フリー・ガイ
地球に住むほとんどの人がが「一般人」だってことは周知の事実。
自分の人生なら自分が主役だけど、視点を大きく見たらやっぱり一般人てのは、世間的に言えば脇役になってしまうんでしょう。
芸能人のようにいつもTVでキラキラ輝いてるわけでもない。
歌手のようにステージの上に立ってライトを浴びるでもない。
野球選手のようにヒーローインタビューがあるわけでもない。
もちろん彼らは我々の知らないところでたゆまぬ努力をしてるから輝いてるんだけど、僕らは彼らとは違う平凡な立ち位置なんですよ。
一度でいいから主役になってみたい。
そう、思うことってないですか?
今回鑑賞据える映画は、ゲームの背景(モブ)キャラが、ゲームの主人公に生まれ変わってくアドベンチャーアクション。
ここ数年で欠かせなくなってきた「ゲームの世界」を舞台にした映画。
一体どんな世界観とメッセージがあるのでしょうか。
早速鑑賞してまいりました!!
作品情報
「トロン」や「ジュマンジ」、「レディ・プレイヤー1」など、これまでの「ゲーム映画」の歴史に新たページを刻む作品。
「デッドプール」でおなじみのライアン・レイノルズが、ゲームのモブキャラに扮し、ゲームの世界を救うためにヒーローになっていくアドベンチャーアクション。
同じルーティンを繰り返すだけの銀行員が、ゲームの住人だと気づき、これまでとは違う人生を歩もうとする姿は、彼のように平凡に生きる僕らでも確かな影響力を与えることができる可能性を教えてくれるだろう。
「ストレンジャー・シングス」の監督が、普通の人たちに向けて「希望」を込めた本作。
主演のレイノルズも現代版「バック・トゥ・ザ・フューチャー」と豪語。
果たしてゲームのモブキャラは主人公になれるのか!?
あらすじ
ルール無用・何でもありのオンライン・ゲーム<フリー・シティ>のモブ(背景)キャラとして、平凡で退屈な毎日を繰り返すガイ(ライアン・レイノルズ)。
ある日、彼は新しい自分に生まれ変わるため、ゲーム内のプログラムや設定を完全に無視して自分勝手に立ち上がる―。
ありえないほど“いい人”すぎるヒーローとして。
ゲーム史上最大の危機が迫る中、はたしてガイに世界は救えるのか…!?(HPより抜粋)
監督
本作を手掛けるのは、ショーン・レヴィ。
夜になると展示物が動き出す博物館を舞台に、夜間警備員として働くダメ父の活躍を描いた「ナイト・ミュージアム」シリーズや、仕事の都合で12人の子供の面倒を見ることになったお父さんの奮闘ぶりを描いた「12人のパパ」、ロボット格闘技を通じて親子の絆を深めていく元ボクサーの物語「リアル・スティール」など、父親を主人公に描いた作品を、コミカルかつハートフルに描くお方。
これらの作品も大好きですが、やはり僕は「ストレンジャー・シングス」が大好き。
80年代アメリカの田舎町を舞台に、主人公の友達の行方不明を皮切りに、超自然現象や超能力を操る少女の出現など、不可解な現象に立ち向かう住人たちの物語で、Netflixオリジナルドラマなんですね。
シーズン3まで配信されていて、ドラマを追うのが苦手な僕も夢中になるほど面白い作品です。
製作の先頭にいるのはダファー兄弟ですが、レヴィ監督も製作総指揮と、いくつかのエピソードで監督をしています。
今回は喋りで笑いを取るレイノルズと組んだことで、昔のコメディを作るかのような感覚で制作されたんでしょうか。
非常に楽しみです。
キャラクター紹介
- ガイ(ライアン・レイノルズ)
“いい人”すぎる主人公
並外れたことを達成したこともなければ、やろうとしたことすらない平凡な銀行の窓口係。社交的だが、ちょっと世間知らず。
モロトフ・ガールと出会い、実は自分が「フリー・シティ」というオンライン・ゲームのモブキャラで、このゲームの中だけにしか存在しないことを知る。
ゲームの世界が危機に陥った時、ゲームを救おうと奮闘する。
- ミリー/モロトフ・ガール(ジョディ・カマー)
ガイの運命を変える女性
美しく、頭脳明晰で、どこか打ち解けないところのあるゲームのデザイナー兼プログラマー。ガイと出会い、彼の運命を変えるきっかけとなる。ゲーム<フリー・シティ>での彼女のアバターは、モロトフ・ガールという名のミステリアスでイカした女性。
ミリーはこのゲームの背後にあるゲーム会社・スナミを毛嫌いしており、彼女が作ったゲームを盗んだと思っている。
