モンキー的映画のススメ

モンキー的映画のススメ

主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

映画「曇天に笑う」感想ネタバレあり解説 曇天どころじゃない、荒天だ。

曇天に笑う

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てんて~んどんどん てんどんど~ん 

てんて~んどんどん て~んどんどん

 

あのいつも明るい性格で賑やかに歌う、頭からはみ出したえびがトレードマークのどんぶり野郎「てんどんまん」が主役の映画!!

デデン!

「天丼に笑う」!!

 

 

…失礼しましたw

 

というわけで、「亜人」でがっつりアクションもできるんだぜ!と証明した本広監督が、若手俳優を集めて明治時代を舞台にした

「ドキっ!男だらけのオロチ退治!」なアクション映画が公開です。

 

とりあえずですね、みんなかっこいいけど華奢すぎるよww

ガチマッチョはいねえのかw

そんな見た目は置いといて早速観賞してまいりました!!

 

 

 

作品情報

 

文明開化の明治初期を舞台に、若者たちの譲れない思いと絆、主人公たち兄弟の宿命を描いた人気コミック「曇天に笑う」が、舞台やアニメといった様々なメディアからとうとう実写映画にまで世界を広げてきた。

 

宿命を背負った3兄弟と、幕府の精鋭、そして政府の転覆を暗躍する忍者といった3つの組織が、男のプライドと生き様、覚悟を背負い、巨大な敵に立ち向かっていく。

 

今注目の個性派若手キャストが勢ぞろいし、中でも主役はほぼノースタントでアクションをこなすという気合のいれ様。

 

兄弟の絆はもちろん、神社に仕える男たちが大蛇の暴走を阻止するというスピリチュアルな要素も入れた娯楽大作アクション映画です。

 

曇天に笑う コミック 全6巻完結セット (アヴァルスコミックス)

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あらすじ

 

幕末が終わり、文明開化が幕をあけた。

しかし、その裏では新政府に不満を持つ者が溢れかえり、犯罪率は過去最大。

日本は混沌の時代を迎えていた。

 

滋賀県の琵琶湖畔に建つ曇(くもう)神社は、数百年に渡り大津の町の治安を預かってきた。

 

第14代当主は、三兄弟の長男・曇天火(てんか)(福士蒼汰)。「どんな時でも笑っていられる強い男になれ!」という強い信条を持つ、強く優しく、お調子者の快男児で、大津の民から絶対的な信頼を寄せられている。

 

次男の空丸(中山優馬)と三男の宙太郎(若山耀人)、そして10年前に大怪我をしていたところを天火に助けられた金城白子(きんじょうしらす)(桐山蓮)と4人で暮らしている。

 

 

このところ大津では曇天が続いており、オロチ(大蛇)の復活が近いのではないかと、町民達が不安を募らせていた。

 

オロチとは、300年に一度、曇天が続くときに、〈器(うつわ)〉となる人間を利用して蘇り、すべてを滅ぼす巨大な力。

 

 

忍者集団・風魔一族がオロチのパワーを利用して政府転覆を狙う一方で、政府は岩倉具視(東山紀之)が管轄する特別チーム〈犲(やまいぬ)〉がオロチを封印するために動いていた。

 

5人のメンバーからなる犲には、実はかつて天火も所属しており、オロチを封印するためには6人の力が必要だった。

 

しかし、10年前に風魔一族に両親を殺されたことを機に、天火は国のためではなく弟たちのために生きることを決意し、犲を脱退。

犲の隊長である安倍蒼世(古川雄輝)は、オロチの復活を阻止するために、器の発見と抹殺を急いでいた。

 

 

ひょんなことから兄が犲のメンバーだったことと、両親が風魔に殺されたことを知った空丸は、兄を越えたいという強い思いから、犲に稽古をつけてほしいと懇願する。

 

