モンキー的映画のススメ

モンキー的映画のススメ

主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

映画「ブレットトレイン」感想ネタバレあり解説 運命を恐れず、悪運は幸運と思え。

ブレット・トレイン

2021年に行われた「東京オリンピック/パラリンピック」。

本来ならたくさんの海外旅行客が訪れ賑わうことで、インバウンドによる経済効果が見込まれるはずだったんですが、ご存じの通り「新型コロナウィルス」の蔓延により「無観客」での開催となってしまいました。

 

ただハリウッドの映画業界では、このオリンピック開催を見込んでか、「日本を舞台にした作品」がいくつか制作されていましたね。

 

Netflix映画「KATE/ケイト」や「G.I.ジョー/漆黒のスネークアイズ」、wowowで独占放送されたマイケル・マン監督による日米共作ドラマ「TOKYO VICE」に関しては実際に日本でロケーションを行った作品でした。

また、「ワイルド・スピード/ジェットブレイク」や「MINAMATA」、ちょっと前で言えば「アベンジャーズ/エンドゲーム」でも、実際に日本でロケーションを行ってはいないものの、東京や日本が舞台、またはシーンの一部として使われてました。

 

今回鑑賞する映画は、国内でのロケは行われなかったものの、日本が誇る「新幹線」が舞台となった映画です。

きっと企画を通す際に「オリンピックやるからうってつけだろう!」ってプレゼンはあったと勝手に思っておりますw

 

原作を書いた伊坂幸太郎映像作品は大好きで、まさかハリウッド映画になるなんて驚きすぎですw

早速鑑賞してまいりました!!

 

 

作品情報

数々の作品が映画化されていることでも有名な小説家・伊坂幸太郎原作の「マリアビートル」を、ハリウッドの屈指のアクションデザインメーカー、そして歳を重ねても尚精力的に活動するブラッド・ピットを主演に製作されたアクション映画。

 

世界で最も運の悪い殺し屋に襲い掛かる、<東京発>超高速列車での人生最悪な120分間を、ユーモアを交えて激しく描く。

 

新型コロナウィルスの影響により、日本でのロケーション撮影を敢行できなかったという主人公同様不運な目に遭った本作は、特設スタジオとCG技術によってアメリカ人が好む「トンデモ日本」を設計。

見た目はおかしな部分が目立つが、デヴィット・リーチ監督による壮絶なアクションメイクは必見。

 

さらにまさかのブラッド・ピットを主演に、ジョーイ・キング、アーロン・テイラー=ジョンソン、ブライアン・タイリー・ヘンリー、真田広之アンドリュー・小路など、アクションに精通するキャスティングで色を添え、「ザ・ロストシティ」でも共演したサンドラ・ブロックが友情出演を果たしたことも話題となった。

 

日本の小説、しかも日本が舞台ということでハリウッド映画界ではホワイトウォッシュ問題が取り上げられたが、原作者の伊坂幸太郎曰く「日本文化を理解してもらうための小説でもなければ、登場人物は皆現実離れした設定だから、日本人でないかもしれない」と言及。

あくまで著名なスターを起用しヒットさせることが重要であることを伊坂自身も容認した作品として位置付けられている。

 

原作とは違う視点で描かれる本作。

狭い空間でどんなアクションを見せつけてくれるのだろうか。

 

 

 

 

あらすじ

 

「最悪が止まらねぇ。」

 

東京発の超高速列車に乗り合わせた10人の殺し屋たち。

しかし、それは偶然ではなく、全てある人物によって仕組まれた罠だった。

 

終着駅の京都駅に近づくにつれ、繋がっていく10人の過去、そして因縁。

物語の最後、明らかになる衝撃の事実とは—(チラシより抜粋)

youtu.be

 

 

監督

本作を手掛けるのは、デヴィッド・リーチ。

 

チャド・スタエルスキと共にアクションデザインを専門とするスタジオ「87イレブン」を設立し、近年のハリウッド映画アクションにおいて欠かすことのできない存在として活躍をされてる一方で、「ジョン・ウィック」シリーズや「デッドプール」シリーズ、「ワイルド・スピード/スーパーコンボ」の監督としても大活躍をする、アクション映画のヒットメーカーであります。

 

そもそもスタントマンとしてキャリアを積んできた彼は、本作の主演を務めるブラッド・ピットのスタントダブルを担当していたという間柄。

ファイト・クラブ」や「トロイ」、「Mr.&Mrs.スミス」などでブラピの代わりにアクションをやってたんですね~。

 

ブラピ本人もいつの日か彼が監督を手掛ける作品に出たいと懇願していたことでしょう。

20数年経てようやく主演と監督という関係になれたことがきっと嬉しいはずです。

 

