ちはやふる 結び
競技かるたに恋と友情と汗と涙と笑顔。
青春の全てを捧げた高校生たちを描いた感動の前後編。
はい。
私見事に劇場スルーしました。
この手の作品て、ある程度年取ると警戒してしまいがちで。
需要としては10代から20代前半くらいをターゲットにしてるんでしょ?
そんな感じするもんね~じゃあ俺見ないでおこーっと!
なんてスルーしたらいろんな世代の人が絶賛してて、あれ!?マジで!?と。
なのでレンタル開始してから速攻で借りて見て超いいじゃん!!!て。
特に上の句はおもしろかったですね~。
下の句も良かったんですが、上の句に比べるとパワーダウンしちゃってるのが残念だったなと。
ただ下の句には主役を食う女の登場のおかげで十分楽しめましたけど。
なので、今回の「結び」公開は、おいモンキーこらぁ!
ワレこんだけ映画館行っといて何劇場スルーしとんねん!
ちゃんと劇場で見ろやぁ!
もう1本公開してやるから!!
と、映画の神様に言われてると勝手に思い込んで早速鑑賞してまいりました。
作品情報
「競技かるた」を題材にした少女コミックにもかかわらず、年齢や性別を越え幅広い層から絶大な支持を得た、末次由紀原作の国民的ベストセラーコミック「ちはやふる」。
2016年には「上の句」「下の句」と2部作での実写映画化され、200万人を超える観客動員を記録。
大人も感動すると話題になった作品が、完結編として帰ってきた。
前作に引き続き、キャスト、スタッフが結集し、また新たなキャストも加えて行われた今作。
瑞沢高校かるた部は最後どんな有終の美を飾るのでしょうか。
あらすじ
いつも一緒に遊んでいた、幼なじみの千早(広瀬すず)・太一(野村周平)・新(新田真剣佑)。
家の事情で新が引っ越してしまい、離ればなれになってしまうが、高校生になった千早は、新にもう一度会いたい一心で、太一とともに仲間を集め、瑞沢高校かるた部を作った。
「新に会いたい。会って『強くなったな』と言われたい。」
創部一年目にして、全国大会に出場した瑞沢かるた部だったが、千早は個人戦で史上最強のクイーンに敗れ、さらに強くなることを部員たちと誓った。
あれから二年―、かるたから離れていた新だったが、千早たちの情熱に触れ、自分も高校でかるた部を作って、全国大会で千早と戦うことを決意する。
一方、新入部員が入り、高校三年最後の全国大会を目指す瑞沢かるた部だったが、予選を前に突然、部長の太一が辞めてしまう。
動揺と悲しみを隠せない千早…。
千早、太一、新は、再びかるたで繋がることができるのか?
今、一生忘れることのない最後の夏が始まる。(HPより抜粋)
監督
上の句、下の句に続き手がけるのは小泉徳宏。
名前こそはじめて聞いたんですが、調べてみたら案外色々作品撮ってたんですよね。
でも見てるの「タイヨウのうた」しかない・・・。
というわけで監督の作品をサクッとご紹介。
大学時代に自主映画製作を積み、2006年、太陽にあたることのできない難病の少女とサーフィンに明け暮れる少年との切ない愛を描いた「タイヨウのうた」で長編映画監督デビューします。
その後も、事故で記憶が1日しか持たない男が、学生プロレスに出会い、体にできた傷を通じて生きる実感を取り戻していく青春映画「ガチ☆ボーイ」。
化粧品のCMで共演した女優陣で構成し、昭和初期から現代までのそれぞれの時代に生きた女性達三世代を描いたドラマ「FLOWERS/フラワーズ」。
音楽業界を舞台に、天才サウンドクリエイターと切ない恋愛模様を描いた「カノジョは嘘を愛しすぎてる」などを手がけています。
キャラクター紹介
左上より。
- 綾瀬千早(広瀬すず)・・・誰よりもかるたを愛し、瑞沢かるた部を作った張本人。無駄美人と言われ、恋愛にも鈍感。
- 真島太一(野村周平)・・・瑞沢かるた部を影で支える千早の幼馴染で、人一倍努力家。千早に恋心を抱く。
- 綿谷新(新田真剣佑)・・・かるたの非凡な才能を持ち、千早に競技かるたを教えた。千早に淡い思いを寄せる。
- 大江奏(上白石萌音)・・・呉服屋の娘で日本文化と古典をこよなく愛す。百人一首への愛情は誰よりも深い。
- 西田優征(矢本悠馬)・・・瑞沢かるた部のムードメーカーで、あだ名は試合時に食べていたことから「肉まんくん」。
- 駒野勉(森永悠希)・・・勉強一筋だったが千早たちに動かされ瑞沢かるた部に入部する。あだ名は「机くん」。
