星の王子 ニューヨークへ行く2
エディ・マーフィよ、いくら80年代映画リメイクブームだからって「星の王子」の続編てww
あの話からどうやって続編作るのよ!!…ってあらすじみたら「国王になる」って手がありましたか。
あと前作のような描写は今のご時世結構アウトな案件ですよ?
お風呂の件とか…w
あのノリでそのままやっちゃいけないだろうし、逆にあのノリを削ったら面白さも半減しそうだし。
色々続編に関しては未知数な部分が多い今回の映画鑑賞。
そもそもあなたね、名作話題作いっぱいあるでしょ。
「48時間」に、「ビバリーヒルズコップ」に、90年代だったら「ドクター・ドリトル」だっていけるでしょ。(あ、ロバート・ダウニーJr.がやってたからダメか…)
モンキー的にはこっちのリメイクを希望してはいますが、製作したのだからみたいですもんね。
今回アマゾンプライムビデオにて独占配信ということで、早速自宅で鑑賞いたしました!!
作品情報
コメディアン俳優として一世を風靡したエディ・マーフィの代表作で、ザムンダ王国の王子が異国の地でのお嫁探しを繰り広げるコメディ映画「星の王子ニューヨークへ行く」が、30年の時を経て正式な続編として帰ってきた。
国王就任を間近に控えたアキーム王子の前に突如発覚した「息子」の存在。
王位継承は男子のみという掟に従うことと、余命わずかな父の望みに応え、アキームが再びニューヨークを訪れていく。
当時のキャストほとんどが出演するというファンには嬉しいキャスティングに加え、あのアクション俳優や次世代の黒人女優など、新旧話題性に富んだ出演陣。
また吹替には当時のエディ・マーフィの吹き替えを担当した山寺宏一をキャスティングというサプライズも。
ニューヨークへ再訪するアキーム王子たち。
今度はどんな珍騒動を巻き起こすのか。
そして息子は無事皇太子として招かれるのか。
あらすじ
アキーム王子(エディ・マーフィー)がリサ(シャーリー・ヘドリー)をザムンダ王国に連れて帰って30年の時が流れ、アキームが国王に就任しようとしたまさにその時、アキーム本人も知らない自身の息子がアメリカにいることが判明した。
その彼の名はラヴェル(ジャーメイン・ファウラー)。
ストリートに精通したクイーンズ出身。
ザムンダの王位継承は男系との決まりがあるが、 アキームとリサには娘しかいなく、余命いくばくもない父ジャファ国王(ジェームズ・アール・ジョーンズ)はラヴェルを皇太子として迎えたいと願っており、その想いを尊重してアキームとセミ(アーセニオ・ホール)は彼を迎えに再びニューヨークへ出発する。(Wikipediaより抜粋)
監督
本作を手掛けるのは、クレイグ・ブリュワー。
エディとはNetflix映画「ルディ・レイ・ムーア」に続いてのタッグ。
作品自体高い評価をされていることもあっての再タッグなんでしょう。
信頼の証ですね。
監督の作品はいくつか鑑賞してるんですが、中でも僕が好きなのが「ハッスル&フロウ」。
メンフィスに住むポン引きが、ラッパーとして成功をつかもうとするお話。
「8マイル」や「ストレイト・アウタ・コンプトン」、最近では「パティケイク$」や「ガリ―ボーイ」など、ラッパーに成り上がっていく映画に名作多し!って感じなんですけど、この映画はこれらとは違うのは「この場所から抜け出せない空気」とでも言いましょうか。
ドラッグの売人がラッパーを目指す作品が多い中で、この映画はポン引きがラッパーになろうとする設定ってのがまず新鮮。
ポン引きならではの女性への扱いがノイズになる人もいるかと思いますが、そこは時代と職業あるあるということでご容赦を。
その代わりといっては何ですが、楽曲がめちゃんこいいのと、テレンスハワードがめちゃんこいい演技をしてることで、あるシーンでは涙腺決壊必至の場面も用意されており、非常におすすめのラッパー絵映画です。