- キーズ(ジョー・キリー)
ミリーに想いを寄せる<フリー・シティ>のプログラマー
控え目だけどハンサムで才能あるコンピュータのエキスパート。ゲーム会社・スナミで働き、「フリー・シティ」のプログラミングを担当している。
ミリーと親しく、共に制作したゲームはスナミによって買い取られた後、葬られてしまった。
彼のミリーに寄せる想いは、彼女が気づいている以上にずっと深い。
- バディ(リル・レル・ハウリー)
ガイの親友
ゲーム「フリー・シティ」の忙しい銀行の守衛でガイの親友。ガイと同じく<フリー・シティ>のモブキャラだが、彼は今の居心地の良い場所からフラフラと離れすぎてしまうことを好まない。
- マウサー(ウトカルシュ・アンブドゥカル)
アントワンに忠実な<フリー・シティ>のプログラマー
面白いが、ぶっきらぼうなスナミの社員で<フリー・シティ>のプログラマー。ゲーム内での彼のアバターは、筋肉粒々で強そうだが、ピンクのウサギの着ぐるみを着ている。
このゲームのクリエイターであるアントワンに対する猛烈なまでの忠誠心を持っていて、その献身度を証明するために、どんなことでも喜んで引き受ける。
- アントワン(タイカ・ワイティティ)
<フリー・シティ>の仕掛け人
スナミに経済的な大利益をもたらせているゲーム<フリー・シティ>の仕掛け人。大声で、がさつ、不快、口汚いナルシスト。
近日リリースされる予定の<フリー・シティ2>の準備を進めている。
(以上HPより)
全然ゲームやってないんだけど、俺ついていけるかな…w
ここから鑑賞後の感想です!!
感想
映画『フリー・ガイ』観賞。
— モンキー🐵@「モンキー的映画のススメ」の人 (@monkey1119) 2021年8月13日
いやぁ〜レイノルズにやられた。
泣かされた。
サプライズゲストも遊び心たっぷりのコラボも彼だから実現できた映画だった。
#フリーガイ最高かよ pic.twitter.com/7X25PTdYvb
良い1日でなく、素晴らしい1日を!
「ただの人」である必要なんてないんだ!
そんでもってなんて素敵なラブレターなんだ!!
以下、ネタバレします。
レイノルズに感動させらるなんて…(泣)
ただのNPCだった男が、ゲームの世界で成長しながら主人公になっていく姿を、ゲームファンなら盛り上がれる要素はもちろんのこと、自分がいる世界が例え作られた世界だろうと現実世界だろうと、その瞬間こそがリアルなのだというメッセージ性、そして自分を変えてくれた存在がいるから今の自分が在るという超素敵なラブレターが、物語の面白さを加速させ、さらにはレイノルズだからこそできる遊びごろ子溢れたコラボにキャスティングと、ものすごく言意味で期待を裏切ってくれた良作でございました!!
正直言うとライアン・レイノルズ主演作品て、僕の中では一定の面白さはあるけれど、一線を越えるような面白さを感じることが無かったんですね。
だから本作の期待値ってのも高いものではなかったんです。
実際本作で描かれる「フリー・シティ」というゲームが一体どんなゲームなのか把握するのに時間がかかったし、ゲームの中で何をするのかよく理解できなくて、前半は苦戦してたんです。
また、モブキャラである主人公ガイが勝手に行動し始めるって設定の時点で、要するにただのバグ程度のオチとしか予想しておらず、前半で抱いた感覚のままだとこれは駄作になってしまうんじゃないか?なんてのも危惧してたんです。
しかししかし中盤からアントワンというスナミのCEO(これコナミのパクリか?)が登場して以降、ガイに関することやミリーやキーズを物語の中心に運ばせてくる現実世界でのドラマ性、キーズがAIに込めた想いなどが徐々に紐解かれていくと、どんどん面白さが加速。
サプライズゲストが放つ笑いの爆発力や、FOXがディズニー傘下に入ったことで出来た画期的なコラボといった細かい遊び心はもちろんのこと、これまでプレイヤーだった側が背景であるモブキャラに配慮し始めていく過程や、モブキャラ自身が自我に目覚め「背景である必要でなくていいんだ!」、「いつもと違うことをしてもいいんだ」と高揚し始めてからの敵とのバトル、そして美しいエンディング。
「トゥルーマンショー」を彷彿とさせるし、「シュガー・ラッシュ」とか、近年で言えばゲームの世界を救う物語「レディ・プレイヤー1」にも通じる世界観だったのではないでしょうか。
何よりキーズだよ!
