モンキー的映画のススメ

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主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

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映画「ダンスウィズミー」感想ネタバレあり解説 ミュージカル映画嫌いな人にはオススメです。

8月16日

ダンスウィズミー

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僕が初めて見たミュージカル映画は「ウエストサイド物語」でした。

高校受験を控え夜中まで受験勉強していた頃、なぜか母親も僕が眠るまで起きていたことが何度もありまして。

その時母がたまたまBSで見ていたのがこの「ウエストサイド物語」。

夜食食うついでに一緒になって見ていたんですが、はっきり言ってこの時の僕は映画野郎よりも音楽野郎だったので、ミュージカル映画はおろか、映画にすらも興味が全くありませんでした。

 もちろんこれを観た時は、なんで急に歌ったり踊ったりするんだよ、意味わかんねえwwくらいの思いで。

 

あれから時が経ち、登場人物の思いを歌や踊りで表現することで感動を誘うミュージカル映画の魅力や素晴らしさに気付けた僕は晴れて映画野郎になれたわけですが、ミュージカル映画にがダメだったっていう人の多くは、この「なんで急に歌ったり踊ったりするのか意味わからん」だと思うんですね。

 

今回鑑賞する映画は、そんなミュージカル嫌いの人がもし急に歌ったり踊ったりすることになったら?という、奇想天外な設定で楽しませてくれるミュージカルコメディ

 

昔ミュージシャンやってた頃は、ぶっちゃけ良いメロディとか歌詞が浮かんだら急に歌ったり身振り手振りしていたアブナイ時期があったので(笑)共通する部分はあるにはあるし、かつてミュージカル嫌いだった過去もありますから共感する部分も多いでしょう。

そこよりも、これまでたくさんのシチュエーションコメディを手掛けてきたあの人が監督なので、きっと面白い映画になっているはず。

早速鑑賞してまいりました!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

男子高生とシンクロ、女子高生とジャズ、航空業界に林業など誰も開拓してこなかったテーマに着目し、ユーモアと感動を世に送った監督が、次に着目したのは「ミュージカル映画」だった!!!

 

「急に歌って踊り出すってヤバくない!?」をテーマにした今作は、ミュージカル嫌いの女性が音楽を聞くたびに体がミュージカル体質になってしまうという何ともおかしな設定。

そんな予測不能な展開でありながらも、個性派キャストが吹替えなしで挑むミュージカルシーンや、数々の名曲を取り入れた演出、そして監督得意のユーモアマジックによって、ミュージカルが持つ本来の楽しさを教えてくれる感動作に仕上がっています。

 

歌って踊るってこんなに最高!と思わせてくれる、ハッピー感満載のミュージカルコメディの誕生です。

 

ダンスウィズミー

ダンスウィズミー

  • アーティスト: オリジナル・サウンドトラック音楽:Gentle Forest Jaz Band/野村卓史
  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2019/08/14
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あらすじ

 

ミュージカルが何より苦手なOL鈴木静香(三吉彩花)。

 

だがある日突然、催眠術をかけられ、音楽を聞くといつでもどこでも、歌わずに踊らずにいられないカラダになってしまう。

携帯の着信音、駅の発車メロディ、テレビや街中で流れるどんな音楽でも、自分の意に反して歌い踊ってしまうのだ。

 

そんな術を解いてもうため、彼女は催眠術師のもとへ向かうが、そこはもぬけの殻だった。

 

仕事もお金も失いながら、催眠術師を探して日本中を駆け巡る静香。

果たして彼女は元の身体に戻れるのか……。(MovieWalkerより抜粋)

 

 

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監督

今作を手掛けるのは矢口史靖

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 ウォーターボーイズ以降の作品は全て鑑賞してます。

最初は掛け算的なコンセプトでしたよね。

男子高生×シンクロ、女子高生×ジャズ。

次のハッピーフライトからは、業界に着目してましたね。

航空業界、電器会社、林業。

そして前作からは、if的なコンセプトに変わります。

もしも電気やライフラインが止まってしまったら、のサバイバルファミリー

そして今作が、「もしもミュージカル嫌いの女が急に歌ったり踊ったりしたら」。

 

どれもこれも面白い発想というか着眼点で我々を楽しませてくれる監督ですが、こうやって過去作を振り返ってみると、テーマやコンセプトの形は微妙な変化をしていたんですね~。

 

