モンキー的映画のススメ

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主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

映画「エディントンへようこそ」感想ネタバレあり解説 コロナなの?BLMなの?SNSの話なの?

エディントンへようこそ

コロナ禍によって窮屈な生活を余儀なくされてから早5年。

「コロナはただの風邪です」をはじめ、様々な陰謀論者が台頭したのをよく覚えてます。

彼らが発信した情報を鵜呑みにしてワクチンを打たなかったり、頑なに打たなかったので会社でぞんざいに扱われたりと、こんな未曽有の事態でも人間て一つになれないんだなぁと思ってました。

 

今回鑑賞する映画は、そんなコロナ禍に起きた選挙運動を通じて予想外の顛末を描くというスリリングかつシニカルなお話。

アリ・アスター監督作品はどれもハマったことがなく、なぜこんなに支持されているのか全然わからないんですが、話題作は観ないといけない主義なんで、とりあえず見ておこうと。

早速鑑賞してまいりました!!

 

 

作品情報

ミッドサマー」「ヘレディタリー/継承」のアリ・アスターが監督が新たに放つ作品は、コロナ禍に起きた選挙戦の行方を描いた炎上スリラー。

 

2020年のニューメキシコ州、エディントンという町を舞台に、保安官、市長、保安官の妻、そしてカルト宗教の教祖らが、「誰かのため」だった行いから「自身のため」として奔走してしまう姿を、コロナ禍当時に起きた現象を交えながら選挙戦をシニカルに描き、予想外の顛末へと誘う一筋縄ではいかない物語。

 

アリ・アスター監督は本作について、ネットに生息する人たちの物語だと語る。

誰もが殻に閉じこもり互いに遮断しあっている、見ようともしないし見られもしない状態だから諍いが生まれる。

一方で単純化されたネット情報とは対照的に人間自体は複雑なものだからこそ、本作は複雑な内面のキャラに設定し、きれいに解決しないような物語の閉じ方をしたとのこと。

 

 

マスクをしない市長にぶち切れ選挙に立候補するエディントンの保安官ジョーの役を、「ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ」「ボーはおそれている」のホアキン・フェニックス

 

IT企業を誘致するため選挙戦に躍起になっている市長テッド役を、「ファンタスティック4:ファースト・ステップ」のペドロ・パスカル、保安官である夫からも母親からも相手にされず、カルト宗教にハマっていく妻ルイーズ役を、「哀れなるものたち」、「憐みの3章」のエマ・ストーン、そしてカルト宗教の教祖として陰謀論を振りまくヴァーノン役に、「ザ・バイクライダーズ」、「エルヴィス」のオースティン・バトラーが演じる。

 

真実がどのようにして覆い隠されていくのか、そしてエディントンの町がどうなっていくのかを、自分の生きてる世界のように考えながら見ると、恐ろしいのかもしれない。

 

ボーはおそれている

ボーはおそれている

  • ホアキン・フェニックス
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ミッドサマー(字幕版)

ミッドサマー(字幕版)

  • フローレンス・ピュー
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あらすじ

 

物語の舞台は2020年、ニューメキシコ州の小さな町、エディントン。

 

コロナ禍で町はロックダウンされ、息苦しい隔離生活の中、住民たちの不満と不安は爆発寸前。

 

保安官ジョー(ホアキン・フェニックス)は、IT企業誘致で町を“救おう”とする野心家の市長テッド(ペドロ・パスカル)と“マスクをするしない”の小競り合いから対立し「俺が市長になる!」と突如、市長選に立候補する。

 

ジョーとテッドの諍いの火は周囲に広がっていき、SNSはフェイクニュースと憎悪で大炎上。

 

同じ頃、ジョーの妻ルイーズ(エマ・ストーン)は、カルト集団の教祖ヴァーノン(オースティン・バトラー)の扇動動画に心を奪われ、陰謀論にハマっていく。

 

エディントンの選挙戦は、疑いと論争と憤怒が渦を巻き、暴力が暴力を呼び、批判と陰謀が真実を覆い尽くす。

この先はあるのか? エディントンの町と住人は誰も予想できない破滅の淵へと突き進んでいく。(HPより抜粋)

youtu.be

 

 

