ブリジット・ジョーンズの日記 サイテー最高な私の今
00年代最高のロマコメ映画といっても過言ではない「ブリジット・ジョーンズの日記」シリーズ。
あれから20数年が経ち、前作で晴れてマークと結ばれたブリジットでしたが、なぜ今になって続編!?と首をかしげております。
前作では、めでたくブリジットが妊娠したわけですが、相手がマークとジャックのどちらか判明できないややこしい事態がメインの物語でした。
1作目から何かとブリジットとうまくいったり行かなかったりとすれ違いの恋愛を続けてきたこともあって、ようやくお前たち結ばれたか!めでたしめでたしだな!と半ば親心のような気持ちで本作を堪能したのに、なぜ続編!?(2回目w)と。
なんと、マークが亡くなってしまったところから話が始まるそうで、これまた一波乱ありそうな気配。
しかも!前作の最後で事故で死んだと思われていたダニエルが、なんと生きていたことが明かされたので、非常に楽しみです。
早速鑑賞してまいりました!!
作品情報
酒豪&ヘビースモーカー&オーバー気味な体重で、補正デカパンが相棒。何をやってもドジだが、いつも前向きに爆走し、恋もキャリアも大事な女性の本音を体現した主人公の魅力で大ヒットした、レネー・ゼルウィガーの代表作「ブリジット・ジョーンズの日記」の最新作。
前作で妊娠が発覚し、晴れて幼馴染のマークと結婚、二人の子をもうけ幸せいっぱいのブリジットに再び災難が起こり、新たな人生の一歩を踏み出す姿を、アラフィフとなった彼女を通じて等身大の女性を余すことなく見せる完結編。
高額当選した宝くじの賞金を使い果たしどん底に落ちたシングルマザーの再起を描いた「To Leslie」のマイケル・モリスが監督を務めた本作。
本作について監督は、人気シリーズのこれまでらしさに加え、それまで無縁だった問題を向き合うために「悲しみのコメディ」に仕上げたとのこと。
人生の上で誰もが避けて通れない経験を、ブリジットを通じて敬意を払いたいと願う映画になっているそう。
キャスト陣は、これまでブリジット・ジョーンズを演じ続けてきたレネー・ゼルウィガー、夫マーク役のコリン・ファース、そしてまさかの生存が発覚したかつての恋人ダニエル役のヒュー・グラント、産婦人科医として前作に登場したローリングス役のエマ・トンプソンらが続投。
そして、今回新たな恋の相手として、年下男子のロクスター役をNetflixドラマ「One Day/ワン・デイ」のレオ・ウッドールが、息子の理科教師ウォーラカー役を「ヴェノム:ザ・ラスト・ダンス」のキウェテル・イジョフォーが演じる。
夫の喪失を抱えながら子供の世話や職場復帰と、再び社会の荒波にもまれていくブリジットに、幸せは訪れるのか。
あらすじ
弁護士のマーク(コリン・ファース)は4年前にスーダンの人道支援活動中に命を落とし、2人の子供の母親ながら再びシングルになったブリジット(レネー・ゼルウィガー)。
立ち直れない日々が続いていたが、親友たちや元彼・ダニエル(ヒュー・グラント)にも支えられ、仕事に復帰。
更に、公園で出会った29歳のロクスター(レオ・ウッドール)とアプリで繋がり、意気投合。
一方、厳しい理科教師のミスター・ウォーラカー(キウェテル・イジョフォー)とは、彼の息子ビリーへの真摯な優しさを知り、次第に距離が縮まる。
子育てや仕事に追われながら「いつでもマークが恋しい」と子供に話すブリジットだが・・・(HPより抜粋)
感想
#ブリジット・ジョーンズの日記 #サイテー最高な私の今 観賞。
— モンキー🐵@「モンキー的映画のススメ」の人 (@monkey1119) April 11, 2025
いやぁ泣いたし笑った。
最愛の夫を亡くし、新たな一歩を踏み出すブリジットがワーママとして奮闘するシリーズ完結編。過去作のネタも過去キャラもすごいけど、何よりすごいのはレネーゼルウィガーがむっちゃキュート。楽しかった! pic.twitter.com/VJ3FOaFYfb
まるで同窓会。そしてファンムービー。
だけどちゃんと完結編になってたのが素晴らしい。
最愛の人は失っても、ちゃんとそこに存在するんです。
以下、ネタバレします。
マークが亡くなって4年。
最愛の人を失い、子供2人に翻弄されながら暮らすブリジットが、アラフィフになって職場復帰に新たな恋人と大忙しの1年を迎える完結編。
監督が「悲しみのコメディ」と語ったように、マークの姿がチラつく序盤。
仕事もせずに一体どうやって生計を立てていたのか(遺産?)わからないが、相変わらず部屋は汚いし髪の毛はボサボサ、料理もロクにできないブリジット。
子どもたちもわんぱくで、長男はニンテンドーswitchに夢中、長女はお母さんに似てどこかぶっ飛んだ性格を思わせる言動や行動に、正直マークがいなくても賑やかじゃねえかと思わざるを得ないオープニング。
そこへやってきたのはダニエル!