最初は劣勢だった空丸だが、「あの曇天火と同じ兄弟と思えないな」という言葉を耳にした途端、身体に異変が起き、人外の力で犲を跳ね飛ばす。

空丸が〈器〉だと気づいた蒼世は、国のために空丸を斬る決意をする。

 

 

〈器〉へと変化し、苦しみ悶える空丸。

天火は空丸を助けようと曇家に代々伝わる、オロチを封じる力を持つといわれる二本の“護り刀”を手に、空丸に歩み寄る。

 

刀を振りかざした瞬間、思いも寄らぬ敵が天火を襲い、空丸は風魔一族に連れ去られてしまう。

 

 

天火は深手を負いながらも、空丸を助け出すために、風魔のアジトである獄門処へ一人乗り込む。

皆既日食までに空丸を助け出さないとオロチが復活してしまう。

果たして天火は、愛する弟を助け出せるのか・・・。(HPより抜粋)

youtu.be

 

 

 

 

 

監督

今作を手がけるのは本広克行

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幕が上がる」でようやく小舞台の実写やオタ度全開の刑事映画に終止符を打ち、更なる映画製作を突き進めるのかと思いきや、がっつりアニメ作ったりコミック原作のアクションエンタメをやったりと、あれそっち路線行くの?と拍子抜けしながらも、CGを駆使するなどして満足度の高い作品を手がけてくれています。

 

 

近年は命を繰り返す新人類の怒涛のエンドレスリピートバトルを描いた「亜人」を手がけました。

長い物語を大胆にカットしてアクションに特化させ、上手く続編へと孕みを持たせた内容にモンキー的には満足でした。

色々言いたいことはあるけどねw

監督に関してはこちらをどうぞ。

 

www.monkey1119.com

 

 

 

 

キャラクター紹介

 

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左上より。

  • 曇 天火(福士蒼汰)・・・曇神社の代14代当主。三兄弟の長男。どんなときでも笑顔を絶やさず、周囲の人々を明るく照らすような男。腕っ節の強さ、鉄扇片手に悪人達を懲らしめる。かつては右大臣直属部隊「犲」の隊長だったが、訳あって隊をやめた。

 

  • 曇 空丸(中山優馬)・・・三兄弟の次男。負けず嫌いでまっすぐな少年。兄を背負う重荷を少しでも減らそうと、日々鍛錬を欠かさないが、少し気負いすぎる面も。ちょっと放っておけないタイプ。

 

  • 曇 宙太郎(若山耀人)・・・三兄弟の三男。天火のことを父親のように慕う。とにかく純真な男の子で、兄二人はもちろん、大津の人々にもかわいがられている。

 

  • 金城白子(桐山蓮)・・・元は風魔の忍者。大怪我をしていたところを天火に助けられて以来、曇神社に居候中。いつも微笑みを絶やさない、空丸や宙太郎のもうひとりの兄のような存在。

 

  • 安倍蒼世(古川雄輝)・・・右大臣直属部隊「犲」の隊長。ときに冷徹な判断を下すが、国を護る志は誰よりも熱い。隊を抜けた天火をまだ許すことができない。

 

  • 鷹峯誠一郎(大東駿介)・・・犲の副隊長。男らしく巨大な斬馬刀を自在に使いこなすツワモノ。新人・武田楽鳥の剣の師匠。

 

  • 永山蓮(小関裕太)・・・二丁拳銃を華麗に扱う犲メンバー。天火、蒼世とは幼馴染で、二人の辛さをよく理解している。

 

  • 武田楽鳥〈市川知宏)・・・志願して犲に入隊した新人。まだまだ下っ端扱いだが.剣の腕はかなりのもの。

 

  • 犬養善蔵(加治将樹)・・・犲最年長のメンバー。どんな敵も拳でねじ伏せる。度量が広く、天火とも仲がいい。

 

  • 岩倉具視(東山紀之)・・・明治政府の重鎮。右大臣を務め、幕府が倒れる以前から、オロチ討伐を目的とした部隊「犲」を極秘裏に創設。

 