そんな今作に関して監督は、現実で急に歌ったり踊ったりしたら変質者だと違和感を言いながらも、催眠術というクッションを置くことで、誰もが楽しめるミュージカルになれたのではないかと語っています。

確かに暗示をかけることで現実から虚構へと変わる瞬間が見て取れるし、見てるこっちも準備ができる、ここからミュージカルになる合図になっていますから、ミュージカルが苦手な人にも受け入れやすいのかもしれませんね。

 

監督に関してはこちらをどうぞ。

 

www.monkey1119.com

 

 

 

 

 

登場人物紹介

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左上より。

  • 鈴木静香(三吉彩花)・・・子供のころからミュージカルがニガテ。キラキラOLを目指し、無理をして有名企業で働く。マーチン上田の催眠術にかかってしまい、音楽を聞くと、歌わずに踊らずにいられないカラダになってしまう。

 

  • 斎藤千絵(やしろ優)・・・ダンスの夢を叶えるため、催眠術師・マーチン上田のサクラとして働く、お金とイケメンに弱いフリーター。静香と共にマーチン上田を探して全国各地を駆け回る。

 

  • 山本洋子(chay.)・・・新潟ネイティブ、ワケあって北を目指す謎のストリートミュージシャン。

 

  • 村上涼介(三浦貴大)・・・静香の会社の女性みんなが憧れる先輩エリート社員だが、シワを寄せる笑顔が嘘くさい。

 

  • 渡辺義雄(ムロツヨシ)・・・こズルく生きる興信所の調査員で、静香の依頼でマーチン上田の行方を調査し、全国を飛び回る。

 

  • マーチン上田(宝田明)・・・一世を風靡したが過去の栄光はどこへやら。静香にミュージカルの催眠術を掛けてすぐ行方をくらました逃げ足だけは速いインチキ催眠術師。

(以上HPより抜粋)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

普段のミュージカルとはひと味違いそうな今作。かつてアイドルだった三吉彩花の歌と踊りに注目したいところですね。

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

感想

え~・・・ミュージカルが嫌いな人には入門編としてちょうどいいかもしれませんが、これはミュージカル映画として括りたくない…。

てか、どうした矢口!!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トラウマからの脱却。

音楽を聞くと体が勝手に踊り出し歌い出してしまうという催眠術にかかってしまった女性が、催眠術師のサクラをしていたフリーター、興信所のおっさん、道中で出会ったストリートミュージシャンを巻き込み、北の大地までの貧乏ロードムービーをしていく物語を、昭和の名曲よろしくナイスな選曲で歌いまくり踊りまくりのダイナミックなミュージカルシーンを惜しみなく演出し、登場人物誰もが逃げてきたことや避けてきたことといったトラウマから抜け出し殻を破っていく成長譚的作品でありました!

がっ!

ミュージカル映画が好きな人にとっては苦痛だらけの作品になってしまっているので、ぜひミュージカルが嫌いだという人に見てほしい、ミュージカル映画入門編映画でございました。

 

 

人間誰しも過去の失敗はつきもの。

それを乗り越えられるかは結局は自分次第であり、克服した人もいれば、それを引きづったまま生きている人もいる。

主人公の静香は過去にバレエやカラオケでその才能をいかんなく発揮し、学芸会で主役を張るほど歌と踊りが大好きな少女だった。

催眠術師のサクラをしていた千絵もまた、ミュージカルスタジオを持ちたいという夢を持ちながらも、楽観的な性格が災いし、現状から抜け出せないままでいた。

新潟で出会ったストリートミュージシャンもまた、愛していた恋人への思いを抱えたまま歌を歌っていた。

そしてかつてはTVで一世を風靡した催眠術師・マーチン上田も昔のような輝きを亡くし、自信を持てないまま借金を膨らませ場所を転々としながら騙し騙しのマジックでしのぎ活動を続けていた。

 

そんな人たちが出会い、様々な騒動を巻き起こしながらも、皆が過去や今の状況から抜け出し一歩進みだしていくのであります。

 