前作で生存確認された彼が早々と登場し、なんとブリジットの子供たちのシッターを買って出るという意外な展開。
あれ?結局ダニエルと再び付き合うことになったの?
違うんです、その日はマークの誕生日。
夜にマークの友人たちと食卓を囲んで祝うという日だったんですね。
そこには旧友のシャザ―の姿も見られ、賑やかに彼を祝うかと思いきや、どいつもこいつも性差別発言ばかり繰り返して散々な羽目に。
結局いつものメンツであるジュードやトムらと酒を飲み交わしては哀しみを癒す時間を過ごすことに。
皆は口をそろえて「新しい人を探したら?」「セックスしないと塞がっちゃうぞ」と、相変わらずストレートに物事を言っちゃう感じなのは本シリーズそのもの。
産婦人科の先生からもちゃんと職務復帰しなさいということで、ようやく哀しみから解放されるためにブリジット行きま~す!と新たな一歩を踏み出すのであります。
序盤はとにかくマークの幻影が姿を見せるのが印象的。
彼の誕生日を祝う会では玄関の前に現れ、ここで待ち合わせたかのように口づけを交わす2人。
またある時は、眠れない子供たちの前に現れ子守唄を歌う姿まで。
4年という月日が流れても、未だ喪に服す状態のブリジットが、未だ彼との生活から抜け出せないでいることが窺える序盤でした。
ティンダーで繋がる新たな恋。
「ベイビーガール」という映画で、昨今熟女が年下の男性と恋愛を描く作品が増えていることに触れましたが、本作でもその傾向が。
これまでダーシー、ダニエル以外にもダンディな男性が登場しては、ブリジットを翻弄させてましたが、今回の相手はなんと年下の男性ロクスター。
うるさい子供たちを前に一人になりたいブリジットが、子供たちを連れて公園になってきたのはよかったんですが、子供たちが木から降りれなくなってしまう事態が発生。
母親としてここはしっかりしなきゃと木に登って降ろそうとするんですが、なんとブリジットも降りれなくなってしまう。
するとそこにジョギング中のウォーラカー先生に遭遇。
恥ずかしい所を見られるも、自分でできると助けを断ってしまうブリジット。
すると今度はレンジャーが登場。
逞しい体で3人を木から降ろして一件落着・・・かと思ったら、ミランダに勝手に登録されていたティンダーの「セフレ募集」という画面を見られてしまうことに。
さらに赤面状態のブリジットでしたが、なんと数日後ロクスターからティンダー経由で連絡が来るという驚きの展開に。
初デートで29歳であること、レンジャーのバイトをしながらゴミの研究をしている学生であることに、さすがのブリジットも「こりゃ恋愛には発展しないか」と思いつつも、家まで送った勢いでキス&エッチを果たしてしまう。
その後もパイを土産にやってきたロクスターと幾度も身体を重ね、子供たちからも快く受けいれられるほど良い関係に。
一番爆笑したのは、ブリジットが職場復帰した女性向けの情報番組の司会者タリサの誕生日パーティーに遅れてやってきた時。
目の前にあるプールにタリサの犬が飛びこんでしまい、皆が慌てて犬を抱えようとするんですが、みんな濡れたくないから中に入れないと躊躇。
そこへ遅れてやってきたロクスターが、すかさず着の身着のままで飛び込む瞬間をスローモーションで映し出します。
なんていうんでしょう、若さとは誰もが憧れるもので、彼の抜群に素晴らしいプロポーションに、とっくにピークを過ぎた中年男女は目が釘付け!
しかも犬を救出した後、すぐさま「遅れてごめん」とブリジットにキスした瞬間の女性陣の羨望の表情たるや!