  • 迅影(池田純矢)・・・風魔一族。破壊神オロチ(大蛇)の復活をもくろむ忍者集団。

 

  • 霧生(若葉竜也)・・・風魔一族。破壊神オロチ(大蛇)の復活をもくろむ忍者集団。

 

  • 雷牙(奥野瑛太)・・・風魔一族。破壊神オロチ(大蛇)の復活をもくろむ忍者集団。

 

 

 

 

 

原作もアニメも全く知りもしませんでしたが、これおそらく女性人気がすごいんでしょうね。キャスティングもそんな匂いが・・・。

 

それはともかく話はなんとなく想像つきますが、アクションは一体どんなアクションなのか楽しみです。

監督もしかしてこれも過去作リンクやるんすか?

ここから観賞後の感想です!!!

 

 

感想

笑えるかこんなの!

ぶっちぎりで笑えなくて泣けない、何もかも中途半端で急ぎ足で説明過多でとっちらけの、やっちゃった映画でした。

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうした本広。

明治維新後という新時代の幕開けと共に訪れた300年ぶりの曇天模様。

どの時代にも幸せな毎日を送っている人もいれば、不満を募らせ荒れ狂う者もいるわけで。

 

その治安を保っている男たちこそが曇3兄弟。

罪人を獄門島へ収監する役目を担い、町人たちから野菜を分けてもらうほど愛されている彼ら。

 

そんな彼らの中に、人々に災いをもたらすオロチの生贄となる器が!

 

オロチの器を見つけ次第抹殺しようと企む政府の戌、オロチを復活させ今の世の中をひっくり返そうと企む忍者たち。

そして自分の兄弟が器となったことを知り、己を信じ助けようと模索する長男・天火。

 

様々な思惑が交錯する中、オロチは復活してしまうのか、そして弟の命は。

 

 

上映時間94分という恐ろしく短い内容の今作。

なるほど、ざっくりした時代背景やオロチの説明をヒガシにナレーションでしゃべらせ、こんだけキャラがいるのに深い人物描写もしなければ、アクションにも時間を割くことができるし、ピクリとも笑えないどうでもいい小ネタを挟む余裕があるわけだ。

 

 

この上映時間、監督の前作「亜人」もそれくらいだったと記憶しているが、あちらは原作で描かれてる一部分だけ映画にしてアクションに特化したから、たとえ荒唐無稽な話だったとしても楽しめる要素があったわけで、急にアクションに目覚めたのかどうか知らんが、今回もそっち重視で行くのかな?と思ったらアクションも雑でした。

 

いや正確にはアクションが雑なんじゃなくて、テンポが悪いのか。

 

今回も原作の一部分だけ抜いての作品に仕上げたのかどうかわかりませんが、脚本はヒドイしなんでそうなるんだよ、というツッコミも多いし、小ネタは笑えないし、後ろの雑音が邪魔だし、正直仕事後の映画鑑賞ってホントに面白くないと睡魔がパないわけで、案の定ウトウトしましたよ、ええ。

 

 

まぁ、こんな愚痴ばかりの感想になるよってのをここで最初に言っておきます。

 

というわけで、そんな映画だったけど見どころとか褒めるところとかなんとか探して発表しようと思います。

 

 

良かったところ。

  • キャストが全員男前。

これはもう予告とかホームページで事前に調べた時点でどの層を狙っているかがわわかりやすいキャスト陣だなというのは理解できたわけですが、実は意外と年齢のいってるイケてる俳優陣が総出演しているのが見どころでしょう。

 

しかも彼らが演じるのは、文明開化の鐘が鳴る明治時代なわけで、江戸の匂いがまだ残る中で西洋かぶれの近代的な装いをする彼らがまぁカッコイイわけです。

 

福士蒼汰演じる天火に至っては終始きれいな着物を纏い、岩倉具視に呼ばれたパーティーでは、長い髪を結びタキシード姿でギャップ萌え。

しまいには滝行をして自慢のナイスバディまで見せてくれるんだから、ファンにはたまらないですよね。

 

