ1本、日本アニメ1本という、非常にバランスの悪いラインナップになりましたw
2020年て洋画が少ないから邦画の方が良作ぞろい、みたいな声を聞くんです。
その通りだと思うんですけど、僕の場合、大作洋画がなかったことで良作洋画に触れる機会が増えたからこそのランキングになったなぁと。
もちろん定番の話題作も入ってますけど、「ワイルドローズ」とか多分「時間ない!」って言って見逃してたもんなぁ。(でも劇場行ってないw)
来年は、延期した大作がガンガン公開!!されるのでしょうかね~。
そろそろ最速上映とか映画マラソンとかいきたいんだけど。
MCUでしょ、あ、ワイスピマラソン…は高カロリー過ぎるw
どうなる!?2021年の映画興行
「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」
「ワイルド・スピード/ジェットブレイク」
「ブラックウィドウ」
これらに共通することは、「公開延期」です。
新型コロナウィルスの影響により、世界の映画業界は相次ぐ大作映画を、パンデミックが収束すると予測される時期まで先延ばしにする策をとりました。
その結果、各国の方針もありますが、軒並み映画館は閉鎖。
映画が見たくても見に行けない状態が長く続きました。
アメリカでは州ごとに規制が違うそうで、中央部などのシネコンは営業してるそうですが、かける映画がない。
逆に都市部の州はいまだ映画館が営業できない場所もあり、北米の興行収入のおよそを占める場所でこのような事態に陥ってるのが現状です。
このような事態から、配給会社は独自の有料ストリーミング配信サービスを使って、配信での公開を検討しています。
特に近年の映画興行を引っ張っているディズニーは、「ムーラン」を配信公開した結果を考慮し、MCUやスターウォーズのドラマ発表に合わせ、かねてより製作がすすめられていた実写映画やアニメーションスタジオ製作の作品を「ディズニー+」での配信公開を目指していると発表がありました。
すべての作品が配信というわけではないにしろ、劇場公開から配信での公開になった作品も多々あることや、今後のコロナウィルスの状況によってはすぐさま配信に切り替えられることもできる措置をとっているに違いなく、劇場で映画を見たいという人にとってはおろか、劇場を運営する企業も苦しい状況になることでしょう。
一方映画配給の大手ワーナー・ブラザーズは、劇場公開と同時に、自社の有料ストリーミングサービス「HBO Max」でも同時に配信することを発表しました。
感染者の多い国では映画館は閉鎖状態ではありますが、日本のように通常営業している国もあり、開店休業状態の映画館を運営させることや、何より新作映画を見たいというファンの気持ちを考慮した結果とのこと。
2021年限定の策ではあるそうですが、ラインナップの中には「マトリックス」の新作や、ヴィルヌーヴの「デューン」、「スーサイド・スクワッド」の続編、「ゴジラVSコング」などもあり、共同出資しているレジェンダリーはこの知らせを受けてなかったそう。
また、新作映画が主な収入源になっている映画館チェーンも「同日配信」であることに怒りをあらわていることや、劇場公開を強行したクリストファー・ノーランも「最低のストリーミングサービス」と罵る始末。
きっと今回の問題の原因は、「HBO Max」での収入を見込んだものという見方をされてしまっていることや、何より根回しをしっかりしていなかったことが原因だったりするのかなと。
そもそも多くのクリエイターは「配信映画を作るためにワーナーと仕事してるわけではない」わけで、何も聞かされずにこのような発表をしてしまうのはおかしな話です。
また、今回このビジネスモデルが成功すれば、他の映画会社も追随するでしょうし、それが2022年以降も続くと予測でもできることや、定着してしまえば新型コロナ用のワクチンが普及されるであろう来年春先に期待できる映画館への客足も十分には期待できない気がします。
他にもユニバーサルはアメリカ映画館大手のAMCとひと悶着したのちに、新作映画の早期配信に合意したことがニュースになりました。