特に静香にとっては地獄のような一週間だったことでしょう。

学芸会での失敗の傷が癒えぬまま過ごしてきた時に催眠術にかかってしまい、音楽を聴くだけで、あれだけ避けてきた歌と踊りをする羽目になってしまう。

大事な会社の会議で、気になる人との夕食で派手にやらかしてしまうことで、結果オーライな時もあればそうでない時も。

常にあの時のトラウマと隣り合わせで暮らしていかなければいけない。

このままでは私が私でいられなくなる。

しかし催眠術師を探す旅は彼女に歌うこと踊ることが如何に楽しいことかということを再確認させてくれる。

ヤンキーに絡まれることで怖い思いをするも、歌って踊れば通じ合えることを知り、車内から流れる曲を誰かと歌えば、その楽しさを分かち合える。

誰かの前でそれを披露すればみんなが笑顔になる。

旅で起きる様々な出来事は、彼女をトラウマと向かい合わせそれを克服させていくのであります。

あの頃夢に見ていた気持ちを再び思い出させる旅だったのです。

歌うって素晴らしい、踊るって素晴らしい、あの時の私に戻らせ再び夢に向かって進みだす物語だったのです。

 

監督の作品はどれも、今置かれた状況を嫌々やりながらも、仲間や周りの人たちと楽しさを共有し成長を遂げていくお話が多い気がします。

今回はミュージカル嫌いがミュージカル好きになっていくという一見単純な進み方かもしれないけど、ちゃんと背景に理由や原因を挿入することで丁寧に人物を組み立て、トラウマを乗り越えていくという成長譚として、監督が得意とするお話に仕上げていたと思います。

 

 

 

楽曲がいいよね!

普通ミュージカル映画って、セリフがそのまま歌詞になったオリジナルの曲が多いと思うんですが、今作では昭和の名曲を使って披露しています。

 

オープニングで宝田明が歌うのは、山下久美子のヒット曲「tonight~星の降る夜に」。

一つだけ願いが叶うなら、という思いを星のふる夜に思いを馳せる内容の歌詞ですが、深く考えてみると登場人物たちが心に抱えた思いや願いを星に託したい、そんな思いが込められた選曲に感じます。

 

その後も、企画内容を一新しプログラムのイメージソングとして村上が用意した楽曲は、オレンジペコーの「Happy Valley」。

必ずある幸せの丘を探そうという思いのこもった歌詞と、オレンジペコーが奏でるボサノヴァ調の曲調によって多幸感溢れる歌に仕上がっており、細断されたコピー用紙の紙吹雪によって華やかに演出された静香の踊りと歌は、誰が見ても楽しく見れることでしょう。

 

その他にもレストランで披露した山本リンダの「狙いうち」は、村上というエース級のサラリーマンとこのままいけば玉の輿に乗れるという意味にも取れる楽曲だったし、千絵と車内で歌う井上陽水の「夢の中へ」、ストリートミュージシャンの洋子と共に歌うキャンディーズの「年下の男の子」は、ちゃんと3人で歌ったり、洋子が思う相手という身で伏線にもなっているという細かい仕掛けも。

そして洋子の化けの皮が剥がれることで抱腹絶倒のシーンでは、シュガーの「ウェディング・ベル」。あれは絶対あんな場所で元カノが歌ってはいけませんw

 

最後には大団円としてサディスティック・ミカ・バンドの「タイムマシンにお願い」で最高潮の盛り上がりで締めてくれます。

 

どれも昭和の楽曲が多いですが、もしかしたら監督は昭和のミュージカルコメディとして名高い、クレージーキャッツの映画をやりたかったのかなぁ、それで昭和の曲を中心にしたのかなぁと、深読みですが思いました。

実際に急に曲が流れ歌い出すという場面は似てるし、いわゆる普通のミュージカルにしてないのはそうした理由があるんじゃないのかと。

 

 

ミュージカル映画がダメな人へ。

上でも書いた通り、静香がミュージカル嫌いなのには理由がありました。

それを克服するための旅だったとも取れる映画だったわけですが、実際にミュージカルが嫌いな人はトラウマが原因ではなくただ単に嫌いなだけだと思います。

 

劇中でも、「なんで急に歌ったり踊ったりするの?病院行ったら?」なんて大声でぶちまけ周りの人から白い目で見られるシーンがありましたが、この映画はそういうミュージカル映画のおかしなところをちゃんと指摘しながらも、実は楽しいんだぞ!ってのをちゃんと見せていたように思えます。

 

はっきり言ってミュージカル映画としての出来は、僕としては全然よくないというのが感想です。

ダンスは手を大きく広げたり叩いたりするだけの1パターンだし、歌唱にしてもそこまでうまいとは思えない。

ミュージカル映画でおススメといったら?と言われたら、絶対これを薦めません。

レミゼとかメリポピとかを薦めます。雨に唄えばとか。

 