監督は他にも「ブラック・スネーク・モーン」や「ターザン:REBORN」なども手掛けています。
キャスト
本作の主人公、アキーム王子を演じるのはエディー・マーフィー。
いやぁ、しばらく見てないうちに老けましたよね~…。
冒頭でも書きましたが、僕にとっては「48時間」の人で「ビバリーヒルズコップ」の人。
リアルタイムでの鑑賞はありませんが、00年代以降の彼の作品は全然見ていないこともあって、本当に久々です。
監督との共作「ルディ・レイ・ムーア」を見ておけばよかったなぁ。
とりあえず彼の代表作をサックとご紹介。
サタデー・ナイト・ライブで脚光を浴びた彼は、白人のコワモテ刑事と黒人のチンピラが限られた時間で黒幕を探す刑事バディものの傑作「48時間」でデビュー。
続編も作られるほどの作品は人気を博し、彼のデビュー作にして代表作になりました。
他にもデトロイトの刑事が高級住宅街で奮闘する「ビバリーヒルズ・コップ」も3作製作されるヒット作に。
90年代には動物と会話ができる医者の物語「ドクター・ドリトル」、緑色の巨人のお供のロバを超えを担当した「シュレック」、ディズニーランドの名アトラクションを映画化した「ホーンテッド・マンション」、黒人女性ボーカルグループの軌跡を描いた「ドリーム・ガールズ」など、ポジションを問わず爪痕を残す演技で魅了しています。
近年では、鳴かず飛ばずのコメディアンの成功譚を描く「ルディ・レイ・ムーア」で注目を集め、エディの演技とコメディセンスが再び高い評価を集めています。
どうやら「ビバリーヒルズ・コップ」の続編がNetflix映画で製作されるとのこと。
バリバリ動けるのか心配ですが、彼ら以外のキャストも続投して面白おかしくやってほしいですね。
他のキャストはこんな感じ。
アキームの側近セミ役に、前作から続投のアーセニオ・ホール。
息子ラヴェル役に、「ホワイトボイス」のジャーメイン・ファウラー。
アキームの娘ミーカ役に、「ビールストリートの恋人たち」、「オールド・ガード」のキキ・レイン。
ラヴェルの母親マリア役に、「ゴーストバスターズ(2016)」、「SING/シング」のレスリー・ジョーンズ。
イジー将軍役に、「ブレイド」、「エクスペンダブルズ3」のウェズリー・スナイプス。
他、当時のキャスト陣が勢ぞろいします。
前作のおさらい
豊かな自然と豊富な資源に囲まれたアフリカの王国ザムンダの王子はアキームは、たくさんの世話係によって何不自由ない生活を送っていたが、両親の過保護すぎる方針によって自分では何一つ決断できない悩みを持っていた。
せめて自分の花嫁くらいは自分で決めたいと語るアキームは、世話係のセミと共にアメリカニューヨークへ向かう。
何もかも自分の国とは違う街やルール、そして身分を隠すための貧乏生活に、セミとは違いアキームは満足げ。
ようやく見つけた花嫁候補、彼の恋人だが性格の悪い彼氏、その彼と娘の中を公認するハンバーガーやの店長兼父親、そして息子を心配するがあまりに来訪してしまう国王らによって、アキームの花嫁探しは混乱をきたしていく。
格式高い王族の花嫁探しを行うこの「星の王子様ニューヨークへ行く」ですが、エディ・マーフィが一人4役をこなして笑わせるシーンもあれば、身分がバレてのわちゃわちゃぶり、世間知らずで自分で何一つ決めることができなかった割に常識や正しい資質でリサを振り向かせるアキームの姿など、当時では逆の身分違いの恋にあたるロマンティックコメディでしたね。
30年の時を経てどう変化を遂げたのか楽しみです。
さすがに世話係はいない気はするんですけどw
ここから鑑賞後の感想です!!
感想
いやぁ~相変わらずの下ネタに爆笑!
でも、古いしきたりを壊す現代的な変化もあって良い続編でした!