やはり監督にとって「ファイト・クラブ」は大きな分岐点になったそうで、デヴィッド・フィンチャーとブラッド・ピットという素晴らしいコラボレーションを目の当たりにし、そこで自分のスタントを経験させてもらったことが監督への第一歩に繋がったと語っています。

 

また、よくチョイ役で出演するのも彼の面白い所なので、本作でも探してみてはいかがでしょうか。


キャラクター紹介

  • レディバグ(ブラッド・ピット)・・・とにかく運の悪い殺し屋。いつも事件に巻き込まれ、無関係な人の死に遭遇してしまう。依頼人のマリアから”ブリーフケースを盗む”だけの簡単な仕事を請け、東京発の超高速列車”ゆかり号”に乗り込むが…。

 

  • プリンス(ジョーイ・キング)・・・外見は普通の女子高生だが、悪魔のような性格の持ち主。優れた洞察力と、自分の思い通りに物事が進んでいく”強運”を武器に、車内で起こる出来事を裏で掌握する。

 

  • ウルフ(ベニート・A・マルティネス・オカシオ)・・・メキシコNo.1の殺し屋。なぜかレディバグに強い恨みを抱いており、ブリーフケースを奪い品川駅で下車しようとしているレディバグにナイフを突き立てる。

 

  • タンジェリン(アーロン・テイラー=ジョンソン)・・・腕利きの殺し屋で、相方のレモンは幼いころから一緒に育つ双子のような存在。ホワイト・デスの誘拐された息子と、身代金代わりのブリーフケースを奪還し、京都に護送する任務を実行中。

 

  • レモン(ブライアン・タイリー・ヘンリー)・・・タンジェリンとコンビを組む殺し屋。かつてレディバグを銃撃したが、本人はそのことを憶えていない。「きかんしゃトーマス」を崇拝しており、そのキャラクターで人間を分析する。

 

  • キムラ(アンドリュー小路)・・・息子をデパートの屋上から突き落とし重傷を負わせた犯人を突き止め、復讐するため”ゆかり号”に乗車する。

 

  • エルダー(真田広之)・・・なにかと”運命”を語りたがる剣の達人。キムラの父親で、息子の復讐を止めようと米原駅で”ゆかり号”に乗車するが、思わぬ人物と再会することに。

 

  • ホワイト・デス(マイケル・シャノン)・・・世界最大の犯罪組織を率いる冷酷非道な男。大量の暗殺集団を引き連れて、京都駅でレディバグたちを待ち構える。

 

  • ホーネット(ザジー・ビーツ)・・・変装の達人。一刺しすれば30秒足らずで全身から出血してしまうブームスラングヘビの猛毒を手に、車中で身を潜めレディバグの命を狙う。

 

  • モモもん(???)・・・テレビ番組「モモンガ テレビキッチン」の人気マスコットキャラクター。”ゆかり号”にはモモもんでジャックされた車両があり、乗客の皆様をお出迎えしている。

(以上チラシより)

 

 

 

 

 

 

ついてないブラピに笑いつつtも、壮絶なアクションを堪能したいですね。

あとトンデモJAPANが一体どの程度のモノなのかも楽しみです(もちろんリアルを望んでないw)

ここから観賞後の感想です!!

 

感想

中々複雑な構成だが、しり上がりに面白くはなってた。

でもやっぱり無駄な部分は多くて、そこが良くも悪くもデヴィッド・リーチ。

以下、ネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ツイてない」は「ツイてる」!

黒幕の手引きによって京都行きの超高速列車に乗り合わせた殺し屋たちによる「運命」の行き先を描いた本作は、伊坂幸太郎特有の伏線の張り方を意識した会話と回想ベースの構成にしたことが出だしで躓いたものの、トンデモJAPANな背景をツッコむ楽しさや一つずつエピソードとピースがまとまっていくにつれ、アクションの小気味良さも手伝って爽快感の増す作品でございました…が、やっぱデヴィッド・・リーチは映画作るのうまくねえ!w

 

運命という言葉。

僕自身普段使うような出来事って早々ないんですが、多分存在するんじゃないかと。

それこそ人生そこそこ生きてきて、こうやって趣味が高じてブログを書いてる今の自分て、色んな選択肢の中からそれを選んでたどり着いて、色んな人と絡ませてもらってる事って「運命」なんじゃね?と。

 

結局運命って、今こうしていられるのは過去の行いによって行きついた地点であるわけですよ。

たとえそれが良いことだろうが悪いことだろうが結果として「運命」だと。

因果応報みたいなことか?