未だあったことのない噂のブリジットの彼氏が、あんなにイケメンでセクシーボディの持ち主だなんて!みたいな顔で見つめるしかない姿を、しっかり見せつけるシーンは爆笑モノでしたw
しかしその日を境にロクスターは、ブリジットの前から姿を消してしまいます。
連絡が途絶えたブリジットは数日間は塞ぎがちでしたが、吹っ切れて仕事に子育てにと再び奮闘。
番組のリハーサルの最中にパイを持ってやってきたロクスターは、あまりの年齢差と子持ちの女性であることに、このまま付き合うことに対して逃げ腰になっていたのでした。
覚悟を決めて再度プロポーズをしたロクスターに対し、ブリジットはあっさり断ってしまうのです。
実はタリサのパーティーの際、ダンスをしながらつい「タイムマシンがあればいいのに」と酔った勢いで口にしてしまっていたのです。
ブリジット自身もさすがにこの言葉によって現実に引き戻されます。
そしてプロポーズの際に「タイムマシンがあれば、私と同じ年齢になれるのに」と返し、彼を帰すのでした。
僕が凄くいいなと思ったのは、このタイムマシンの返しです。
自分が若返れば釣り合うのにというのではなく、相手が自分と同じ年齢なら釣り合うのにという点が、若さに固執してなくてよかったんですよ。
決して彼女はあの頃に戻りたいわけではなく、今を幸せにしたいと感じて生きてるんですよね。
確かにマークの思いをずっと引きずってはいるんだけど、それはそれ。
このセリフはすごく効果的だったと思います。
後半はウォーラカー先生と。
こうして若者との恋愛を終え、今を楽しく生きようと再び歩み出したブリジット。
今度はやたらと息子の担任であるウォーラカー先生と絡む機会が増えてきます。
先生は新任ということで、初対面はやたら笛を吹いて生徒たちの風紀を取り締まるかのようなめんどくさそうなタイプの先生でした。
物事を全て科学的に語ることで、息子が書いた「地球の上に浮かぶ天国」の画を、非科学的と評してC評価を下すほどの徹底ぶり。
このように悪印象から入ったウォーラカー先生。
さらに木登りから降りれない姿を見られたり、ロクスターとの初デートに備えてありとあらゆるコンドームを購入する姿を見られたりと、ここぞという時にバッティングすることもあって、会わすかのないブリジット。
やがて親の仕事ぶりを語る職業授業を担当することになったブリジットは、TVのプロデューサーがどんな仕事かを、生徒たちの前で披露することに。
ウォーラカー先生をゲストに迎えた対談番組をシチュエーションに、先生と「ハエの生涯」について語る流れになったブリジットは、息子からの「死んだらどうなるのか」という質問をきっかけに激論をしていく羽目になります。
死んだら終わりだというウォーラカー先生の言い分に対し、魂は天国のハエの親と共にあるのではないかと平行線をたどる議論に、フロアディレクターを体験している生徒から制止される一幕で決着。
しかし後半は、この息子が発した「死んだらどうなるのか」という疑問が付きまとう展開に。
そう、息子マーク譲りの賢い子だからか、亡くなってしまった父親の事をいつか忘れてしまうのではないかとずっと塞ぎ込んでいたのであります。
自然広がる山々でキャンプをすることになり、引率することになったブリジットが、子供たちを寝かしつけてる間に、先生とブリジットの息子はそのことに関して話し合うことになります。
これまで散々科学的な根拠を基にあれこれ言ってきた先生でしたが、この時ばかりは塞ぎ込むブリジットの息子に対し「姿かたちは消えてしまったけど、ちゃんと君の心の中に存在するんだ、だから決して忘れることはない」と語るのです。
そうした優しさをしっかり持っているウォーラカー先生は、クリスマス会でブリジットを喜ばそうとサプライズを仕掛けるんですね。
それが息子ビリーによる「I'd Do Anything」という歌の独唱です。
これ序盤にマークの幽霊が息子を寝かしつける際に歌っていた歌なんですよね。
マークが歌っていた歌を息子が歌うことで、彼の存在は決して消えないという意味を含ませたであろうこの演出は涙なしでは見られませんでした。
そんな先生の優しい一面を持っていることを知ったブリジットは、この後予定されている仲間たちとのパーティーに招待します。
遅れてやってきた先生は、中に入ることに躊躇。
ブリジットが追いかけて中に入るよう促すが、どこか及び腰の先生。
今度話したいことがあるといいながらその場を去ろうとしますが、意を決して先生は告白するんですね~!!