以下、ネタバレします。
変わらないモノ
父の遺言の下、婚外子を探すべく再びニューヨークはクイーンズを訪れたアキームが、国王としての伝統を重んじることと、21世紀を迎えての国の新たな発展のための古い仕来りを壊すことへの天秤に揺らる姿を、前作同様変わらないキャスティングに下ネタの数々や変装キャラ、貧しくもユーモアとノリで生きてきたクイーンズ印の息子家族、そして3人の娘たちに、軍事国家のお隣さんたちを加えて盛大にハッピーグッドなコメディ映画でございました。
観る前は色々アウトな所があるんじゃないかなぁなんて心配していましたが全然無問題!
30年ぶりの続編という懐かしさを感じさせる内容でした。
王族の前を歩いて花びらを散らす係も、王族の身体を洗う入浴係もしっかり登場するし、冠婚葬祭は司会者の歌にダンスと盛大な催しっぷり。
アキームの婚約者イジ―将軍の姉は30年経った今でも犬の呪いが解けておらずという衝撃もあれば、未だに世話係として立派に務めを果たすこともあればポンコツぶりを発揮すセミのユーモアな佇まいは健在。
ガラリと変わったクイーンズに唯一残るあのバーバーショップの店員も客も、エディたちが変装してガンガン風刺の効いたジョークを飛ばす元気な一面も。
黒人の大統領が出来て鼻が高いなんてアキームが言った後に、いやそれからが大変だったんだ・・・と返す辺りは爆笑モノw
特に変わらないのは下ネタの数々。
3人の娘に恵まれたアキームでしたが、ザムンダの王は男しか継承できない決まりがあるため、跡取りがいないことをずっと悩んでいたアキーム。
父からもしょうもないもの持ちやがって!と捨て台詞を図れる件があったり、李さ意外と関係を持ったことが無いアキームに何故息子が?という種明かしも星の王子ならではのしょうもない種明かしw
他にも父の生前葬でもガンガン下ネタいうし、まだ幼い3女の前で普通に情熱と求愛のダンスと歌を披露する息子ラヴェルとイジ―将軍の娘に、さすがにこれはまずいんじゃないの?なんて様子を微塵も感じさせない星の王子。
これだよこれ!と思わせてくれた物語でございました。
変わったモノ
前作はどちらかというと王子の嫁探しと称し、異国の地に身分を隠して本当の自分を好きになってもらうシリアスな面と、異国の地に降り立ったアキームや国王たちが感じたカルチャーショックと身分の差によるニューヨーカーたちのカルチャーショックが笑いの要素だったと思うんです。
今作はニューヨークへ行くとはいうものの、滞在時間的には前作ほどではなく、ザムンダでの出来事が多めの内容でした。
ハッパを吸ってラリッたアキームを襲ったマリアとの一夜の過ちによって生まれたラベル。
父親のいない子供のほとんどが良く育たないなんてことを親のスネかじって社長の座に就いた隠れヘイト白人野郎(どうやら黒塗りでウィルスミスのアラジンのコスプレしたとかw)に言われ盾突いたラベルは、31年間ロクな仕事もつかずダフ屋で生計を立てる貧しい暮らし。
だからアキームの登場によって環境が一変することに大喜びでザムンダに向かうんです。
あまりの品の無さに王族一同困惑気味でアキームも家族にもラベルたちにも顔色窺う始末。
ここからラベルとマリアの勝手な行動にいちいち苛立つリサやミーカが描かれていきます。
そして王子である素質を試す試練を受けるラベル。
歴代の国王の名前を覚えたり、王族に相応しい歩き方、そして勇気を測る「ライオンの髭を切る」試練などに挑戦していきます。
一方ザムンダは軍事国家であるイジ―将軍の国の財政難を救うために、これまで何度も資金援助してきましたが、イジ―将軍としては自分の姉との政略結婚を断りリサとくっついたアキームを恨んでおり、今回何としてでも自分の息子や娘をザムンダの王族と結婚することで国の利益をもたらしたいと画策しており、自分の娘をラベルとくっつけようとするんですね。
他にもいくら血の繋がった後継者とはいえよそ者同然のラベルを、本当に跡取りにしようとしていることに腹を立てているミーカの姿も。