でも嫌いな人は逆にその手の映画が既にダメなわけで、だったら自分と同じ思いを抱いている人がミュージカルを好きになっていくって映画にしたら好きになってくれるんじゃないか、というコンセプトがこの映画にはあります。

 

静香も術にかかった状態で音楽を聞くと、会社だろうがレストランだろうが、ところかまわず踊り出すことに、そこから逃げ出したくなったり、大きな代償を払わななければならないという事態に陥ります。

それを見て、ほらやっぱそうだ、現実はこうなんだよ、映画のようになんでもなかったことにはならない、と思うことでしょう。

静香もイヤなのです、ミュージカルをするのが。急にミュージカルシーンになるのが。

そこ逃げずに描き、ネタにして笑いにすることで、嫌いな人でも楽しめてもらえるようにしたってのがこの映画の目指したところのように思えます。

 

 

ただ辛い・・・

と、とりあえず映画の解説やいいところを取り上げてみましたが、僕としての感想(ようやく本題w)は、つまらなずぎて退屈でした。

オープニングの宝田明のシーンは良い入り方だなぁと感心しましたが、そこからは全然気持ちがのらない。

一流企業で働いてる人はあんなに良い暮らしをしているのか、くらいしか目が行かないし、肝心のミュージカルシーンもマンションから出勤する際のトリッキーなカメラワークはおっ!っと思ったけど、途中でも書いたように踊り方が1パターンだし、三吉彩花の動きは固いし(パンツ見えたけどw)、リズムを裏で取れてないし、ヒップホップダンスは特に体がガチガチ、カメラがほとんど寄りで撮ってて全体のシーンがあまりなくてどうにも華やかさが足りない。

 

楽曲のせいもあるけどテンポがどれも一定なせいで、スローなダンスやハイテンポでキレのある踊りが無いのも残念。

で、楽曲に関して言えば、なぜアレンジした曲を使ったのか。

特に狙いうちに関して、オリジナル曲が持つ勢いとか昭和歌謡曲のカッコよさとかが詰まったすごく良い歌なのに、ホーンセッションとかでアレンジしちゃっせいで曲が台無し。

実際オリジナルの方が曲調速いし、あそこでタップダンスとかかましたら目ちゃんこカッコイイミュージカルシーンになったろうに、ものすごくもったいない。

「ウォーターボーイズ」で玉木宏のアフロ頭に火がついてしまうシーンで伊勢佐木町ブルースが流れるという最高にシュールな楽曲の使い方と印象的なシーンてのがあるんですけど、今作のこの「狙いうち」も、オリジナル曲流してテーブルクロス引きとか小細工入れずに三吉彩花にガンガン踊ってもらうようにすれば、ウォーターボーイズのそのシーンに匹敵する面白さだったのになぁと。

いや山本リンダのダンスとかやってくれよ。

 

あとミュージカルシーンになると、装いとか周りの景色がガラッと変わってるんですけど、これは静香が見た景色ってことで理解はできるんですが、村上とマンションの前で踊るシーンがあったじゃないですか。

あそこ静香が見ている景色のはずなのに、虚構になってないというか、村上も一緒に踊ったってことで済んじゃってるんですよね。

てかあそこはそのままバンドワゴンのアステアやってよ。そういうオマージュ欲しかったなぁ。

これ以外にもその現実の部分と静香が見ている景色=虚構がものすごくあいまいなとことか多い。

 

物語としては受け入れられるんですけど、ミュージカル映画としては非常に物足りないものになってましたね~。

 

 

最後に

とりあえず全然好きじゃないけど、歌手であるChayが牙むき出しの鬼の形相でウエディングベルを歌ったシーンは、僕としては最高。

普段ニコニコして歌う姿しか見てないから、それ以外の表情見れただけでもアリでしたw

 

あくまでミュージカル嫌いな人のためのミュージカル映画入門編として見るのが一番楽しめるのではないでしょうか。

あとはユーモア描写が合うか合わないかだなぁ。

そこも見てて辛かったんだよなぁ…どれもそこまで笑えないんだよなぁ。

 

あ、あと最近よくニュースでも取り上げられる「煽り運転」のシーンはよく入れたなとw

 

ミュージカルを撮ったことが無い人はむやみに製作しちゃいけないなぁ。

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆★★★★★★★★2/10