- 花野菫(優希美青)・・・千早たちにとって初めての新入部員。太一への恋心から入部を決意する。
- 筑波秋博(佐野勇斗)・・・菫と一緒に入部するも、かるた経験者ゆえにプライドが高く、先輩達と衝突することも。
- 我妻伊織(清原果耶)・・・新の高校の後輩で1年生ながら準クイーンの実力者。新のことを「おにい」と呼び慕っている。
- 若宮詩暢(松岡茉優)・・・史上最年少でクイーンとなった実力を持つ。個性的なキャラクターグッズが大好き。
- 周防久志(賀来賢人)・・・大学1年生からかるたを始め、3年で名人に。競技かるた界の最高峰に君臨する名人。和菓子が大好物。
- 須藤暁人(清水尋也)・・・全国大会常連の名門・北央学園でエースだったOB。通称「ドSの須藤」。
- 木梨浩(坂口涼太郎)・・・北央かるた部の主将で、かるたへの愛は強い。あだ名は「ヒョロ」。
- 宮内妙子(松田美由紀)・・・千早たちの情熱、競技かるたの奥深さを知り、瑞沢あかるた部の顧問に就任した先生。
- 原田秀雄(國村隼)・・・千早、太一、新をいつも見守ってくれている師匠今でも夢は名人。
前作のおさらい
小学校時代、転校生の綿谷新から“競技かるた”を教わり、その魅力の虜になった綾瀬千早。
幼なじみの真島太一を巻き込み、3人は競技かるたを通して強い絆で結ばれていく。しかし小学校卒業とともにバラバラとなってしまい、家の事情で故郷の福井に戻った新とは遠く離ればなれに。
かるたを続けていれば新と再会できると信じる千早は、高校に入るとすぐに“競技かるた部”の創設に乗り出し、高校で再会した太一を再び巻き込み、2人で部員集めに奔走する。
何とかメンバーを集め部を立ち上げるが、問題は山積みだった・・・。
かるたと聞くと一見地味で真剣味のしないイメージですが、こんなにも汗をかき体力を使うものだとは誰も思わなかったことでしょう。
鑑賞中、演者の熱気やまなざし、熱量に圧倒され、ガチ中のガチスポーツじゃんこれ!と思った人も少なくないはず。
そこから畳の刷れた音、かるたをはたく音などから、その場でみている感覚に陥ってしまうほどの臨場感が素晴らしいです。
一応群馬人ということで、僕も幼少時代強制的に「上毛かるた」という群馬人のソウルトイズに触れていたこともあり、かるたで勝負するということがどれだけ速さを要し、頭を使い、尚且つ足がしびれることなど体験済み。
レベルは違えど、当時を思い出させてくれた作品でもあります。
そしてなんと言っても広瀬すずの好演は忘れてはいけません。
天真爛漫なふるまいやアクティヴな行動、何事にも一生懸命な姿はとても輝いていて、かるたに対するひたむきな姿勢は、正に青春そのもの。
さらに消耗時の魂が抜けたような顔が笑えるおまけつき。
なんと魅力的なことか。
これを劇場で見逃してしまったのが悔やまれます。
創部一年目にして強豪北央学園に勝利し、全国大会への切符を手にした瑞沢高校競技かるた部。
千早はさっそく新に優勝の報告をするが、“もうかるたはやらん”という新のまさかの告白に動揺を隠せない。それでも、太一やかるた部の仲間たちとともに全国大会に向けて練習に励む千早。
そんな時、自分と同い年でありながらクイーンに君臨する孤高の絶対王者・若宮詩暢の存在を知り、千早の中で課題が増えていき、周囲を混乱させてしまう。
ここ最近2部作公開ってパターンは興行的には稼げるものの、評価的には厳しいってことが多くて。
中には、稼ぐためだけに無理やり2部作につくるって作品もありましたが、今シリーズに関しては全くそんなことなく作られてましたね。
特にちはや最大のライバル若宮詩暢を演じた松岡茉優がとにかく最高。
彼女の圧倒的強さに翻弄され完全に周りを見失うちはやは、スラムダンクでいう所の花道と同じ状態で、そこから彼女がどれだけ周りの仲間によって自分があるのかを見出していく展開は非常に胸アツでございます。
上の句の方がぐっと来る場面が多かった分、こちらが見劣ってしまうのが少々残念ではあります。
しかし上の句が太一の物語だとすれば、下の句は千早の物語ともいえる成長譚。
一人でなくみんなでかるたをやることが、何よりも力になるという美しく素晴らしい答えを見つけた彼らを目に焼き付けて頂ければと思います。
長々とイントロダクションを書き連ねてしまいましたが、瑞沢かるた部は果たして最後の夏をどう過ごすのか。
千早を巡る男たちの結末は。熱い熱い青春の1ページがどう刻まれるのか。
ここから観賞後の感想です!!!