お前ズルいわ~w
ずっと言えずにいた想いをコードに変換させて伝えるなんてずっちぃ~なぁ~もう!
彼を演じるジョー・キリーという俳優さん、「ストレンジャー・シングス」にも出てる方で、スティーブという役で登場するんですが、最初はいけ好かない奴だったんだけどシーズンを重ねるごとに良い奴に変化していくキャラで。
ストレンジャーシングスの中でもベスト3に入るほど好きなキャラだけに、早くブレイクしてほしい俳優さんの一人だったんですが、今回彼に完全に持っていかれましたw
とある事情でミリーが敵対視しているスナミで働いてるから、こいつがどう「良い者」に変化していくのかなぁと思ったら片思いかよ!
しかも自分が作ったAIにミリーの好きなモノや思い出を詰めておいて、ガイがミリーのアバター見つけたら覚醒するって仕掛け!
一応ゲームの世界って時点で今の映画だなぁなんて思うかもしれないけど、男が女に想いを寄せて、全然思いを伝えられなくてガジェット使って思いを伝えて恋が成就するってすごく90年代ラブコメ感あるっつうか。
また本作最大の魅力は、ガイがサングラスをかけて今住んでいる世界がそれまで見ていた世界とは違うことに気付き、これまでの自分とおさらばして変化をもたらそうとする心意気。
もちろん最初は好きな人ができたからって理由だけど、誰だって恋したら普段の世界が変わるっしょ。
しかも「銀行強盗からお年寄りを助けるなどの様々なミッションでレベルを上げていく」なんでもありのゲームの中で、プレイヤーとは違う選択肢を取りながらレベルを上げていくこと。
そして意中の女性に認めてもらうことで自分を高めていくわけですよ。
このガイのパートから、今度は現実世界でミリーとキーズの物語へ徐々にシフトしていくわけです。
自分たちが開発した「キャラが成長していく」AI機能をアントワンに奪われたことで、ミリーは「フリー・シティ」に隠されたであろう場所を見つけるべく単独捜査を行っていき、諦めモードだった共同開発車でスナミ社員のキーズは、ブルーシャツガイとして認知されていったガイを調べてくことで、ガイが自分たちが作った機能であることを発見。
それを阻止するためにアントワンは様々な邪魔をし始めることで、ゲームの世界もミリー達の現実世界も救おうという、二つあった線が一本に繋がっていく巧い脚本。
「ゲームの世界は何でもできるが、現実世界ではメシがウマい」というセリフでときめかせてくれた「レディ・プレイヤー1」も大好きですが、「ゲームだろうが現実世界だろうが、この瞬間はリアルだ」という本作のセリフも大好きで、正にゲームと現実という世界が一つに繋がる流れもこのセリフに集約されていくようなエンディングのように感じました。
実際ゲームの中で起こっている出来事は現実世界にいる人間の手でくわえられたことですし、搾取されてしまった人生や物語を奪い返すために奔走する映画でもあって、それもこみでリアルだよなぁと。
さらには本作を見ることで、これまでルーティーンのように生活していた自分がガイと重なっていくことで、見終わった後の景色が本作を見る前と観た後で変わったのではないかと錯覚を起こしてしまうほどの魔力が備わっていたと思うんですよ。
俺らのいる世界は、こうしたちょっとした興味とか心の変化でめちゃんこ良くなっていく世界なんだよねっていうか。
いや現実は厳しいですよ確かに。
ただ厳しいか楽しいかは俺ら次第っつうか。
すいません勢いで書いてますw
「デッドプール」であんなにバカバカしい事やってるレイノルズに、まんまとやられた1作でした。
小ネタが笑える!!
やはりゲームの世界のお話ってことで、ゲーム関連の小ネタが多々あったと思うんですが、もうゲームなんてプレステ2とDSで止まってる人間なんで、ここ最近のゲーム事情全然分かりませんw
フォートナイトみたいなゲームってことなんですかね「フリー・シティ」って。
劇中での「フリー・シティ」はどちらかというと、銀行強盗とかコンビニ強盗とかやってレベル上げして、いい武器とか所持金増やして遊ぶゲームのようでした。
ガイが途中で「ロックバスター」選んで攻撃してましたけど、あれはロックマンのロックバスターであってますよね?