感想

ボーはおそれているでもそうだったけど、この人は端折ることをしない。

だから主題まで行くのに相当の時間を要する。

それに対して俺は我慢が出来ない。だからそういう映画をつまらないと表現する。

後半はまだ何とか見れた。

以下、ネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

ざっくりあらすじ

2020年5月 – ニューメキシコ州エディントンの町。

酔っ払ったホームレスのロッジが、町外れを徘徊しながら支離滅裂な言葉をまくし立てている。

ロッジは、間もなく開発される予定のデータセンターの看板を通り過ぎる。

 

 

コロナ禍によってマスク着用を推奨する市長テッドに対し、喘息持ちの保安官ジョーはマスクを拒む。

ジョーは騒ぎのためにバーに呼び出されるが、そこではロッジが騒ぎを起こしている。

家で会議をしたくないテッドも居合わせ対面する2人は、既に険悪な状態だ。

ロッジに対処するジョーだったが、退店するロッジから咳を浴びてしまう。

それを撮影するテッドの息子エリックと友人のブライアン。

 

ジョーは妻のルイーズと彼女の母ドーンと暮らしている。

二人ともドーンの見下した態度や、陰謀論に聞き飽きており、ドーンのことをあまり好ましく思っていない。

 

マスクをしなければ店で買い物もできない中、マスク反対派のジョーは、マスクを拒否して入店しようとする一般市民を擁護。彼のために買い物を済ませてあげることに。

それを動画で撮られ拡散されたことにより、ジョーはその場の勢いで市長選に立候補を表明する動画をアップする。

 

その発表を見たルイーズはあまり快く思ってない。

 

警察署に戻ったジョーは、副官のガイとマイケルに選挙運動の手伝いを頼む。

その時警察署の外でテッドが待ち構えていた。

テッドはジョーに対立候補になる決断をした理由について話そうとするが、その決断の一部はルイーズとテッドの過去に関係しているとほのめかす。

 

テッドはデータセンターに賛成派と反対派の参加者たちとZoom会議を開いています。

テッドは、エリックが他の人と出かけているのを叱責、市長の息子なら市長が掲げている約束を守るよう強く主張するのでした。

 

その後、エリックとブライアンは屋外の集まりに行き、ブライアンの片思いのサラに出会う。

ブライアンはサラに自分と同じようなリベラルな考え方をアピールしようとしますが、エリックが割り込んでサラの興味を引いてしまい、ブライアンは静かに嫉妬してしまう。

 

ジョーは勝手に力行したことに腹を立てるルイーズに夕食を作ると約束し、埋め合わせをしようとするが、約束の時間になっても来ないルイーズは、ドーンはと共にカルト指導者のヴァーノンとその信者二人を連れて家に連れて帰ってきたのでした。

夕食の間、ヴァーノンは人身売買と虐待を受けた過去を語り、ルイーズは父親から性的虐待を受けた自身の体験を語り始める。

 

アメリカ全土はジョージ・フロイド殺害のニュースで持ちきり。

エリック、サラ、ブライアンらリベラル勢が警察に対するブラック・ライブズ・マター運動に参加することになった。

サラは元カレのマイケルを誘おうとするが、彼は拒否する。

 

保安官らは抗議者たちに何とかやめてもらうよう説得をお試みるが、ジョーとロッジの衝突を映した動画も、エディントンにおける警察の残虐行為を示すものとして、またジョーがデモをあたかも暴力で妨害しようしてるように見える動画を拡散されてしまう。

抗議者たちは暴力ではなく平和の意味を込めて8分46秒の黙とうをささげる。

一方、ブライアンはエリックとサラへの嫉妬を募らせ、二人がキスしている写真をマイケルに送ってしまう。

 

ジョーはレストランに親しい友人やフォロワーを集め、テッドがルイーズを性的暴行したと主張する中傷動画を制作。

その動画を見たルイーズはすぐに反論動画を投稿。

虐待は受けたものの、テッドによるものではないと反論した。

その日の夜、ルイーズはヴァーノンと共に町を去ってしまい、ジョーはドーンと二人きりになってしまう。

 

 