感想
青春全部賭けて突っ走った瑞沢かるた部に拍手!
一瞬は永遠に刻まれることを教えてくれた青春映画の新たなる1ページでした!!!
以下、核心に触れずネタバレします。
細かい部分は「繋ぐ」を見ないと?ってなる。
今作は前日譚にあたる「繋ぐ」を見ておくと非常にわかりやすい運びになっていました。
1話10分程度で構成された全5話がHuluで独占配信されているんですが、実はレンタルビデオ店でもレンタルされており、実際鑑賞してみました。
結果、冒頭の部分や周防の近寄りがたいけど隙がめっちゃあるユーモアセンス、ラーメン屋が千早にとってどの程度の縁があるのか、我妻伊織と新の関係が明かされており、これを観ておくとより深く理解できるかと思います。
- 第1話「今日は千早ちゃんの素敵な誕生日」
2年生になって毎日練習の日々を送る瑞沢かるた部。
千早の誕生日ということでみんなが千早のためにサプライズで祝う姿が描かれています。
- 第2話「2度目の全国大会、それぞれの想い」
ここでは2年目の夏、団体戦で見事全国3位になったことが明かされます。
太一は自分がミスしたことを悔やみ部員たちに謝るも、次こそは全国優勝と全員が再び心に誓っていました。
- 第3話「千早ちゃん。クイーン挑戦への正念場」
太一と新とよく通った屋台「ラーメンぽん太」。
つい口から出まかせで「お手つきしなかったらラーメンおごる」と言ってしまい、おごる羽目になってしまった所持金少ない原田先生と千早との駆け引きが繰り広げられる。
クイーン戦であたるとされる我妻伊織の存在や若宮詩暢の強さを改めて痛感する千早が闘志を燃やしていく模様をコミカルに描いています。
- 第4話「日本一を目指す西の挑戦者たち」
ここでは新が名人戦への挑戦権を獲得するために、かるた会で練習する風景が描かれています。
みんなが新の事を「おにい」と呼んだり、伊織の新への想い、その相手がクイーン戦東の挑戦者だということに気付き、闘志を燃やす姿などが描かれています。
- 第5話「名人・クイーン決定戦≪序章≫」
ここでは本編直前にあたる名人戦直前の模様が描かれています。
詩暢は控室でひたすらかるたを並べ余裕の笑みを浮かべていますが、名人周防の方はひたすらもみじ饅頭を頬張る姿をコミカルに描いています。
ここで名人戦の相手が原田先生だということ、付き人が北央学園のドSの須藤だということ、周防の声がめっちゃ小っちゃくて何言ってるか聞こえないことなどが明かされており、クイーンの挑戦者が千早のように見えて幕が閉じるのですが・・・。
これを抑えておくと本編での「?」な部分を補えることができると思います。
Huluに入ってない人もレンタルして鑑賞できるので、より楽しむために見てみてはいかがでしょうか。
やっぱり太一だよな。
高校生最後の夏を迎えた瑞沢かるた部が、様々な試練を乗り越え再び全国大会に挑んでいく様を、最新技術やアニメーション、あえての無音といった演出や、ひとりひとりの心理描写、百人一首から読み取れるそれぞれの想いなど、前作で活かしたやり方をさらにブラッシュアップして有終の美を飾った完結編でございました。
モンキー的には上の句が非常によくできていたと思っていたんです。
それを決定づけたのは、凡人であるが故に苦悩しながらも大事な人のために身を粉にしてかるた部を支えた太一という男をしっかり描いてくれていたからであり、今作でもしっかり描かれていたことがまずうれしかったです。
物語は2年生を猛スピードで片づけ、3年生の春から描くというまさかの流れ。
2年生の名人戦終了後、新が千早に告白したことを知り、しかも親の期待を背負って東大理Ⅲ受験に挑むも成績が思うように伸びないという、ごくごく普通の高校生の悩みにぶつかった末、かるた部を去ってしまう苦渋の決断。
結果去ってしまったところで彼の気持ちが報われるなんてことはなく、結局かるた名人の周防久志と対決したことで、彼からかるたで強くなること、そして心を強くすることを教わっていくわけですが。