幾ら法律だからと言っても帝王学を学ぶなどして地位に房差し存在でありたいと願うミーカを、アキームは認めようとしません。
父の死後、国王になった暁には国を変えたいと夢を語っていたアキームでしたが、国王の座に就いた途端、一人の父としてでなく国王としての考えばかりを押し付けてしまう姿が描かれています。
かつて自分の身の回りを全部誰かにしてもらっていたことや許嫁との結婚を決められていたことに嫌気がさし、自分がしたいコトやりたいことを進めたアキームでしたが、立場が変わった途端結局父や先祖たちが決めてきた道の上を歩んでしまっていたんでんすね。
また、ラベルもアキーム同様自分の道は自分で決めるという決心にたどり着いていきます。
容姿で決めたイジ―将軍の娘との結婚でしたが、専属美容師に叱咤激励されたり趣味の話をしたりすることでお互いのマッチ度が上がり恋に落ちていきます。
しかも自分がザムンダにやってきた理由は国同士が優子王を深めるための道具だと知り憤慨。
自分という意志が感じられないイジ―将軍の娘との会話に嫌気がさしたことも加わり、ザムンダを飛び出してしまう始末。
この親にこの子在りという流れだったように思えます。
これまで男社会で回ってきたザムンダの風潮は、30年かかってようやく「女は男のお飾りじゃないことを強く描いてきていました。
もちろんラベルに男らしさを求めてしまうアキームの価値観はまだまだ現代的ではないですが、これまである種閉鎖的な考えで国を作り上げていたザムンダとしては一歩進んだ感じでしょうか。
実際女は商売できない決まりもあるようですし、リサも夫婦の寝室から夫を追い出すことができるほど風通しはよくなったのかもしれません。
今後のザムンダに期待したいところですw
またクイーンズの変わりようも理容室のおっさん衆から言われた通りだいぶ変わってしまった様子。
これまで黒人貧困層の街だったはずなのに、白人たちが新しい店や高級住宅街を作り出してしまうジェントリフィケ―ション現象が起きていることを弄ってました。
再び訪れたNYは、アキームとザムンダを大きく刺激した出来事だったようです。
最後に
リサと父が経営していたマクダウェルは、何とザムンダに店舗を移して運営してたんですね~。
30周年を記念して新発売されたハンバーガーが草で出来たハンバーガーという、どう考えてもまずいハンバーガーってのが完全にヴィーガン気質でしたし、アキームも困惑してたのが笑えましたね。
他にも父の生前葬の司会をまさかのモーガン・フリーマンが特別出演して弔辞を述べてましたし、エンディングでは80年代コメディ映画特有のNG集を流したのちにジョン・レジェンドが歌を歌う映像まで出てくるサービスぶり。
エディ・マーフィ―も理容室のおっちゃんからセクハラ牧師という前作と同じ役柄に加え、結婚披露パーティーの歌を披露するおっさんと、今回何役こなしたんだってくらい変装してましたね。
他にもアメリカ映画にゃヒーローものかリメイク、そして頼んでもいないのに作られる名作の続編しかないなんて言って笑ってましたけど、自虐ってことですか?w
ぶっちゃけこれ無理矢理かもしれないけど、ワカンダという国の情報を開示するって進歩を見せて結末を迎えたブラックパンサーと同じ道筋だったりしますよねw
ザムンダもある意味伝統を重んじてばかりの閉鎖的な国だったりしたわけですから。
色々ツッコみたいところもあります。
イジ―将軍との和解がショボいし、リサとマリアがすんなり和解しちゃう件もミーカとラベルがライオンの試練だけで仲良くなってしまうのも結構強引でした。
まぁそこはご愛敬でとは思いますけどw
とにかく、懐かしさと変わらない笑い、そして現代的なテーマにも一応触れて作られた続編だったと思います。
というわけで以上!あざっしたっ!!
満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10