 

「めでたく結婚しました、幸せです」ってのを運命と呼ぶ人もいるでしょうから、そういうことなんじゃねえのと。

 

さて本題に入りますが、本作は自分の事を「悪運の持ち主」だと思い込んでるレディバグという殺し屋(といっても盗みや運び屋専門)が主人公。

 

京都行きの新幹線(超高速列車)に乗って、標的が持ってるブリーフケースを盗んで品川駅で降りるだけの仕事だったんですが、あろうことかレディバグに恨みを持つ者や、一癖もふた癖もある双子の殺し屋、仇討ち目当てで乗り込んだ父親や謎の女子高生など、ありとあらゆる殺し屋が、なぜか、なぜか!共に乗車しているという不運によって、どんどん悪い方向へ進んでしまうというお話。

 

自分が関わった仕事はいつも無関係の人が死んでしまうことで、「あ~何でオレっていつもこうなんだろ…」と落ち込み、セラピーにまで通い出してしまうほど。

そして復帰一発目の仕事にも拘らず、あれよあれよとややこしいことになってしまい、「やっぱり俺はツイてない・・・・」と凹んでしまうわけです。

 

 

悪いことが重なってしまうとなぜか気持ちの切り替えって難しいもんで、どんどん気持ちが内向きになっていくことってあると思うんです。

そんな時こそ切り替えて臨むことが生きていくうえで大事な時があるわけですが、セラピーで教わったことや専門書で学んだ知識、そして電話越しの仲介役のアドバイスが、レディバグを何度も立ち直らせていく展開になってます。

 

 

紆余曲折を経てたどり着いた物語の終着地点で語られることは、「悪運は幸運と思え」ということ。

色んな殺し屋が自分を殺しにかかってくること自体は、確かに「ツイてない」に尽きてしまうわけですが、結果を言えば死闘を繰り広げたレディバグは生存しているわけで、それって要するに「ツイてる」ってことなんじゃないの?と。

 

レディバグって基本自発的に殺害することってないんですよね。

殺し屋とやり合ったとしても平和的解決を望んでおり、それでも武力行使してくる相手には防戦寄りの反撃なわけで、相手を仕留めたとしてもあくまで偶発的だったように思えるんです。

そうした日ごろの行いみたいなものが積み重なって生かされてるのかなぁ、そういう人を天は見放さないのかなぁと。

…といっても、こいつ盗み働いてますけどねw

 

しかし構成が複雑だよね~

とまぁ読み取ってみたわけですが、肝心の映画としての完成度というか面白さと比例するかというと、これがなかなか難しい所で。

 

まずね、伊坂幸太郎原作を映像化するのって、すごく映像化に向いてる一方で、作り手の手腕が問われる題材だと僕は思うんですよ。

個性豊かなキャラがいて、しかも数が多い。

そのキャラを作り上げていくために、いくつもの背景やエピソードを説明しなくてはいけない。

しかもそれが実が○○と接点があってっていう数珠つなぎが少しずつ表面化していき、伏線となってラスト鮮やかに回収されていくっていう。

 

これを2時間強でまとめて作らなくちゃいけないんですよ。

マジで監督なり脚本家の腕が良くないと交通渋滞が起きちゃうレベル。

 

大事な所はしっかり残し、余計な部分は切り捨てる、もしくはオリジナルを加えていく。

これが今回出来ていたのかどうかという部分が、ある種評価の分かれ目画になると思うんですね。

 

 

じゃあお前は原作読んで比較してジャッジするのか?と言われるとですね、これが読んでないもんだから比較すらできないわけですw

じゃあどういう基準で解説するのかっていうと、そりゃもう伊坂幸太郎原作を映像化させたらこの人ってのがいるじゃないですか。

 

中村義洋監督ですよw

 

「ゴールデンスランバー」や「アヒルと鴨のコインロッカー」、「フィッシュストーリー」など、いくつもの伊坂作品を映像化してきた監督ですが、単純にまとめ方が巧いんですよね。

それこそフィッシュストーリーなんて時代の違ういくつもの散らばったエピソードがどうやって一つの終着地点にたどりつくか見ているうちはさっぱり見当もつかないんですけど、ラストは「お~なるほど!!」と気持ちのいい終わり方をするんですよ。

 

で、エピソードの最中も会話劇中心なんだけど、変にスピーディーにさせずローテンポで、途中で脱線するような話も入れないような工夫をしていて、複雑になってない。

会話を聞かせることに重きを置いてるからなのか、ストレスフリーなんですよね。

 