 

犲たちは揃いもそろって全員、首のフォックまで閉めたドイツの軍隊のような制服。

 

冷徹なリーダーに、でっかい刀を振り回し後輩に喝を入れる鬼先輩。

特に取柄ないけどいかにも女子ウケしそうな銃使い。

メシいっぱい食ってそうな愛想のある力持ち。

そして特別部隊に入ったことでちょっと背伸びしてしゃしゃり出る若手と、あらゆるキャラが揃い団結して戦う。

 

こうなったらイケメングループ特有の○○担当みたいなファンが出てきてもおかしくなく、ドSと包容系と美形と草食と力持ちが揃い、高水準な編成となっているわけです。

 

 

え~でもアタシのタイプこの中にいなぁ~いと思ったあなたには、将来有望な曇兄弟の3男宙太郎君なんていかがでしょう。

 

あんちゃんと小ぃにいちゃんにくっついて町の治安を守る宙太郎君の特技は、石をゴムで引っ張って当てるパチンコですが、てんで当たりません。

それに対してあちゃぁ~みたいな顔をする顔はとてもキュートです。

 

しかもネバネバした食べ物が嫌いで、兄ちゃんたちに無理矢理食わされるという末っ子特有のいじられ様。

 

そんな彼も一番下だから誰よりも空気の読める素質を持っています。

あれだけ兄ちゃんから「笑え」と言われ続けただけのことはあり、天火兄ちゃんが負傷してもうダメか・・・と辛気臭いムードになれば、ほっぺをつねって笑顔を作り場を和ませるのであります。

 

こんな弟欲しかったぁ~なんて思えるキャラクターなのではないでしょうか。

 

 

  • 冒頭の映像で一気に入れる。

ドンドコドンドコ和太鼓のリズムに乗せながら、町を少し上から眺めるように始まる冒頭。

そこまで大きな町には見えませんが、中心部では丁度お祭りのような催しがやっており、ここで監督お得意の沢山の人を見せることで画が映えるように見せる演出が活かされております。

 

だんだん町人目線まで降りて来たら事件スタート。

カットなしで狭い路地裏を逃げ回る罪人の後ろ姿をしっかり捉え、3兄弟の見せ場が始まるわけです。

 

 

これはすごくよくできている映像だなと。

やはりたくさんの人を動かしての撮影は相当な準備とリハーサルがないとできないわけですから、途中までワンカットで見せ惹きつけるのは冒頭のシーンとしてのツカミは見事だと思います。

 

果たしてここでももクロのメンバーがちらっと映っていたことに何人が気づいたことか。

 

 

  • 音楽も良かった。

その冒頭のドンドコドンドコは和太鼓バンドの「GOCOO」が実際に出演して演奏していました。

打ち込みのドラム音や電子音などが加わり映像とともにグルーヴが増していく爽快な音楽でございました。

 

主題歌を担当したサカナクションの楽曲にも参加して、この映画を盛り上げてくれていたようです。

 

 

悪かったところ。

率直な感想がつまらなかったわけでして、そりゃあおかしいいだろ、なんだこの演出、いるかこれ?みたいな腹が立ったところ、つまらなかったところを隠すことなく書こうと思います。

 

 

  • 邪魔。

本広監督といえば、手前で出演者が会話したり、アップで映っている演者の背後で何かしら笑わせようとする演出が多々あります。

 

僕が好きなドラマ「踊る大捜査線」では特に乱発しており、青島が湾岸署をたらいまわしにされエレベーターでぐったりしているときに後ろにカエル急便がいたり、すみれさんと魚住係長がなんか喋ってる時に、後ろで緒方と森下がいがみ合っていたりと、とにかく画のどっかで何かしら遊び心を入れる演出をするのが特徴です。

 

 