ジョーはテッドの家で開かれた選挙パーティーからの騒音苦情に応じる。

無言で音楽を消そうとするが、テッドはミキサーのボリュームを上げて抵抗、さらに客の前でジョーを二度平手打ちし、ジョーは再び無言で家から立ち去る。

 

町に戻ったジョーは、ロッジが侵入して酒を飲んでいるバーの前を通り過ぎる。

ロッジがわめき散らしながら酒を飲む姿を見て、ジョーはロッジを射殺。

ロッジの遺体を丁重に処理した後。テッド邸から少し離れた場所で、テッドとエリックをスナイパーライフルで射殺する。

 

ジョーは「アンティファ過激派」による襲撃として隠蔽しようと画策。

翌日捜査にやってきた警官ヒメネスは、事件がプエブロという部族の領土内で発生したため、捜査を依頼される。

ヒメネスはジョーが拾い忘れた薬莢を見つけるが、ジョーはこちらの管轄だから邪魔をするなと無視をする。

 

署に戻るとブライアンがジョーにだけ話をしたいとやってきていた。

どうやら今回の事件はマイケルの仕業ではないかと私見を述べたのだった。

テッド邸にはサラのバッグがあったこと、元カノとはいえいちゃつく2人の写真を見て憎悪が湧いたのではないかと推測。

もちろんジョーにとってもマイケルが逮捕されるのは好都合なので、他にも証拠をでっちあげて殺人の罪を着せるためにマイケルを逮捕することに。

 

テッドとエリックの追悼集会の後、ジョーはゴミ箱火災の通報を受け、警察署に呼び戻されるが、拘留したはずのマイケルがいないことに気付く。

車で町外れへ向かった二人は。火のついた樽のそばに立っているマイケルを発見、さるぐつわをはめているマイケルはなんとかして二人に逃げるよう警告しようとしていた。

 

しかし何者かが爆発物を爆発、ガイは死亡、マイケルは重傷を負い、上空で空撮しているドローン機は「NO PEACE」と書かれた炎を捉える。

 

何とか生きながらえたジョーは、アンティファ過激派の男を追走するが逃げられてしまう。

家に戻ったジョーは、最初はルイーズが戻ってきたと安堵するが、それはドーンだった。

ドーンはルイーズとヴァーノンがテッドとエリックを殺し、自分も狙われていると思い込んでおり、今すぐこの地から逃げようと支度をしていたのだった。

 

すると先ほどの男が銃を乱射、ドーンを庇いながら弾を避けたジョーは、必死で家から繁華街まで転がり落ちるように逃げていく。

怪我を負いながらも銃砲店に駆け込んだジョーは、ガトリング銃で反撃。

通りに向けて乱射したジョーは、誤ってヒメネスの足を撃ち、過激派の一人に頭を撃たれて死んでしまう。

 

そして銃撃犯はタイミングを見てジョーに近づき、頭を刺す。

その隙を狙ってブライアンは動画を回しながら、過激派を射殺することに成功する。

 

ブライアンは興奮状態でジョーの身を案じる。

果たしてジョーは助かるのか。

 

・・・といういのがざっくりしたあらすじです。

 

 

結局何がしたいんじゃ。

ホラーやスリラーで人気を集めるアリ・アスターの新たな挑戦はまさかの風刺をメインに置いたスリラー映画。

 

今思えばあの施策は何だったんだろうと頭を抱えることも、当時はそれをしなくてはならない空気だったし、決して疑問に思うこともなかった。

 

しかし本作に登場する主人公ジョーは、マスク反対派という実際にいたら面倒なことに巻き込まれそうな、普通にかかわりたくない男。

しかもそのめんどくささに拍車をかけるのが、こいつが街の治安を守る保安官だということ。

マスクを拒否する男が、例えば職質やらパトロールやらで近づいて来たら、俺だったらどう思ったでしょうね。

近づくなよ、と思いつつも正面向かって言えないんだろうな。

 

そんなジョーがなぜ市長に立候補しようとしたのには、やはり妻と市長の過去の絡みだったんでしょう。

自分の妻をぞんざいに扱い、しかもそれを隠して本人は人気取りとデータセンター設置に躍起になっている。

良いことばかり言って知事に取り繕う野心的な面を見抜いていたジョーにしかできないことを、勢いもありながら行動したってわけです。

 