またゲームプレイヤーはサングラスをしていて、ガイはひょんなことからこのサングラスを手に入れかけることで、これまでとは違う世界であることを知るんですけど、これって「ゼイリブ」の設定からヒントを得たのでしょうか。
実際「ゼイリブ」でもサングラスをかけると周りにいる人たちが宇宙人であることを知るって話で、非常に似てるなぁと。無理矢理かな?w
また本作の配給元である20世紀FOXは、ディズニーと合併したので厳密にはこれディズニーが配給してることになるのかな?
合併した当時は嫌だなぁなんて思ってたんですが、本作は合併したことをいいことに使ってるというサプライズがありましたね。
まずはマーベル作品ですよね。
最後に登場したキャラ「デュード」。
顔がレイノルズそのものだけど超マッチョなキャラで、ガイは彼と戦うことになるんですが、サングラスが取れてしまったせいで、ほぼ裸一貫での戦いに。
何とかサングラスをかけて反撃を仕掛けるガイが選んだ武器が、まさかのキャプテンアメリカの盾!
ここでアベンジャーズの劇伴が流れてテンションMAXと爆笑してしまった人も多かったんじゃないでしょうか。
さらには左腕が緑色に変化。
何とハルクの腕になったではありませんか。
マッチョにはマッチョって子ことでフルスイングでスマッシュするシーンも最高でした。
この後ムジョルニアでも出すのか!?と期待が膨らみましたが、まさかのライトセーバー!
ディズニーですからスタ―ウォーズのネタを使っても問題ナッシングですもんね!
途中で「パダワン」なんてセリフもありましたから、ここぞって時に出てきてもおかしくない伏線だったんですね。
こういう遊びはレイノルズならではでした。
他にもサプライズゲストが登場。
とあるプレイヤーが隠し持っている映像を奪いに、ミリー扮するモロトフガールがプレイヤーの隠れ家に潜入するんです。
結果ミリーは映像をゲットできなかったんですが、ミリーに会いたい一心でレベルアップしたガイが相棒を連れて再び潜入。
ここで隠れ家の主が登場するんですが、なんとチャニング・テイタムではありませんか。
冒頭のフリー・シティの説明シーンでもこのプレイヤーが登場するんですが、この時も一瞬「チャニング・テイタムに似てるなぁ」と思ってたんですが、まさか本人だったとはw
彼って「21ジャンプストリート」や「ディス・イズ・ジ・エンド」でも大爆笑をかっさらえるほどのコメディアンとしてのポテンシャルがあって、本作でも炸裂してましたねw
スネークダンスをやったかと思えば、ただのアバターなんで実際プレイしている男の部屋で母親が掃除機かけ始めた途端「ママ!掃除機かけないでよ!」と急に発狂する激変ぶり、レイノルズに負けじとしゃべくり倒すのなんか笑いが止まりませんでしたw(あ、プレイヤーの部屋の壁にデッドプールのポスターがありましたね)
他にもキャプテンアメリカの盾が登場した瞬間「僕の盾?」とクリス・エヴァンスが登場。
彼もフリー・シティを楽しんでいるプレイヤーだったんですねw
あと全然気づかなかったんですが、ヒュー・ジャックマンが出演してたようです。
モロトフガールに隠れ家の地図を渡したマスク男が彼とのこと。
また、銀行強盗役としてドウェイン・ジョンソンが(ガイに銃を奪われちゃう人ね)。
あとはジョン・クラシンスキーも出てたそう。
このようにサプライズゲストやマーベルやスタ―ウォーズの小ネタを入れられたのも、レイノルズだからできた芸当だったのではないでしょうか。
最後に
ゲームの世界観や説明をするのに多少の理解力が必要だとは思いましたが、中盤からはどんどん面白くなっていき、エンディングで最高!と叫びたくなる映画でした。
もうほんとね、これ見ると「お前を中心に世界は回ってないけれど、お前は世界の中心なんだぜ」って言われてる気がして、モブキャラだと思ってた自分が実は主人公になれる存在なんだって背中を押してくれる映画でしたね。
予告編で使われていたザ・フーの「Who Are You」が本編でも流れてくれたら爆上がりだったんですけど、なかったとしても最高に楽しめる映画でした。
というわけで以上!あざっしたっ!!
満足度☆☆☆☆☆☆☆☆★★8/10