正直手前に映っている人物の行動や言動が主軸なわけで、後ろがあまりにも主張し過ぎるとそっちに意識が行き過ぎて肝心の話が入ってこないことがあります。

 

 

要するに行き過ぎた演出をするとかえって逆効果だと。

 

これは僕の視点ですが、監督のこれまでの演出は正直僕はギリギリセーフでやってこれたと感じています。

 

しかし今作は、特に冒頭のシーンですが、町に群がる町人たちがカメラに近かったせいか、なんかやろうとしている姿が背景としてみなされず、主張し過ぎていて非常に鼻につきました。

 

とうとう一線を越えてしまう演出をしてしまったかと残念で仕方ありません。

 

 

さっきも書きましたが、今回ももクロのメンバーが町娘役でちらっと映っております。

しかも担当カラーのアイテムをつける親切な衣装で。

 

この時手前の役者のアップの後ろでボカシ気味に映っているんですが、これくらいがちょうどいい加減だと思うんです。

後ろでなんかやってるな、ってのが。

 

 

  • ギャグが寒い。

本広監督はコメディ色の強い監督ではありませんが、クスッと笑わせる演出をよく取り入れています。

しかし今回はクスッともしない演出が目立ちました。

 

 

例えば、曇天が続くことでオロチがやってくるんじゃないか、お天道様が出ないから稲が育たねえ、ああオラこんな農業嫌だ、みたいな農民たちの不安をなだめる宙太郎との掛け合いのシーン。

 

ここで宙太郎は「大丈夫、天火兄ちゃんがなんとかしてくれる」みたいなことを言うんですが、まぁ説得力がないわけですよ。

隣にいる宙丸は「?」みたいな顔で彼を見てるので。

 

そこで農民と宙太郎の会話のやり取りの間にウシガエルが鳴くんです。

 

よくあるのが、誰かが素っ頓狂なこと言ったあと、別の人間のほげぇ~っとした表情を見せた後にカラスの鳴き声が入るパターンをよく目にしたことある方も多いかと思いますが。

 

恐らくこれをウシガエルでやろうとしたんでしょう。

ですが、間が凄くへたくそで、しかも終盤ずっと鳴いてるんですね。

 

いやそういうのって1回ないし2回程度だからウシガエルの鳴き声が活きるわけで、最後に何度も鳴かせちゃせっかくのコント、いやシーンが台無しというか。

 

 

他にも、岩倉具視のパーティーで迷子になった宙太郎探し。

宙丸と手分けして探すも、2人して階段の手前で何度もぶつかるというのを延々とやってるんですけど、これもクドイ。

 

多分4回くらいやってたと思うんですけど、これも間が悪いし、彼らの背中を映してるしテンポが悪い。

 

もっと彼らを近くでおさめて、変な間を置かずにポンポンやった後に、やっと同じ方向に行ったかとフェードアウトさせてからやっぱりもう一回みたいな方が笑えると思うんです。

言葉で説明すんの、難しいなw

 

 

後は宙太郎全般の件ですね。

彼のやることなすこと笑えないです。

 

そもそも笑わせるためにやってないのかもしれませんが、どう見てもグダグダひっぱってやってるし、もっと緻密に見せなきゃいけない部分を切ってまでカメラ回しっぱなしでやってるんだから、きっと笑わせようとしてることは明確です。

 

もう少しこういうところで本領発揮してほしかったですね。

 

 

  • ツッコミどころ満載。

途中でも書きましたが、まず岩倉具視演じる東山紀之のナレーションが延々と続きます。

いわゆる状況説明です。

 

いつまで説明するんだ?というくらい説明してます。

 

しかも岩倉が「オロチを封印するには」ってのを犲に説明した後、間髪入れずに次のシーンで白子が天火に同じ説明をしてるんです。

ウザ。

 

 

刑務所に収監されている風魔一族のお面をつけた男。

 