で、今回の場合、東京―京都間約2時間の乗車時間に合わせたような尺だからなのかそれとも軽快なテンポを意識したかったのかよく分かりませんが、とにかく会話のテンポが早い早いw

しかも1対1の会話なのに、話す相手を単独で収めるようにカットを割ってコロコロ入れ替える撮影方法をしていて、ただでさえ意味なさげな会話(実は大事なんだけど)を把握したいのに、カメラの切り替えが早すぎて話が頭に入らないんですよ。

 

この掛け合いが実は伊坂作品の楽しい部分の一つだと思っていて、キャラを作り上げていく上で大事な要素を含んだ掛け合いなのに、こういう撮影をしてしまうとキャラクターが伝わらないだろうと。

だったら一つの画角に会話する人を収めて、互いの身振り手振りや間を見せれば、会話はもちろん、画としてもややこしくないのにと。

座席に座ってないシーンではそういう画も撮ってたんですけど、序盤、特にレモンとミカン2人の掛け合いはきつかったですね~w

 

でも徐々に面白くなっていく

で、この掛け合いの最中に話が脱線して回想シーンが挿入されるんですよ。

ホワイトデスのドラ息子を救出した際に17人殺した、いや16人だ、よし脳内で確認してみようとか言い出して、回想シーン突入。

監督特有のバイオレンス抜群な殺戮描写をテンポよく見せながら、面白おかしく(別に面白くは感じなかったけどw)見せてくれたわけですが(ちなみに17人目の一般人は監督本人でしたねw)、きっとこのあたりで「今何の話してるの?」って思った人は多いんじゃないかとw

 

やっぱり殺し屋たちの群像劇も含めたお話なので、お話の交通整理は大事だと思うんですよ。

ただでさえトンデモJAPANな風景でネオンサインが眩しかったりする刺激強めの背景なわけですから、お話までチカチカするような構成にしなくても良くない?と思ってしまうんですね。

 

ただ、無駄話に時間を割きがちなデヴィッド・リーチ、今回ばかりはそれが巧くハマっていくような後半だったと思うんです。

風向きが変わったのは、レディバグVSオオカミ、キムラとプリンス、レモンとミカンという3組が出来上がってから、小物が排除されて以降でしょうか。

 

特にレディバグVSミカン&レモンの一連の対決が終わって、黒幕が誰なのか炙り出されていく辺りから少しずつ全貌が見えてきて、真田広之演じる父親が加わってからのクライマックスは非常に面白かったと思います。

 

中盤でのレモンとミカンとの対決は、笑いも挟んでのバトルだったのでそこだけ切り取れば面白いんですけど、やっぱり尺が持たない感じがして蛇足な部分も見えたんですよ。

でも、そこでの軽妙なやり取りがあったからこそ、クライマックスでの切迫した状況でもどこか余裕な空気を醸し出せる感じが活かされたというか。

 

あとはもう単純に交通整備が出来て、道が一本化されたことで「いよいよ本丸か!」って気持ちにさせてくれたことですよね。

あそこで京都駅に着くまでの時間を「みんなで作戦会議」という時間にし、鬱憤晴らしタイムにしたのもつかの間の休息見たいで和やかになったし、みんなの気持ちが一つになった意味合いもあるから、こちらも分かりやすく受け取れるんですよね。

 

ぶっちゃけホワイトデスとの対決の前にプリンスの始末をする方が結束深まるんじゃね?とも思ったんですが、彼女への報復はしっかり用意されてたので納得でしたw

 

 

最後に

やっぱり会話に尺を使い過ぎる監督の悪い癖が目立ったわけですが、今回伊坂作品なんで「ワイルドスピード/スーパーコンボ」の時のような無駄感はなかったですね。

 

あとは新幹線という狭い空間の中であれだけのアクションを見せることができたのは監督の力あってこそかなと。

レモンVSレディバグのバトルってどこかカンフーっぽいアクションで、しかもマトリックスのようなハリウッド式カンフーアクションにも見えましたね。

 

他にも真田広之の刀裁き、特に刀をしまう所作がどことなく勝新太郎の「座頭市」に感じたのは僕だけでしょうか。

日本の楽曲も使ってくれるなんて嬉しいですよね。

まぁ麻倉未稀の歌はカバーですけどw

 

色々不満や退屈な所もありましたが、結果オーライかな。

 

劇場を出た後、前を歩いていたご夫婦の奥様が終始「何の話してるのかさっぱりわからない」と愚痴ってましたw

やっぱり交通整備が悪かったよね~…。

逆算すると分かりやすいんだけどね~。

というわけで以上!あざっしたっ!!

満足度☆☆☆☆☆★★★★★5/10