ぶっちゃけ恋に勉強にノックアウトしてしまったら自暴自棄になってしまうのは大人になった自分も身に覚えのある事であり、非常に共感できるキャラということもあってやっぱり彼から目を離せません。
予備校で一人残り、何度もシャーペンの芯を折りため息をつく姿は、彼の心情を良くとらえていました。
チャンスにはドアノブがついていない、という先生の何気ない言葉。
気が付けば彼を後押しするものへとつながるシーンも、まさかの上の句で屋上に取り残された太一と千早の再会に繋がるという演出、それを逃さなかったことで彼にとっての高校生活がどれほどのものになったか太一は気づかされます。
そしてチャンスがまさに目の前にいる周防との出会いに繋がり、彼は周防のそばで特訓を続けていく。
時の流れに逆らうことはできないけど、この一瞬は永遠に閉じ込める力がある。
千年の時を超えた今、我々の前で読まれているように、その一瞬は誰かに受け継がれ誰かに与えることができる。
それができるのは今しかないと、経験から得た周防の教訓が太一のかるた熱を再び燃やすんですね~。
特に走る姿には胸アツです!
コミカルなシーンが目立った。
ちはやふるってこんなに笑うとこあったっけ?というほど今回は笑わせる要素が非常に多かったのが印象的でした。
特に場内で笑いが起きたのは、周防の天然ともいえるボケっぷりです。
「繋ぐ」でもその片鱗が垣間見えていましたが、本編では爆発していました。
名人戦の対戦相手だった原田先生の弟子が太一だったことを知った中華料理店でのシーン。
周防は、「ここは先輩が」と太一が財布を開けようとしたところを制止して会計を済ませようとすると、財布の中身にお札が一枚も入ってないww
ベタではありますが場内爆笑でしたw
この後、お金を稼ぐために渋々断っていた夏期講習の講師の依頼を受けた周防は、太一をアシスタントに従え授業をしに現地へ向かうんです。
京都ということもあり甘いものに目がない周防にとって八つ橋は格好のスイーツ。
いろんな味を吟味するせいで、目的地になかなかたどり着けない周防、彼に苛立ちを見せる太一とのやり取りが描かれており、ここもユーモアあふれるシーンとなっていました。
他にも、相変わらず無駄美人の千早に新が告ったことが噂になっていることを何とか食い止めようとする奏ちゃんとのやりとり。
新入生勧誘時での千早の本気かるたのせいで部員を逃さないための嘘くさい演技、そこから結局本性を出してしまう千早。
オリエンテーションでの新1年生女子のイケメン探し。
詩暢に至っては、相変わらずスノー丸に夢中すぎて、全国大会団体戦に初めて出場する新の応援に見向きもせず、スノー丸限定ライブに参加する姿。
ガチ中のガチな応援姿とその顛末。
その後もスノー丸によってやりたくない仕事をやる羽目になる詩暢。
彼女の今作での立ち位置は非常に面白かったのですが、下の句であれだけクールな女王だったのに、今回スノー丸のせいで完全コメディリリーフになっていいたのは今回非常に残念でした…。
後は新率いる藤岡東高校かるた部の件。
「繋ぐ」で伊織は新の事が好きだということが明かされているのですが、本編では伊織が口を開くたびに新が食い気味で断るシーンが何度も描かれていて笑いを積み上げていました。
「おにい」、というだけで「ゴメン好きな人がいる」と返す新。
だんだんその返しが早くなって秒殺が瞬殺になってしまうんですが、さすがにこれは伊織がかわいそうでしたねw
それでもくじけない彼女の屈強な精神が千早とのかるた対決で活かされていたのでオッケーなんですけども。
しのぶれど。こいすてふ。
しのぶれど 色に出でにけり わが恋(こひ)は
ものや思ふと 人の問ふまで
恋すてふ(ちょう) わが名はまだき 立ちにけり
人知れずこそ 思ひそめしか
今回本編で重要な歌になったのがこの二つ。
上の方は、誰にも知られないと思っていた恋心が、とうとう我慢できず顔に出てしまったという意味。
下の方は、恋しているという噂が立ってしまった。誰にも知られないようにひそめていたのにという意味。
この句は奏ちゃんが劇中でも語っていたんですが、当時歌合せの時に同時に読まれた歌として語られており、どちらも甲乙つけがたい素晴らしい歌として残ってきたそうです。