風貌や髪の色からどう見ても白子に見えます。

でも白子はシャバで普通に曇兄弟と暮らしているから彼ではありません。

 

ちなみに白子は元々風魔一族だってことが明かされていますが、そうなってくると自ずとこのお面の男の正体って見えてきますよね。

白子に関係してるって。

 

せめてもうちょっとわかりづらい設定にしてくれないと。

せめて髪の毛の色変えろよ。

 

 

天火は宙丸に乗り移ったオロチを封印しようと、曇家に伝わる刀を抜いて宙丸に刺相とするんですが、背後から何者かに刺されて重傷を負います。

 

どうしようと困惑しながらも宙太郎の治療によって風魔一族にさらわれた空丸を助けようと獄門島へ単身乗り込むんですが、手下どもをあっという間に一撃で倒すんですね。

 

あれ?おめぇさっき背中刺されて立てないくらいじゃなかったっけ?と。

軽い身のこなしは深い傷を負ってもすぐできるもんなんかい?と。

 

 

よくよく考えてみると、風魔一族相手に一人で戦おうとする宙丸も腕に傷を折ったりしますが、その後天火との稽古で全くの無傷になってることが分かります。

そういうとこですよね~雑なのって。

 

 

雑で言えば獄門島にいる囚人たちがオレンジの囚人服着てるのもおかしいです。

明治時代の囚人てそんな色の服着てたの?

 

 

  • 人物描写が薄い。

一応3兄弟の仲の良さや、天火が背負うもの、次男の葛藤などは描かれていたので大方物語はわかりやすく進行していくのですが、それ以外の人物描写が弱すぎ。

 

特に犲たちはあれだけ器殺すとか言っといて、元犲のやつの弟が器だとわかっていても任務を遂行するくらいのこと言ってるのに、コロッと天火の味方になっちゃうのがなんとも。

 

天火一人で風魔一族と戦っているところを漁夫の利で宙丸殺そうとして天火のお兄ちゃんパワー爆発!!の方がガチの三つ巴って感じでクライマックス盛り上がると思うんですけどね。

 

 

安倍蒼正はそれなりに主要キャラなのは天火との確執のやり取りから理解できますけど、他の奴らがなんで天火と仲良くしゃべってるのとか一瞬よくわからないですよね。

 

もちろんみんなで映ってる写真が何度も映るからこいつら同期なんだってのが伝わるんですが、せめて昔話のひとつくらい織り交ぜて彼らが仲良かったってのをセリフに盛り込んでも良かったし、過去から彼らの人となりが伝わるんじゃないかなぁと。

 

 

後は核心に触れてしまうツッコミどころばかりなので控えますが、なぜおまえはそこにいてチャンスをずっと窺ってたんだよ、他にできることあったろ、とか、オロチオロチいうとりますけども、オロチ全然出てけえへんやんかとか、風魔一族に命狙われてるのに何でそんな大事なことをお前は兄弟に隠してんだとか、まぁ色々ありまして。

 

何というかとにかく残念な映画でありました。はい。

 

 

 

最後に

これまで本広監督の作品を追いかけてきたので今回も鑑賞したのですが、これまでずっと擁護してきたのに、今回は無理でした。

 

なぜ1時間30分でこの物語を収めたのか、もっと人物を掘り下げていけば泣ける部分も強調できたかもしれないし、アクションだってもっとやれたかもしれない。

 

今回アクションのカメラワークがなんか雑に感じたんですよ。

宙丸視点でアクションやるとことなんか良かったんですけど最後がなんか雑というか。

いわゆる時代劇のクライマックスみたいな感じ。

アクションというか殺陣になるのかあれは。

 

だったらもっと時代劇っぽく見せりゃよかったんだよ。

 

正直冒頭の「天丼に笑う」とか俺のボケも面白くないんですけど、それと同じくらい今回は笑えない映画でした。

いろんな意味で。はい。

というわけで以上!あざっした!!

 

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満足度☆☆★★★★★★★★2/10