逆にテッドはというと、ヒスパニック系のアメリカ人というマイノリティを利用してのし上がったと言っても良い存在。

コロナ禍によって混沌とする街に何とか活気を持たせたい一心で選挙に挑むも、ジョーに邪魔されしかも殺されてしまうというオチが皮肉。

 

2人の対決が思いもよらない結果となり、それがさらに派生されてとんでもない事態になっていくという野心的な映画でしたが、正直まぁ~長いし面白くない。

 

コロナ、BLM、KKK、アンティファ、そしてテック企業など、2020年代前半のアメリカを象徴する出来事をエディントンという町の中で全て行わせるというかなり無理な発想が、全てを物語っているように思う。

前半は、ジョーとテッドの対峙で、選挙を戦う者同士が聞く耳持たず主張ばかりする様は、今のSNSを見てるようで滑稽だし、後にルイーズをかっさらうヴァ―ノンや、彼の言葉に耳を傾けてしまう陰謀論者と信者の構図も、コロナが収束しても見かける光景であり、描き方によっては非常に風刺的な笑いが描けるはず。

 

しかし、キャラがつまらないのか、キャラの会話がつまらないのか、自分の主張しかしない連中の会話はこんなにも退屈なのかと、幾度もあくびが出てしまう。

ある種それを意図した前半なのなら「人の話をおきかない奴の話は面白くない」という意味の効果はあったんだろうが、後半まで意識が持続するような演出なり意外な展開なりを用意しないと、映画が持たないということを知った方が良い。

 

後半は、ついに堪忍袋の緒が切れたジョーの暴走によって「スリラー」の面を覗かせたり、それを隠ぺいしようと画策するのでドラマチックにな展開になっていて興味は引く。

しかし前半のコロナの話やBLMは一気に影を潜めていき、前半の話が無関係になっていく。

 

これをやりたかったのなら前半の選挙戦やらBLMやらもっとタイトにまとめてもよかったのではないか?

さらに言わせてもらえば、ルイーズとヴァ―ノンは果たして必要なキャラだったのか?さえ考えたくなる。

陰謀論者と信者の関係が、最後どうなったのかを描くことでサブキャラとしてのけじめは見せるモノの、結局物語に影響をもたらすようなキャラではなかった。

ジョーが暴走するのがヴァ―ノンにルイーズを奪われた、彼女を見つけるためにあらゆる暴走を行うってのであれば納得は行くが、結局中盤からフェードアウトして最後にチラッと映るだけのしょうもないスクリーンタイム。

 

陰謀論者を悪く描きたいのならもっと活かし方があるし、彼がそれで多額の州えっきを得ていることをもっと風刺して描かないと意味がない。

ルイーズもルイーズで、ジョーの言い分と自身の言い分が食い違ってるのだから、真実を示すような描写を入れて見せ場を作らないと、彼女の出番の意味がないと感じてしまう。

 

 

最後に

アリ・アスター自体を良い監督だと思ってない節があるので、かなり冷ややかな目で見ていたことは事実。

 

相変わらず変なカメラワークだし、編集できるところたくさんあったろうし、何より意欲だけ前に出過ぎていてお話がそこまで面白くない・・・。

キャラを多面的に見せたかったと言っていたが、一体どのあたりがそうだったのだろう。

まさか被害者や加害者になるってところだけか?それのどこが多面的で複雑な姿なんだ。

浅すぎる。

 

これをやりたいんだったら、コロナ禍の選挙戦、BLM騒動でてんやわんやの警察たち、市長謎の射殺事件とアンティファ襲撃、陰謀論者によるデマ拡散で金儲けの仕方の4本でお届けするオムニバス映画の方がよっぽど面白い気がします。

 

ボーはおそれているでも言いましたが、A24は彼を甘やかさないでください。

もっとシビアな視点を持って製作させるべきです。

素人が一丁前な事言ってますが、こっちも金払って時間割いて真剣勝負してるんでw

まずは、テーマ性ばかりに気を捕らわれない、娯楽メインの面白い映画を目指してほしいですね。

芸術性とかメッセージ性は二の次で。

というわけで以上!あざっしたっ!!

満足度☆☆☆☆★★★★★★4/10