太一に思いを寄せる1年生の菫が、もしかしたら自分のせいで太一を路頭に立たせてしまったかもしれないと落ち込んでる姿が描かれており、今回2人の対決までの過程を作った人物としてうまく描かれていたように思えます。
どちらも、今も昔も恋する気持ちは変わらないことが読み取れる句ですが、これが太一と新の二人の心情を直に表しています。
とうとう千早に思いを告げた新。
それが噂になってしまい、様々な人物の想いまでも困惑させていく。
そして太一は思いを告げぬままひたすら耐え忍んできた立場。
下の句では詩暢が必ず獲る句として描かれていましたが、今作では太一の歌として使われていました。
2人を象徴するこの2つの歌は、クライマックスでの藤岡東での対決で見事に最後の一枚としてこの2つが残ってしまい、運命戦を迎える劇的な展開に。
読み方的に有利なのは「恋すてふ」なんですが、「運命戦は、運命じゃない」という原田先生の言葉に従い、「しのぶれど」を選ぶ太一。
一線を越えようともがく太一に、奏ちゃんが、これまで耐え忍んできた人にだけわかる力があるというセリフが乗っかり、どちらの句が読まれるかという緊張の一瞬は手に汗握るシーンでありました。
最後に
回を重ねる毎にパワーアップしようと、登場人物を増やしていくのはよくあること。
しかしボリュームアップしすぎると、全員を均等に描くことに無理が生じてしまうのがデメリットだと思っていて。
例えば、千早は千早で太一がいなくなってしまった状態でどう全国大会を勝ち上がっていくのか。
太一とばったり出会って、彼の腕をひぱってひたすら「なんで?なんで?なんで!?」とせっつく姿が切なかったんですけど、原田先生の「メガネ君がかるた止めるといった時、眉毛君はどうした?」という問いに対して、「私たちは強くなって彼が来るのを待つ」という答えにたどり着くんですね。
あらぶる心から再び「ちはやぶる」佇まいへと変化していき、みんなをひっぱていく存在へと成長する姿をキチンと劇中で描いたんですけど。
正直千早と太一だけなんですよね、ちゃんと成長が見えたの。
他の3人、奏ちゃん、肉まんくん、机くんは今回完全控えで、新に至っても伊織との掛け合いくらいで彼がどうやって全国大会に臨むかってのは全然なくて。
いくら団体戦初めてだからってなんか藤沢東のチームワークみたいなのがつみあがっていく描写があっても良かったんじゃないか。
もっといえば、瑞沢の新入生の成長描写も少なくてあっさりし過ぎというか。
個人プレーが目立った筑波は、一度大きな失敗をしてしまったんだけど、最後にそれを克服する姿が描かれていたのは良かったんだけど、反省してからの描写が足りなくてちょっともったいないなぁと。
そして一番は若宮詩暢が全然見せ場がないということ。
今回は個人戦に焦点を充てず団体戦メインてこともあって、彼女がかるたクイーンとしての立場は活かされてなかったんです。
にしてもだ、やっぱり一人でやるかるたが一番て思ってる彼女に対して、チームワークこそが強くさせるっていう千早の答えをもって個人戦で勝つって描写がどうしても見たかった!
今回笑わせるかほくそえむかどっちかしかないんだもん。
クイーンたらしめる姿を見たかったなぁ。
まぁ全部入れたら結局2部作構成になってしまいそうだから仕方ないことなんだと思います。
これはこれでよかったんだよ。うん。
この日々がずっと続けばいいのに、と思うのがまさに青春だよなぁと。
で、その時代を過ごして築き上げたものをどうやって後世に伝えるか。
強い人は周りにも強さを与える力を持っている、その答えにたどり着いた千早のラストは良かったですね。
あぁ終わっちゃったんだなぁ。
ちゃんと上の句も下の句も劇場で見ておけばよかった・・・。
というわけで以上!あざっした!!
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満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10