公開17日で配信可能になるサービスをするとかしないとか。
ソニーはアメリカのアニメ配信サイトを買収したと報道があり、各配給会社が軒並みストリーミングサービスに力を入れている姿が見て取れます。
このような流れが加速すれば大手の映画館チェーンが深刻な経営危機に直面することは容易です。
一つの解決策として配信大手のネットフリックスやアマゾンが買収する動きもあるそうですが、これまで劇場で公開された3カ月に及ぶ独占期間は崩され、映画館は配信との差別化を図る試みをすることでしょう。
例えば、よりアトラクション化した最新鋭の音と映像などといった設備面に費用を費やすことになれば、その分鑑賞料金が上がることは避けられないでしょう。
「映画は映画館で見てこそ」の精神は、近年のブロックバスター映画に感銘を受けた「映画ファン」にとっても深刻な問題。
このようなニュースが流れるたびに批判的な意見をTwitterでよく見かけます。
しかし、このまま大作映画が公開延期し、映画館に足を運ぶ人が減り、映画館の運営が厳しくなれば、映画産業は衰退の一途をたどっていくことでしょうし、このような状況で大作映画を劇場公開しても配給会社は製作費を回収できないことはおろか、大赤字になることでしょう。
とにかく、「配信」に頼らなければ映画を作る側が経営できないわけですから、仕方のないことと割り切るほかないというのが現状。
まぁもっと言えば、コロナウィルスによるパンデミックが収束すればいいだけの話なんですが。
個人的には「配信」と「劇場公開」どちらがいいかと言われれば後者です。
僕も「映画は映画館で見てこそ」の精神を持つ一人として、どの配給会社も配信に舵を切ってしまう選択はやむを得ないにしても悲しいです。
ただ、日本ではこんな状況でもクラスターを起こさずに運営できている映画館ばかりなわけで、ラインナップこそ寂しいですが、これまでと同じように映画館で映画を見ることができています。
この幸せを噛みしめるとともに、海外にいる映画館に行きたくてもいけないファンたちのことも考えて、配信に舵を切っていく配給会社に任せることが最良の選択かもしれません。
きっとコロナが収束しても配信サービスの波は止まらないでしょう。
大きなスクリーンで体感できる映画は劇場で、家族で楽しめるようなアニメーションや予算の少ない独立系作品などは配信で、といったような住み分けが加速して行くことになる気がします。
昨今の動画配信サービスの多様化によって、映画館に行かずとも映画を気軽に楽しめる感覚が根付いてしまった今、このまま映画館は「オワコン」と化してしまうのでしょうか。
2021年は今以上に映画業界が大きく変わる予感がします。
しっかりアンテナを立てて見守っていきたいですね。
とりあえずさ、配信にかかる費用が増えるよね…。
最後に
2020年はみんなにとって深刻な事態となってしまいましたが、それでもエンタメの灯は消えることなく、我々を元気づけてくれました。
観たかった作品が先延ばしになってしまったことは悔やまれますが、一刻も早く収束され、劇場で堪能したいものです。
ピンチはチャンスではないですが、最優先してきた大作が減ったことで、普段見ないようなジャンルを鑑賞する機会が増えたことや、こんな年でもたくさんの良作があり、大きな収穫となりました。
一応モンキー的2020年映画ベストテンは上記の10作とさせていただきました。
ぶっちゃけて言うと、6位以降は書いてる時の気分で決めてますw
どんな順番でもよかったんですw
また、候補としては、「TENET/テネット」、「マザーレス・ブルックリン」、「パラサイト/半地下の家族」、「燃ゆる女の肖像」、「ザ・ファイブ・ブラッズ」、「82年生まれ、キム・ジヨン」などがあったんですが、このような結果になりました。
最後に、2021年は「いい年に!」なんて贅沢は言いません。
せめて「いつも通りの年」になってくれることを願おうと思います。
今年も読んでいただきありがとうございました!
来年もよろしくお願いします!!