木登りの際に先生がブリジットに語ったニュートンの法則の第3法則に倣い、「等しく反対である」ことに惹かれていたのだと。
本シリーズを通して、結局結ばれるのはブリジットとは正反対の性格の持ち主だったりします。
最たる例がマークだったように、やはりブリジットを支えるのはこういうキャラなんだと。
ファン映画ですよ。
こうしてハッピーエンドを迎える本作は、一応これで完結とされているようです。
しかし今回一切おさらいせずに挑んだんですが、やっぱりブリジットジョーンズの日記は面白いなと再確認することができたロマコメでしたね。
元々は高慢と偏見をベースに作られた物語だそうで、実際にコリン・ファースが高慢と偏見に出演していた経緯もあって、こういうキャスティングになったそうですけど、そんなマークがいなくなってどう決着をつけるんだろうと。
やはりロマコメですから、いなくなってしまった後もブリジットの人生は続くわけで、これまでなかったパターンでシングルマザーの恋愛を、ブリジットを取り合うような構図にするのではなく、若者との恋と科学的なことしか言わない先生との恋を、1年という歳月をかけて描いた力作でした。
相変わらず男性の裸を見ては興奮し、めんどくさいママ友の前でご機嫌を伺いながらも腹の中では正反対のことをぼやくブリジット。
劇中では赤いパジャマ(過去作で着てたのまだ持ってるなんてw)を羽織って子供たちを学校に送ったり、デートに着ていく格好に迷うシーンでは、過去にオフィスで着てきてしまったスケスケの服や、かつて穿いていた勝負下着が登場したりと、ファンならクスッと来るアイテムがゾクゾク登場する喜び。
アイテムで言えば、一番感動したのは、終盤の大みそかの夜に、かつてマークが来ていたトナカイのアグリーセーターを息子ビリーが着ていたというサプライズ演出。
これにはグッと来たファンも多かったことでしょう。
懐かしいといえばダニエルの再登場もさすがでしたね。
恋人であるモデルの朗読会の最中に堂々と電話に出たと思ったら相手はブリジット。
相変わらず子猫ちゃん扱いで卑猥な言葉を平然と言うダニエルは、ジジイになっても変わってないし、何より静かにしなきゃいけない場で「お義母さんが危篤で」とかふざけたことを言いながら卑猥なことを言うダニエルに笑わずにはいられません。
それ以外にもシッターの相手をしながらダーティービッチなるカクテルを作ってたのも笑える。
これエンディンングで子供たちに作り方教えてましたね、バカかw
そんなダニエルにも体の不調を訴えるシーンは印象的。
ブリジットも未だに酒をガバ飲みする姿が映って懐かしいなあと思ったけど、いつかだ似るみたいにならないか心配になるシーンでしたね。
そこでダニエルは2歳の時から会ってない息子への思いを語り出すんです。
ブリジットを見ていると、自分もそんな人生を歩んでいたかもしれないと語るダニエル。
それでも相変わらず女に目がない姿をブリジットに知られるのがまた笑えるんですが、本作はそんなダニエルの変化も描かれるのが特徴だったりします。
最後に
イギリス映画ならではの演出も秀逸。
様々な楽曲を巧みに使用しながら、ウェットな部分はウェットに、それを跳ね返すかのようにハッピーな瞬間を思いきり彩る雰囲気は「ラブ・アクチュアリー」や「アバウト・タイム」を彷彿させるものでしたね。
また、デヴィッド・ボウイのモダンラブから景気よく始まる本作で何よりも魅力的なのは主演のレネーゼルウィガーが相変わらずブリジットであるということ。
彼女が悲しんでる姿はやっぱり見たくない。
どんなに辛い状況でも笑い飛ばして楽しい今を過ごすからこのシリーズが大好きなんです。
彼女と同じように歳を重ねた女性なら、今がどんなに辛い時だったとしてもきっと元気になるだろうし、それは男である自分も一緒。
今を楽しく生きることが何よりの幸せだし、困難やカオスな状況でも楽しめればこっちのもんだと。
最愛の人を失った悲しみを引き連れて、ブリジットの幸せを心から願いたくなる映画でしたね。
最後になって気づきましたが、あのフクロウはマークの生まれ変わりだったのかもしれませんね。
魂は決して死なないということを示したラストだったと思います。
サイテーだけど最高なブリジットに幸あれ!
というわけで以上!あざっしたっ!!
満足度☆☆☆☆☆☆☆★★★7/10